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この世界にはカードの精霊というものがいる。相棒であるカードに宿る精霊だ。元々は視認できる人が少なかったために認知されることはあまりなかったが、技術の進歩により小型デュエルディスク内蔵リアルソリッドビジョンを依り代に現代に顕現できるようになり、かなり存在がメジャーになってきた。とはいえ、同じ種類のカードに1人だけまで程ではないもののまだまだ数は少ない。「おっ、精霊だ。羨ましいな」と羨望の眼差しを受けることもある。

かくいう俺も羨望の眼差しを向ける側……"だった"。そう、今までは。

「なぁ、"マウス"」

自室にて、隣に視線を向けると、こてんと首を傾げた無表情の女の子。ネズミ耳に白髪の先が黄色になった美少女。スカートのほうは……意味がないぐらい透けて、その……股が強調されたデザインがちらちらと見えるのは勘弁してほしいというか、もうちょっと恥じらってほしいが、ともかく。

この子は、《M∀LICE<P>Dormouse》。最近出回りはじめた『M∀LICE』カテゴリーのモンスターだ。

そして……

『マスター、マスター、ドういたしましたか。』

『マウスだけ呼んだの、何かあったの?マスター』

二人も出てくる。"ラビ"、"チェシャ"……どちらもマウスと同じくM∀LICEモンスターだ。それだけじゃない。今はいないが、クイーンである三人の精霊も俺のもとに来た!嘘ではない。そういった昔からそういった人物がいるらしく、「テーマに気に入られた」というそうだ。しかも気に入られたということは、精霊に好意を持たれている、ということだ。こんなに可愛い子全員に!

……まあリアルソリッドビジョンでは"そういうこと”が禁止されている以上手を出すことはできないが、それでも男の夢、精霊付きカードを手に入れることとハーレムを作ることの両方を達成できるなんて、俺は幸せ者だ。


「いいや?幸せだって思ってな」

『はいマスター。ワタシたちモ幸せですよ。』

マウスが俺の胸に頭をこすりつけてくる。チェシャが小さな手で俺の腕を握る。幸福感が頭に染み渡る。最高すぎだ。

『マスター。ご相談が……む、ポーン、離れなさい。』

『『『失礼いたシましタ、クイーン。』』』


俺にくっ付いていた三人が離れ、気を付けの姿勢になる。今現れたのはサイちゃん……M∀LICE<Q>HEARTS OF CRYPTERだ。彼女もめちゃくちゃ好みなんだが、彼女に対するチェシャ・ラビ・マウスの反応がどうしても好きになれない。上下関係なく全員好きなんだが……

「なに?サイちゃん」

『マスター様のお望みであったリアルソリッドビジョンのロック解除コードを発見しました。インストールの実行許可を求めます。』

「なんだロック解除って、何ができるようになる?」

『代理返答。マスターと性的接触を含む行為の制限解除。』

後ろから、M∀LICE<Q>WHITE BINDER……トバちゃんが急に出てきて返事を返してきた。

「うぉっ!?トバ!?って、性的接触を含む行為ってどういうことだよ!」

『疑問。マスターはワタシたちに性的欲求を抱いていなかった?否定。マスターの身体の一部に反応を検知しました。』

「ちょ、ちょっと勝手に見ないで……いやまあ、確かにそういうことをしたくない、といえばウソだけど……それって安全だよね?」

『ハイ!ワタシたちによってチェック済みです!マスター、ワタシたちとそういうことしたくないの……?』

横から現れてしな垂れかかる様にランちゃん……M∀LICE<Q>RED RANSOMが上目遣いで話しかけてくる。さ、流石に耐えきれん!

「い、いいよ!インストールして!」

『ハイ♡……インストール完了ですマスター、これでもうワタシたちに”オサワリ”可能ですよ』

「お、おお……?んむっ!?」

『ん……んちゅ……ぇぉ……ぷハぁ♡マスター、マスター、オ慕いしておりマす♡』

『あっ……ラビ………ズルい』

サイがそういった瞬間、ラビが抱き着いてキスをしてきた。それを見たマウスが俺の腕をとって股のほうにこすりつけてくる、うぉ、おおお……

『ポーンはとっくに始まっているようですね。まあよいでしょう。ワタシたちクイーンは後でじっくりと……』

「サイちゃんもこっち来なよ」

『……発情。マスター、誘いすぎ。』

『ま、マスター、ワタシもキスしてほしいです……』

ラビにキスしてマウスのアソコに腕をこすりつけ、すっかり気が大きくなった俺は後ろのほうにいるクイーンたちを空いている左の手で招くと、目が変わったようにこっちに来た。ラビとマウスをそのままに、部屋のベッドのほうに移動する。仰向けになった俺の両手の上でマウスとトバが喘ぎ、ラビに代わってランがキスをする。ラビよりも濃厚なメスの匂いがして、頭がくらくらスる。

『ねぇマスター、ここ、こんなに大きくなってるよ?』

『あら……すごい臭いですマスター。ワタシたちの女性器も発情してしまいます。』

上半身に夢中になっていると、チェシャがズボンを脱がしてきた。視界はランにふさがれているが、俺のアソコに吐息がかかってこそばゆい。サイの声がしたから、これはサイの吐息だろう。

『クイーン様、ワタシにマスターの童貞オチンポ、お口マンコで卒業させる許可を頂きたいです♡』

『いいでしょうチェシャ。マスターの欲求不満チンポを満足させる口オナホになることを許可します。』

『はぁーい、ぇぁ……』

両手指には暖かくてぬるぬるとした感触、口はお互いのベロが行き来する味。脳みその中にまでジュルジュルと唾液を交換する音が響いてる中で、さらにビクッと震えるような快感が来て、立てられた音が――ほかの子たちの嬌声が聞こえなくなったように響いてくる。

―じゅるっ♡じゅぽっじゅぽっじゅぽっ♡んっく……じゅるるるるる♡じゅぞっ♡じゅぞっ♡じゅぞっ♡

唇で強く扱かれ、舌で撫でられるような感覚に我慢の限界になり、頭が真っ白ニなる。キスや両手に押し付けられた腰の動きが激しくなり、みんなの喘ぎ声が合唱のように大きくなって、自分の耐える呻キ声と嬌声の区別が付カナくなる……


「チェシャっ出るっ!出すっ!」

『ひゃいマスター♡出ひひゃえ♡出ひひゃえ♡んんっ……!』絶頂、同時にみんなも絶頂。みんな気持チイい。気持チイイ。へたり込んだみんなの体重がそのままオレにのしかかってきて、キスも指もそのまま。トロトロフワフワとした世界に居続ける。

『あら、マスターこんなに可愛らしいお顔を晒してしまって。とっても気持ちいいのがわかります♡ワタシたちのこと、大好きなのが分かります♡』

サイの声が今度は耳元デする。何を言っているノかよくわからないが、ソノ通りなので頷く。気持ちいい♡大好き♡気持ちいい♡大好き♡そう考えると頭の中がいっぱいになる――

『……ポーンたち、ラン、トバ、終了の時間です』

『『『はい、クイーン様』』』

はい、という声がしてスっと頭の中が冴える感覚。

サイのその声で、みんながジブンの身体から離れ、フッと軽くなる。気持ちよさが消えて、ちょっと寂しい。

『マスター様、ワタシたちのご奉仕、気持ちよかったでしょうか?』

「ぅ……ん……」

気持ちよかった。でも、ちょっと物足りない。いまだ少しボーっとする頭で、今回は至らなかった”更なる段階”のことを思う。自然と、サイの下腹部……女性的らしくふくらんだ恥丘と、濡れているハイレグのその奥に視線が行く。

『マスター様。ワタシたちと性交を望まれるのはワタシたちにとっても幸福です。しかし、この快楽はまだ”オアズケ”です。もっと気持ちよくなりたかったら、その立派なオチンポ様をワタシたちにヘコヘコこすりつけるのはガマン、です。』

仰向けになったジブンの顔の上に、六人全員が発情した顔で股の間を見せつけるように立つ。皆服を着ていてわかりづらいが、愛液がとめどなくあふれていて顔にかかりそうだ。それだけで興奮しそうになるが……サイの”オアズケ”という言葉で脳にロックが掛かった。まだ発情しちゃダめ、ガまんしないとダめ……そう考えているうちに、意識が沈んでいった。

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