曹洞禅・仏教に関するwikiです。人名・書名・寺院名・思想・行持等々について管理人が研究した結果を簡潔に示しています。曹洞禅・仏教に関する情報をお求めの方は、まず当wikiからどうぞ。

【定義】

江戸期の曹洞宗が輩出した瞎道本光による『正法眼蔵』の註釈書。詳しくは『正法眼蔵却退一字参』という。同著は、漢字仮名交じり文である『正法眼蔵』を漢文に改め、巻題に参(一転語)を付し、そして諸本を対校して註解を付すなどした。

【内容】

瞎道は、指月慧印に随従して研鑽を積み、その後は各地で多くの提唱及び、著述活道を行い、また指月の著作を開版することも多かった。瞎道は23歳の時に初めて『弁道話』を読み、以後39年間『正法眼蔵』の参究に勤めた。その参究の結晶が『参註』であり、またこの註釈書を書いた動機には、師の指月の勧めもあってのことであった。

瞎道は、60歳にいたり自らの病弱を自覚し、先の短いことを嘆き、『参註』を著そうとし、驚くべきことに全96巻に対する註釈は、明和6年(1769)12月8日から、翌年の師の忌日である明和7年(1770)12月5日までの一年弱という短期間で行われた。

なお、瞎道の註釈態度は、『御抄』にも似通った、極めて達意的な註釈であり、あまり初心者には向いていないが、上級者には資するところが多いとされている。なお、『参註』を受けて雑華蔵海が『正法眼蔵私記』を著しているが、初心者はそちらから入るのも良いという。

また、『参註』には、極めて難解な本文に対して、瞎道自身が「回文」という文体解析及び解釈を行っているため、古来から、難解文の註解は『参註』に依るべきという見解がある。

【テキスト】

・『永平正法眼蔵蒐書大成』(第18巻)

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます