まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

765 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/12/26(月) 22:51:24.45 0

『みやももフェルト』その3

勢いで、約束してしまった。
落ち着かない。来週、来週末の土曜日。

どこに行くかはみやに任せて!って言って、それからあれこれ考えてた。
せっかくだし好きなお店に連れていこうかなとか
そうだ、一緒に服見に行ったりもしてみたいなとか
月曜日はワクワクしてた。

そして火曜日になって思った。
ん?そういうことがしたいんだっけ?

そうだよ。ももと一回ちゃんと遊んでみたかったんだよねって
水曜日にはまた納得して

木曜日に不安になった。
嫌がってなかったよね。無理に誘っちゃってないよね。
考え過ぎ?
やめよ、楽しく過ごしたらいいだけのことじゃん。
友達とそうするみたいに。

ううん。遊ぶ友達だったらいっぱいいる。
趣味が合ったり、おしゃれな子だったり、お喋りしやすくて楽しい子たち。
友達みたいにしたいんじゃない。
あれはまるでデートに誘ったみたいな、ドキドキだったの。
金曜日、もう、明日なのに

何も決められない。どうしよう。

当日の朝。
目覚めて時計を見たら、ちょうど待ち合わせの時間だった。

766 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/12/26(月) 22:52:43.73 0

ももからメールが来てる。
 みやどこー?
頭の中がものすごいパニックになって、震える指で、ももに電話をかけた。

「大丈夫だよみや」
と、ももは言った。
「慌てないでいいから。ゆっくり来て」控えめな声がやけに穏やかに耳に響いた。
電話を切って大きく息を吐く。良かった。胸を撫で下ろす。

とりあえず行かなくちゃ。
いろいろ考えてまとまらなかったことだって
会ってしまえばきっと大丈夫だから。

待ち合わせ場所は駅前のペデストリアンデッキ。時計の下。
植え込みの前のベンチに、ももを見つけた。
ゲーム機持ってちんまりベンチに座ってる。小脇に布バッグ。
深く座りすぎてつま先しか地面に届いてない。

目の前に立つと、ゲーム機から顔を上げた。
「あれぇ?早いねえ」
「早くないよ!……ほんっとゴメン」
「本気で謝ってくるみやとかレアなの見た」
「だってこっちから誘ったのに」
ももはバッグを持って立ち上がると、私の腕を軽くぽんっと叩いた。
「で。どこ連れてってくれるの?」

えーーーっと。
「ごめん、考えてなかった」

「みや、訊いていい?」
初めてももがちょっとイラっとしたように目を細めた。
「ん、うん」
「もものこと、からかってるの?」

767 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/12/26(月) 22:54:04.10 0

そりゃあみやはさ?軽く誘ってきたのかもしんないけど
ももはすごい考えたんだよ
2人で遊ぼうなんて初めてだったわけだし
楽しみにしてたしさ?
遅れてきたのはいーよ、それはほんと怒ってないよ
別に待つのは構わない。けど
すんごい適当にされてる気がする。
こんなんだったらさ、別にいいじゃん
わざわざ約束しなくてもいいじゃん
こっちは別に今日はみやに会わなくても大丈夫だったし

まくし立ててくるももに圧倒された。
まるで反論できなかった。確かにももの言う通りだった。けど
一コだけ。
どうしても引っかかった。

「うちに会わないと大丈夫じゃない日があるの?」
そんな時があるんだ。
時々みやに会いたくなる?

「そう たまに、あるの」
ちらっとこっちを見てから
何か、すごく、言いづらそうにももが言った。

ちゃんとしなきゃ。
「今日はほんとゴメン。あのね、どっかに行きたいとかそういうんじゃなくて」
「うん」
「もっと、いっぱい話してみたかった」
「けっこう、喋ってると思うけど」
「全然、足りてない」

「……そーなんだ」
ももが笑った。

770 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/12/26(月) 22:55:59.36 0

「じゃ、今日はももの行きたいとこ行くよ?」
そう言うとももは歩き出した。
駅から少し離れて裏道を行くと、古いビルがあった。
「手芸屋さん?」
「うん。買い物してっていい?」
1階を入ると、布地が溢れていた。あんまり明るくはなくて
ざわざわしていて落ち着かない。
「もっと楽しいとこがいいよ」思わず口をついていた。
「楽しいよ?」ももはお構いなしに、エスカレーターに誘導する。
狭いエスカレーターに縦に並んで上がる。
「ここ暗いしなんか怖い。デートっぽくない」
そう言うと、ももがものすごい勢いで振り返った。

「デートなの?」
「そう」
「それなら、そう言ってよ」
なにそれ。デートだったら何か違うの。ドキドキした。
ぐるぐる、エスカレーターを上がって、上がって
やっとももが立ち止まり「この階」と言った。

「ここなら楽しいんじゃない」
そこにはアクセサリーのパーツがずらりと並んでいた。
見たこともないキラキラしたビーズやシルバーのチャームに釘付けになる。
「すごい」
「みやもなんか作れるよ」
「そうかな、そう思う?」
サンプルのネックレスやピアスを見ていたらワクワクした。
「もっと可愛いのだって作れるんじゃない」
「わかんないけど、作りたい!」
「ももはこっちは詳しくないけどさ、見に来る時は付き合えるよ」
「うん」
たくさんありすぎて目移りする。
これ可愛い、あれも可愛いっていろいろ見ていたら、ももが
「刺しゅう糸見てきていい?」と言った。
「みやはまだここにいたい」
「うん。いいよ。またここに戻ってくる」
ももはひらひら手を振って、エスカレーターの方に歩いて行った。

771 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/12/26(月) 22:57:50.89 0

ーーー

「……まあそれで、梨沙子がうちらの子どもってことでいいじゃんって」
「冗談でもやめてよ。ももが親とかマジ勘弁」
りーちゃんかぁ〜。反抗期だねぇ と、ももが言ったのを思い出した。
「でもみやはさ、ずっと2人がいいんじゃないの?」
「ん?」
「誰かにさ、邪魔とかされたくないんじゃないの?」
「どうなんだろ。ももが良いならいいんじゃない」
「みやのそういう甘やかし過ぎるとこどうかと思うけど。あ、来た」
言いながら梨沙子が振り返って指差すと、改札からももが出てくるところだった。
「2人ともお待たせー」
今日はこれから3人で展示会に行く予定だった。

「ごめんね午後からになっちゃって。どうしても済ませたい用事があって」
「構わないけど見にいく所決まってんの?私先に見たいとこあるんだけど」
「りーちゃんに付き合うよ?今日は半分遊びだから」
「梨沙子が見たい所中心でいいんじゃない。ももは変なとこにばっか引っかかるし」
「ヘンなとこって失礼な」
「仕入れ次第じゃまた梨沙子にバンバン捨てられるからね」
「そうそう。この間もみやにウェルカムボード捨てられたんだって?」
「ん?捨てられてないけど」

いきなり何か言い出した。胸騒ぎがする。これ、止めなきゃヤバイやつ。
「もも、いいから」
「今まで捨てるって言って取り上げられたやつ全部、本当はクローゼットのケースに入ってんの」
ももの言葉に全身から汗が吹き出してくる。
「……い 言っていいことと悪いことがあるよね?」
「ケースに『ゴミ』って書いて貼ってあんの。あれそうでしょみや?」
そう言ったももの顔!
こっち見てた梨沙子がゆっくり視線をはずしてナナメ上を見た。
梨沙子の言うとおりだ。わかった。やめる。
もう本当に甘やかすのはやめるんだからね!

ーーー
その4につづく

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます