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【定義】

小さく切った用紙に要件を書き付けたもの。特に中世の頃、日本曹洞宗では、宗旨に関する様々な奥義や、法式に関わる奥義などが口伝される際、その内容を書き付け師資間で受け嗣がれた。

【内容】

中世以降、天台宗や真言宗といった仏教宗派、或いは歌道や神道、修験道や文学など様々な日本文化の世界で、その流派の奥義や極意を伝授するとき、切り紙に書き付けて伝える習慣が起こった。宗門の場合には、伝法に於ける儀礼や作法宗旨等を始め在家信者の葬送儀礼や供養など多くの分野にわたって、この切紙が用いられている。一枚の紙に書き付けて印可証明の目的を持って、師資間に受け嗣がれた物である。臨済宗でも、幻住派がこのような切紙による伝授を行っている。

なお、一部の切紙には差別を助長するような内容が混入したまま、それを無批判に反映した葬儀法なども確認されており、現在ではそれらの差別を助長する切紙については取り扱いに注意しなくてはならない。なお、江戸期の曹洞宗が輩出した学僧である面山瑞方師はこのような切紙を「断紙」と呼び、それに見られる様々な宗旨を批判して、ほぼ全てを不要なものとしている(『洞上室内断紙揀非私記』を参照)。

ただし、切紙全般を見てみれば、学的系統として面山和尚は切紙を不用の物としているようだが、卍山系は参究すべき物とされており、現代にあっても、表には出ないが、各室中にて、切紙参究の態度はずいぶん異なっている。

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