ミライコンパス(イベントコミュ)

概要
コミュ

概要

イベント「ミライコンパス」のイベントコミュ。

コミュ

ゲーム内予告1(望月聖)

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ゲーム内予告2(佐久間まゆ)

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オープニング「旅立ちの日によせて」

あらすじ	『エフェメラ』として活動を開始した聖たちはユニットの初舞台として歌番組に出場することに。共演者の中には、引退を発表したアイドルの名前が。アイドルを辞めることやPとの別離について想像もつかない5人は、新曲のテーマである「別れ」や「終わり」について、曲の表現のために考え始めた。

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		レッスンルーム
藍子		じゃあ次は聖ちゃん！よーい、スタート！
聖		いきます……！すう…… ……ぷふぅ～～～っ！
聖		はぁ、はぁ… どうですか……？
智絵里		うん、大丈夫！風船、ちゃんと膨らんでるよ。
聖		よかった……。でも……みなさんに比べると、まだまだ……？
藍子		そんなことないですよ。これはあくまでトレーニングですから。
芳乃		このたびの新曲は、ゆったりと穏やかな調子ゆえー。より伸びやかな音が求められるのでしょー。
まゆ		まゆたちの新曲『ミライコンパス』……。とっても繊細な感じの曲ですものね。
藍子		うん。聞くとちょっと切なくなっちゃう……。だからこそ、本番でも丁寧に届けたいよね。
聖		はい……。歌番組で初披露するのは……すこし、緊張しますけど……。私も……がんばります。
智絵里		そうだよね…… うん、がんばらないと……。
		数時間前
プロデューサー		みんなの新ユニット『エフェメラ』の初仕事についてだけど…… これが今回出演する番組の資料だ。まずは各自確認してほしい。
まゆ		新ユニットのお仕事、ありがとうございます♪ この番組、まゆも知ってますよぉ。クラスの子たちの間でも人気みたいですね。
芳乃		歌番組に、出させていただけるのですねー。この季節に、ふさわしい出演者の方々……ふむー？
智絵里		……あれ？あの、プロデューサーさん。共演者の中にいる、このアイドルの人、もしかして……。
プロデューサー		ああ、その人か……。そうだね、彼女はつい先日、引退を発表している。彼女にとっては、今回のLIVEは最後の出演になるはずだ。
聖		引退……。お仕事、辞めちゃうんですか……？歌える場所があるのに……。
プロデューサー		アイドル以外に目指したいものが見つかったから、というのが理由らしい。悪い理由ではないよ。だから、彼女になにか配慮する必要はない。
プロデューサー		みんなはいつもと変わらず、歌を届けてくれればいい。素敵な番組にすることが、きっとなによりだろう。
芳乃		ええー。この5人での初仕事ですからー。楽しみつつ、よき働きをしたいものですー。
智絵里		……そうですね。素敵なお仕事にしたいですっ。いつもと、かわらず……。
智絵里		……。
聖		智絵里さん……？どうかしたんですか……？
智絵里		……あっ！ごめんね、聖ちゃん。ちょっと考え事しちゃって。その……
智絵里		アイドルを辞めるって、どういう気持ちなんだろう。
藍子		共演するアイドルさんのことですよね。前向きな理由だって、言ってましたけど…… たしかに、どういう気持ちなんでしょう……。
まゆ		想像もつきませんね……。まゆはずぅっとアイドルですから。プロデューサーさんがプロデュースしてくれる限り。
智絵里		さすが、まゆさん……。そうですよね、プロデューサーさんがいてくれたら……。でも……。
芳乃		でもー？もし、プロデューサーがいなくなってしまったら…… でしょうかー？
智絵里		そう…… プロデューサーさんが辞めちゃったら、なんてこともあるのかなぁって……。
まゆ		……………？プロデューサーさんが、辞める……？
まゆ		そんなはずない…… そんなこと、絶対にありません。でも、でももし……もし、プロデューサーさんが……。
聖		えっと、まゆさん……？
まゆ		プロデューサーさんが辞めたら……？そんなの、考えたこともなかった……。もしそうなったら、まゆは……。
藍子		ほ、ほら！これはあくまでたとえ話だから！そんなに深刻にならないで？も、戻ってきて～っ！
芳乃		ふむー。かくなるうえはー……。
智絵里		ぷ、プロデューサーさんっ……！あの、聞かせてくださいっ。
まゆ		プロデューサーさんは、プロデューサーというお仕事を辞めたりしませんよね……？ねっ……？
プロデューサー		え、えっと……？
藍子		ふたりとも、プロデューサーさんが困っちゃってますよ。実は……。
プロデューサー		なるほど、それでみんながここに来たのか……。
聖		はい……。プロデューサーさんが、お仕事を辞めてしまうんじゃないかって……。
プロデューサー		いやぁ……。そもそも、辞めるなんて考えたことなかったな……。
藍子		ね、ふたりとも。大丈夫だよって言ったでしょう？
まゆ		はい……。まゆ、ちょっとだけ取り乱しちゃいました……。
智絵里		プロデューサーさん、急に押しかけてごめんなさいっ。
プロデューサー		気にしないで。少しびっくりはしたけど、今回は曲が曲だからね。そういう想像をしてしまったのかな。
芳乃		きっと、気持ちが引きずられてしまったのでしょうー。別れの切なさにー。
プロデューサー		……それなら、これもちょうどいい機会かもしれないね。今回のお仕事の間、この曲のテーマについて、少し考えてみない？
プロデューサー		「別れ」や「終わり」について。
藍子		「別れ」や「終わり」……ですか？それはいいですけど……どうして？
プロデューサー		世間も卒業シーズンだし、番組のこともある。旅立ちの曲を歌う上で、別離について深く考えてみるのは大事なことだと思うんだ。
プロデューサー		テーマがテーマだし、明確な答えを示す必要はない。卒業にこだわらなくてもいい。ただ、このテーマについて、みんななりに考えてみてほしいんだ。
芳乃		なるほどー。人生の節目には、己に問うこともまた必要でしょうー。有意義なことかとー。
智絵里		私も、考えてみますっ。ちょっと難しそうですけど……。
プロデューサー		確かに、簡単に答えの出るテーマではないと思う。それでも、考えるだけで表現に深みが出るはずだから…… 試しに考えてみてほしいな。
聖		別れと、終わり……。

第1話「同じ明日は来ないから」

あらすじ	「別れ」について思案する藍子は、芳乃とともに買い物の帰路についていた。寄り道をする最中、何気ない瞬間をカメラに収めていく藍子は、芳乃の言葉で自分にとっての「別れ」を想起する。翌日、最初のユニット活動として写真を撮る5人だったが、まゆの様子が少しおかしいようで…。

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藍子		別れを考えてみる、かぁ……。なんだかすごく大きな話になってきましたね。
芳乃		そうですねー。ですが、案ずる必要はありませんよー。わたくしたちは、ひとりではありませぬゆえー。
藍子		ふふ。私たち、ユニットですもんね。プロデューサーさんも「焦らないでいい」って言ってたし、ゆっくり考えようかなぁ。
藍子		芳乃ちゃんの買い物も、もうこれで大丈夫ですか？もうちょっとゆっくり考えます？
芳乃		いえいえー。気になっていたものは、すべて買うことができましてー。ですが、藍子さんは、よかったのですかー？
藍子		うん。気にしないで。元々、今日は少しお散歩してから帰ろうと思ってたんです。もうすぐ春だし、いろいろ撮りたいなーって。
芳乃		なるほどー。それは素敵なことですねー。春はもう、すぐ近くにいるものでしてー。
藍子		よかったら芳乃ちゃんも一緒にいきますか？ふたりなら、もっと素敵な景色に出会えるかも。
芳乃		ふふふー。よいのですかー？ではぜひー。
藍子		ふぅ……風も気持ち良くて、いいお天気！ ……あっ、かわいいお花♪
芳乃		ぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃ…… おやー、写真が何枚も撮れてしまいましてー。ぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃ……。
藍子		あっ、それは多分、連写しちゃったんですね。軽く押せば……ほら、一枚だけ撮れます♪ パシャ♪
芳乃		ほほー。すまほのかめらにも、さまざまな機能があるのですねー。それでは……ぱしゃりー。
藍子		わぁ……！芳乃ちゃんが撮った写真、素敵ですね♪ この猫さん、ばっちりカメラ目線！
芳乃		藍子さんの写真は、どれも穏やかな景色ばかりでしてー。やはり、美しきものは日々の中にあるのですねー。
藍子		ふふっ、確かにそうかもしれませんね。私も、こういう何気ない瞬間が昔から好きなんです。
藍子		小さい頃は……それこそ、遠足で公園に行ってもクラスのみんなが遊んでる横でのんびりお花を見てる子だったんですよ。
芳乃		ふふー。幼き藍子さんの愛らしい姿が、目に浮かんでくるようでしてー。
藍子		それで、先生に「帰るよー」って言われると、名残惜しい気持ちになっちゃって。いつも、もっと見てたいなーって思ってました。
芳乃		ふむー。それも、ひとつの別れなのかもしれませんねー。
藍子		ああ……たしかに、そうかもしれませんね。私にとっての、「別れ」はそこにあったのかも……。
藍子		……私は別れとか、未来のことはよくわからないけど。私の好きだなぁって思うものはいつだって…… 今、目の前の、何気ない瞬間にあって。
藍子		それを大事にとっておきたいから…… 写真を撮るのかもしれません。時間はいつも、あっという間に過ぎちゃいますからね。
芳乃		ぱしゃりー。
藍子		えっ……？芳乃ちゃん？
芳乃		わたくしも、藍子さんのように素敵だと思った瞬間を、残したいと思ったのでしてー。ふふふー。
藍子		素敵な瞬間……？あっ……ふふっ♪ ありがとうございます、芳乃ちゃん。
藍子		……それじゃあ、そろそろ帰りましょうか。明日もレッスン頑張りましょうね。
		翌日
智絵里		わぁ……！飲み物に、お菓子に……。芳乃ちゃん、こんなに買ってきてくれたの？
聖		おせんべいから駄菓子に洋菓子に、飲み物まで……。あれ？これは……自分でつくるグミでしょうか……？
芳乃		少し足を延ばしたところ、面白そうなものが置いてありましてー。つい、あれもこれもとー。
まゆ		言われてみれば、変わり種もいくつかありますね。ちょっと面白そうです♪
藍子		昨日の買い物は、このためだったんですね。みんなのためなんて、芳乃ちゃんらしいです。
芳乃		ふふふー。ゆにっとの仲を深めるにはまずは楽しいおしゃべりから、ですからねー。
智絵里		レッスンまでちょうど少し時間もあるし、みんなでグミを作ってみよっか。ね、聖ちゃん。
聖		楽しそうですね……。でも私……こういうの作るの、慣れてないんです。いいでしょうか……？
芳乃		大丈夫ですよー。力を合わせて作るのも、ゆにっととしてきっといい経験になりましょー。
藍子		あ、そうだ！なら、写真を撮ってもいいですか？私たちの、最初のユニット活動として。
智絵里		もちろんっ。じゃあもう少しみんなで寄ったほうがいいかな？まゆさんもこっちに……
まゆ		……。
聖		まゆさん？
まゆ		え……？あ、はい。グミですよね♪ 写真は多いほうがいいですからね。
智絵里		……？
智絵里		……そんな感じで、最近はみんなでおしゃべりをしたりして、ユニットの仲を深めてるんです。けど……。
プロデューサー		けど……？
智絵里		まゆさんがなんだか考え事をしているみたいで。 ……ちょっと心配なんです。私の気のせいかなとも思うんですけど……。
プロデューサー		まゆが……。わかった。こちらも気にしておくよ。教えてくれてありがとう。

第2話「もしもの未来」

あらすじ	まゆはもしもPがPでなくなったらと悩み、聖もまた、「別れ」について考えていた。聖はまゆや芳乃と話す中で、自分が答えを出すことに焦っていたと気づき、そして知る。「別れ」は寂しく悲しいだけのものじゃない。前に進むための「別れ」もあると。「別れ」にはさまざまな想いが交差するのだと。

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		事務所
プロデューサー		……もろもろの発注物の手配は済ませてるし、MV用の撮影準備も問題はない。あと今のうちに着手できることは……。
まゆ		あの、プロデューサーさん。少しいいですか……？
プロデューサー		もちろん。何か相談事？
まゆ		いえ、そういうわけじゃなくて……。その……。
まゆ		……プロデューサーさんは、今のお仕事について辞めるなんて考えたことなかったって、前に言ってましたよね。
まゆ		でも……でも、この先ずっと、 100%、絶対ない、とは言えない……ですよね？
プロデューサー		それは……。
プロデューサー		(気持ちとしては「ない」と答えたい……が、今のまゆが求めているのは、きっともっと現実的な話だ。なら……)
プロデューサー		……そうだね。もちろん、絶対ないという気持ちではあるけれど…… 世の中、何があるかわからないからね。
まゆ		……やっぱり、そうですよね。
まゆ		ありがとうございます、プロデューサーさん。誠実に答えてくれて、まゆ、とっても嬉しいです。では、失礼しますね。
まゆ		(まゆはプロデューサーさんのためにアイドルになりました。プロデューサーさんに会うために、モデルも辞めて……)
まゆ		(……もしプロデューサーさんがまゆのプロデューサーじゃなくなったら。まゆがアイドルでいる意味は……。でも……)
まゆ		うぅん……。ちょっと息抜きしようかな……。
聖		あっ……まゆさん、お疲れさまです。まゆさんが持ってるの、それ……毛糸ですか……？レッスンに使うとか……？
まゆ		ふふっ、そうですよぉ。何に使うか、興味ありますか？
聖		はい……？
まゆ		次は、糸を右手で引っ張って中指、薬指、小指にも潜らせて……
聖		右手で引っ張って、中指、薬指…… あ、小指……こう、ですか？
まゆ		うふっ、上手ですよぉ。これで二段目も完成です♪ ……ね？指編みって簡単でしょう？
聖		はい……！これなら、私にもできそうです……。ありがとうございます、まゆさん。
まゆ		もしわからないことがあったらいつでも聞いてくださいね。聖ちゃん。
聖		わからないこと……。あの……それって、編み物じゃなくてもいいですか？
まゆ		「別れ」について……ですか。わからないですよね……。
聖		はい……。改めて考えてみると、なんだかふわふわしてて…… お別れについてなんて、よくわからなくて……。
まゆ		その気持ち、わかりますよ。そもそもまだ、別れの経験なんて多くありませんし……。身近なもので想像してみるしかないですよねぇ。
聖		身近なもの……？
まゆ		たとえばそう……まゆなら。プロデューサーさんとのお別れがきたら、なんて考えちゃって……。
聖		廊下でぶつかったのを、助けてもらって……？それが……プロデューサーさんとの出会い……？
まゆ		はい♪ あのときは、まるで雷が落ちたみたいでした……。それからも、プロデューサーさんはいつも優しくて……。~
聖		わぁ……！なんだか私まで……どきどきしちゃいます……。
聖		でも……もし私がまゆさんだったらそんなふうに想える人と別れるのは…… やっぱり悲しいです……。
まゆ		そうですよね。まゆも、想像するだけで胸がきゅっとなっちゃって。
まゆ		(そう。別れが悲しくて、つらいのは当たり前……。でも……今は、それだけじゃないような……)
まゆ		……ええと。まゆの話が参考になったかはわかりませんけど。ユニットの他の子にも、聞いたら参考になるかもしれませんね。こういうときは、頼ってみていいんですよ
聖		……わかりました。今日は寮に泊まるので、他のみなさんにも聞いてみます。ありがとうございます、まゆさん。
まゆ		どういたしまして♪
まゆ		(……まゆも、誰かに聞いてみたほうがいいのかな？でも、この気持ちを……誰に？)
		女子寮

聖		ふぅ……。
芳乃		おやー。いかがなさいましてー？
聖		きゃっ……！ ……あ、芳乃さん。すみません、大きな声を出しちゃって……。
芳乃		おやー、驚かせてしまいましたねー。眠れないのですかー？
聖		はい……。新曲のことや、プロデューサーさんの言葉を考えてたら、少しだけ、気になってしまって……。
芳乃		なるほどー。では、よいものをお持ちしましょうー。
聖		はぁ……おいしい……。甘くて、あたたかくて……。
芳乃		ふふ、そうでしょうー。このほっとみるくは、みなさんには内緒ですよー。
聖		あの……芳乃さんは、「別れ」ってどういうものだと思いますか……？
芳乃		別れとは……避けられぬもの、でしょうかー。
聖		避けられないもの……。
芳乃		わたくしの故郷は、島の外へ出る者やばば様のように長生きな方も多かったのでー。自然と、こう考えるようになりましてー。
芳乃		現にわたくしも、故郷を離れここにいますゆえー。別れとは、生きている限り、繰り返すものかとー。~
聖		生きている限り……。なんだか……ちょっとだけ、寂しいですね……。
芳乃		そうですねー。確かに、別れのときは寂しくも感じますが…… わたくしは、それだけではないと感じますよー。
聖		え……どうしてですか？故郷を離れるのは、寂しいですよね……？
芳乃		旅立ちのときは、さまざまな想いが交差するものー。同様に、物事には複数の意味があるのでしてー。ゆえに、別れの悲しい面ばかりを見る必要はないのですー。
芳乃		前に進むためには、避けられぬ別れもありましょうー。
聖		…………。
芳乃		……ふふふー。少し、難しい話をしてしまいましたねー。
芳乃		もとより、この話は答えを出すことが重要ではなくー。聖さんは聖さんのペーすで、ゆっくりと考えるのがよいかとー。
聖		ゆっくり……そうですね。私、ちょっと焦っていたのかもしれません……。
聖		芳乃さんのおかげで、少しほっとできましたし…… 私なりに……ゆっくり考えてみます。今回の曲と向き合いながら……。
芳乃		おやすみなさい、聖さんー。
智絵里		えっと、芳乃ちゃん。聖ちゃんは、大丈夫そう……？
芳乃		おや、智絵里さんー？ふふー、見ていらしたのですかー。

第3話「変わりゆくもの」

あらすじ	智絵里は聖だけでなくまゆのことも気にかけていた。ユニットとして困った時には助け合いたいと願う智絵里は、4人をランチに誘った。未だに心ここにあらずなまゆを想い、四つ葉のクローバーを探そうと提案する。そんな智絵里に心を動かされたまゆは、彼女に悩みを、想いを打ち明けたのだった。

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		女子寮
智絵里		聖ちゃん、休めたかな？一息つけたみたいで、よかった……。
芳乃		ですねー。別れについて考えるのは難しいことゆえー。智絵里さんも、何か気になることがありましてー？
智絵里		あっ、ううん、違うの。私はたまたま目が覚めちゃって…… そうしたら、聖ちゃんが部屋から出ていく音がしたから。
芳乃		なるほどー。聖さんを心配してくださったのですねー。やはり、お優しいことー。
智絵里		そんな大げさなことじゃないよっ。ただ、聖ちゃんを見ると、ちょっとだけ昔の私を思い出しちゃって。
智絵里		心配っていうなら…… 私は、まゆさんのほうも気になっていて……。
芳乃		ふむー。そういえばー、智絵里さんとまゆさんは別のゆにっとでも組まれていましたねー。
智絵里		うん……。まゆさんにとって、プロデューサーさんは運命の人だって言ってたから……。
智絵里		だから、私が変なこと言っちゃったせいで、まゆさんが余計に悩んだりしてないかなって……
芳乃		智絵里さん……。
智絵里		……でも、それだけじゃないよっ。私のせいとか、そういう話だけじゃなくて。まゆさんは、大事な仲間だから。
智絵里		私たちは同じユニットだし…… 困ったときに、みんなで助け合えたらいいなって思うの。それで、もっと仲良くなれたらなって。
芳乃		……ふふ、大丈夫ですよー。智絵里さんの気持ちは、きっとおふたりにも伝わりましょうー。ですから今は、思うままに行動するのが良いかとー。
智絵里		そう、かな……？そうだといいな……。
智絵里		結局、また芳乃ちゃんに助けてもらっちゃった。……えへへ。今回のお仕事も一緒に頑張ろうね。おやすみなさい、芳乃ちゃん。
芳乃		……智絵里さん、頼もしくなられましたねー。ふふふー。
		翌日
5人		いただきます……！いただきます♪ いただきます！
藍子		智絵里ちゃんの言う通り、外でランチを食べて正解でしたね。まるで遠足してるみたい！
智絵里		えへへ…… 今朝、事務所にくるときに思いついたんです。今日は暖かいし、みんなで食べたら楽しいだろうなぁって。
聖		そうですね。ピクニックみたいで、気持ちいいです。みなさんといっしょも、うれしい……♪
藍子		ふふ。そういえば、聖ちゃんってここ最近は寮に泊まってるんですよね。
聖		はい……。ちょうど週末だし……ユニットのみなさんと少しでも一緒にいられたらなって……。
藍子		聖ちゃん、長野から通ってるんだもんね。いいなぁ……共同生活ってやっぱり楽しそう。
聖		楽しいです……。ひとりでは味わえない、賑やかさがあったかくて……。
智絵里		プロデューサーさんにお願いしたらお部屋を使わせてもらえるかもしれないよ。ときどき、そういうこともあるみたいだし。
芳乃		では、今日のれっすんのあとプロデューサーさんに聞いてみましょうかー？
藍子		ふふっ。お泊まりセット、用意しなきゃ♪
まゆ		……。
智絵里		(まゆさん、やっぱり少しぼうっとしてる…… ランチに誘うのじゃ、ダメだったのかな。あっ、そうだ！)
智絵里		あのね！そういえば、前にこのあたりで、四つ葉のクローバーを見かけたの。よかったら、このあとみんなで探してみませんか？
聖		わぁっ、楽しそう……！みんながもっと幸せになれるように、ぜひ見つけたいですねっ。
藍子		このあたりはあちこちにクローバーが生えてますし、みんなで一緒に探したらすぐ見つけられそうですね。
智絵里		それで、その……まゆさんも、いっしょにどうですか？幸せのクローバー探し……。
まゆ		えっ……？
まゆ		(智絵里ちゃん、もしかしてまゆを心配して……？)~
まゆ		……ええ、そうですね。レッスンまではまだ時間もありますし。手分けして探してみましょうか。
まゆ		(……まゆの気持ち。もしかして、智絵里ちゃんになら……)
		事務所
まゆ		智絵里ちゃん。お疲れさまです。少し、いいですか？
智絵里		あれっ、まゆさん。どうかしたんですか？
まゆ		ランチのときのお礼を言いたかったんです。智絵里ちゃん、気を遣って誘ってくれたんでしょう？おかげで、少し息抜きができましたから。
まゆ		……それで、その。実は、聞いてもらいたい話があるんです。いいですか？
智絵里		……はいっ！私で力になれるなら、よろこんで！
智絵里		もし、プロデューサーさんがお仕事を辞めたら、ですか？それって……。
まゆ		智絵里ちゃんの話を聞いて、少し考えてみようって思ったんです。「別れ」っていう言葉について。
まゆ		元々まゆは、プロデューサーさんに会うためにアイドルになりました。読者モデルを辞めて、家族も説得して。
まゆ		だから、プロデューサーさんがもしお仕事を辞めたらまゆも辞める。最初はそう思ったんです。でも……考えていたら、自信が持てなくて。
智絵里		まゆさん……。
智絵里		私は……。もし、プロデューサーさんがお仕事を辞めても、私は、きっとアイドルを続けると思います。
まゆ		智絵里ちゃん……。
智絵里		私も、ちょっとだけ考えたんです。お別れのこと。もしプロデューサーさんがいなくなっちゃったら…… 私、きっとすごく寂しくて、不安になると思います。
智絵里		でも、私にとってプロデューサーさんはアイドルにしてくれて、たくさんの幸せをくれた人です。たくさんのファンの方に、出会わせてくれた人です。
智絵里		だからもしプロデューサーさんにとってお仕事を辞めるのが幸せなら…… 今度は、私が背中を押したいんです。
智絵里		ちゃんと、私もひとりで頑張れるよって…… だから、あなたはあなたのしたいことをしてください、って。そう言える、強い私になれたらなって……思って。
智絵里		もちろん、それでも一緒にいられるのが一番ですけどね。お別れなんて、考えたくもないことだから……。
まゆ		もしかして、智絵里ちゃんが最近率先して行動してくれてるのって……。
智絵里		うんっ。プロデューサーさんのためにも、今からちょっとずつ頑張ってみようかなって……えへへ。もし、いつかが来ても、後悔しないようにっ。
まゆ		……智絵里ちゃんは、やっぱりすごいですね。
智絵里		えっ？あの、私は別にすごくなんか……っ！まゆさんみたいな強い想いを、私はなかなか出せないから……。
智絵里		でも……同じユニットの仲間として、まゆさんの力になれてたら、嬉しいです。
まゆ		ふふっ、ありがとう♪ とっても心強いです。智絵里ちゃん。
まゆ		(智絵里ちゃんの話を聞いて、少しわかった気がします。まゆの中にある気持ちが……)

第4話「さよならの意味」

あらすじ	ラジオの収録を行う聖と智絵里。一方、遊園地での撮影を行うまゆたちは、来園者の思い出作りのために励んだ。その姿が藍子の目には、いつものまゆとは違って見えたようだった。事務所に戻り、故郷から届いたファンレターを偶然の再会であると喜ぶ芳乃。その時、聖は気づいた。「別れ」の次に待つものに。

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		数日後
スタッフ		それじゃ、そろそろ収録しまーす。
智絵里		はい！今日は一緒に頑張ろうね、聖ちゃんっ。
聖		はい。頑張りますっ。まゆさんたちは、いまごろ遊園地で撮影中……。ロケ地で頑張っているでしょうか……？
智絵里		たしか、そろそろ休憩時間に入ってる頃じゃないかな？お互い、たくさん新曲の宣伝ができるといいよね。
藍子		ふう……。撮影再開は15分後、ですよね。短いですけど、少し休憩しましょう。
まゆ		まゆたちみたいな学生向けの情報番組というだけあって、ショップを巡ったり、スイーツを食べたり盛りだくさんのロケでしたね。
芳乃		どれもみな、賑やかで楽しくー。ついつい、お仕事だということを忘れてしまうほどにー。このあとも、楽しめそうでしてー。
藍子		そうだね。ええと次は、アトラクションの紹介で……。
女子高生A		待って、あそこにいるのって……？
まゆ		ふふ、こんにちは。まゆですよぉ♪
女子高生B		え！？本物！うそーっ！どうしよう、まって、あの、写真を……って、もしかして撮影でしたよね？すみませんっ。
まゆ		大丈夫ですよ。今、ちょうど休憩中なんです。だからお話できますよ♪ せっかくですし、少しだけなら♪
女子高生A		まゆちゃん、ありがと～！ばいばーい！
まゆ		うふふ、さようなら。これからも、まゆたちの応援をよろしくお願いしますね♪ ……ふう。
芳乃		お疲れ様でしてー。おふたりとも、とても嬉しそうに話されておりましたねー。
藍子		それに、まゆちゃんも、とっても楽しそうでしたよね。穏やかで素敵な笑顔でしたよ。
まゆ		まゆも、ですか？まゆはただ、あのふたりの思い出になれたらって思って……。
藍子		ふふ♪その笑顔を向けられたら、あの女の子たちもきっといい思い出になったんじゃないかなぁ。別れ際も、ずっと笑顔でしたから。
芳乃		以前のまゆさんは少し、どこか遠くを見ておられることもありましたが…… まゆさんも徐々に、変わってきているのではー。
まゆ		どこか遠くを……。まゆ、そんなふうに見られていたなんて…… 思ってもみませんでした。
スタッフ		そろそろ撮影再開しまーす！
芳乃		はいー。次のあとらくしょんが、楽しみでしてー♪
藍子		芳乃ちゃん、バンジージャンプできるかなぁ。ここ、けっこう高いって聞くけど……。
まゆ		そうですね……。でも、芳乃ちゃん本人の希望なのを考えると止めるのも悪いですし……。
藍子		興味津々って感じでしたもんね。でも、楽しそうだから大丈夫……なのかなぁ？
まゆ		……あの、藍子ちゃん。先ほど言ってた話なんですけど。まゆ、そんなに変わってきたように見えますか？
藍子		芳乃ちゃんの話ですか？うーん……そうですね……。目に見えて変わったとかではないと思うんですけど……。
藍子		ただ……今のまゆちゃんは、今目の前にあるいろんな人やものごとを見てくれている気がしますね。それは、とっても素敵だなぁって思います。
藍子		きっと、好きなものとか、大切なものが増えたんじゃないかな？ ……なんて、私は勝手に思ってます。ふふ。
まゆ		好きなもの、大切なもの。 ……そうかなぁ。そうかもしれません。
まゆ		(未来のことは置いておいて、今、まゆが好きなものは……)
スタッフ		……うん、内容的にもオッケー。それじゃ、今日の収録は以上で！お疲れさまでしたー。
智絵里・聖		お疲れさまでしたっ。お疲れさまでした……！
智絵里		お仕事、無事終わってよかったぁ……。ふたりでも、楽しくお喋りできたね。
聖		はい……ありがとうございました。トークって聞いて、少し緊張してましたけど…… 智絵里さんのおかげで、なんとか、ちゃんと喋れました。
智絵里		ううん。聖ちゃんのエピソードトーク、すっごく心温まったってスタッフさんが褒めてたもん。私も、ついほっこりしちゃったくらい……。
聖		えへへ……。
智絵里		そろそろ他のみんなも戻ってきてると思うし私たちも事務所に戻ろっか。
聖		ただいま戻りましたっ。あっ、みなさん、もう帰ってきてる……。
まゆ		ふたりとも、おかえりなさい。ラジオのほうはどうでしたか？
智絵里		うん、ちゃんと収録できましたっ。遊園地ロケのほうも無事に終わったんですね。
藍子		いろいろハプニングもありつつ、楽しく♪ あっ、これ、お土産のお菓子です♪
聖		わぁ……ありがとうございます！芳乃さん、お菓子……？
芳乃		……。ふむー。ふふふー。
聖		芳乃さん、何を読まれているんですか？
芳乃		ふふー。これは、ふあんれたーでしてー。さきほど、事務所に戻ったときに受け取ったのですー。ふふふふー♪
智絵里		わぁっ、素敵だね。芳乃ちゃん、いつもよりもっと嬉しそう……？
芳乃		見抜かれてしまいましたねー。 ……実はこの方、わたくしがまだ故郷にいた頃に、悩みごとの相談にいらした方なのですよー。
芳乃		どうやら、わたくしがあいどるをしていると知って、改めてお礼のお手紙を送ってくださったのですー。
聖		わぁ……。そんなことがあるんですね……！
芳乃		ふふ、そうですねー。偶然の再会は、よろこびもひとしおでしてー。とても嬉しく思いますねー。ふふふー♪
聖		再会……。そっか、これが……。芳乃さんが言ってた、別れの意味……。
聖		別れの裏には、出会いがあるんだ……。

第5話「ささやかで、大切な」

あらすじ	夜の公園で歌っていた聖は、迎えに来た4人のぬくもりに触れる。そしてそれは故郷を出て、仲間ができた今だから感じられるものであると実感した。まゆもまた答えに辿り着く。今の絆のしるしになるようにと、仲間たちへ、かたちに残る贈り物をした。「別れ」とは今へと繋がっていく、ひとつのはじまり。

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聖		……～～～～～♪
聖		やっぱり、夜の公園は落ち着くなあ……。歌が風に乗って、どこまでも飛んでいきそう……。体も、軽くなったみたい……。
智絵里		あっ、いた、聖ちゃんっ！やっぱり、聖ちゃんの歌声だったんだね。みんな、こっち！
聖		智絵里さん？それに、芳乃さんに藍子さん、まゆさん……？
智絵里		見つかってよかったぁ……。もう、ひとりで外に出たら心配しちゃうよっ。
聖		えっと……心配をかけて、ごめんなさい。寮のすぐそばだったから、つい……。
聖		わ、わわっ……。
智絵里		はい、上着っ。聖ちゃん、寒かったでしょ？
芳乃		手もすっかり冷えてー。わたくしの手が、手袋の代わりになればよいのですがー。
聖		その、ありがとうございます……。すごく、あったかいです。みなさんの優しさ……。
藍子		でも、どうして夜の公園に来たんですか？歌うなら寮でだって。お風呂場とかでも……。
聖		実は……アイドルになる前のことを少しだけ思い返してたんです。
まゆ		聖ちゃん……。アイドルになる前のこと……？
聖		アイドルになる前の私は、ひとり、公園で歌っていました。でも……今は、仲間のみなさんがいます。だから、こうしている今も、心がぽかぽかしてて
聖		これはアイドルになったから…… 故郷を出たからこその温もり……ですよね。別れなければ、出会えなかった……温かさ……。
聖		私は、まだ地元からお仕事に来ていて本当に故郷を離れたわけじゃありません。でも……きっと、みんなも同じなんですよね。
聖		物事には複数の意味があるって…… 別れの悲しい面ばかりを見る必要はないって。芳乃さんが言ってたことの意味が、分かった気がします。
まゆ		以前と、いま。アイドルの仲間……。
まゆ		まゆも、そう……。アイドルとしての時間を過ごすなかで、いろんなことを知って、たくさんのお友だちができて……。
まゆ		まゆにとって大事なもの……。そして、それを教えてくれたのも……。
まゆ		……そうだ。今から用意しても間に合うかな……？
		数日後
智絵里		……うん、大丈夫！髪型も、服装も、ちゃんとできてるっ。今日は一日、MVの撮影……。精一杯頑張ろうっ。
智絵里		未来のことを考えるのは、やっぱり難しいけど……。今を少しずつ、積み重ねていくことはできるから……。
芳乃		智絵里さんー。そろそろ向かいましょうー。
智絵里		あ、うんっ！今行くねっ。
聖		あれ……？あの……外……雪、降ってませんか……？
智絵里		ほんとだ……！花びらに混ざって、雪が降ってる……。
藍子		わぁ……。こんな景色があるんですね。素敵……！
まゆ		桜隠しっていうんですよね。桜の花を雪が隠してしまうように積もるから。綺麗ですよねぇ……。
プロデューサー		桜と雪か……。気温が低い日にごく稀に起きるとは聞いたことがあるけどまさか実際に見られるとは思わなかったな。
芳乃		ふふふー。珍しく美しい景色が、わたくしたちの背を押してくれているようですねー。
プロデューサー		そうだね。せっかくだし、車を停めて少しこの景色をみんなで楽しもうか。こんな景色はいつ出会えるかわからないから。
まゆ		いいんですか？嬉しい♪ みんな、あったかくして外に出ましょう♪
聖		わぁ……！車の中から見ても綺麗だったけど、すごい……。見慣れた雪と違って、桜の色が混じって…
藍子		写真を撮ったら、素敵な一枚になりそう……。カメラを持ってきたらよかったなぁ… あっ、智絵里ちゃん。頭の上に……。
智絵里		えっ、どこ……ひゃっ。つ、冷たい……！聖ちゃん、助けて～。……ふふっ♪
芳乃		ふふー。みなさん、楽しそうですねー。よきかなー。よきかなー。
まゆ		えいっ。
芳乃		ほわ……まゆさんー？どうしてわたくしの手をー……？
まゆ		どうしてって…… そんなふうに離れて眺めていたら、もったいないですよ。だから、芳乃ちゃんをつれてきます♪
芳乃		……はてー？
まゆ		だって今しかない、せっかくの景色なんですから。どうせなら、この瞬間をみんなで楽しみたくって。 ……ダメですか？
芳乃		……ふふ。まゆさんの、優しき心はあたたかいですねー。ではわたくしも、お言葉に甘えて楽しむといたしましょー。 ……それー。
まゆ		みなさーん、芳乃ちゃんとまゆも、今を楽しんじゃいますよー♪
プロデューサー		(みんな、なんだかスッキリした顔をしている…… きっと、別れについて、自分たちなりにいろいろ考えてくれたんだろう。)
藍子		はぁ…… 今日の撮影、とっても楽しかったですね。素敵な思い出が増えちゃった♪
智絵里		お揃いの制服、すっごく嬉しかったなぁ……。あとみんなで髪をアレンジしたりも、可愛かった！聖ちゃんも、よかったよねっ。
聖		えへへ……。私も、普段とは違う髪型をするとは思わなくて…… ちょっと新鮮でした。みんな、仲良しみたいな……。
芳乃		このように並んで帰ることもできましてー。まるで、同じ学び舎に通っているかのようですねー。
智絵里		こうしてると、なんだか学校帰りみたいだよね。あの制服、着て帰れたらよかったのに……。
まゆ		ふふ。お気に入りが増えましたね。それと……あの……みなさん、ちょっといいですか？
まゆ		これ…… 受け取ってもらえませんか？
藍子		わぁ、可愛い♪ これってバッグチャームですか？
まゆ		実は……昨日、作ったんです。みんなでお揃いのをつけたら可愛いかなって……。まゆの、みんなへの気持ちです。
まゆ		(まゆが今回、悩んでしまったのは……まゆの中で、プロデューサーさんだけじゃなく、アイドルのお仕事とそこで出会うみんなが大事になっていて……
まゆ		(いまを失いたくない、怖いって思う自分がいたから……。そんな自分の変化を改めて感じて、戸惑ってしまったから……)
まゆ		(でもそれは、決して嫌なことじゃなくて…… むしろとても価値のあることなんだって。みんなのおかげで、そう思うことができたから……)
まゆ		(みんなへのお返しに、何か絆のしるしになるものをって。形に残るものを贈りたかった……。 ……なんて言ったら、驚かれちゃいますよね。ふふっ♪)
藍子		ありがとう、早速つけちゃおっかな♪ でも、どこにつけよう。お仕事行くときのバッグかなぁ。トイカメラにつけても可愛いし……迷っちゃう～。
芳乃		このちゃーむからは、まゆさんの優しさを感じますー。たくさんの想いを込めて編んでくださったのでしょうー。
智絵里		私も、大事にしますね……！でも、知ってたら私も何か用意したかったなぁ…… 次は私からも、何かプレゼントさせてください。
聖		わ、私も、何か用意しますっ。でも、何を用意したらいいか分からないから…… 相談しちゃうかもしれません……けど……。
まゆ		みんな……ありがとうございます♪ 智絵里ちゃんも、聖ちゃんも、気持ちが大事ですよ。お互いに思い合う気持ちがあれば、なんだって♪
聖		なんだか……歌いたい気分。あったかくって、透き通っていて、やさしくって……。
聖		昔は、ひとりだけだった歌。いまは、みんなと響かせる歌……
聖		別れて、出会って、変化して……。そうやって、つながっていくいまを…… 歌にのせて……
聖		……～～～～～♪

エンディング「今という幸せ」

あらすじ	歌番組の本番当日。『エフェメラ』は舞台に立ち、引退を控えた件のアイドルもまた、大きな歓声の中見送られた。「別れ」を考えたことで穏やかに歌うことのできた5人は、「今したいこと」…Pへのささやかな恩返しをする。未来はわからない。でも、今この瞬間の幸せを噛み締めて、前へ進もう。

←タップで展開


司会		……さて、次はつい先日引退を発表されたこの方の曲です。引退前最後のステージを、ごゆっくりお楽しみください。
		控え室
智絵里		わぁ……！歓声が控え室まで聞こえてくる……すごい……。
プロデューサー		ちょうどあのアイドルのステージが始まったようだね。リハーサルのときから観覧席のファンの強い熱意も感じられたし。
芳乃		それほどに彼女が愛されていたということでしょうー。最後の別れを、声援に変えているふぁんの愛を感じますー。終わりを飾るのもまた、愛ですねー。
藍子		うん、なんだか少し羨ましいくらい。 ……でも、私たちはまだまだこれからですもんね。
プロデューサー		そうだね。君たちがどんな未来を迎えるかはわからないけど…… それは、今この瞬間の延長上にあるものだから。
聖		だから……今日のお仕事も、いつものように、精一杯歌ってきます。
まゆ		それが、今のまゆたちにできることですから。
プロデューサー		うん。それじゃ、君たちも今日の舞台を頑張って…… 今を楽しんでおいで。
5人		はい……！はい！
		5人は舞台の上で明るく伸びやかな歌声を届けた……
		数日後
ニュースキャスター		「先日、芸能界引退を発表したアイドルの最後のLIVEが音楽番組にて行われました。」
聖		あっ、この前のお仕事の……。
聖		とっても嬉しそうで、悲しそうで…… でもすっきりした顔で、一曲を歌って…… 最後は、笑顔で手を振ってた……。
聖		私は……あんなふうになれるかな。わからないけど……これからも、歌い続けたい……。
		カフェ
聖		お疲れさまです、みなさん。
智絵里		お疲れさま、聖ちゃん。今ね、ちょうど新曲の話をしてたんだよ。ファンのみんなが、感想をくれていて。
聖		そうなんですか……？私、まだファンのみなさんの感想を見てなくて……。みんな、なんて言ってますか？
藍子		みんな、喜んでくれてますよ。ハーモニーが綺麗、とか……切なくなる、とか、ファンレターもメッセージも、たくさん！
智絵里		そういえば、こんな動画を見つけたんです。ファンの人が作ってくれたらしくて……ほら。
まゆ		えっと……「ミライコンパス…合唱ふうアレンジ」？すごい……もうこんな動画が作られたんですか？ …… 嬉しいですねぇ……。
聖		これ、ピアノ伴奏用の楽譜まで……。すごい、これなら本当に合唱でも歌えそう……！
芳乃		それだけ、みなの心にわたくしたちの想いが届いたのでしょうー。想いと想いは、震えてより大きくなるものですからー。
智絵里		私たちの、想い……。そう考えると……別れについて考えたのも、いい経験だったのかなぁ……。
藍子		みんなで立ち止まって考えたことで、この歌の先にあるものを想像できて…… 穏やかな気持ちで歌えましたもんね。
聖		そうですね………。プロデューサーさんの言葉のおかげで、しっかり活動できました。だけど……そういえば、最近プロデューサーさんをあまり見ない気が……。
まゆ		きっと忙しいんだと思いますよ。プロデューサーさんのお仕事はたくさんありますから。さっき見たら、少しお疲れだったみたいで……………
藍子		少し眠ってるみたいでしたね。私たちのお仕事がやっと一段落して、休憩してるのかも……。
芳乃		ふむー。 ……眠りを妨げず、何か役に立つことができれば良いのですがー。
聖		プロデューサーさんのお仕事は私たちにはできないですし……うーん……？
まゆ		あっ…… なら、まゆにいい考えがありますよ♪
		事務所
プロデューサー		……ん。あれ、寝ちゃってたのか……。一段落ついたタイミングで良かった……ん？
		机の上に、付箋が貼られた袋が置いてある。付箋には何やら文字が書いてあるようだ……
プロデューサー		「いつもプロデュースしてくれてありがとうございます」……？それから、入ってるのは……お菓子？
		文字からして、あの5人からだろうか……？もしかして、心配して……
プロデューサー		……いただきます。
		……これからも、精一杯頑張ろう。未来はどうなるかわからなくても。アイドルたちの「今この瞬間」を輝かせられるように……。

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聖		こんにちは……望月聖です。今回も、新しいユニットを結成して、新しい曲を歌います。これをみなさんにお伝えできて、うれしいです……。
聖		曲名は『ミライコンパス』。その名前の通り、今回は私たちも少しだけ…… 自分の未来について、考えてみました。
聖		先のことは……私には、まだよくわかりません。でも……ゆっくり考えていいって言われたから。自分なりのペースで、向き合ってみますね。


まゆ		みなさんこんにちは、佐久間まゆです♪ まゆが組む、新しいユニットのお知らせです。
まゆ		聖ちゃん、智絵里ちゃん、藍子ちゃん、芳乃ちゃんと 5人で歌うのは、少し切ない旅立ちの歌……。まゆも、少しだけセンチメンタルな気分になっちゃいました。
まゆ		まゆたちのユニット『エフェメラ』の今を…… みなさんもいっしょに見守ってくださいね。

依田芳乃情報wiki-依田芳乃 あんおふぃしゃるうぃき

概要

コミュ

ゲーム内予告1(望月聖)

ゲーム内予告2(佐久間まゆ)

オープニング「旅立ちの日によせて」

第1話「同じ明日は来ないから」

第2話「もしもの未来」

第3話「変わりゆくもの」

第4話「さよならの意味」

第5話「ささやかで、大切な」

エンディング「今という幸せ」

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