201名無し募集中。。。2019/08/31(土) 13:54:43.320
「ふはっ、懐かし」
思わず出てしまった声に、ソファーに座るももをチラッと伺う。
ももは相変わらずノートを見ていて、気にしてないみたいだった。良かった。
ねぇ聞いた?良かった、だって。
そんな風に思えるようになるなんて、数年前の自分は想像してなかったな。
ちょっとしたことでイラッとしたり、落ち込んだり。忙しなかったな〜。
それも、懐かしい。
帰ってきてから、ふと思い立ってベリーズのライブを見始めた。
みやは、今日で27歳になった。
映像の中で歌って踊る自分と今の自分。変わったかな?変わったよね。多分。
ももとのMCの場面が流れてきて、それを見たら声が出ちゃって、今に至る。
リモコンの一時停止ボタンを押して、ももの隣に座った。
「さっきからなに見てんの」
「んー?明日、家庭訪問があるから」
ももが持ってるノートを覗き込んだら、びっしりと文字が並んでいて、軽く目眩がした。
1つ1つの項目の頭には、子供たちの名前が書かれている。ももが担任を務めるクラスの生徒らしい。
「うちの子達ね、たっくさん個性があってかわいいんだ〜。それを簡潔に、だけどしっかり親御さんたちに伝えたくてさ」
ノートをよく見ると、授業中だけじゃなくて休み時間の様子とか、友達とのやり取りで感じたことも箇条書きにされていた。
ももは唇を尖らせて、真剣な顔。時折微笑んでは、赤ペンで印を付けたり、何やら書き込んでいる。
あー、好きだなーって思う。
その様子をじーっと見てたら、不意に顔を上げたももと目が合った。
その瞬間、なんだかあったかくてくすぐったい感情が湧き上がってきて、思いきり抱きついた。
「ちょ、みや、どしたっ?」
「なんか、ぎゅーしたくなった」
なにそれって笑いながら、ももが頭を撫でてくれる。
202名無し募集中。。。2019/08/31(土) 13:58:47.390
「さっきのケーキ、美味しかったね」
「うん。もものお誕生日もあれ食べたい、みや買ってきて」
「えー。プレゼントくれなかったしどうしよっかなー」
冗談っぽく言ったら、みやの頭を撫でるももの手が止まった。
気になって体を離したら、ももが申し訳なさそうな顔してこっちを見てた。違う、そうじゃないから。
「ごめん、誕生日の日まで仕事のことばっかで」
ももは落ち込んだように眉毛を下げながら、ノートを閉じてテーブルに置いた。
こっちに向き直ったももが、真剣な顔になる。
「みや、お誕生日おめでとう」
改めて言わなくてもいいのに。でも、嬉しい。ありがとって小さく笑ったら、もももふにゃって笑った。かわいい。
どうしようもなくて、またももに抱きついちゃった。
気持ちが溢れると、なんか無性にぎゅーってしたくなるの、わかる?
犬みたいに尻尾があれば、ブンブン振るだけで気持ち伝わるのになー。
「ももちの"ち"ね」
ももの胸元に顔を埋めて、甘い匂いをたっぷり堪能した後で、顔を上げて言った。ふふん、からかってやる。
「え、なに?なにいきなり」
「だーかーらー、ももちのちから始めるんでしょ?」
ももは困惑した顔で、まじまじとみやの顔を見つめてくる。ほんと鈍感。
仕方ないから、一時停止したままのテレビ画面を、目線だけ動かしてチラッと見る。
つられるようにももも画面を見て、あ、って顔した。やっと気付いたか、遅いわ。
203名無し募集中。。。2019/08/31(土) 14:02:19.870
おねだりするように、ももの首筋におでこをぐりぐりしてみる。
もう1度顔を上げると、ももの顔は真っ赤だった。こういうことは恥ずかしがるの、愛しいな〜。
「ももー?」
「…ち、…し…ぃな〜…」
「んー?みやちゃん聞こえなーい」
にひって笑ったら、ももの顔がさらに赤くなった。
照れたように顔を横に逸らされて、そのせいで髪の隙間から覗いた耳がかわいい。かぷってしたい。
「もーもちゃん」
「……」
ももの染まった耳の先に指でそっと触れたら、ピクってして顔をこっちに向けた。
目を見つめて、微笑む。
きゅって引き結ばれたももの唇が、緩むのが分かった。
「……ちゅーしたいなぁ…?」
消え入りそうな声だったけど、ちゃんと聞こえた。
ケーキ準備してくれただけでも嬉しかったよ。ももの誕生日も楽しみだね。また一緒に食べようね。
その前に、プレゼント貰えなかったみやのこと、
「慰めてほしいなぁ?」
とびっきりの甘い声で囁いて、ももの唇にキスをした。
ももがプレゼントってことで、貰っちゃお〜
「大好き」
息継ぎの間に伝えて、また口付ける。
鼻に抜ける吐息が熱くて、クラクラした。
「ふはっ、懐かし」
思わず出てしまった声に、ソファーに座るももをチラッと伺う。
ももは相変わらずノートを見ていて、気にしてないみたいだった。良かった。
ねぇ聞いた?良かった、だって。
そんな風に思えるようになるなんて、数年前の自分は想像してなかったな。
ちょっとしたことでイラッとしたり、落ち込んだり。忙しなかったな〜。
それも、懐かしい。
帰ってきてから、ふと思い立ってベリーズのライブを見始めた。
みやは、今日で27歳になった。
映像の中で歌って踊る自分と今の自分。変わったかな?変わったよね。多分。
ももとのMCの場面が流れてきて、それを見たら声が出ちゃって、今に至る。
リモコンの一時停止ボタンを押して、ももの隣に座った。
「さっきからなに見てんの」
「んー?明日、家庭訪問があるから」
ももが持ってるノートを覗き込んだら、びっしりと文字が並んでいて、軽く目眩がした。
1つ1つの項目の頭には、子供たちの名前が書かれている。ももが担任を務めるクラスの生徒らしい。
「うちの子達ね、たっくさん個性があってかわいいんだ〜。それを簡潔に、だけどしっかり親御さんたちに伝えたくてさ」
ノートをよく見ると、授業中だけじゃなくて休み時間の様子とか、友達とのやり取りで感じたことも箇条書きにされていた。
ももは唇を尖らせて、真剣な顔。時折微笑んでは、赤ペンで印を付けたり、何やら書き込んでいる。
あー、好きだなーって思う。
その様子をじーっと見てたら、不意に顔を上げたももと目が合った。
その瞬間、なんだかあったかくてくすぐったい感情が湧き上がってきて、思いきり抱きついた。
「ちょ、みや、どしたっ?」
「なんか、ぎゅーしたくなった」
なにそれって笑いながら、ももが頭を撫でてくれる。
202名無し募集中。。。2019/08/31(土) 13:58:47.390
「さっきのケーキ、美味しかったね」
「うん。もものお誕生日もあれ食べたい、みや買ってきて」
「えー。プレゼントくれなかったしどうしよっかなー」
冗談っぽく言ったら、みやの頭を撫でるももの手が止まった。
気になって体を離したら、ももが申し訳なさそうな顔してこっちを見てた。違う、そうじゃないから。
「ごめん、誕生日の日まで仕事のことばっかで」
ももは落ち込んだように眉毛を下げながら、ノートを閉じてテーブルに置いた。
こっちに向き直ったももが、真剣な顔になる。
「みや、お誕生日おめでとう」
改めて言わなくてもいいのに。でも、嬉しい。ありがとって小さく笑ったら、もももふにゃって笑った。かわいい。
どうしようもなくて、またももに抱きついちゃった。
気持ちが溢れると、なんか無性にぎゅーってしたくなるの、わかる?
犬みたいに尻尾があれば、ブンブン振るだけで気持ち伝わるのになー。
「ももちの"ち"ね」
ももの胸元に顔を埋めて、甘い匂いをたっぷり堪能した後で、顔を上げて言った。ふふん、からかってやる。
「え、なに?なにいきなり」
「だーかーらー、ももちのちから始めるんでしょ?」
ももは困惑した顔で、まじまじとみやの顔を見つめてくる。ほんと鈍感。
仕方ないから、一時停止したままのテレビ画面を、目線だけ動かしてチラッと見る。
つられるようにももも画面を見て、あ、って顔した。やっと気付いたか、遅いわ。
203名無し募集中。。。2019/08/31(土) 14:02:19.870
おねだりするように、ももの首筋におでこをぐりぐりしてみる。
もう1度顔を上げると、ももの顔は真っ赤だった。こういうことは恥ずかしがるの、愛しいな〜。
「ももー?」
「…ち、…し…ぃな〜…」
「んー?みやちゃん聞こえなーい」
にひって笑ったら、ももの顔がさらに赤くなった。
照れたように顔を横に逸らされて、そのせいで髪の隙間から覗いた耳がかわいい。かぷってしたい。
「もーもちゃん」
「……」
ももの染まった耳の先に指でそっと触れたら、ピクってして顔をこっちに向けた。
目を見つめて、微笑む。
きゅって引き結ばれたももの唇が、緩むのが分かった。
「……ちゅーしたいなぁ…?」
消え入りそうな声だったけど、ちゃんと聞こえた。
ケーキ準備してくれただけでも嬉しかったよ。ももの誕生日も楽しみだね。また一緒に食べようね。
その前に、プレゼント貰えなかったみやのこと、
「慰めてほしいなぁ?」
とびっきりの甘い声で囁いて、ももの唇にキスをした。
ももがプレゼントってことで、貰っちゃお〜
「大好き」
息継ぎの間に伝えて、また口付ける。
鼻に抜ける吐息が熱くて、クラクラした。
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