まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

613 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/13(月) 20:51:10.96 0

みやからの問いに、言葉が詰まる。「そう、みやみたいな優しい人が好き♡」といつものように冗談に出来れば良かったのだが、タイミングを逸してしまった。
それ以前に、冗談にする余裕は全くなかったのだが。
黙り続けていたら肯定しているのと同じではないだろうかと気づいた途端に冷や汗をかいた。
なんて答えるのが正解だろうとテレビに出演する時よりも緊張しながら頭を巡らせていると、

「なんてね。もう遅いし帰るね」

みやは笑ってドアの方向へ体の向きを変えた。

「あ、ちょ、」
「ん?」
「……ううん、なんでもない」

呼び止めたものの、何を言おうとしたか自分でも分からない。ドアまでみやを送った。

瞬間、思わず漏れるため息。
最後の問いが頭から離れない。みやに気持ちがバレてしまっているのだろうか。いや、そんなまさか。女同士で、ましてやメンバーに恋をするなど想像もしないだろう。
きっと、からかわれただけだ。それなのに私ったらあんなに焦るなんて。完全に怪しかったと後悔の念が襲う。

いくら悔やんでも現実は変わらない。ベッドに滑り込み、布団を頭まで被って目を閉じた。

614 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/13(月) 20:52:14.76 0

−−−−

事務所までの道を歩いていると、桜が咲いていた。もうそんな季節かと思いながら、視界に桜が入らないように俯いて歩いた。

楽屋の扉を開けると、いつもより何割り増しかテンションが上がっているメンバーたちと目が合う。

「ももち先輩!」

舞ちゃんが今にもスキップしそうな勢いで近付いてくる。他のメンバーもぞろぞろと後ろに続いた。
何事かと問うより早く、

「お花見行きましょう!」

お誘いの言葉が飛び出した。

まだ少し肌寒いが、一面の薄い桃色は確かに春の訪れを告げている。跳ねるように歩くメンバーを後ろから眺めていると胸の奥がぽかぽかした。

桜を見ると、否が応でも思い出してしまうから見ないようにしていたのだが。
断る理由を言う隙は与えられず、両腕を捉えられ、後ろから背中を押されながら連れ出されたのだ。

ぴゅうと風が一つ強く吹いて、桜の花びらが何枚か散った。そのうちの一枚を掴んでみようとしたが、手は虚しく空を切った。

615 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/13(月) 20:53:08.52 0

−−−−

待ち合わせ時間よりも30分も早く着いてしまった。当然ながらみやはまだ来ていない。
近くにあったベンチに腰掛け、カバンから鏡を取り出した。どこかの先輩のように「よし、今日も可愛いぞ」と気合い入れをするためではない。
むしろ、気合いが入りすぎてないか不安なのである。化粧濃くないかなと確認。うん、大丈夫。

Buono!のラジオ収録の後、お互い仕事はそれで終了だったため一緒に帰った。みやが先に降りてしまうまでの短い時間ではあるが、二人きりになれるこの時間がとても好きだった。

「もう少し暖かくなったらさ、どっか行こうよ」

ふと、みやが言った。あまりにもさりげなく言うものだから、私もそうだねって何も気にせず答えて。
お花見とかどう?という提案にいいねー!と相槌を打って。その後は他愛もない会話をして別れて。
これってデートのお誘いじゃないかと気付いたのはその日帰ってからお風呂に入っている瞬間だった。
今までほとんど、少なくともここ2〜3年は一度もプライベートで遊んだことがない。そんなみやにオフの日に遊ぼうと、しかもお花見に誘われるなんて。
これをデートと言わずなんと言う?叫び出しそうになる衝動を堪える。なんだかいてもたってもいられず、いつもよりも少しだけ乱暴に髪を洗った。

お風呂から上がって髪を拭いている時に、少し冷静さを取り戻した。みやと私の間に色気付いたやりとりは皆無だ。ただ私がみやのことを好きなだけで。
それなのに何がデートだ。浮かれてしまった自分が恥ずかしい。ベッドに突っ伏して枕に顔を埋める。
早く暖かくならないかな。そう思いながら眠りについた。

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