まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

423 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/05(月) 23:57:34.99 0

ハウスキーパー雅ちゃん〈6〉

可愛いメイドさんの服に憧れたこともあったっけな。と雅はクローゼットを見ながら思う。恐らく須藤が用意したのだろう衣服は、動き重視で着易く有り難かったが、時折、可愛い服が着たい!という衝動に震える。

「ももの服が着たい」
自室のドアから顔を覗かせたモモは、雅の言葉を聞いて耳を赤くしながら目を逸らし「えっ……何なの」と言った。
「……あ、違う、違うの」
ドアは無情にも閉められた。完全に想定外の誤解だった。言い方を間違えた。「ももの服」ではない「可愛い服」が着たいと言えば良かったのだと気付いた。
「ちょっと待って」と雅は独り言ち、壁に手を付いた。酷い辱めを受けた気がした。

モモが着ている服はいつも少女趣味だった。須藤の趣味だとモモは言っていたが、基本は木綿や麻のクラシックなワンピースで、地味ではあったがふんわりと広がるシルエットが可愛かった。
それを、ちょっと、着てみたいと思っただけ。
雅は思い直した。違う、そんな誤解をされたわけじゃない。ただ、忙しい時に余計な事を言われたから気分を害して引っ込んだだけなのだ。本当、モモは気分にムラがあるから。
落ち着いている時に、普通にお願いしたらいい。こう言えばいい。
「ももがいつも着てる服可愛いから私も着てみたいんだけど」
口に出して言ってみた。これじゃん。
その時再びドアが開いた。
「そういうことなら別にいつだって好きなの着たらいいよ」数着を脇に抱えたモモが廊下に出てきた。
その中に淡いブルーのラインが入った麻のワンピースがあった。「これ着てみたい」と雅が言うと、モモは「じゃあ、髪編んであげるね」と言った。

「最初におしゃれじゃないみたいなこと言ったから、まさか着たがるとは思わないじゃん」
「あ……そうか、そうだわ」
雅が着てみると、麻のワンピースはちょうどいいサイズで、大人っぽいシルエットになった。
「まあさが大きめのを買ってくるから」とモモは言った。
雅がダイニングの椅子に座ると、後ろに立ったモモが髪を取った。「二つに分けて編み込んでからお下げにしよう」

ダイニングは陽が差し込んでいて明るかった。モモの指が髪を梳く。それが心地良くて、雅はトロトロとした眠気に襲われる。

「例えば、お庭の草むしりをしようとするじゃない」とモモが話し始めた。

428 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/06(火) 00:01:54.49 0

「除草する方は、除草しなくちゃ死んじゃう、とか除草したら億万長者になれる、とか
そこまで強い動機じゃないよね、手間とメリットを天秤にかけてメリットが勝ったというくらいの
目障りだから、とか、ここをきれいにしておたいな、とか、或いは育てたい他の植物が育たなくなるからとか
理由はいろいろあるんだろうし、そのどれなのかはわからないけど」

雅は子守唄のようにモモの言葉を聞いていた。ちょっと低めで控えめに話すモモの声も、気持ち良くて、本当に眠ってしまいそうだった。

「それくらいの気持ちで、自分の家の庭みたいな気持ちで草むしりに来てるのがいてさ、だけどこちらは長い歴史を重ねてきた草で、そんなライトにむしられたくはないわけ」
「うん……」
「草刈り機でがーっとやられたり、除草剤蒔かれたりしたら、そりゃまあ一発で終わりなんだけど、どうも手でむしりに来てるんだよね」
「そうなんだ」
「その時にさ、トゲのある草があって、手にちくっと刺さったら、手を引っ込めるじゃん。たぶんね。
懲りずにまた手を出してくるかもしれないけど、でももしかしたら
じゃあここはいいやって、諦めてくれるかもしれないよね」
「うんうん……痛いのは嫌だしね」
「たぶんさ、結局、その程度なんだけど」
モモは雅の頭を撫でた。
「その程度だけど、私はそのトゲになれるんだってさ」
「……え、ごめん、気持ち良くて寝そうになってた。何の話?」

「なんで私が千奈美の草刈りマシーンを壊すのかって話」
「えっ、ほんとにわざと壊してるんだ」
モモは楽しそうに笑うと「できたよ」と、手鏡を手渡してきた。
「可愛い!」
「外国の女の子みたい」
「どこかな」
「どこだろ……フランスかな?」
「フランス行ってみたーい」
「行ってみたいね」

〈7〉に続く

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