まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

779 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/29(木) 23:00:34.19 0

朝、また桃子に起こされた。
昨日と同様に朝食が出来るまでの間、観察するように見つめられる。
出かける前に不意打ちのキス。
今日は唇ではなく頬。

「ほっぺにちゅーくらいはコンサートでもしてるんだからいいでしょ」

苦情を言う前に楽しげにそう言われて黙り込む。
それに小さく笑う桃子。

「もも、みやで遊んでない?」

「まさか、そんなことしないよ」

笑いを含んだ声。
じとりとした目で見てしまう。

「本当だよ。信じてくれないのみーやん」

わざとらしい泣き真似。

「どこに信じる要素があるの。というかその態度、本当に遊んでるの?」

「違うよ。ひどいなもお。ほら、それよりみーやん早く行かないと」

またドアに向かってぐいぐいと背中を押される。
いってらっしゃいとどこか寂しそうな目をした桃子に見送られて家を出た。
今日は現在の桃子に会うこともなく仕事を終えた。
帰宅するとリビングのソファーに寝転びタブレットの操作をしている桃子。

「今日は何してたの?」

「漫画読んでた」

「一日中?」

「ほぼ」

一体どれだけ買ったのか急に請求金額が恐ろしくなる。
頭の片隅にメルマガの類だと読み飛ばしたメールが思い出される。

780 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/29(木) 23:01:33.15 0

「まとめ買いとかしたの?」

「漫画は無料のだけだから。でもこれは買わせてもらいました」

軽く頭を下げ見せられたのは高校の参考書。
高校生なんだと改めて実感させられる。

「ごめんね、結構な金額になっちゃった」

殊勝な態度の桃子に調子が狂う。

「必要なものは買うから気にしなくていいよ。他に何かいる?」

「昨日買ってきてくれたので間に合ってるしこれ以上はいいよ。返しようがないし」

「だから気にしなくていいって」

でもなぁと渋る様子を見せるもすぐに思いついた様にあっと顔を上げた。
その表情はにっこり笑顔。
絶対にロクなことは言わないと確信できる。

「体で返そうか」

案の定な言葉に思わずため息。

「そういうのはいいから」

即座に断るとやっぱり?と笑うだけ。
夕食何?と一足先にリビングに向かう桃子に拍子抜けする。
その後も昨日までと違いからかってはきても無用には触れてこない桃子。
何をするわけでもないのに手を伸ばせば触れられる距離。
妙に近い距離に落ち着かない。
隣であっさりと眠った桃子がほんの少し憎たらしかった。

何度も聞こえてくるドアの開閉音。
体感的にはまだ朝早い。
午後からの仕事だからまだまだ眠れるのに。
うるさいと口にしたつもりが出たのは唸る様な声。
うっすら目を開けると桃子の顔。

781 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/29(木) 23:02:49.12 0

「もうちょっと寝てなよ」

フワッとシャンプーの香り。
髪を撫でられる感触が心地良い。
休日の朝や早く起きる必要のない時、何かのきっかけで少し目を覚ますとこうやってもう一度寝る事を促された。
優しく頭や頬を撫でられ、時々頬や額にそっと口付けられる。
はっきりと起きているときは絶対にしてこないその行動。
だからすぐにでもまた眠りそうなのを堪えて寝ているふり。
でも眠気に抗いきれずいつもまた寝てしまって。
ぐっと近く桃子の気配。
額に感じる柔らかな熱。
懐かしい。
勝手に込み上げてくる熱い何か。
寝返りをうつふりをして枕に顔を埋めた。
優しい手つきで背中を撫でられる。
それを払いのけることもできずいつの間にか本当にまたあの頃のように寝てしまっていた。

すっかり日も上りきった時間。
桃子に揺り起こされる。
温めただけだけどと用意されていた昼食。
身支度していると感じる桃子の視線。
偶に目が合うと優しく笑いかけられる。
一度も見た事のないそれにすぐ目を逸らす。
鏡に写る僅かに赤く腫れた目。
これくらいなら寝不足で誤魔化せると諦めて身支度を終える。
出かける時のお見送りのキス。
やめるつもりがないんだろうなと諦めた気分で抵抗する事なく腕を引かれる。
少しの間。
唇の端にされたキス。
どことなく嬉しそうな桃子に見送られて家を出た。
Buono!のレッスン日。
目的地に一歩近づくごとに重い気分になっていく。

「おはようございます」

聞こえてきた耳慣れた声。
振り向くとそこには桃子がいて。

「おはよう」

少しおかしな声になった挨拶。

782 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/29(木) 23:04:08.27 0

「おはよう」

返ってきた挨拶は自分のものと同じように少しだけおかしな感じがした。
高校生の桃子が身近にいるせいなのかいつもと違うように感じる桃子の態度。
いつもはどんな感じだった?
どんな距離感で接していた?
何もかもわからなくて俯いてしまう。

「どうしたのみや?」

心配そうな声に顔を上げる。

なんでもない

そう言いかけたのに。
自然に目元に触れてくる桃子に声が詰まる。

「少し腫れてる。やっぱり何かあった?この前の朝電話してきた時、様子変だった」

まさか高校生の桃子がいるなんて言えない。
何と言っていいかわからない。
苦し紛れに近すぎる距離を指摘する。

「もも…ちかい」

「あっ…ごめん」

ぱっと離れていく桃子に少しさみしい気持ちになる。

「なにもないよ。ただ最近ちょっと眠れなくて寝不足気味なだけ」

「ほんとに?」

「うん」

「そっか」

諦めを含んだような笑顔。
漂う微妙な空気は愛理が来たことによって打ち破られた。
どうにかいつものようにしようと思うのに家にいる桃子と被る行動。
その度に距離を見誤る。
近すぎる距離に過剰な反応。
桃子からしたらきっと挙動不審だった。
ひどい疲労感を抱えて帰宅した。

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