物理学と数学 (江沢洋選集IV)

第1部　数学的センスと物理的センス

1. 論理と仮説と近似のセンス

2. 周転円はフーリエ級数である

3. 数学や物理がわかるとは？

4. わかるとは, わからなくなることだ
　わかった, いや, わからない
　Aはわかった, Bはわかった. では, A×Bは？
　理論をつくったときの心理と筋書き

5. プロペラの理論に始まる：大学生の集り「都内数学科学生集会」によるインタヴュー

6. 物理からみた数学　山内恭彦・小平邦彦・高橋秀俊・江沢洋
　数学的な現象
　豊富だった時代
　物理の無限　数学の無限
　理想化としての連続
　量子力学の基礎にある問題
　解けないのは重要でないからだ
　教育
　真実は証明の裏にある
　場の量子論
　観測論の分析

第2部　微積分の発想

7. 空気の抵抗と微分方程式：高校生に微積分の思想を
7.1 運動方程式をたてる
7.2 勾配を滑る
7.3 大粒ザアザア, 小粒シトシト
7.4 微分方程式を解く
7.5 指数関数の値
7.6 落体の時刻-速度の関係
7.7 指数関数
7.8 時刻-位置の関係
7.9 微分方程式から関数の特質を

8. 微分方程式の発想―高校生に微積分の思想を
8.1 微分方程式をたてる
8.2 単振動の問題
8.3 高校物理の答
8.4 運動方程式の図式解法
8.5 運動方程式を解く
8.6 エネルギー積分の利用など

9. オイラー：中継走者
9.1 はじめに
9.2 極小化問題から
9.3 惑星の運動, 順問題と逆問題
9.4 力学の解析化

10. 変分法とオイラー
10.1 極小問題
10.2 オイラー登場
10.3 ラグランジュの方法
10.4 解析力学

11. 力学における変分法
11.1 ハミルトンの原理
11.2 座標系は自由に選べる
11.3 Lに含まれない座標がある場合
11.4 ネーターの定理
11.5 最小作用の原理

第3部　確率過程

12. 確率過程とは何か
12.1 サイコロを投げる
12.2 ブラウン運動
12.3 確率微分方程式

13. 確率微分方程式の物理
13.1 原形からはじめて
13.2 物理学を見渡すと
13.3 ホワイト・ノイズ
13.4 確率微分方程式の効用
13.5 揺らぐ磁場の中のスピン
13.6 最確軌道

14. 物理学による免疫系のモデル化

第4部　量子力学と数学の交流

15. 固有値問題は奥が深い

16. 無限遠に達するか否かが問題

17. 物理的直観と数学―電子が無数にある系の量子力学
17.1 電子1個の場合
17.2 かたい壁をもつ箱のなかでの運動
17.3 パウリの原理
17.4 電子が無数にある系
17.5 トーマス-フェルミの模型
17.6 数学的証明

18. 量子力学の数学
18.1 概要
18.2 定義域を与えなければならない
18.3 自己共役性
18.4 別のアプローチ
18.5 水素原子
18.6 ヘリウム原子
18.7 問題は尽きない

19. 場の理論とは, どんなものか
19.1 なぜ'場'なのか
19.2 電磁場の古典論, 局所相互作用
19.3 波動の伝播
19.4 場のエネルギー
19.5 ローレンツ共変性
19.6 自己エネルギーの発散
19.7 第2量子化

20. 非相対論的くりこみ理論
20.1 歴史的なこと
20.2 輻射場の量子化
20.3 水素原子のエネルギー準位のズレ
20.4 くりこみ理論
20.5 ラムのズレの物理像
20.6 ラムとレザーフォードの実験
20.7 真空偏極

21. 無限自由度のはなし
21.1 自由度とは
21.2 素粒子世界における自由度
21.3 場の自由度は無限大
21.4 数珠玉の系の量子力学
21.5 場の量子化
21.6 ヒルベルト空間のテンソル積
21.8 無限空間のテンソル積

22. 自由度無限大の系の量子力学
22.1 なにが問題なのか
22.2 フォン・ノイマンの一意性定理
22.3 場の理論への拡張
22.4 フォックの表現など
22.5 GNS構成法

23. 場の数理科学の始まり

24. 有限温度の場の理論
24.1 フォック空間による運動の記述
24.2 時間1次元, 空間0次元
24.3 松原形式
24.4 HHWの理論
24.5 熱場の理論
24.6 不可逆過程の統計力学

エッセイ：セミナー小風景　中村徹
第Ⅳ巻解説　（上条隆志）
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