まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

44名無し募集中。。。2019/01/20(日) 19:24:20.920

久しぶりに会った時、彼女は随分と落ち着いたように見えた。
そう伝えると、「お互い様でしょ」と笑っていた。その笑顔に胸が少し痛んだ。

 
昔から大人びていて周りをよく見ている人だった。
悪口はもちろん、コンプレックスには絶対に触れない・茶化さない優しさがあった。
だけど、Berryz工房の頃はもっと一緒に騒いだりしていたように思う。
それが今では、一歩引いてみているように感じる。
10歳以上離れた子と一緒に活動していたのだから、それは必然的なことなのかもしれないが、自分だけあの頃のままのような気がして寂しかった。
 
遠い存在になっていくのを感じたのはこれで2回目だ。
オーディションに合格して、同じグループのメンバーに選ばれて。
毎日を共に過ごしてきたせいか、切磋琢磨しながらずっと一緒に過ごしていくのだろうと当たり前のように思っていたあの頃。
そうではないと気付かされたのは、大学に進学したいという話を聞いた時だった。
勉強が苦手だったから大学なんて最初から頭になかったし、Berryz工房として活動しながら大学に通うなんて考えたこともなかった。
自分の知らないところで、彼女はアイドルとは違う人生の決断をしていたことに衝撃を受けた。
それまでメンバー同士の知らない部分についてなど気にしたこともなかったというのに、他の子も実は同じように考えているんじゃないかと勝手に勘繰ったりもした。
 
第一志望ではなかったらしいが、念願叶って教育分野の勉強ができる大学に通い始めた彼女は、それまでより更に忙しい生活を送るようになった。
新しい環境で過ごすようになったからか、普通の子の生活というものに随分と感銘を受けたようで逐一報告されたりもした。
隣で聞いているうちに少しずつ彼女が違う色に染まっていくような気がした。それはまるで初めて空の青さを知った鳥のようで。
そんな風に少しずつ彼女は外の世界を知っていったのだと思う。
 
あの頃の感覚に似ている。
芸能界という華やかで時に残酷な世界から離れ、新たな夢に向かって頑張っている姿はとても素敵なのに。
あの頃と違うのは、私達が同じグループで活動していないことだ。
もどかしさを感じながらも毎日のように顔を合わせていた日々はもう日常ではなくなって、今は思い出に変わっている。
だからなのか。彼女の瞳には私の姿は映っていない。
住む世界が変わるのだ。そう思うと心が張り裂けそうだった。
ただ同僚というだけなのに。そう、私達はただの同僚なのだ。
なのに、彼女のこれからの未来を想像すると苦しい。
私の知らないどこかで恋をして、人生のパートナーを見つけて。子供を産んで、育てて。そんな風にきっと素敵な年の重ね方をするんだろう。
 
幸せな将来のはずなのに、考えただけで涙が溢れてしまう。
彼女が自分の知らないところで、自分の知らない顔をしているのが嫌だと自覚したのはいつ頃だったか。
「重いよ」と言われるのが嫌で。それは伝えられないままだった。
一度蓋をした気持ちはそう簡単には表に出せない。
きっとこのまま私達は同僚という関係に終止符を打つのだろう。
そして、交わることのない平行線のような人生を互いに歩んでいくのだろう。
受け入れなければならない現実はナイフのように鋭かった。
昇華させられるだろうか。自信はないけど。前に進まなくちゃいけない。
涙を拭って見上げた空は薄い桃色に染まっていた。

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