まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

198 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/01(日) 11:36:34.18 0

『みやももフェルト』その4

宝石みたいなビーズや、いろんな形のチャーム
可愛い!そう思うものをカゴに入れて
また戻して
そんなことを繰り返していたら
すごい時間が経ってしまったような気がする。
やっぱり今日は買わないでおこう。
そう思って、ようやく辺りを見回した。
もも、戻って来ない。

「何か見に行くって言ってたっけ」
あの時はビーズに夢中でよく覚えていなかった。
なんで戻って来ないの。
こんなところに、みやを一人にしないでよ。

買わないと決めたら、今日はもうこの場所に用はなかった。
ももを探しに歩き出す。とはいっても
どこに何があるのか、まるでわからない。
とりあえず、降りよう。そう思った。

ももどこにいるの。

胸がぎゅっと締め付けられるような気がした。
そんな風に感じたことなかった。
怒ったももを見た時、すごく焦ったけど
あんなにストレートに思ってることをぶつけられたのは初めてで
でもそれって、すごく良い事じゃん?

そう、もっとお互い正直に話せるようになりたい。

そういうのがいいって、そう言おう。
気持ちが逸って、駆けるようにフロアを抜けた。
どこにいるの。
見回しながらエスカレーターを降りていく。
何階分か、降りて
やっとももを見つけた。

199 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/01(日) 11:38:27.51 0

エスカレーターの奥の壁に寄りかかって
ケータイを見ているももが居た。
真面目な顔して、画面を見てる横顔がキレイでちょっと見蕩れた。
ももは、目を細めて考え込んでいるみたいだった。
どうしたの?

ももが弾かれたように顔を上げて、こっちに気付いた。
ちょっと焦ったような顔をしてから、ケータイを閉じて
こっちに近づいてくる。何だろ。嫌だ。嫌な予感しかしない。
言わないで
「みや、ゴメン。どうしても行かなきゃなんない用事ができた」

「まだ全然遊んでない」声が掠れた。
「みやの遅刻とこれでチャラってゆーのは、ダメか」

私、どんな顔してたのかな。
ももはちょっと苦笑いしてから、バッグを探って
私の手を取ると手のひらに何か押し込んできた。
「これあげるから」
開いてみると、ちっちゃいフェルトのお人形?
「何これ。いらない」
「ももがつくった指人形なんだけど」
なにか得意そうに言われたけど
そこまで自慢げに言うほど出来よくないよね?
「意味、わかんない」
「これ見たらもものこと思い出せるじゃん?」
「はぁっ?!」
思わず大きい声が出た私を見て、ももは楽しげに笑い

「また連絡するねっ」
そう言いながら手を振って、エスカレーターを駆け下りて行った。

置いていかれた。
嘘だ。今日はこれで終わりなの?
手の中に、ちっちゃいフェルトのももが残された。

200 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/01(日) 11:41:02.07 0

ため息が出た。
エスカレーターの横に椅子があったので
座ったらがっくりと体が沈んだ。
なんで、なんで寝坊しちゃったんだろ。
ほとんど話せなかったし
何がなんだかわかんないうちに
初めての約束の日が終わっちゃった。

指人形って言ったから、指に着けてみようかと思ったけど
小さくて入らない。小指の先に帽子みたいに引っ掛けて、眺める。
「もものことからかってるの?」あの時ももはそう言ったけど。どっちがよ。

帰り道気になって、何度も取り出して見てしまった。
手作り感満載で、縫い目ががたついてて、子どもが描いた絵みたいな顔で
全然可愛くない。
途中で落っことしそうになって、慌ててお財布に入れた。

ももからはその日の夜にメールが来た。
また遊ぼうね♡って、いつなの?って思ったから
ちゃんと決めようよって返信したら
月末って返ってきて、ちょっとがっかりした。
まだ今月1週目じゃん?

フェルトのももちゃんをデスクライトの下
カレンダーの前に置いた。
捨てないでちゃんと持ち帰ってきて
こうやって飾ってるんだから
ももには感謝して欲しい。
「おやすみ」ってももちゃんに言ってベッドに入ったら
顔がにやけた。

201 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/01(日) 11:42:02.17 0

ーーー

5、4、3、2、1
「「ハッピーニューイヤー!」」
その瞬間、花火がいくつも上がって、夜空高く明るい光が視界いっぱいに広がった。
派手な音楽とともに大きな花火がいくつもいくつも打ち上がる。
「わぁっ」
思わずももを見ると、こっちを見ていた。「すごいねーっ」
嬉しそうな顔して。連れてきてよかった。
「ほら、もも、花火見ないと」
「うんっ」
夜空を見上げながら手をつなぐ。こうしていれば大丈夫。
色とりどりの光が空を埋め尽くすくらい広がって、言葉も忘れて見入ってしまう。

ふと横を見ると、やっぱりももはこっちを見ていた。
「なんで見ないの」笑いながら言う。
「そーなんだけど」
ももは顔をくしゃっとさせた。
「みやと一緒に年越しの瞬間お出かけしてるの初めてじゃない」
「うんうん。いつもはお互い実家だからね」
「どうして誘ってくれたの」
「お出かけもいいじゃん?」
「そうだけど、なんでももを誘ってくれたの」
また変な絡み方してくる。年明けてもコレか。わかってるけど
言ってあげる。
「もものこと好きだからだよ」
「ふぅん。そーなんだ」
はいはい。満足した?
「花火に吸い込まれそうで怖い」
そんなこと言いながら、ももが腕を絡めてきた。
「どうして腕組んでくるの?」
そう言ってやったら、ももは肩をちょっとびくっとさせて
それから頭を凭せかけてきた。
花火の音と、音楽にかき消されそうな、小さい声だったけど
ちゃんと聞こえた。
「好きだからだよ」

ーーー
その5につづく
ーーー

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます