まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

30名無し募集中。。。2020/07/10(金) 22:16:00.840

「えっ、おいしいこれ」
「は?」
「ビックリしたおいしくて」
「え何、みやが急に1個ちょうだいって持ってったんじゃん」
「そう」

トートの中にチョコレートの袋があった。口開けて2個か、3個か食べたかもしれない。
これを目ざとく見つけたのもすごいけど
さっと手が伸びてきて1個持ってったの。こっちこそ驚いた。

「おいしそうって思って持ってったんならわかるけど」
半分呆れながら笑いを漏らすと、ちょっとの間があってから「あぁ」と
みやは間の抜けた声を出した。
「急に人のバッグの中に手突っ込んできてさ」
みやは「ははっ」と笑った。
「あははっ、そうだね確かに」そう言って「はぁ……なんでだろ」って横目でこっち見られても知らないよ。
「自分で考えて」
「感情が迷子になった」
「意味わかんない」
いいけどさ。1個くらい。
手を出して空の包み受け取ろうとしたら、みやはそのゴミをスカートのポケットに仕舞った。

「なんかおいしかった。キャンディみたいなの入ってさくさくして。どこで買ったの?」
「何日か前にお土産でもらって入れっぱなしの」
「誰にもらったの?」
「え?いや、みやの知らない人だよ」
「そうなんだ」
「どうでもよくない?」
「絡むねー」
は、どっちが?って思って。
トートの口を閉じながら隣に座ってるみやの方を見たら声出さずに笑ってて
実際意味わかんないんだけどそのテンション。

31名無し募集中。。。2020/07/10(金) 22:19:13.560

ご飯食べた後に食後の散歩って言ってどーでもいい話しながら歩いて、そしたら公園があって
みやが「公園!ほら公園!」って言って、いや別になんてことない公園。
入ったら意外に広くて池とかあって「ボートあるね」って言ったら「あ、乗りたい?」って言われたから「乗らない」って言ったんだけどさ。
ちょっと可愛いベンチがあったから「休もう」って座って。
雅様もう両手で顔庇っていつまでも笑ってるし何、どうしたらいいんだろ。
「ちょっといい?どうした?」
「なんかあのちょっと。っふふ。ごめん……あっ」
「えっ」
「時間平気?」
真顔。急に。

「……っいやいや、時間ダメなら言ってるそもそも散歩しないし公園来なくない?」
「あそっか、そうだよね。あの、うん、いや」
「うん」
「ちょっと久しぶりでなんかわかんなくなった」
「それでチョコ強奪するか?」
「ふっ……そう」
「おいしかった?」
「うん」
「それはよかった」
もう一個あげようか?
一瞬思ったんだけどそういうことじゃないか。まあいいか。

「誘おうかなって急に思って」
「嬉しかったよ?」
「そう、ちゃんと返事来たから」
「タイミング良かった」
「忙しかった?」
「いや、みやの方が忙しいでしょ」
顔を見合わせた。わかんない。わかんないね。ごめん正直今の適当に言ったけど
正直今みやがどれくらい忙しいのかほんとわかんない。
「忙しいのかなあ」
みやはポツリと言った。それから、仕事の話を始めた。

32名無し募集中。。。2020/07/10(金) 22:22:11.100

今日会ってからなんとなくっていうか、そういえば、最近何してるのって
聞いてなかったなあ。
そういう話は別にいらないかなって思ったのもあったし、元気な顔見られればいいかっていう。
話くらい聞けるけど
いやもう私が、してあげられることもないじゃんか。ほんと。
「それはまあある意味そうだけど」と、みやは言った。「そういうことじゃないじゃん。……たぶん」
「それはそう」
「会いたい……なって、思って」
「ああ、何、私だって会いたくないとかないからね?」
笑って言ってから、何気にみやがこっちを見てるのに気付く。無表情で。
「え?」
と思ったらまた笑った。
「いや、違う違う、そういうつもりじゃない。っふふ」
「もー、何ちょっと、急にそこ責めてくるみたいな」
「ふふ、責めてない責めてない」
みやは俯くと肩をヒクつかせ、顔の前で手を振った。

「別に連絡もしてないのお互い様じゃん」
「そう。なんだけどこっちは。気持ちは、あるから。ずっと」
「ああ、ん。えっ何?どういうこと?それならこっちもあるけど。普通に」
「だよね、うん、そういうこと」みやの口がムズムズしている。

「そんなおかしい話した?」
「なんでもないです」
「……仕事で何かあった?」
そう聞いたら、みやがフッと鼻で笑ったので、困った。本当に何言えばいいのよ。
「帰っていい?」
「ダメ」
「だめなのか」
「もう一軒行こうよ」
「行かないよ」
「なんで?」
「絡むねー」って言ってみたらガン無視。

33名無し募集中。。。2020/07/10(金) 22:26:13.810

「ね、もしかして酔ってる?」
「酔ってない。……と思う」
「飲んでんじゃん」
「ちがうあれ、さっきのチョコお酒入ってなかった?」
「意味わかんない」
「おいしかったから」
そんなこと言いながらみやはずっと口緩ませてて、なんかバカにされてるような気もするんだけど

「一体さ、何しに呼び出したわけ?」
苦笑しながら隣にある肩を小突いた。みやの顔が一瞬歪んで
一拍置いてから、笑いを帯びたため息が漏れた。
瞬きする、烟るような目元がキレイだったけど

急に心配になってきて、私はみやの肩を揺すった。
「大丈夫?」
みやはぐったりしたように「笑いすぎて」と掴んだ肩を震わせた。
「もうちょっといていい?落ち着くまで」と言うので
「いいけど」って、仕方ないからベンチの背に体を預けたら
隣でみやもずるずると背を沈めた。そっぽ向いて。

怖い。
今日初めて私は、怖いと思った。なんだろ、何かちょっと。私何かした?
いやしてない。しているわけがない。誰か何か適当なことでも言ったとか。
でもだって会った時普通だったし、普通だったよね?
なんてことない話で盛り上がって楽しくご飯食べたじゃん。
なんで?
腹立ってきた。

34名無し募集中。。。2020/07/10(金) 22:29:22.300

「あのさみや」
「……違うの」
「何が」
「結局、やっぱそうだよなあって思って」
「え、何の話?」
「やっぱり、気のせいかもしれない」
「……何がなんだかわかんないけど、うん。気のせいっていうか何か、例えばだけど何か勘違いとかない?」
「ああ……そっか」
「えっと、もしかして何か変なことでも吹き込まれた?」
そう言うと、みやは急にガバッと起き上がった。
私はびっくりして仰け反り、ベンチに片手をついて、おそるおそるみやの横顔を見つめた。

「大丈夫」
そう言ってみやは私の方を向き、優しい微笑みを浮かべた。
「誰も何も言ってないし、私が勝手に1人でいろいろ考えてただけで」
「そ、そう。さすがに、心配なんだけど。私でよければ話聞くけど」
「じゃあ言おっかな」
「言おっかな。って急に」
「好き」
それだけ言いかけてすぐ、喉を詰まらせたようにみやは言い淀んで
だけど少し笑ってるのがわかった。
あ、そうなんだ。ちょっとびっくりした。

私はそっと口を開いた。
「そうか。好きな人できたんだ」
みやは首をちょっと傾げた。
「ん、うーん、できたっていうか、前からそうだったかもみたいな」
「いい話じゃん」
「いいと思う?」
「うん。え?何も悪いことなくない?」
「そうだよね」
そう言ったみやが可愛かった。恋する乙女全開か。ずるい。そんな可愛い情緒不安定。
「でも片思いだからさ」と、みやは言った。

35名無し募集中。。。2020/07/10(金) 22:32:29.750

それから駅までの道、みやの好きな人の話を聞いた。
口大きくて唇がぷくっとしてなくて口角がキュッてなってるとかどうとかディテールの細かい話を聞き。
「イケメンなんだね」
「まあまあね」
そんな話。

「告白しちゃおうかなー」とみやが言った。
「いやそんな、雅様自ら行くことなくない?」
「待ってたら来るかな」
「そんなの私にわかるわけない」
「わかんないかーそっかー」
そこから雅様の乙女チックな妄想話。こんなシーンで告白されたいとかなんとか。
相槌を打ちながらずっと聞いていた。
「そっちはどうなのもし告白されるとしたら」
急に振られて「え?私?私かぁーそうだなぁ」って言ったら
「あっゴメンもう駅ついちゃう」だって。

「すごい喋ったね」
「また相談乗ってよ」
いやもう私が、してあげられることもないじゃんか。ほんと。
「それはまあある意味そうだけど」
と、みやは言った。
「そういうことじゃないじゃん。……たぶん」

みやは私のトートの中に手を突っ込んできて、残りのチョコをきっちり奪ってから
改札へと去って行った。後ろ姿をずっと見送っていた。

ね。今日さぁ。
そんなことはないんだと、いい加減他人なんだと、諦めさせてくれるの期待して来たんだよ。
なのにガチで詰められてさーほんと何してくれちゃってんの雅様って、思ってるよ。
感情が迷子って、きっとこういう時使うんじゃないか。
トートの中の袋を探ったら、1個だけ残っていた。
開けて食べてしまおうかと思いかけて

そっと中に戻した。

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