まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

722 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/08(日) 00:24:00.69 0

佐紀ちゃんには、あの後ろ暗そうな家庭教師のセンセーと、縁を切っていただく。
要はそういうことだ。
ももの目下のミッションであり、それは速やかに遂行されなければならない。

とは、思うんですけど。

家庭教師をやめてもらえば済むって話なら
悪いけど、こっそり佐紀ちゃんのママにセンセーの素行を打ち明けてしまうという手がある。
だけどそれで解決するかな?
お祭りに一緒に行ったり、たまにお買い物にも行ったり
話聞いてる限りどう考えたって連絡先知ってるよね。
親の干渉から切り離されたところで自由に会えてしまうんだ。

センセーにお願いして距離を取ってもらうとか。今大事な時期だからとか言ってさ。
それができたら一番いいと思った。距離ができれば気持ちも薄まるかも。
だけど、派遣元のホームページ見ても
そこから先、どう探ればいいのかまるでわからなかった。
一気にコンタクトを取る手だてはなさそうだった。

ならば合せ技、佐紀ちゃんママに進言しつつ連絡先を聞いてセンセーに直接交渉。
これはリスキーか。センセーから逆恨みだって買いかねない。
佐紀ちゃんちに火種を撒くことになるかもしれない。

学校では、ひとまず余計なことは言わないと決めた。
何も話してもらえなくなるのが一番よくない。
これまで通りに話すけど
気持ちにはちょっと嘘をつくことになる。

今のところセンセーが忙しいらしく、週イチ+不定期の家庭教師に来る時以外では
会ったりしていないようだった。

佐紀ちゃんは「話が合う」って言ってたけど
佐紀ちゃんが想うほど、センセーは想ってないだろう。そんな気がする。
センセーはどうして佐紀ちゃんを誘ったりするの。早く飽きてくれたらいいのに。
そんな、ひどいことも考えた。
振られて傷つくなら、時間が解決してくれるって。ほんとひどいこと思ってる。

だって、今日になっても、解決策は思いつかない。

724 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/08(日) 00:25:37.94 0

「佐紀だったら、あれだよ、体育館寄って帰るって」
ちょっと目を離した隙に、佐紀ちゃんの鞄がなくて
慌てて近くにいた舞美を捕まえて聞いたら、何て事ない風にそう言った。

「体育館ってどういうこと」
「そういう時だってあるでしょ。桃はあんまり邪魔しない方がいいんじゃない」
舞美が宥めるような口調で言って来る。ムッとして思わず不機嫌な顔になった。
「邪魔だろうが何だろうが、いいの」
呆れ顔の舞美を置いて、体育館へ急ぐ。

放課後、遊びに行く女の子たちが溜まってる場所。
体育館の舞台裏。そこでメイクしたり、髪巻いたりして
裏口から抜けて帰っていく子たちがいる。

舞台袖の階段から、さらに半地下がある。
鉄の扉を開けると、佐紀ちゃんが一人でいた。
「ももがここに来るなんて、珍しいねえ」
暢気に言ってる。佐紀ちゃんは爪を塗ってるところだった。
「センセーに家以外で会うんだったらやめなよ」
「話聞くフリして、やっぱり、もも、そう思ってたんだね」
ちょっと沈黙があった。笑い合ってみたけど、お互い目が笑ってない。

「結局、ももって嫉妬してるだけじゃん?」
「違うよ」
「そうだよ。羨ましいんでしょ。恋愛も、大人の世界だってももが知らないことばっかでしょ」
「そりゃ……知らないけど」
「あたしはもう、いつ大人になったっていい」
「それって今じゃない。と、思う」
佐紀ちゃんは指を丸めて爪にふーって息を吹きかけた。

「今日はほんとに先生と会うわけじゃないから」
「ほんと?」
「別の学校のコと約束があんの」
「嘘ついてないよね」
「もしかして、ももってあたしの事好きなの?」
「えっ」
「冗談。バイバイ」
佐紀ちゃんはニヤっと笑うと鞄を持って、振り返りもせず扉を開けて出て行った。

725 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/08(日) 00:26:18.17 0

みやが見てる。
休日の駅ビル。ぬいぐるみを眺めていたら、棚越しに見える姿見に、みやが写っていた。
なぁにしてんだろ。
すぐに近づいてくるのかなと思ったら、来ない。
立ち上がって歩きだしてみる。距離を置いて着いてくる。バレバレだよ!
今日はもうちょっと遊べるのかな。誘ってみてもいいかな?
そんな風に気が向いた。

お茶しながらどーでもいい話。
適当で、楽しくて、気が緩む。こんな時間を共有できるんだな。
わりとびっくりしてたんだけど、みやが何やら言い出した。

ももがずーっとみやのこと好きだったって?
まあ、そりゃそうだよ。ずっとお気に入りだよ。だけど
みやがまた、ももの両手をがっしり握って、まるでももの片思いみたいに言ってくるから
一つずつ拾ってぜーんぶ言い返してみた。ほれほれ、反論してみ。
顔を真っ赤にしたみやが可愛くって
さらにもうちょっと煽ったら
みや黙っちゃった。

ももは確かに、余計なこと言い過ぎたかもしれない。が
「来週どっか遊びに行かない?」っていうのは想定外だった。

うーん
どう言えばいいんだろう。今の距離が好き。
たかが1回約束するだけのこと、怖がりすぎかもしれないけど
今以上に近づいちゃったら、もしかしたら
見たくないみやだって見ちゃうかもしんないじゃん。
だけど誘ってくれるのは嬉しい。断ってヘンな空気にするのも嫌だな。

イメージは前のまんまだけどもうお互い高校生で。
ももも変わった。みやも変わったとこがあるのだとしたら
……一回、今の新しいみやのこと、知っておいてもいいんだ。

お返事したら、連絡先を交換することになった。
みやと、初めて距離を詰めてみた。ドキドキするね。

726 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/08(日) 00:27:15.45 0

「先週は疑って引き止めてごめん。佐紀ちゃんが離れていっちゃう気がしてた」
そう言ったら、佐紀ちゃんは「へぇ……」って言って
ちょっとだけ優しくなった。

言葉って、いくら思うところ全部言ってみたって誤解が混じる。
誤解されてもいいやと言ってみたら、すこん!と新しい風穴があいたりする。
もうちょっとコントロールできるといいんだけど。

「大丈夫だよ。ももは心配しすぎだと思う」
「そうなのかな」
「ここから先は駄目とか、それくらいの判断できるよ私だって」
「うん。……信用してないとかそういうんじゃないけど」
「先生はももが思ってるような、悪い大人とかそういうんじゃないよ」
「やっぱり、センセーのこと好き?その……付き合いたい?」
「そうなるんじゃないかなって、気はしてる。わかんないけどね」
「ももの知らないうちにとか、やだからね」
「その時は言うよ。わかんないけど本当に。告白したら振られるかもわかんないし」

それから「ま、勉強が本分だからね」なんて佐紀ちゃんが言い出したりして
大分平穏な毎日が戻ってきていた。
「今日は先生来て小テストやるんだよね。やばい」なんて笑ってる佐紀ちゃんからは
ちょっと前までの過剰に大人ぶった雰囲気も消え失せていて
すっかり、油断していたよ。

夜、お部屋の片付けをしていたら出てきた。なんだっけこの紙袋。
見てみたらフェルトの切れ端がいっぱい入っていた。
捨てるに捨てられなかったやつ。でも、捨てようか。
うーん、でも、何かつくれるんじゃない?例えば指人形くらいならさ。

お裁縫箱を引っ張りだしてきて、鋏を取り出した。
このくらいかな?って適当に切っていく。
いっとき何も考えずに、一所懸命つくるのが好き。
まあ、気付いたら、さっきより散らかってるような気が……するけど。
可愛いのができたから良いじゃん。
明日はみやと遊ぶ日だ。

ーーー
つづく

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