まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

685 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:13:42.20 0

会う事すらままならない。
そんな日がもう目前に迫っていた。
十年以上続いた当たり前がなくなる。
現実として受け入れているはずなのにどこか夢の中の出来事のように現実味がなかった。
特殊な環境。
だからこそ成り立った関係。
そこから一歩踏み出せば忽ち消えてしまう。
そんな不安を常に抱えていた。
これから先を見据えて考えた時、雅との関係はとてつもなく脆い。
結婚や出産。
絵空事のようだったそれらが現実としてのしかかってくる。
そんな現実と向き合う年齢。
お腹の奥がきゅうと冷え、不正脈のように心音が乱れた。
いつまでも続く事は望んでいるが繋ぎ止める術がわからない。
隣に立つ、繋がりを保証するものが何もない。
今まで目を逸らしていた現実に底知れない不安が止まらなかった。

686 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:14:24.78 0

大学の卒業と共に考え始めた一人暮らし。
世間一般では実家を離れ自立を求められるそんな時期。
仕事の合間に探した部屋。
チェックしてしまうのは一人で住むには贅沢な2LDK。
頭の中、同じ部屋で他愛もない事で雅と笑い合う自分。
いつもよぎってしまうその想像。
気がついた時には一人暮らしには不相応な広めの部屋を契約していた。
いざ引っ越し、妙に寒々しい部屋に自嘲した。
一緒に住もうと言う勇気もないくせに。
日に日に散らかっていく部屋。
たまに時間が空いても動くのが億劫で。
見事に足の踏み場も無くなった頃。
夜に突然、雅から泊まりに行ってもいいかとお伺いの連絡がきた。
反射的に承諾の返事を送信した後、携帯を片手に呆然とした。
とても人を招ける部屋ではない。
右から左に移すだけの無駄な動き。
一向に片付かない部屋。
微かに聞こえる電子音。
物に埋まっていた携帯を慌てて掘り出した。

687 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:15:38.94 0

もうすぐ着くというメール。
焦りに拍車がかかる。
外に出ても恥ずかしくない格好か確かめて慌てて部屋を出た。
マンションの外。
数分も経たず雅らしき人影が姿を現した。
軽く手を振ると雅も気付いたらしく駆け足気味に近寄って来た。
一緒に部屋の前まで行くも自分だけ部屋に入り雅を閉め出す。
「ごめん、みや。五分待って」
「散らかってても気にしないよ」
笑って言う雅にそれでも躊躇ってしまう。
「ムリ」
「気にしないってそれよりここでこんな事してる方が目立ってよくないって」
そう言ってあっさり雅は扉を引いて入って来てしまった。
「これはひどいね」
「だから五分待ってって言ったのに」
思わず拗ねたような口調になってしまった。
「五分でどうにかなるのこれ」
あまりにも的確な指摘に押し黙ってしまう。
「まあ二人で片付けたらどうにかなるって」
笑いながらそう言って早々に室内に足を踏み入れる雅。
慌てて後に続く。
時刻が遅いだけに黙々と片付けは進んでいった。


「とりあえずこれでいいでしょ」
一時間後、それなりに見れる状態になった部屋。
「ありがとう」
雅の力無くしては成し得なかった成果に素直に頭を下げた。
仕事の後の一仕事。
二人とも疲労に負け、早々に眠ってしまった。

優しく揺り起こされた朝。
雅に促されリビングに行くとテーブルの上には朝食が用意されていた。
一人暮らしを始める時に想像していた光景。
あまりにも現実味のない状況に固まってしまった。
「夢?」
「ももまだ寝てんの?」
穏やかに笑う雅。
理想通りの光景。
自然と涙が 頬を伝った。
「えっ、ももどうしたの?どこか痛いの?」
焦る雅に静かに首を横に振る。
なんとか何でもない事を伝え、朝食を摂った。
雅と一緒に過ごす朝。
ああなんと甘美な時間だろう。
これを日常にしたいと強く思った。

688 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:16:38.16 0

あれから言い出せず鞄の中には二本の鍵。
機会を見つけられないまま時間だけ過ぎた。
そして今、目前に迫った活動休止。
このままだと終わってしまう。
その焦燥感に突き動かされた。
雅と二人きりの楽屋。
「ねえみや、一緒に住まない?」
何の脈絡もない一言。
驚いた顔で言葉を失う雅。
急速に頭が冷えていく。
失敗した。
「やっぱり、いや?」
沈んでいく気分を止められない。
前言撤回しようと口を開きかけた。
「そんな事ない!」
叫ぶように否定され、その後に続く言葉に気分は急浮上した。
鍵を雅に渡す。
口は勝手に動く。
急に雅に抱きつかれた。
一瞬見えた顔は喜色満面で嬉しくなる。
ガチャっと楽屋のドアが開く。
「あーなにやってんのみや」
大声で叫ぶ千奈美。
後ろからわらわらと入ってくる他のメンバー。
一頻り揶揄われる雅。
諌める佐紀の声に徐々に別の話題に切り替わっていく。
いつもの光景。
先程まで感じていた焦燥感が嘘の様に穏やかな気持ちだった。

689 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:17:52.75 0

少しずつ増えていく雅の私物。
増える雅との時間。
眠る前の他愛もない会話。
些細な喧嘩は日常茶飯事。
その喧嘩すら愛おしい。
活動休止前に感じていた途方も無い不安は薄まっていた。
仕事で家を空ける時、雅は家族や友人と旅行に行く。
一日の終わり、雅の存在を感じられないのが寂しくなっていた。
以前の自分が見たら信じられないと笑うであろう程、メールや電話の返信が早くなった。
延々と続くやり取り。
なんでもない様な内容のそれらに寂しさが紛れた。
帰ったら雅がいる。
それは言い様の無い安心を与えてくれていた。

「そろそろ仕事始めようと思う」
雅のその一言に何故かドキリとした。
当たり前のはずのそれ。
その後の会話は全て記憶に残らなかった。

家に帰っても雅がいない日が増えた。
地方に行く場合を除けば毎日、顔を合わせているのに再び不安が頭をもたげた。
明かりのついていない部屋に帰る度、一抹の寂しさと不安。
気づけば雅にメールをしている自分。
自分で見ても鬱陶しいと感じる内容。
送る度、自分に嫌気がさす。
律儀に返信してくれる雅には申し訳ないと感じているのにやめられなかった。

690 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:18:35.21 0

少しずつ減っていく雅との時間。
少し前まで満たされていた何かが急速に減っていく。
午後からのオフ。
しかし雅は仕事で夜遅くにならなければ帰ってこない。
不定期な休みのこの仕事。
時間が合わない事の方が多い。
毎日、寝顔だけでも見られる。
それだけで恵まれた環境だったはず。
それでも我慢がきかなくっていた。
仕事の資料に目を通すも集中できない。
諦めてベッドに横になった。
疲れが溜まっていたのかあっという間に眠りに落ちた。
不意に感じた人の気配。
目を開くとベッドサイドに立つ雅が視界に入った。
静かにベッドに入ってくる雅。
思わず雅の腕を引いて押し倒していた。
自分の行動に驚いた。
「おかえり」
驚きに目を見開いている雅に誤魔化すように微笑みかける。
「もも、起きてたの?」
少し拗ねた様子の雅。
そんな雅、キスを一つ。
僅かに朱に染まる目元。
「ね、しよ」
「明日、早くないの?」
「大丈夫」
雅の首筋に唇を這わす。
耳元で聞こえた吐息。
久しぶりのそれに止まれそうになかった。

691 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:19:32.15 0

雅は声にならない声をあげ、全身を弛緩させた。
首筋に残るうっすらとした赤い痕。
無意識につけたその痕。
息の整わない雅を抱きしめる。
「ごめんねみや。ここつけちゃった」
首筋の痕に指を這わせる。
「いいよ。つけても」
ふにゃりと笑う雅。
急速に満たされていく何か。

その日からまるで交際を始めたばかりの頃の様に雅を求めてしまった。
自分より遅く雅が帰る日は特に我慢がきかなかった。
腕の中でくったりと体を預けてくる雅。
その首筋や鎖骨には赤い痕。
それを見ると満たされた。
前の痕が消える前につける新しい痕。
少しずつ増えるそれを止めることができなかった。

692 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:20:24.72 0

「もも、今日はつけないで」
その後に続いている言葉は耳に入らなかった。
Buono!があるから当然の事。
わかっているはずなのに。
何故か理性が効かない。
その一言にかっとなる。
目の前にある首筋に思わず歯を立てた。
「っ…」
僅かに滲む血にやってしまったと思った。
だが口に広がる微かな血の味に言い様のない興奮を覚えた。
後悔と悦び。
相反する感情を持て余しながら何度も噛み跡に舌を這わす。
雅の声に痛み以外が混じり始めた。
止まっていた手を胸に這わす。
艶めいた声。
後悔はいつの間にかどこかへと消えていた。
雅の首筋に残る噛み跡からいつまでも目を離す事ができなかった。

Buono!のレッスン日。
うっすらと残る噛み跡。
それとわかって見ればわかる赤い痕。
隠してはいるが完全には隠しきれていないそれ。
愛理の目線が何度も雅の首筋に。
雅が離れている隙に愛理が来て囁いた。
「もも、あれはダメだよ」
「なんのこと?」
「みやの首筋」
誤魔化すのは許さないとばかりに射抜かれる様に見つめられる。
「うん。でもやめられないんだ」
自然と口角が上がる。
何故か黙ってしまった愛理。
「もも!」
怒った様な声で雅に呼ばれた。
緩む口元を押さえきれずに雅に飛びついた。

693 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:21:24.51 0

雅の新しいグループの決定。
それは足元が崩れていく様な感覚を齎した。
何故忘れていたのか。
今は一緒に住んでいるとはいえ前に抱いた不安は何一つ解決されていない。
この年齢でこの縛りがなくなった状況で。
何がよくて雅が自分と付き合って同棲しているのかがわからない。
一気に全ての事が空虚に感じた。
だが自分からこの時間を壊す様な真似はできなかった。
目の前の雅に集中する。
触れるのはいつも自分。
その方が不安にならなくていい。
例え雅が乗り気でなくても成立するから。
なにより最後の瞬間、しがみつかれ求められていると実感できる。
段々と迫ってくる最後の瞬間。
一際きつく指を締め付けられる。
仰け反る首筋に噛み付く。
初めて噛み跡を残してからの癖。
最後に噛み跡をひと舐めして指を抜く。
抱きしめ合ったまま。
雅の荒い呼吸。
どこか遠くに感じた。
いつまで雅に必要としてもらえるのか。
不安は澱のように溜まっていく。

694 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:22:07.13 0

連絡がつかない。
その理由はすぐにわかった。
テーブルの上に置かれていた雅の携帯。
最初にやってきたのは安堵だった。
しかし、聞いていた帰宅予定の時間を超えても帰って来ない。
もしやわざと携帯を忘れて行ったのではないか。
そんな疑念が頭を擡げる。
雅への夥しい送信履歴に発信履歴。
どうかしているとこれでは嫌になると冷静な自分がいる。
このままこの家に帰って来ないのではないか。
時間の経過と共にそれが事実のように思えてくる。
ここに戻ってくるも来ないも本人の意思次第。
例え帰って来なくても何の問題も発生しない

家庭が形成されているわけでは無いのだから。
世間一般ではむしろこのままこの関係が終わる事の方が迎合されるだろう。
結婚もできない。子どももできない。
世間一般の見方では将来がない。
繋ぎ止める術がない。
目の前が真っ暗になった。

695 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:22:47.13 0

どれ位、そこに座り込んでいたのだろうか。
ドアの開く音に意識が向く。
ふわりと雅の気配が近づくのを感じた。
手を伸ばした先に雅がいた。
そのまま床に押し倒す。
雅の口から小さく悲鳴が漏れた。
微かに室内に入る月明かり。
少し怯えた表情の雅。
噛み付くように唇を塞ぐ。
性急に腰に手を伸ばし下着の中に手を入れる。
当然のように濡れていない。
それが無性に気に入らなかった。
首筋に噛み付く。
「んっ」
小さく漏れた声。
じわりと指先に湿りを感じた。
ああこれだ。
繋ぎ止める術。
毎日身体に刻みつけよう。
放したくない。
もも以外感じなくなればいい。
噛み跡に執拗に唇を這わす。
指先に感じる溢れ出すぬめり。
一気に指を奥まで押し込む。
もう一度、同じ場所を甘噛みする。
詰まる吐息。
仰け反る背中。
痛い程に締め付けられる指。
締め付けに逆らってゆるゆると指を動かす。
響く水音。
「ちょっ…まって」
「またない」
逃げる腰を捕まえた。

696 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:23:23.10 0

背中に回された腕にはもう少しも力が入っていない。
顔中、涙でぐちゃぐちゃで声も掠れて吐息も弱々しい。
何かの病気かと疑うくらいの赤い痕。
胸元にまた一つ痕を残す。
ピクンと小さく跳ねる体。
背中に回された腕が片方、鈍い音を立て床に落ちる。
目は閉じられたまま。
意識があるようには思えない。
雅の耳元に口を寄せる。
「好き」
毎日囁いたら刷り込みのように錯覚してくれないだろうか。
それとも言ってもらう方がいいのだろうか。
「毎日好きって言って」
「…好き」
うっすら目を開き微かに身動いだ雅から聞こえた小さな掠れた声。
とろけた優しい目に甘い声。
聞こえているとは思っていなかった。
背筋が震える。
あり得ないほどの多幸感に包まれた。

697 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/23(月) 01:24:05.23 0

毎日、好きと伝えられる。
それでもいつそれがなくなるか不安は止まらない。
無意識に購入していた。
届いたカメラ。
歯止めが効かなくなった。
始めは一つだったそれは各部屋に。
暇があれば画像を確認するようになっていた。
暫くして明らかにカメラを気にした素ぶりの雅。
終わったと思った。
しかし何事も無かったように過ごす雅に気のせいだったかと思い直す。
また一つ増やしてしまう。
更に調子に乗って雅の携帯に細工してカメラを遠隔操作できるようにしてしまった。
仕事以外の時間、四六時中携帯をいじるようになった。
毎日の好きとカメラで不安は薄らいだ。
だが最近、僅かのずれとはいえ予定外の時間に帰る事が増えた雅にまた不安が募る。
そんな日は雅が壊れそうな程に激しく抱いてしまう。
そしてもらう甘やかな好きにひと時の安堵を覚える。
しかしそれもいつまでもつかわからない。
次はどうしたら不安が拭えるのだろうか。
帰って来ない雅を玄関で待ちながら思考に耽る。

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