歴史から見る物理学 (江沢洋選集V)

第1部　物理学はいかに発展してきたか

1. 20世紀までの物理学
1.1 力学的世界観
1.2 電磁場とエーテル
1.3 気体の分子運動論と熱力学
1.4 ローレンツの電子論

2. 物理学の革命とパラダイム転換
2.1 線スペクトル
2.2 原子力学
2.3 原子スペクトル
2.4 行列力学と波動力学
2.5 量子力学
2.6 パラダイムの転換

3. ファインマンと現代物理学
3.1 場は存在しない
3.2 経路積分
3.3 戦後の再建のために推薦
3.4 量子電磁力学
3.5 ダイソン, 松原, カッツ, ・・・

4. ゲノムの彼方に
4.1 ゲノムの世紀
4.2 物理からみる

第2部　日本の物理学

5. 日本史の中の科学
5.1 家永三郎の『日本史』
5.2 学科を越えた協力
5.3 仁科芳雄の場合
5.4 理研・仁科研究室

6. 物理学事始
6.1 日本の物理学の始まり
6.2 『プリンキピア』の翻訳は？
6.3 科学の普及活動

7. 理解の奥行き
7.1 私は本当にわかっているのか
7.2 論争の歴史
7.3 物理学をつくった人々
7.4 科学史と科学論者

8. 日本の科学者―草創期の人々を中心に　中山茂・江沢洋・牧野賢治・（司会）赤木昭夫
8.1 近代科学者の誕生
8.2 測定の科学―田中館愛橘の周辺
8.3 進化論は科学か
8.4 東洋人に物理はできるか
8.5 コッホ・パラダイムの中で
8.6 日本型の科学者
8.7 創造性をめぐって

9. 寺田寅彦の担っていたもの・担うもの
9.1 古典物理学から見た現代物理
9.2 転換期における選択
9.3 研究者のなかで
9.4 考えること, すなわち啓蒙

10. 光の圧力と漱石と寅彦
10.1 「改めて貰ふ」
10.2 三四郎が見たもの
10.3 観察先行から理論先行へ
10.4 光の圧力の歴史
10.5 何故そのとき？

11. 天からの手紙を読む

12. 相対性原理の実験方法

13. 石原純から現代へ―100年前からのメッセージ　西尾成子・江沢洋
13.1 日本の量子論の先駆者としての石原
13.2 石原と相対論
13.3 相対論の受容
13.4 現代につながる議論
13.5 石原を育てた長岡半太郎
13.6 交差しなかった不運
13.7 石原の基礎論へのまなざし
13.8 伝えることで物理を育てた石原
13.9 自由に思考した石原

14. 仁科芳雄がもたらしたもの
14.1 現代物理学の使徒
14.2 物理学を選ぶまで
14.3 ヨーロッパ留学
14.4 むすび

15. 仁科芳雄と日本の原子科学の曙
15.1 日本原子科学の曙
15.2 発見の年
15.3 中間子仮説への示唆
15.4 宇宙線の物理
15.5 サイクロトロンの建設
15.6 放射線生物学と超ウラン元素
15.7 前進, 前進
15.8 土台をつくった人

16. 湯川秀樹と朝永振一郎―独学で育った2人のノーベル賞学者
16.1 湯川と朝永―2つの個性
16.2 個性の源泉
16.3 高等学校時代の刺激
16.4 大学でも独学
16.5 むすび

17. 湯川・朝永と日本の基礎物理学
17.1 高校時代
17.2 大学・大学副手時代
17.3 研究者時代

18. 日本における素粒子論の系譜
18.1 源流
18.2 開拓前期
18.3 開拓後期
18.4 ノーベル賞

19. 素粒子論グループ

20. 量子物理学の戦後史―日本からの寄与
20.1 戦後の再出発
20.2 量子力学の基礎
20.3 素粒子論
20.4 物性物理

21. 数物学会の分離と二つの科学　彌永昌吉・伏見康治・今井功・岡部靖憲・小嶋泉・桑原邦郎・（司会）江沢洋
21.1 親密な関係
21.2 数物学会の常会
21.3 数学の側から見ると
21.4 物理数学の伝統
21.5 戦争中のこと
21.6 2学会に分離
21.7 平和な文化国家
21.8 物理学会の定款
21.9 清水武雄先生のこと
21.10 数学と物理学

22. 日本物理学会の創立50周年に際して
22.1 戦後の再出発
22.2 当時の状況
22.4 外との交渉
22.5 物理学の再生
22.6 制度検討
22.7 国際交流
22.8 決議三

第3部　思い出すこと

23. 得がたい手ほどき

24. 朝永物理学との出会い
24.1 『量子力学(1)』
24.2 量子力学的世界像
24.3 知的昂揚の時代
24.4 真空の比熱
24.5 宿題を背負って
24.6 磁場でエネルギー準位が動く？
24.7 学問の階梯
24.8 核心をえぐりだす

25. 失われた物理的感受性

26. 番衆会のことなど

27. 『ゴム弾性』の頃

28. 『物理の歴史』が出た頃
28.1 1953年
28.2 『物理の歴史』
28.3 原子核・素粒子
28.4 物性
28.5 それから

エッセイ：江沢先生へのささやかなお返し　岡本拓司
1. 廣重徹シンポジウムでの経験
2. 歴史への関心
3. いくつかのお返し
4. それでも残るたくさんの「負債」

第Ⅴ巻解説　上條隆志

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失敗の研究