最終更新:ID:Liaq5qxOsg 2017年03月01日(水) 03:51:35履歴
336 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/02/28(火) 00:16:55.69 0
「うわあっ広ーいっ!」
ゴーカなドアを開けた向こう側の光景に、ももが声をあげる。
素直に喜んでくれたみたいで、選んだうちも満足。
「ねえっ!ベッドおっきい!天蓋つき!」
もものために選んだ部屋は、いわゆる姫風ってヤツ。
ピンクとホワイトで統一された部屋の中は、ホントにかわいい。
その中心で、ももは嬉しそうに跳ねる。
かわいい場所で、さらにかわいいもも。
あー、これだけで来たカイがあった。
「すごぉい、最近のこういうとこって進んでるんだね」
そんなことを言いながら、ももは部屋の中を忙しく動き回っている。
お風呂のドアを開けて、ジャグジーバスにびっくりして。
カーテンを開けて、夜景にびっくりして。
テーブルの上にのってるお菓子にびっくりして。
「ほら、そろそろ落ち着いて。てか、コートくらい脱ぎなよ」
ホント、子どもみたい。
はしゃぎまわるももの首ねっこをつかんで、真っ白なコートを脱がせる。
えっちーとか冗談ぽく言われたけど、ムシムシ。
「さてと。どうする?お風呂入る?」
「うんっ」
ももにはデカすぎるベッドの縁に座って、ももが「はーい」って手をあげた。
今日はね、トクベツ。
ちょっと早いけど誕プレっていうか。
まあ、当日は別にプレゼントを贈るつもりでいるけどさ。
ちょうどオフの予定を聞いたら、今夜が空いてるっていうか予約をしてみました。
そう、ここは、そういう場所。
なんていうか、男の人と女の人が、とかそういう場所。
でも最近は、こういうところで女子会をやるって人も増えてるらしくて。
調べてみたらかなりイイ感じの部屋が見つかったから、ももを誘ってみた。
誘ってみたっていうか、ももに何も気にせず休んでもらいたかった。
だってこの人、久しぶりに会ったら目の下に濃いクマを作ってるんだから。
そのくせ、ちゃんと休んでるから、なんてヘタなウソをつく。
うちはしっかり、ぜーんぶ覚えてるんだからね。
「ねね、みや、入浴剤もいろいろあるよ!」
ももが開けた棚の中には、色とりどりのフクロがたくさん。
どれがいい?ってももが差し出してきた中から、フィーリングで一つ選んだ。
みやの好きな色——ももの、色。
「おー、気が合うねえ」
私もそれがいいと思った、だって。
それだけでにやつきそうになった。危ない危ない。
337 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/02/28(火) 00:18:04.49 0
「これ泡風呂なの?」
「ぽいね」
裏には泡の作り方も書かれている。
へえ、30分ももつんだ。
いや、ももと一緒だったら30分じゃ足らないかも、なんて。
ちょっとだけお湯をためて、入浴剤を入れてかきまぜる。
すると、すぐにたくさんの泡が発生してきた。
「おおーすごーい」
「あとはシャワーでためるんだってさ」
お湯をためてる間に、2人で部屋の中を見てまわる。
スキンケアとかそういうアメニティも充実してて、テンション上がる。
いつもはあんまりしてなさそうだけど、とことんやってやろ。
あ、でも今日はもう遅いし明日かなあ。
そんなことをしていたら、ピピピッて音がした。
お、お風呂たまったかな。
「えっ、ねえ、すごい」
「ホントだ」
浴槽一面に広がる泡に、ももは驚いているらしい。
使ったことないのかな、この人。
冷めちゃうから、入ろってももの服に指をひっかける。
さっさと服を脱いじゃうと、体を洗うのもそこそこにお風呂へ。
ゼイタクな浴槽は泳げそうなくらい広くて、2人が入ってもヨユウだった。
「おりゃっ」
「ちょ、やめろっ」
ももがすくった泡を鼻につけてくる。
お返しに、うちも両手で泡をすくってももにぶつけた。
あわあわの中で、シャボン玉が舞い上がる。
その中で楽しそうに笑うももを、ぎゅってしちゃいたくなるのを我慢した。
今日は、そう、ももに休んでもらうためだから。
そういうことは、今日はお休み。
甘えてくるももの頭を洗ってあげて、ついでに背中も流したりして。
だって、ももが気持ちよさそうにしてるから、つい。
「髪かわかしてー」
「はいはい」
338 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/02/28(火) 00:18:18.37 0
お風呂から出たあとも、ももの甘えっ子モードは続いていた。
いつもはカントリーの子たちに囲まれて、ちゃんとお姉さんやってるもんね。
それ、うちの前以外で出さないでよね、なんて。
勝手なことを思いながら、ももの髪の毛をかわかしていく。
髪伸びたねって会話も何回めかな。
切るかどうかはまだ悩んでるらしい。
ももの髪をすくと、思ったよりも滑らかにクシが通った。
以前教えたケア、ちゃんとやってるみたい。えらいえらい。
「うふふー」
「どしたの、きゅうに」
ヘアミルクをなじませていたら、ももがいきなり変な笑い方をする。
ゴキゲンな時にでるやつ。
フツーに笑いなよって何度か言ったけど、どうも直らないらしい。
「いやぁ、幸せですなあ」
「そりゃどーも」
仕上げって感じでももの頭をなでて、立ち上がろうとしたらきゅってひっぱられる感覚。
どうしたの、ももこさん。
「今日って、なんで誘ってくれたの?」
「なんでだと思う?」
目が合わさった後、ぱちぱちとまばたきするもも。
「ももが思ってるのと、同じって考えていい?」
「ま、いーんじゃない?」
うちがそう答えると、ももの顔はだらしなくにやけた。
嬉しそうにこっちへと差し出される手の甲に、ちゅって唇で触れる。
くすぐったそうに笑ったももは、突然抱きついてきた。
そのまま2人でベッドに転がって。
「ねー、みや?」
「ん?」
「ここってさ……そういう場所、なんだっけ?」
「……ん?」
抱きついたまま、ももの腕にぐるんって回転させられる。
あれ? 何、この展開。
見下ろすももの目が、きらって光る。
「素直じゃないなーみやも」
「いや、ちょっと、まっ……」
最後まで言わせてなんてもらえなくて、ちょっと強引に触れられたらもうだめだった。
あーあ、なんのために我慢したんだか。
でもこうなったらされるがままで、うちはももに体を預けた。
ま、朝起きたら、ももがすっきりした顔してたからよしとしようか。
って、もも、そのつもりだったんじゃん。
……次は、覚えてろよ。
そんなことを思いながら、ちょっとマヌケな顔でまだ寝てるもものほっぺにキスをした。
おわり
「うわあっ広ーいっ!」
ゴーカなドアを開けた向こう側の光景に、ももが声をあげる。
素直に喜んでくれたみたいで、選んだうちも満足。
「ねえっ!ベッドおっきい!天蓋つき!」
もものために選んだ部屋は、いわゆる姫風ってヤツ。
ピンクとホワイトで統一された部屋の中は、ホントにかわいい。
その中心で、ももは嬉しそうに跳ねる。
かわいい場所で、さらにかわいいもも。
あー、これだけで来たカイがあった。
「すごぉい、最近のこういうとこって進んでるんだね」
そんなことを言いながら、ももは部屋の中を忙しく動き回っている。
お風呂のドアを開けて、ジャグジーバスにびっくりして。
カーテンを開けて、夜景にびっくりして。
テーブルの上にのってるお菓子にびっくりして。
「ほら、そろそろ落ち着いて。てか、コートくらい脱ぎなよ」
ホント、子どもみたい。
はしゃぎまわるももの首ねっこをつかんで、真っ白なコートを脱がせる。
えっちーとか冗談ぽく言われたけど、ムシムシ。
「さてと。どうする?お風呂入る?」
「うんっ」
ももにはデカすぎるベッドの縁に座って、ももが「はーい」って手をあげた。
今日はね、トクベツ。
ちょっと早いけど誕プレっていうか。
まあ、当日は別にプレゼントを贈るつもりでいるけどさ。
ちょうどオフの予定を聞いたら、今夜が空いてるっていうか予約をしてみました。
そう、ここは、そういう場所。
なんていうか、男の人と女の人が、とかそういう場所。
でも最近は、こういうところで女子会をやるって人も増えてるらしくて。
調べてみたらかなりイイ感じの部屋が見つかったから、ももを誘ってみた。
誘ってみたっていうか、ももに何も気にせず休んでもらいたかった。
だってこの人、久しぶりに会ったら目の下に濃いクマを作ってるんだから。
そのくせ、ちゃんと休んでるから、なんてヘタなウソをつく。
うちはしっかり、ぜーんぶ覚えてるんだからね。
「ねね、みや、入浴剤もいろいろあるよ!」
ももが開けた棚の中には、色とりどりのフクロがたくさん。
どれがいい?ってももが差し出してきた中から、フィーリングで一つ選んだ。
みやの好きな色——ももの、色。
「おー、気が合うねえ」
私もそれがいいと思った、だって。
それだけでにやつきそうになった。危ない危ない。
337 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/02/28(火) 00:18:04.49 0
「これ泡風呂なの?」
「ぽいね」
裏には泡の作り方も書かれている。
へえ、30分ももつんだ。
いや、ももと一緒だったら30分じゃ足らないかも、なんて。
ちょっとだけお湯をためて、入浴剤を入れてかきまぜる。
すると、すぐにたくさんの泡が発生してきた。
「おおーすごーい」
「あとはシャワーでためるんだってさ」
お湯をためてる間に、2人で部屋の中を見てまわる。
スキンケアとかそういうアメニティも充実してて、テンション上がる。
いつもはあんまりしてなさそうだけど、とことんやってやろ。
あ、でも今日はもう遅いし明日かなあ。
そんなことをしていたら、ピピピッて音がした。
お、お風呂たまったかな。
「えっ、ねえ、すごい」
「ホントだ」
浴槽一面に広がる泡に、ももは驚いているらしい。
使ったことないのかな、この人。
冷めちゃうから、入ろってももの服に指をひっかける。
さっさと服を脱いじゃうと、体を洗うのもそこそこにお風呂へ。
ゼイタクな浴槽は泳げそうなくらい広くて、2人が入ってもヨユウだった。
「おりゃっ」
「ちょ、やめろっ」
ももがすくった泡を鼻につけてくる。
お返しに、うちも両手で泡をすくってももにぶつけた。
あわあわの中で、シャボン玉が舞い上がる。
その中で楽しそうに笑うももを、ぎゅってしちゃいたくなるのを我慢した。
今日は、そう、ももに休んでもらうためだから。
そういうことは、今日はお休み。
甘えてくるももの頭を洗ってあげて、ついでに背中も流したりして。
だって、ももが気持ちよさそうにしてるから、つい。
「髪かわかしてー」
「はいはい」
338 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/02/28(火) 00:18:18.37 0
お風呂から出たあとも、ももの甘えっ子モードは続いていた。
いつもはカントリーの子たちに囲まれて、ちゃんとお姉さんやってるもんね。
それ、うちの前以外で出さないでよね、なんて。
勝手なことを思いながら、ももの髪の毛をかわかしていく。
髪伸びたねって会話も何回めかな。
切るかどうかはまだ悩んでるらしい。
ももの髪をすくと、思ったよりも滑らかにクシが通った。
以前教えたケア、ちゃんとやってるみたい。えらいえらい。
「うふふー」
「どしたの、きゅうに」
ヘアミルクをなじませていたら、ももがいきなり変な笑い方をする。
ゴキゲンな時にでるやつ。
フツーに笑いなよって何度か言ったけど、どうも直らないらしい。
「いやぁ、幸せですなあ」
「そりゃどーも」
仕上げって感じでももの頭をなでて、立ち上がろうとしたらきゅってひっぱられる感覚。
どうしたの、ももこさん。
「今日って、なんで誘ってくれたの?」
「なんでだと思う?」
目が合わさった後、ぱちぱちとまばたきするもも。
「ももが思ってるのと、同じって考えていい?」
「ま、いーんじゃない?」
うちがそう答えると、ももの顔はだらしなくにやけた。
嬉しそうにこっちへと差し出される手の甲に、ちゅって唇で触れる。
くすぐったそうに笑ったももは、突然抱きついてきた。
そのまま2人でベッドに転がって。
「ねー、みや?」
「ん?」
「ここってさ……そういう場所、なんだっけ?」
「……ん?」
抱きついたまま、ももの腕にぐるんって回転させられる。
あれ? 何、この展開。
見下ろすももの目が、きらって光る。
「素直じゃないなーみやも」
「いや、ちょっと、まっ……」
最後まで言わせてなんてもらえなくて、ちょっと強引に触れられたらもうだめだった。
あーあ、なんのために我慢したんだか。
でもこうなったらされるがままで、うちはももに体を預けた。
ま、朝起きたら、ももがすっきりした顔してたからよしとしようか。
って、もも、そのつもりだったんじゃん。
……次は、覚えてろよ。
そんなことを思いながら、ちょっとマヌケな顔でまだ寝てるもものほっぺにキスをした。
おわり
コメントをかく