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npcの小説



 ドラゴンの感覚は鋭い。それはメイドとして人の姿に身を俏していても同じである。ご主人様の寝室から、ぱんっぱんっと肉がぶつかり合う音がチェイムの耳には届いていた。耳を澄ませば、押し殺しているのだろうくぐもった嬌声まで聞こえてくる。
 寝室の支度はチェインバーメイドたるチェイムの役割だ。掃除場所の下見は業務の内である、と自身に言い訳をして鍵穴から中の様子を覗く。
 普段は凛々しいメイド長が、熔けた表情でご主人様と絡み合っていた。ドラゴンの感覚は鋭い、しかしご主人様との情事の最中に他事を気にする余裕はないようだった。
 チェイムは情欲の火が裡に灯るのを自覚した。思わず下腹に手をやって、こんなところでする訳にはいかないとそそくさと自室に帰った。
 チェイムはハスキーと同じく個室が与えられている。リラックスする際も他のメイドの目はなく、誰憚ることなく自分を慰めることが出来た。
 しかし慰めれば慰める程に、チェイムは自身の渇きを自覚してしまう。自分の指では細く、奥まで届かない。中を激しく掻き回し、ご主人様の名前を何度も呼びながらチェイムは登り詰めようと――
「チェイム……、何してるの……?」
 ご主人様の声。妄想ではなく、自室の開いたドアに立っているご主人様は現実のものだった。情事に気を取られて周りが見えなくなるのはチェイム自身も変わらなかったようだ。
「いや! えっと、これ、は、ですね……」
 言い訳をしようとしたチェイムに、ご主人様の後ろに立っていたハスキーの呆れた視線が突き刺さった。

「ハスキー、チェイムは何をしてたの?」
「あれは自慰と言って、持て余した性欲を発散させる為の行為ですよ」
 解説しないで下さい、そんなことすら言えずチェイムは掛け布に頭からくるまっていた。
「ご主人様は何時でも私達をお呼び出来ますから、必要ありませんね」
 顔を合わせられないような羞恥を誤魔化すべく、チェイムは自分に言い聞かせていた。
「えー、でもやってみたい」
 私はチェイム、チェインバーメイドだ。オ○ニーメイド等という汚名が着せられる前に、完璧なお片付けでご主人様の印象を回復しなければならない。
「そうですか、では部屋の掃除の前にチェイムに一仕事お願いしましょう」
 そう決意したチェイムは、ハスキーからの仕事に応えるべく掛け布から顔を出した。
「チェイム、ご主人様に自慰の見本を見せて下さい」
「かしこまりました――えっ」
 チェイムが汚名を返上するには、まだ時間がかかりそうだった。

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