パーキンソン病

（パーキンソン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症として列記し、「パーキンソン病関連疾患」と称し、第2号被保険者における特定疾病）

病態
50～60歳代に発症し、徐々に進行し15～20年経過で自立困難となる。
脳の黒質神経細胞の変性、消失などにより、次の４大運動障害症状を呈する神経変性疾患。
①振戦（身体のふるえ）*1
②固縮（筋の固さ）*2
③無動・寡動（動作の遅さ、拙劣）*3
④姿勢・歩行障害、姿勢反射異常*4

治療
変性消失する黒質神経物質神経細胞の神経伝達物質ﾄﾞパミンの改善を目的とした薬剤を服用する。
薬物は、少量から漸増（ぜんぞう）し、維持量に達するように使用する。

介護上の留意点

　
　
　

　

*1 : 発病症状は60～70％が振戦。安静時振戦、動作する（動く）ことにより「ふるえ」が止まるのが特徴。身体の片側から症状が起こり、半年～1年で反対側にも拡がる。初老期に安静時振戦が一側に発現した場合、80％以上はパーキンソン病である。
*2 : 筋固縮は伸張反射の亢進によって発病し、その症候は、関節周囲に四肢を受動的に屈伸すると固い抵抗を示し、歯車のリズムカルな抵抗を感じる（歯車現象）である。
*3 : 無動は、あらゆる動作が乏しくなる状態で、日常動作・目的動作まで冒される。「仮面様顔貌（かめんようがんぼう）」と呼ばれる、表情の変化が乏しくなる症状もある。
*4 : 姿勢・歩行障害を起こすと、上半身を前屈させ、手の振りが乏しく、小刻みな歩行で歩く。平衡機能が侵されるため、つまずき、転倒しやすくなるので、高齢者では頭部外傷と大腿骨頸部骨折に注意する。