まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

887 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/12(水) 22:26:41.01 0

感情など、最初に一線を越えた夜、互いに全て使い切ってしまったんだろう。

記憶はところどころ飛んでいる。
雅には、アルコールというエクスキューズがあり
桃子には、雅の涙というエクスキューズがあった。

桃子というのは、そうしてみれば、驚くほど
理想的な相手だったと雅は何度も思った。
二人だけの秘密は永遠に守られるだろう。
桃子はその計算高い自我を持って、何も犠牲にしない。
必要以上に依存しない。
雅の欲望に淡々と応え
優しく身体を開く。

雅は背中を向けている桃子の肩に手を置き、軽く力を入れた。
抵抗もなく簡単に倒れてくる身体と、遅れてこちらを向きかけた桃子の顔
反対側の頬に右手を伸ばすと上を向かせる。

桃子の目がゆっくり開かれる。頬に長い睫毛の影が落ちた。
人形のように整った青白い顔が、まるで知らない誰か他人のように見える。
色のない視線が雅の顔を捉えた。

余計なことを言われないのは、楽だ。
雅が微笑むと、桃子の口許もまた少しだけ緩んだ。

雅は顔を寄せると、桃子に頬擦りする。
桃子が音もなく息を吐くのに合わせて
肌を当て、擦り合わせた。

気持ちいい。

お互い、大人になったから。と雅は思う。
猫がじゃれあうような、心を介在させない快楽だけを
こうして共有できる。

頬に口付けてから桃子の唇の端を舐める。
隙間から捩じ込ませると、柔らかく、濡れた、温度のない舌に触れる。
くすぐるように誘えば、舌先が素直に差し出される。
唇を押し付けるように被せ、ちゅ、と音を立てて吸った。
イチゴのような甘さが鼻先に纏わり付き、雅は初めて気付く。
桃子は僅かにアルコールを入れている。
雅は唇を離し、閉じていた瞼を開いた。

お互い、何かの替わりに
今欠けているものを埋め合わせるヒーリングの時間。
桃子の方も、きっとそんな風に思っているんだろう。

そう。だよね?

雅の躊躇うような吐息を頬に受けて
桃子が喉の奥で笑った。

「こんなので、満足?」

耳の中に落ちてきた可愛らしい声は
その一滴で
直前まで雅の全身に漂っていた心地良さを全て、一気に引き剥がした。

「どうして、みやがへったくそなのか、教えてあげようか」

888 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/12(水) 22:29:57.42 0

「へ……へたじゃないもん」

桃子は雅の腕を振りほどくと身体を起こした。
「今日で何回目だ?3……違うな4回目
いつになったら楽しくなるのかなぁと黙って付き合ってたけど
こっちも限度があるからさぁ?」

雅はベッドの上に仰向けに転がされる。
ルームライトの逆光で、見下ろしてくる桃子の表情がよく見えない。
雅は唾を飲んだ。
「何か言いなよ」
桃子はそう言うと、雅の両肩をシーツに押し付けた。

「ももが……どう思ってるかなんて知らなかったし」

「まぁ、みやがそれでいいなら、それでいいかとは、思ってたけど。最初はね?
今後万が一にでも知らないどこぞのチャラいのに引っ掛けられて遊ばれるくらいなら
みやに好きな人ができるまでの間
いくらでも付き合ってあげようなんても、思ったけどさ」

桃子は覆い被さるように雅に身体をぴったりと重ね
雅の耳元に唇を寄せた。

「ももちゃん、ちゅまんなぁぃ」

そのまま、雅の身体の上で、両足をバタつかせる。
桃子のふざけた様子に雅はようやく動悸を収め
それでもまだ、少し怯えながら口にする。
「そ、そんなこと言われたって、わかんないし。どうしろって言うの」
「絶対みやだってそんな楽しくもないでしょこれ」

寝転がったままぴたりと張り付いた身体。
桃子は脚を伸ばすと、つま先を雅の足の甲に当て、踏みつけた。

「あ、先にみやの意思の確認をしておこう」
「……なに?」
「みや、上手になりたい?」
「な……なりたい」
「良かった」

桃子は顔を上げ、仰向けになっている雅の顔を間近に覗き込んできた。
表情は穏やかで、何か見ていられず、雅は視線をはずす。
桃子は指先で軽く雅の頬を叩いた。
「こっち、見て、みや」

雅は恐る恐る、桃子に目を合わせた。
間近に見た桃子の虹彩の色は、さっきまでとはうって変わって熱を帯びていた。
優しく、細められた目。
桃子は、ほとんど吐息混じりに言った。

「……好き」

それから桃子は、雅の頬を両手で挟み
これ以上ないくらい、優しく雅に口付けた。
「好きだよ、みや」

905 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/13(木) 00:10:15.27 0

「な、何、いきなり何言ってんの……」
雅は桃子の身体の下でもがいた。顔が火照って赤くなっているのを感じる。
「これくらい言わなきゃつまんないじゃん」
桃子は膝で雅の脚を割った。

桃子は上半身を軽く起こすと手を下に伸ばし
雅の片膝を掴むように、ぐいとお腹の方に持ち上げ
身体を雅の脚の間に割り込ませてきた。

「冗談で、言ってるってこと?」
「逆にみやはどう思う?」

桃子は「あの子には見せられん」と言いながら
掴んだ膝を外側に開こうとした。雅は思わず脚を閉じようとしたが
桃子の身体に阻まれる。
そのまま、膝から太腿の裏側を撫で下ろされ
指先が脚の付け根の窪みを撫でた。

「この程度の格好をいまさら恥ずかしがるところがいいよね」
「だって、なんか恥ずかしいし」
「かわいい」

そう言われて雅は照れた。本当に、今更だ。

桃子の指がぬるりと滑って、潤みを塗り付けるように広げた。
「……だめ」
「ぐっとくることを言うね」
濡れた指先が敏感な突起を微かに撫でた。
駆け上がってきた刺激に雅は声を漏らす。余韻がいつまでも後を引いて雅は震えた。

「こんなに濡れてたことあったっけ」
吸い付くように再び触れた指が、突起をゆっくりと撫で回す。
「はっ……あっ」
「本当に、好きなんだよ。って、言ったらどうする?」
摘まれて揺らされる。
「んっ……冗談…っ……やめてよ」
「好きだから、したいの。って、言ったらどうするの」
「……い、言わないで」
桃子の顔が押し付けられ、雅の腰はビクリと跳ね上がった。
唇で擦られ、熱い舌が押し当てられる。
雅は声を堪えきれず、両手で口を覆った。

906 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/13(木) 00:17:17.59 0

「気持ちいい?」
「んっ……きもちい…ぃ」
「いくの?」
「……っく」
「ん……もっと」

吸い付かれる度に何度も弾け、全身を巡る疼きを押さえ込むように
雅は自分のお腹に手を押し当てる。
それでも身体の震えはいつまでも止まらなかった。

桃子が腰に抱きついてくる。
「みやの体、あっつい」
そう言いながら、お腹の下に頬擦りした。
その微かな感触すら、全身に響いてくる。
桃子の指が伸びてきて雅の唇に触った。
「んっ……ぅ」
雅は押し込まれた指を咬み、喉から詰まったような声を漏らした。

桃子は雅がお腹の上に置いていた片手を取り、指先を握る。
むくりと起き上がると、その手を握ったまま
雅の身体を膝で挟むようにして伸び上がった。
動機が治まらない。顔を歪ませたまま雅は桃子を見る。

「ね、かっこつけんのやめたら、だいぶ良くなったね」

桃子は雅の腕の横に片手を付き、握っていた人差し指と中指を上に向けると
その上に腰を落としながら言った。
「こんなの美しくも格好良くもないよ。滑稽なほど、愛おしいもんじゃん」

きつく根元を握られた指先が潤みに触れると
雅は思わず肘を引こうとした。
「ダメ。ちゃんと立てて」
「なに……するつもり」
「そんなに楽しみ?」
雅のお腹の上で、桃子の腰が動く。
「やっ……」
ぬるりと指先が飲み込まれ、締め付けられた。
桃子は小首を傾げると、俯いて自身の肩口に頬を押しつけ、目をぎゅっと閉じる。
「はっ…ぁっ……」

苦しげに目を閉じ、感じている桃子の顔を見るのは初めてで
雅はたまらず自分から指先を動かした。

「あっぁ…っ」
甲高く甘い声が雅の耳を刺す。
桃子は両手で支えるように自身の足首をぎゅっと掴んだまま
指の動きに合わせて腰を戦慄かせた。

911 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/13(木) 00:53:58.55 0

ぎちぎちに締め付けたまま、押し付けて来る桃子の腰とお腹の隙間
痛いほど手を挟まれていた。雅はもがくように指先を動かす。

「……っく」
「んん……ごめん、痛かった?」

息を荒げながら少し腰を浮かせた桃子の、全身から色が零れ落ちる。
それを雅は見上げていた。心臓が痛いほど鼓動を打って
何か溢れ出しそうな感情を必死に堪えた。

桃子が身体の後ろに片手を伸ばし
ゆるく開いたままになっていた雅の脚の付け根を撫で上げる。
思わず閉じた腿の間に構わず指先が捩じ込まれた。
「あっあっ……」雅は首を仰け反らせる。

何度も弾かれるような甘い刺激に雅の腰は浮き上がり
喉から漏れ出した声は桃子の熱い吐息と絡み合った。

「みや……みやも、言ってよ」
「ん、んっ……うん」
「もものこと、好きって、言って」

桃子の顔は歪んで泣きそうだった。

「……好き」

言葉を聞いた瞬間の、蕩けそうな桃子の表情を
雅は信じられない思いで見ていた。
桃子の身体が前のめりに揺れ、そのまま倒れてくる。
思わず掻き抱き、唇を合わせた。

桃子が唇を動かし何か言っている。
言葉にならない声を絡めとるように、夢中になって舌先を吸うと
熱いものが雅の喉に流れ込んできた。

また、動悸が上がってくる。
ひたと合わせられた身体、押し付け合っている胸の間が汗でぬるりと滑った。

……
ベッドの軋みに雅は薄目を開ける。
ほんの一瞬、微睡んでいた。
桃子がベッドから降り、歩いていく後ろ姿を目で追った。

ドレッサーに真っ直ぐ向かった桃子は鏡を覗き込み
「いい顔してんなぁ」
と言った。

「シャワー浴びるの」
雅が声をかけると、振り返った。
「そうだね。みやはどうするの」
「……動けない」
「あっそう」
手早く髪をアップにまとめながら、桃子は言った。
「みや、感情を殺せるのがオトナだなんて思ってるなら、勘違いだからね」
「どういうこと」

「感情を上手に晒せるのが大人なのよ」
そう言って、桃子はタオルを手に取り、バスルームに消えて行った。

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