最終更新:ID:EFed4ncmMQ 2023年07月13日(木) 01:28:15履歴
───聖水
それは宣告者に仕える神巫が特別な修法で浄化、精製した聖なる魔力を宿した水。その修法及び精製は神巫だけの秘密であり、一人で行わなければいけないものとされている。そのため一日に精製できる量に限りがあり、大変貴重なものなのだ
今日は週に一度の聖水の販売日だ。この日も多くの参拝者が聖水を求めて神殿にやって来ている。その聖水は庭に撒けば魔除け、植物にかければ成長促進、あまり推奨はされていないが飲めば魔力回復、怪我にかければ即回復とあらゆる効能が確認されている。
「こ、今週分の聖水の販売を開始いたします」
この聖水を精製した本人である神巫が直々に接客も担当している……ここだけの話だが宣告者の神巫目当ての参拝者も結構いるらしい。それは置いておいて次々と参拝者が神巫と軽く会話をしながら聖水を購入していく
「神巫様、この聖水のおかげで我が家はモンスターに襲われずにいます。ありがとうございます」
「それはよかったです。あなたのご家族に宣告者様のご加護があらんことを」
「あのね、神巫様の聖水をお庭のお花にかけたらすっごく元気になったんだよ!ありがとう!神巫様!」
「それはよかったですね、ちゃんと最後までお世話してあげるんですよ」
「先日モンスターとの戦いでもうだめかと思いましたが神巫様の聖水を飲んだだけで体力も魔力も回復し、命を繋ぐことが出来ました。ありがとうございます!」
「……あなたの命が失われなくてよかったです。でもあまりムチャをしてはいけませんよ、この聖水に頼る前に逃げ出すくらいでないと」
お礼を告げながら聖水を買って行く参拝者達、その言葉に丁寧に返していく神巫。飲んだ感想には少し頬を赤く染めながら返答しているがそれもまた可愛いと評判だ
「申し訳ありません、今週分はこれで終了です」
在庫切れによる聖水の販売終了を神巫が告げる。神巫達が後片付けをしていたそんな時に
「神巫様!大変です!」
「どうされましたか!?」
「彼が近くの洞窟でモンスターにやられてしまって……このままでは命が!」
運び込まれてきたのは冒険者の男、息も絶え絶えで意識も朦朧としていた
「いけません!今すぐ医務室に運んで治療を!でもどうしましょう、ここにはこんな大ケガを治す設備も治療薬も……」
神巫が頭を悩ませていると側にいた女性神官が声をかける
「神巫様、今日の分の聖水の精製はされましたか?」
「えっ!?いえ、まだですけど……」
「それなら急いでお願いできませんか」
「うっ……そ、それはちょっと……」
神巫は一瞬躊躇う。そうすると男の仲間が土下座をして頼み込んできた
「お願いします、神巫様!こいつを救うためには神巫様の聖水しかないんです!お願いします!」
「神巫様お願いします!」
「お願いします!」
その場にいる全員が神巫に頭を下げる。神巫はキョロキョロと周りを見渡したが、苦しそうな男を見て覚悟を決めた
「……わかりました、すぐに精製して来ますので待っていてください」
「ありがとうございます神巫様!」
そうして神巫は急いで自室に飛び込んだ
「……出したてを飲んで貰うのは恥ずかしいけど……ううん、人命救助のためだから急がないと」
そう自分に言い聞かせながらスカートを降ろし、パンツを脱いで下半身を露出させる。そう、聖水とは神巫のおしっこのことなのである
「ちょうど我慢してたしすぐに出せそう……待っててくださいね」
神巫はしゃがみこんで空きビンに向かっておしっこを出す
「んっ……」
甘い声がこぼれてシャーと勢い良くでるおしっこがビンを満たしていく。ビン一杯におしっこ、もとい聖水を出しきると身支度を整えて医務室に駆けていく
「お待たせしました!」
医務室の扉を勢い良く開けて神巫が室内に入っていく
「うう……神巫様……?」
「無理に喋らないでください。さあ、これを飲んで」
神巫はゆっくりと男に出したてのおしっこ……もとい精製したての聖水を飲ませる。そうすると男の顔色がみるみるうちに良くなっていく
「おおっ!」
「流石は神巫様の聖水だ!」
周りから称賛の声があがる。男は呼吸も落ち着いて一命を取り留めたようだ
「うっ……神巫様、ありがとうございます……貴女は命の恩人です」
「いいえ、わたしは宣告者様の巫女として当然のことをしたまでです」
「貴重な聖水を私なんかのために……それに気持ちがこもっていたのかとても温かく感じました……ありがとうございます……」
そう言うと男は目を閉じた。どうやら眠ってしまったらしい
(気持ちがこもってるというか、出したてだから温かいだけなんですけどね)
神巫はちょっと恥ずかしそうに微笑みながら男が眠りにつくのを見送るのであった
おしまい
おまけ 神巫様への質問コーナー
Q聖水はどうやって作ってるんですか
A「聖水は神巫だけに伝わる特別な製法で作っていますのでお教えすることは出来ないんですごめんなさい」
(特別な製法なんてなくてただのわたしのおしっこなんですけどね)
Qどうして週に一度の販売なんですか
A「詳しくは言えないんですけど精製に時間がかかるので一日に精製できる量に限りがあるんです。なので一週間分をまとめて販売させて貰ってます」
(そんな一日にいっぱいおしっこが出ないからです!なんて言えないじゃないですか!)
ちなみに女性は一日に1000から1500mlほどおしっこをしますが神巫は3000mlほど出してます。本人は気づいていないだけでたくさん出てますね。ちなみに一つのビンで一回のおしっこ分、およそ300mlを販売しております
Qなんでこのインタビュー中ずっと顔が赤いんですか
A「さ、さあ?最近暑いからじゃないですか?みなさんも水分はこまめにとって脱水には気をつけてくださいね」
(自分のおしっこの話で恥ずかしいからですよ!)
Qじゃあ神巫様の聖水で水分補給をしても?
A「ダメです!あ、ええとダメって訳じゃないんですけど、その……ね?」
(そんなお水みたいにわたしのおしっこを飲まれるなんて恥ずかしいです!)
これでインタビューを終わりますありがとうございました
「はい、ありがとうございました。みなさんに宣告者様のご加護があらんことを」
終
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