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【定義】

詳しくは『曹洞宗行持基準』。時代の進展に即応する行持を勤めるべく編集された文献で、1966年(昭和41)5月1日刊行。内容は、『行持軌範』に準拠しつつも、梅花流詠讃歌による法要儀式と、伝統的な法要儀式の平易化、時代の要請に呼応した独創的行持の構築を主とし、「第二行持軌範」「第三行持軌範」の確立を目的に編集された。

【内容】

『曹洞宗行持軌範』は、昭和25年の『昭和改訂』本の際に、多くの在家信者向けの差定を加えた。まさに、家庭仏法を目指した編集であり、この時の専任編集委員・小松原国乗師は「行持軌範の新編集に就て―民主化と簡素化」(『曹洞宗報?』第148号、1947年6月)に於いて、「時代の要請に従ひ簡易化せる第二式作法や仏前結婚式を制定した」されている。

ところがこの方針は、次の大改訂であった1966年(昭和41)に於いて変更された。その経緯について、昭和40年当時の金剛秀一総長は、昭和40年の第20回通常宗議会の施政方針演説に於いて、「現行行持軌範の改定、仮称第二行持軌範、すなわち略行持軌範、仮称第三行持軌範、すなわち詠道梅花講を組入れた儀式本等も、新年度刊行を予定しており」と発言している。よってここから、『行持軌範』は従前通り、僧堂安居や各地の寺院法要を中心とし、改めてそれ以外の法要を編入した『曹洞宗行持基準』が編まれたのである。

その際、先に挙げた「第二行持軌範」「第三行持軌範」の順番が代わり、『行持基準』では、第一部を「梅花流詠讃歌による法要儀式」とし、第二部を「新しい法要儀式」とした。

また、同著の「序」にもある通り、「軌範として強制されるものではなく」とされ、「音楽法要等を採り入れることによって、時代の要請にこたえようとする、ひとつの試み」とあるため、熱心に頒布され、版を重ねたことも知られている同著だが、いわゆる「軌範」ではなく、あくまでも「基準」であった。

【収録された差定】

・序
・凡例
・第一部 梅花流詠讃歌による法要儀式
  第一編 恒例行持
   第一 本尊上供
   第二 祝祷諷経
   第三 修正会
   第四 大般若会
   第五 両祖降誕会
   第六 涅槃会
   第七 仏誕会第一形式
   第八 仏誕会第二形式
   第九 施餓鬼会
   第十 両祖忌
   第十一 達磨忌
   第十二 成道会前夜祭(悟の夕)
   第十三 成道会
   第十四 断臂報恩会第一形式
   第十五 断臂報恩会第二形式
   第十六 仏祖諷経
   第十七 開山忌
 第二編 臨時行持
  第一章 授戒会作法
   第一 授戒会作法
   「附」因脈授与作法
  第二章 喪儀法
   第一 尊宿喪儀法
   第二 亡僧喪儀法
   第三 檀信徒喪儀法
  第三章 得度式並びに入信式作法
   第一 寺族得度式作法
   第二 檀信徒入信式作法
  第四章 檀信法要作法
   第一 檀信徒法要作法 新様式
   第二 檀信徒勤行法
    その一 朝のお勤め
    その二 夕のお勤め
    その三 御先祖へのお勤め
   第三 戦死者英霊追悼法
   第四 檀信徒食作法
  第五章 諸法要作法
   第一 像塔開眼供養法
   第二 入仏式法
   第三 地鎮式法
   第四 梵鐘供養法
   第五 万塔供養法
 第三編 梅花講行持
   第一 梅花講月例会
   第二 梅花講講習会 朝課諷経
   第三 梅花講講習会 開講式
   第四 梅花講講習会 閉講式
・第二部 新しい法要儀式
   第一 入信式(帰敬式)
   第二 月例信仰集会
   第三 “禅の集い”開会式・閉会式
   第四 食作法
   第五 “自覚の集い”の軌式
   第六 修正会
   第七 成人式
   第八 仏前結婚式
   第九 二祖三仏忌
   第十 出家得度式略作法
   第十一 追悼会
   第十二 檀信徒先亡供養
   第十三 檀信徒勤行法
   「附」
    懺悔文―聞法の偈―醒覚の偈
    洋楽邦楽レコード目録
    仏教聖歌目録

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