まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

105名無し募集中。。。2020/05/03(日) 16:37:23.240

「もう少し帰りたくない」
「ドライブしよーよ」
「う〜ん、じゃあコンビニは?」
「う〜ん…」

一方的に話しかけるけど、みやはなんにも言わない。

そんなこんなしてるうちに車は気がつけば家の前。

車を降りる前に最後の抵抗。

「ほんとにもう帰っちゃうの?」
「うん」
「もうちょっと一緒にいても…」
「もう深夜だよ。もも、朝から事務所行かなきゃなんでしょ?」
「それは…そうなんだけどぉ…」
「じゃ、みやもう帰るから」

さっと車に乗り込んで行ってしまった。

サバサバしていて尾を引かない。

ある意味みやらしい、いや、それでこそみやだ。

頭ではわかってる、わかってるけど…

「…ケチ」

誰もいない玄関でぼそっとつぶやき、家の中に入る。

テレビで見たり、いつも1人でシミュレーションしているような、凄いドキドキがほしいんだけどなぁ…

106名無し募集中。。。2020/05/03(日) 16:37:54.540

先月、アイドルを卒業した。

本当に、本当にたくさんの人に見送られながら。

私は小指を折って、舞台を去った。

ライブ後、アイドルでなくなった私は見に来てくれたハロプロキッズや先輩後輩の面々と写真を撮って。

そして最後に私は、みやに告白した。

アイドルとして活動しているうちは封印しようと決めていた、10年来の想い。

みやはまだ、現役だけど、もう我慢できなかった。

そんな私の想いを聞いたみやは、驚きで目を丸くしていた。

まぁ、こんな急じゃ当然だよね…なんて思ってふと周りを見渡すと、何故か皆ニヤニヤしてみやを見ていた。

気になってみやに視線を戻すと、…やられたって小さくつぶやいて。

意を決したように口を開く。

「みやも、ももの事が、好き。だから、その…よろしく」

みやの顔は赤かった。

多分私も。

わっと起こる拍手に包まれて。

私とみやは恋人同士になった。


後で千奈美から聞いた話によると、あのときみやも私に告白しようとしていたらしい。

皆も関係者席でそんな雅の様子を見て気づいてたんだよね〜と笑いながら千奈美は語っていた。

107名無し募集中。。。2020/05/03(日) 16:38:35.880

ここまでは、ロマンチックなんだけどなぁ〜。

着替えを済ませてベッドに横たわり、告白した日のことを思い出して、ため息をこぼす。

付き合い始めてからというもの、これといって以前と変わったことはない。

せいぜい少しお互いの家に来ることが増えたり、たまにみやの車に乗ってでかけたり。

回数こそ増えたが、これらは以前からやっていた。

恋人になる前が仲良しすぎたのか、今があっさりとしすぎているのか。

はっきり言えば、刺激が足りない。

「いつもどおりもたのしいんだけどさぁ〜、もうちょっとこう、恋人らしいこととかしたくないわけ!?」

悶々として、枕に顔をうずめて叫ぶ。

声に出して発散したら急に疲れがどっと湧いてきた。

みやのいけず…と一言つぶやいて、私はそのまま寝落ちてしまった。

108名無し募集中。。。2020/05/03(日) 16:39:15.670

朝。

頭が痛い。

ベッドで寝込みながら、私は夜中に寝落ちしたことを後悔する。

ピピピと鳴る体温計には39度の表記。

かんっぜんに高熱だ。

体がだるくて動けそうにもない。

今日は、卒業後の後処理のために事務所に行かなきゃいけなかったけど、流石に無理。

その旨を事務所に連絡して、もう一度眠りにつこうとする。

そんなとき、スマホに1つの通知。

『大丈夫?』

みやからのLINE。

みやにはまだ熱が出たって言ってないはずなんだけど…

『なんで?』

頭痛を我慢して返信する。

『朝、いつもおはようって送ってくるじゃん』
『今日はなかったから』
『体調悪いの?大丈夫?』

なるほど。

私はみやと付き合い始めてからほぼ毎日『おはよう』と『おやすみ』のメッセージを送っていた。

こういうのも、恋人らしいかなぁって。

そういうことをやりたがらないみやへの、ある意味抵抗も含めて。

初めのうちは律儀に返してくれてたけど途中から既読すらしなくなったから、面倒になったのかと思ってたけど。

ちゃんと見てくれてたんだ。

こんな些細なことで嬉しくなってしまう自分が悔しい。

110名無し募集中。。。2020/05/03(日) 16:40:02.350



…今『無理かも』とか送ったら、来てくれるかな。

嬉しさでちょっと調子に乗って、魔が差す。

そしてスマホをフリップし始めたその時。

チャイムが鳴る。

「…?」

誰だろう?と思っていたらガチャリと鍵の開く音。

私の家の合鍵を持っているのは1人しかいない。

その人、彼女は息を切らして駆け寄ってくる。

「はぁっ…はっ…もも、大丈夫?」

ベッドに横たわる私と高さを合わせるように屈んで、みやはそう問いかけた。

見上げるような姿勢で、とても心配そうな顔。

なんだか見覚えがある。

あれは…私達がBerryz工房で初めて曲を貰って、そのレッスンをしているとき。

疲れと緊張からへたり込んでしまった私を真っ先に心配してくれた、あのみやだ。

思えば、恋人になるずっと前から私のことを一番に気にかけてくれたのはみやだ。

初めて”恋人になっても変わらない”ことを嬉しく思えた。

「…みや、私体調悪いって返したっけ?」
「もものことくらい、聞かなくても分かるし」
「くらいってなによ、くらいって。…ふふっ」

みやは道中で色々買ってきたのか、テキパキと看病の準備を始めている。

いつもはちょっと冷たいけど、時々こういうことを平然としてくるから全部許しちゃうんだよなぁ…

そんな事を考えてたら瞼が重くなってきちゃって。

みやを視界に捉えながら、ゆっくりと夢の世界へ落ちていく…

111名無し募集中。。。2020/05/03(日) 16:40:51.550

見渡すと、たくさんの同僚、先輩後輩達。

正面には、みや。

「私、みやのことがずっと…好きだった。」

独りでに口が動く。

私は覚えている、これは私とみやが恋人になった記憶。

でもなんだか、違う雰囲気。

周りの人たちの顔が見えない。

みやの輪郭もおぼろげだ。

「みやは、…ももの気持ちには答えられない」

(まって)

「みやにも、好きな人がいるから」

その姿が遠くなっていく。

(いかないで)

「だから……ごめん」

(みや…!)

私は必死に手を伸ばした―

112名無し募集中。。。2020/05/03(日) 16:42:03.730

ハッと目が覚める。

見えるのは、天井。

伸ばしていたはずの手はベッドに横たえて、みやに強く握られていた。

「ん…もも、起きた?」
「…うん」

横にみやがいてくれる、それだけのことがとても嬉しくて。

涙が溢れてきた。

そんな私を見てみやはギョッとする。

「ちょっ、もも、どうしたの!?」
「っ…ひぐっ、みやが、いなくなっちゃったとっ…」
「ちょっと、それどーゆーイミ? …。」

みやは呆れたような仕草を見せたと思ったら、急に真面目顔。

細く長く、綺麗な両手の指が私の頬を包む。

泣いてる私にそっと、まっすぐ顔を近づけて―


皮膚が触れる直前にみやがサッと進行方向を上にそらして、デコに柔らかな感触が一瞬。

視界は潤んでいたけど、はっきりと分かる。

キス、された。

いや、キスと言うより、チュー?

そう思うくらい、一瞬の出来事。

ううん、そんなことより

「みや、唇にしようとして直前で逸らしたでしょ?」
「っ…ほら、風邪とか感染ったら危ないし…」
「ふーん…。みやの、いくじなし」
「…うっさい」

みやが拗ねたように顔をそらす。

ありゃりゃ、怒らせちゃったかな?

114名無し募集中。。。2020/05/03(日) 16:42:53.800

そんな事を考えて、気が抜けたのかも。

キュルル…とお腹が鳴る音。

それが自分から出たものだと分かった途端、一気に体が熱を帯びる。

そういえば、今日は動く余裕がなくて何も食べてなかった。

バッとみやの方を見る。

いくら気心の知れた相手とはいえ、こういうのはとても恥ずかしい。

みやはポカンとした表情を見せて、すぐに「ふっ」と笑い出す。

ちょっと!こういうのって普通聞こえないふりでもするか、うまくカワs―

急に視界が肌色になる。

右腕を後頭部に添えられて、唇にはデコのときより強く、確かな実感。

それは数秒続いて、不意にゆっくりと離れる。

目の前にはしてやったり顔のみや。

「待ってて。ちゃんと、食べるものも買ってきた」

みやはそう言いながら、トンと人差し指を私のデコに当てて。

「…カワしてなんか、やんないから」

私の考えてることをすべて見透かすかのように告げる。

顔が猛烈に熱くなって両手で覆い隠す。

ドキドキしたいとは思ってたけど、急にこんな。こんな。

〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

「もういや…」

恥ずかしくて顔を上げられない。

こっちからは見えないけれど、みやはきっと微笑んでる。


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