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 月が満ちた前日か翌日の夜、三人は料理を持ち寄って酒を飲む。この日はルガルはマリネを、シュライグが魚の燻製を、フェリジットがヒラメの煮付けを持ってきた。
「魚ばっかりだな。ワインにするか?」
「ヒラメが被ったな」
「ウイスキーならなんでも合うのよ」
 フェリジットは棚から酒瓶を取り出した。琥珀色の液体が揺れる。この酒は蒸溜所から送られてきたものだ。それなりに高い酒で他のメンバーに知られたらすぐに空になってしまう。
 三人はグラスをコツンとぶつけた。
「ぷはぁ。やっぱりうまいな。この酒を飲むとアヤメが咲いている景色が目に浮かぶ。きっと水源付近にあるぞ」
「えっ、そんな香りする?」
 フェリジットは自分のクラスの匂いを嗅ぐがよく分からない。ウイスキーはバニラのような甘い香りがした。もちろん、ルガルの方が鼻が利くのはよく知っている。彼がそういうならそうなのだろう。
「この酒が旨いことしか分からん」
 シュライグは酒に文句を言わない。彼が言うには酒には二種類あるらしい。飲める酒と旨い酒だ。
「いい酒は開けちまったら飲み干すしかねえ。味が落ちるのはしのびねえからな」
 ルガルの一言のせいか、旨い酒はたくさん飲みたいのか、三人のペースが上がる。時々、肴をつまんで水を飲む。そしてグラスに何度も琥珀色のウイスキーがそそがれた。
 そもそもウイスキーはそんなにごくごく飲むものではない。
 当然、三人共酔っ払った。

「シュライグってさぁ。お酒飲んでも顔変わらないよね」
 フェリジットは赤くなった顔をシュライグに近づける。肩に手を回して逃げられないように捕まえる。
「体質だ」
「ふーん。シュライグの顔って綺麗よね」
「そうか」
「だから、ちゅーしましょ。ちゅー」
 フェリジットは唇を窄めてシュライグの顔に更に近づける。ルガルはそんな二人を眺めながら、「いいぞ、もっとやれ」などと煽っている。
「ああ」
 シュライグはフェリジットの唇を奪った。突然のことでフェリジットは大きく目を見開くが、酔った頭の理解力を超えている。
「ヒラメの味がする」
「シュライグだってヒラメ食べてるじゃん」
 シュライグの言葉は接吻の感想としては最低だった。フェリジットもまだ酔いが冷めていない。
「おっと、じゃあ俺はそろそろお暇するか。お二人さんごゆっくり〜」
 ルガルは千鳥足でこの部屋を後にした。

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