機動戦士ガンダムMSV-ORIGIN

YMS-08は、ジオン公国軍が開発した試作型陸戦用モビルスーツである。

　ジオン公国軍の地上戦用モビルスーツは、MS-06を基本として多くの派系型が生まれたが、MS-06Jの限界を見出したジオン軍は、白兵戦用に機動力を向上させたモビルスーツの開発を発注した。その結果、YMS-07とYMS-08の２つの試作プランが平行して進められ、完成したYMS-08の試作機にはYMS-08Aのナンバーが与えられた。

　本機は接近戦やゲリラ戦を念頭においた設計となっており、MS-06Fの基礎設計を流用し、ラジエーターのパワーアップ、装甲の強化、ならびにMS-07以上の機体の軽量化が施されている。また、出力増加のため、腰にRX-78に似た冷却器が装着されているが、これは頭部のメインカメラと併せ、白兵戦用で軽量高機動のRX-78を参考にしたとされている*1。
　最大の特徴は新開発の推進エンジンを採用した事で、背部ランドセルと脚部に装備し、短距離ジャンプ飛行が可能なように設計されてはいたが、まだ研究段階のエンジンであり、出力不足で十分なジャンプはできなかった。

　本機はYMS-07に比べさらに軽量化されており、新型推進エンジンによる短距離ジャンプ飛行を行えるよう設計されていたが、MS-06Jを意識しすぎた結果、総合性能において大きな差を見せることが出来ず、MS-06Jのリファイン版でしかないという評価が下された。そのため、コストとスペックが見合わないと判断され、5機が試作されたのみで計画は中止、YMS-07計画と統合され、新型推進エンジンもYMS-07Bに採用される事となった。そのため、形式番号は欠番となっている*2。

生産台数

5機

講談社ポケット百科シリーズ33 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション２ ジオン軍MS・MA編
講談社のポケットカード８ 機動戦士ガンダム モビルスーツコレクション
講談社のポケットカード９ 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーションコレクション
模型情報別冊 MSVハンドブック1
1/144 MS-06Kザクキャノン 解説書
1/144 MS-06Dザクデザートタイプ 解説書

※当サイトにおける記述は、全て1982〜84年頃に作られた設定を元に作られています。そのため、現在の公式設定とは異なる部分が多々あります。ご注意下さい。

• 講談社「MSVコレクションファイル 地上編」などより、MS-09同様ツィマッド社製であることが設定された。