まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

458名無し募集中。。。2018/01/13(土) 03:37:29.920

「……さむ」

目が覚めて一番に思ったのは、一つだけ。
鼻のあたりまでお布団に包まれているのに、じわじわと隙間から冷たさがやってくる。こんなの、絶対おかしい。
そういえば、昨日のテレビでお天気お姉さんが一段と冷えこむって言ってたっけ。
あの人、ちょっとだけ梨沙ちゃんに似てたな。
ちょっとだけだったけど……ええと、何の話だったっけ。
どうでもいいことを考えていたら、ふと隣のスペースがぽっかり空いてることに気がついた。

「……みや?」

いつもなら、呼んだらすぐにみやが抱きしめてくれる。
寝ぼけててもやってくれるんだよね。すごくない? ももはすごいと思う。
でも、今日は何の反応もなし。というか、隣にみやはいなかった。

「んー……?」

布団から少し外に耳をやると、別の部屋で物音がする。
そっか、みやは先に起てるんだ。
ようやく思考が追いついて、脳内でポンと膝を打つ。
どうやら今日は、みやがゴキゲンな日みたい。
たまに、みやはこうして朝ごはんを作ってくれることがある。まあ、本当にたまになんだけどさ。
そういう時、みやはちょっと得意げにもものところへやってくる。可愛いんだ、これが。
ご飯の匂いがしないってことは、まだ作り始めたばかりかな。
起きて手伝ったら、ちょっと喜んでくれるかな。

「あ むり」

お布団をめくった瞬間、むき出しになった肌に寒さが突き刺さった。
慣れないことはするもんじゃない、これは無理。
一段どころじゃない、二段も三段も冷えこんでる。
お布団をかぶり直すと、柔らかな温かさが全身を包みこんでくれた。
まだもう少しだけ……ゴロゴロしててもいいよね。

459名無し募集中。。。2018/01/13(土) 03:38:13.390

*  *  *

「ももー?」

みやが遠くで呼んでる。えーっと、なんでだっけ。
目を開けたら、羽毛布団の中だった。どうやらゴロゴロだけのつもりが本格的に寝てしまったらしい。

「んん……」

返事のつもりで出した声は、ただの寝言みたいになった。
起きようかな、どうしよう。
ぐずぐずと迷っている間に、ガチャリとドアノブの回る音がした。

「ちょっと、まだ寝てんの?」

機嫌が良い日かと思ったのに、現れたみやの声はとげとげしい。
もっと優しくして起こしてくれたって良くない?
ももの希望は、王子様のキスで目覚めるタイプの朝なんですけど。

「もも? ちょっと」

じっとしていたら、みやに全身を揺さぶられて。

「ひゃっ!?」

布団の間から忍びこんだみやの手に、脇腹を鷲掴まれた。
まってタンマそこはくすぐったいってばやめてちょっと!

「起きてんでしょ?」
「はーっ……はぁっ……起きてるっ、けど……」

それにしたって、いきなりくすぐるのはどうかと思うな。
抗議しようとして布団から顔を覗かせたら、みやの表情が目に入った。
てっきり怒ってると思ってたんだけど……なんだか、拗ねてる?

「……みやが、せっかくご飯作ったのに」

つん、と突き出る唇が、素直にみやの気持ちを伝えてきた。
ああ! 可愛いみやは捨てがたい、でも、お布団が私に行かないでって言ってる。

「……あと、5秒」

みやの表情も、温かさも楽しめるなんて贅沢じゃない?

460名無し募集中。。。2018/01/13(土) 03:38:27.880

でも現実はそう甘くはないらしく、みやの顔が一気に真顔へと戻るのが見えた。
かと思えば、無情にもみやによって羽毛布団が奪い去られた。
ああさよなら私のお布団。

「さっ、さむっ! みやの鬼っ!」
「うっさい、早くしな」

でもでもだって寒すぎるよ、こんなの人間が活動する気温じゃないと思う。

「ご飯。冷める」
「だぁってぇ……」
「あーもう!」

痺れを切らした様子で、みやが私の腕を引く。
ちょっと乱暴じゃない? そんなにしたら腕抜けちゃうってば!

「みやが温めてあげるから……早く来い」

あっちの部屋、暖房つけてあるから。
取ってつけたように言い添えて、真っ赤に染まった頬がそっぽを向く。
待って……今のみや、ベスト・オブ・ザ・イヤーじゃない?
いやベスト・オブ・ザ・みやー? 違うか。

「みや?」
「……なに」

不機嫌そうな声なのに、背中に回されたみやの腕には力がこもる。
ほら、呼んだらいつもこうしてくれるんだよね。

「好きだよー?」
「……安売りしすぎ」

つっけんどんを装うみやの唇が、じんわりと緩んだのが見えた。

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