まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

558名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/24(月) 00:07:48.82 0

付き合ってもう何年になるだろう。
高校時代、女子校特有の空気から興味本位で後輩に手を出した。
見た目の派手な遊んでそうな後輩。
見た目に反して変なところで真面目で妙にピュアだった。
どこを好きになってくれたのかはさっぱりわからない。
あの当時の自分は自分から見ても最低という言葉がぴったり。
人からの好意なんて上手く利用するものでしかなかった。
それでも全身で好きと伝えてくる雅に嘘がいつの間にか本当になっていた。
本当の意味で恋人だと思うようになったのはいつだったろうか。
気がつけば心の中の大事な部分に大きく居座っていた雅。
今となっては雅よりはるかに自分の方が気持ちの比重が大きいに違いない。
本気になればなるほど不安になる。
どんどん弱気で臆病になっていく自分に反して自信に溢れどんどん魅力的になっていく雅。
派手な見た目の通り派手な交友関係。
大学に進学した自分と違って専門学校に進んだ雅は一足先に社会人になった。
華やかな世界に身を置く雅。
学生と社会人では生活の時間が違った。
たまに会う時間は以前と変わらない雅。
それでも何か纏う空気が違った。
どこか知らない人のようなその雰囲気に落ち着かない。
会っても触れ合う事も滅多になく半日も一緒にいる事など無くなっていた。
終わらせたくないのにどこか終わりを望んでいる自分。
取り除くことのできない不安に押しつぶされそうだった。
大学卒業後、就職ではなく院に進んだ。
何かに没頭する事で逃げていた。
ほとんどの時間を研究室で過ごしている毎日。
もはやたまにくる連絡だけの繋がり。
少なくとも半年は顔を合わせていない。
果たして付き合っていると言えるのかわからない。
今なら別れると言われても衝撃が少ないのではないかと思えるくらい希薄になった関係。
だから深刻な声で会いたいから時間を取ってと電話を受けた時は遂にきたかと覚悟した。
覚悟はしても約束の日が迫るほど別れるのは嫌だと心の中で喚く自分がうるさくなる。
約束の時刻。
随分前に渡した合鍵で雅が部屋に入ってきた。
久しぶりに見る雅は最後に会った時とは違い沈んだ表情。
立ち尽くしたまま俯く姿に座るよう促しても首を横にふられるだけだった。
長く続く沈黙。
ただ時間が過ぎていく。

560名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/24(月) 00:10:07.44 0

「別れ話にきたんじゃないの?」

弾かれたように顔を上げた雅は皇帝とも否定ともとれない反応を示した。
酔った勢いで男と浮気したと今にも倒れそうなほどに蒼白な顔で告げてきた。
聞いた瞬間、何故かほっと安心した。
裏切られた事にショックを受けるよりもやっぱりという謎の安心感の方が上回った。
激しい嫉妬はもちろんあった。

「みやはその話をしてどうしたいの?」

返ってくるのは沈黙。

「もうその人と付き合っちゃいなよ」

「ももと別れたくない」

「でもその人も気になるんでしょ」

酔った勢いとはいえ雅の性格上、全く意識していない相手とどうにかなるとは思いづらい。
少しの躊躇の後、首が縦に振られた。
やっぱりとどこか諦めの気持ち。

「飽きたらまたもものところに戻っておいで」

その会話の数日後、付き合い始めたと連絡がきた。
雅が誰かのものになったことに狂おしいほどの嫉妬を覚えた。
戻ってくる保証もない。
でもそれよりも日々感じていた不安から解放された不思議な安心感が心地よくもあった

561名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/24(月) 00:10:54.83 0

一ヶ月後に紹介されたその男。
美男美女の理想的なカップル。
愛想よくその男と会話をし、連絡先の交換までした。
しばらくすると男から雅の事を相談されるようになった。
そこで感じる自分への雅の好意。
そんな事はおくびにも出さず相談にのった。
縮まる男との距離。
その日は初めて男の家に行った。
当然のように肉体関係を持った。
男から感じる雅の気配。
それに堪らなく昂ぶった。
そこにタイミング良く現れた雅。

「もも、なんで?」

慌てる男。
雅の目には男の存在など一片たりともうつっていなかった。
自分だけが今、雅の世界にいる。
そう確信できた。
騒ぐ男を尻目に雅に手を引かれ見慣れたわが家へ。
雅の口から出るのは男を取った事への批難ではなかった。
まるで知らない相手と自分が浮気した事を咎められているような気分になった。
傷ついた雅の顔に恍惚感を覚えた。
久しぶりの雅との触れ合いはかつてないほどの充足感を齎した。
まるで付き合いたてのような熱烈さ。
お互いの体力が尽きるまで何度も交わった。
二人がまだ学生だった頃のような盲目的な関係。
しかしそれも半年ももたなかった。
また頭を擡げる押しつぶされそうな程の不安。
気付けば口にしていた。

「ねぇ、みや。今気になる男の人はいないの?」

歪になった感情はもう治りそうもなかった。

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