まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

64名無し募集中。。。2020/07/25(土) 13:59:02.560

——ももちゃんて、本当に重たいですよね。

そう言って、頭の中の真野ちゃんがくすくす笑う。
言われなくても分かってる、とももは口を尖らせた。
大体、その重たい部分を暴いたのはどこの誰だと思ってるんだろう。
真野ちゃんと出会ってなかったら、自分がこんなにも誰かにハマる人間だなんて知らなかった。
ついでに、自分と相手が同じ重さを抱えられるわけじゃないんだって知ることもなかった。

枕元で、じゅわって音がした。
焦げ臭い臭いが鼻に突き刺さって、ももは小さく咳をした。

「……たばこ、苦手?」
「いや……いいけど」

背中越しに聞こえてくる声は、甲高くて甘ったるい。
ぺたんって肌に張り付いた手のひらは冷たくて、ももはちょっとだけ身を引いた。
今日の相手、バーの暗い中で見たせいか、なんとなく真野ちゃんに似てて。
でも似てるのは外見だけだったな、ってももは思う。
媚びてくるような声は耳障りでだし、タバコ吸うのも想定外。何よりあんまり……全然上手くなかったし。
ガンガンつきゃいいってもんじゃないの、分かんないのかな。もしかして自分じゃしないクチ?
ゆるゆる起き上がって服を身につける。

「まだ時間、残ってるけど」

察しろよ、と思ったけど口には出さず、ももはにっこり笑顔を作って振り返った。

「もう十分、満足したから。ありがと」

でも、と食い下がる空気を感じて、相手に口付けた。
鼻に抜ける臭いがチクチクと刺激してきて、吐き気がしそう、って思った。

66名無し募集中。。。2020/07/25(土) 14:01:55.750


眠らぬ街、とはよく言ったもので、時間のわりに外はまだまだ明るかった。
捨てられてた缶が靴の先にぶつかって、からんからんって転がっていく。
お腹の奥の方がじんじんしてて、どんだけ乱暴だったのさ、と今更イライラしてくる。
こんなに冴えない気持ちになるなら、やめとけばよかったな。

「ももちゃん?」
「……え」

その名前でもものこと呼ぶの、一人しかいない。
心臓が痛いくらいどくどく言い始めて、思わずももは胸を押さえた。
なんでこんな時にばっか会っちゃうんだろう。

「珍しいですね、こんなところに一人で」

すらっとしたトレンチコートのポケットに両手を突っ込んで、真野ちゃんは目を細めていた。

「そ、そっちこそ!」
「確かに、そうですね」

何がおかしいのか、ケラケラ笑い始める真野ちゃんの声は、ももの耳には心地よく響いた。
やっぱりこの声が好きなんだ、って思わされる。
細い細いクモの糸に、ぐるぐる巻きにされる虫のような気分。

「どこかで休みましょっか、ね?」

真野ちゃんが伸ばしてくる手の上に、気づいたら自分の手を重ねていた。

当たり前のように入ったホテルの一室で、ももたちは何も言葉を交わさなかった。
真野ちゃんに強く抱きしめられて、それだけで体から力が抜けそうになる。
忙しなく動いてた指がももの服のボタンに引っかかる。
ちょっと無理やりに脱がされた衣服は床に放り投げられて、ももの体はベッドに不時着した。
真野ちゃんが追いかけてきて、ももに覆いかぶさった。

「……っ、は、……んっ」

息継ぎしようとするのさえ許さないみたいに、真野ちゃんの唇がいろんな角度からももを押さえ込む。
真野ちゃんと、目が合った。まっすぐな目の奥が、ももを溶かしちゃいそうなくらい熱くって、それだけできゅんとする。

「さっき、誰かといました?」
「……まあ」
「タバコの趣味、悪いですね」

真野ちゃんがミネラルウォーターを口に含む。と思ったら、ぐいっと顎を持ち上げられて、唇を開かされた。
ぬるい液体が口に中に流れ込んできて、慌ててももはそれを飲み込む。

「……消毒」

にやっと真野ちゃんが笑う。その顔に見惚れている間に、真野ちゃんの手が肌を這い上がる。
下着を剥がされて、ぞくってした瞬間、真野ちゃんが低い声で「……あ」て言ったのが聞こえた。

67名無し募集中。。。2020/07/25(土) 14:02:38.900

「……ま、のちゃ……?」

鎖骨の上に真野ちゃんの指がぐっと押し付けられて、鈍い刺激にももは体を縮こまらせる。
何か、あったっけ。

「……これ、なんです?」
「……ど、れ……?」

真野ちゃんの指がくるりと円を描くように鎖骨をなぞった。

「ふぅん……これ、誰がつけたんです?」

キスマーク、と低い声がして、ぼんやりとした脳みそでなんでだっけ、って記憶をたどる。
普段は、つけられないようにしてるはず、なんだけど。
そこまで考えて、数日前の夜の出来事が頭に蘇ってきた。
真野ちゃんと、……それから、みやと過ごした、あの夜。
あの時のだ、って思いついた瞬間、ももの下腹が疼いた。

「……それは……通りすがりの、猫に」
「もうちょっと面白いこと言ってくださいよ」

真野ちゃんの声が一気にトゲトゲして、不機嫌ですよって伝えてくる。

「この前の子でしょ?」
「……まあ」

みやのこと、バレてるんだっけ。よく分かんなくなって言葉を濁したら、真野ちゃんは鎖骨に歯を立ててきた。
甘噛みなんかじゃない、本気のやつ。

「ぃ、つっ」
「ももちゃんってほんと、人を見る目がないですよね」

真野ちゃんの声がどんどんと冷たくなっていって、噛まれたところがじんじん痛む。

「……全部、私への当てつけですか?」
「ちが、ぁぐっ……!」

ぎゅっといきなり胸を掴まれて、体に変な力が入る。

「浮気しといて、よく言いますよ」
「っ、して……なっ……」
「うそ」

きゅうっと胸の先っぽを摘まれる。息が苦しい。くうき、って思った途端、また唇を塞がれた。
くらくらしてぼーっとした頭に、鋭い刺激が突き刺さる。
ぬるんって真野ちゃんが入ってくる感触があって、こんな時でもぬれての、ほんとおかしい。
ぐーって、ももの好きなところを圧迫する真野ちゃんの指。
ちょっとでも逃げようとするお腹は、容赦なく押さえつけられる。
たったそれだけで、どろどろした熱がももの全身をぐちゃぐちゃに溶かす。

「ももちゃんは、ずっとひとりぼっちです」

ももの耳たぶに噛み付いた真野ちゃんは、そう囁いた。
ぼやけた視界の中で、真野ちゃんがゆらゆら揺れる。
「きっと、私も」って聞こえたのが気のせいだったのかどうか、ももには分からなかった。

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