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全世界英雄協会においてシン=グロークスが会長だった時代に理事長兼会長秘書をつとめたミハエル・イエスマンが予言した日。

概要

「Xデー」にはもともと「重大な何かが起きるが予測できない日」と「軍事的な攻撃作戦が行われる日」の二つの意味があり、前者は後発的に出た語だという。

ミハエルのいうXデーとは、「英雄召喚技術」によって召喚された英雄たちを「協会」が制御する肝である「被召芯」の製造技術が流出するか、外部で再発明されることで、英雄たちがコントロールを離れ、彼らが既存勢力と結び付くことで「革命」がなされる日を指す。
全世界英雄協会にとってそれは「重大な何かが起きるが予測できない日」として、「革命」を実行する側にとっては「攻撃作戦が行われる日」としてのXデーとなる、とミハエルは語った。

原因と対策

全世界英雄協会は「万民友和」という人権思想の体系を支持しており、これを掲げて活動している。
この思想は同性結婚の権利、信教信条の自由、表現の自由、人工妊娠中絶の自由、避妊の権利などを擁護し、それを行う選択肢を全世界で確保する事を目指す。
しかしこうした価値観は、生きた時代の異なる英雄たちの価値観と相反する事が少なくない。

この衝突は「(伝統的な信仰からすれば)冒涜的な」新興宗教の信教の自由の確保、人工妊娠中絶や避妊についての設備や啓蒙の充実を「協会」が他の機関や国家と協働して実現しようとした際に顕著に現れた。
協力を拒絶し「あちら側」に帰還し二度と協力しない、とする英雄たちを引きとどめるため、協会は信念と反しない人命救助のみの仕事を割り振ったり、彼らの為の設備を充実させる、等の交渉を行うことで何とか引き留めた。
しかしこれでも全員を留めることができたわけではない。

英雄たちが「協会」側の交渉を受け入れたのは、全世界英雄協会経由でしか地上世界に関わる方法が無いためである。彼らの要求を呑まなければ「あちら側」に送り返されるか封印され、再召喚されず、地上の子孫たちや同じ宗教の信徒たちを助ける事も出来なくなる。
召喚されたとしても、召喚時にその術式を統御する「被召芯」を緊急停止されれば身動き一つできなくなる。

だが、もしも英雄召喚技術の技術と被召芯の製造技術が他で再現された場合、それが英雄たちと共通する価値観の者によるものだった場合、英雄たちには全世界英雄協会に従う義理などなくなる。

対策

対策として、全世界英雄協会は優れた才能を見つけてはスカウト、または「協会」と協力関係にある研究機関に所属させた。これにより外部で技術が再発明されるのを防ごうとした。

もちろん技術自体は極秘扱いであり、ミハエル・イエスマンら電脳部署「イエスマン」による全世界通信網の監視といった方法で、技術を持ち出す動きを警戒していた。
しかしミハエル・イエスマンは「Xデーはどれだけ先延ばしにしても、いつか絶対に訪れます」と発言し、その通りになった。

Xデーの到来

新史歴2299年?、ミハエル・イエスマンの予言した通りのことが起こった。

ルザナイ教正塔派?系過激派組織「黄金倫理圏?」による乱である。正塔派の武僧集団「フドウィギの倫理騎士団?」その七先駆派と戦っていた時代のシン=グロークス「雨粒刺しのシン=グロークス」トスカアン・ヴァルギャイリ?、その右腕フェセウス・ペリ=ルムダー?以下18名の英雄が「協会」の統御を離れ、「黄金倫理圏」に合流した。
活動範囲の国の大統領官邸を襲撃し、大統領とその夫を誘拐し「男色破戒行為の罪」の罪状で処刑。その様子をおさめた映像は「倫理圏」の手で全世界通信網において公開された。
リーダーたちにより、「万民友和」思想とそれに同調する者、国家(ルザナイ教徒、正塔派信徒も含む)への敵対が宣言された後、被召芯、またはその代替物の製造成功を表明。
英雄召喚技術による正塔派の勇者、聖者の召喚も成功したとして、その様子を収めた映像も全世界に向けて発表した。

これに呼応するかのようにルザナイ教の別宗派からの四つの過激派集団も黄金倫理圏と同様の行為に及ぶ。「歩守派?」「法典派」「長子派?」「唯信派?」のそうした過激派に合流したのは、こちらも七先駆派を迫害していたシン=グロークスたちを中心とする英雄たちであった。
さらに、技術の拡散が進むにつれ他宗派、他宗教でも同じ試みをする者たちが現れる。

動き出したのは宗教の過激派だけ終わらなかった。各国では君主としての出自を持つ英雄たちが現れ民族主義集団と合流、種族意識や民族意識を鼓舞し、こちらも「万民友和」への拒絶を大なり小なり主張していった。

英雄たちの力を助けとして世界に確立されかけていた万民友和、それに基づく国際的な規範、秩序体制が英雄たちによって揺るがされる形となった。
そしてこれはXデーを防げなかった全世界英雄協会という組織の権威失墜にも直結した。

遠因

発生要因として「落雷の洞曜日?」事件が遠因として挙げられている。

これは当時世界最強とも呼ばれ、宗教界、法曹界、政財界、貴族とも繋がりを持っていたために捜査の手が及ばなかった犯罪組織を英雄たちが協力し、幹部と協力者を皆殺しにした事件である。
法的に正当な手続きを経ていない「私刑」であり、事件後、関わった者には処罰、処分がくだされた。

この事件により、英雄の力で法に違反してでも「大いなる善」を行う、という発想、また成功例が示された事がXデーの要因になったとする説がある。

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