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作者:るにゅやんたん


白銀の迷宮城──…

数多の者たちが挑み、その悉くを阻んできた難攻不落の罠の城。
その城門に今日もまた、一人の人間の姿があった。

「オーッホッホッホッホッ!今日も性懲りも無くノコノコとやって来ましたわね!」

城門の騎士に向けて、城の城主ラビュリンスが映像を投影して高笑いする。

「今日の迷宮は簡単に突破出来ると思わないことですわ!練りに練ったトラップの数々で今日こそ貴方に吠え面を──…」

「大変です、姫様。」

いつも通りの宣戦布告が終わる前に、彼女の召使いであるアリアンナが遮る様に口を挟む。

「なんですの!?今からがいいところだというのに!!」

「次回迷宮に投入予定の装備破壊試作罠が不具合で突如起動し、このフロアで炸裂します。」

「な、何ですってぇーっ!!?」

その瞬間、白い閃光が辺り一面を埋め尽くし、騎士に投影している映像もホワイトアウトする。

「〜〜〜〜〜〜〜っ⁉︎」

閃光が収まったそこには、装備(服)を破壊され、胸と秘所を必死に手で隠しながら顔を真っ赤にしたラビュリンスがいた。



「と、兎に角‼︎今日の迷宮の罠は今までの比ではありませんわ!!覚悟なさい!!」

城主としてのプライドか、まだ途中だった宣戦布告をなんとか言い切り、ラビュリンスは映像の投影を解いた。
「…………………………。」

先程の騒々しさが嘘の様に静まり返る城門。
だがしかし、騎士の胸中は穏やかではなかった。
先程の光景がずっと頭から離れず、グルグルと脳内を駆け巡続けていた。
スラリとした手足、整った顔立ち、豊かな双丘、そして羞恥に染まった表情──……



その日騎士の動きはいつになく精彩を欠き、迷宮踏破ワースト記録を更新したのであった…。

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