ずんだもんの宇宙旅行
最終更新：
spacezunda581 2023年03月02日(木) 22:59:53履歴
此処は遥か未来の地球
今回は富豪のずんだもんとその部下達のストーリーを話そう
富豪ずん『ん？ずんだペーストの貯蓄が無くなる寸前ではないか、これでは飼い人のずん美が腹を空かせてしまうのだ。だが今は仕事が忙しくて時間を割けないのだ...おーい、誰か居ないか？』
富豪ずんに呼ばれてメイドが来る。
メイドずん「ご主人様、今回はどの様なご用件なのだ？」
富豪『ずんだペースト用の火星枝豆をいつもの店から買える分だけ買ってくるのだ。お釣りは好きに使って構わないのだ。』
「了解しましたのだ！」
『殆どの宇宙船は修理に出してるから、２番格納庫の核融合式の奴を使うのだ。あと、小惑星帯に居る宙族には気をつけるのだ』
「はいなのだ！メモに取ってあるのだ！」
『それじゃ、いってらっしゃい！』
メイドずんは宇宙船に乗り込み、無限に広がる真空の大海原に乗り出す
「行ってきまーす！！」
『...あの子、大丈夫かな...少しおっちょこちょいな所あるし』
ーーーーーー
システムAI "高度800キロヲ突破シマシタ、地球周回軌道、投入完了"
無機質なシステム音声と共に宇宙船の周りの景色が深い闇に包まれると、メイドずんは計器を操作し始める。
「えーと、火星へのマニューバ調整は此処をこうして...できたのだ！」
真空用の核融合エンジンをフル稼働させ、目的の惑星へ一直線に進む。
太陽系第4惑星『火星』
21世紀初頭、人類が第二の地球として居住可能な惑星に改良しようとしたが失敗した。
原因としては様々な説が挙げられ、日光の量が少ない、『気圧』が低い等があったが、一番の理由は『重力』が弱すぎたのである。
人の骨格は『地球以外の重力』に耐えられるよう出来ていないからである。
そこで実験にあてがわれたのが『妖精ずんだもん』だ。彼らは軟体動物に近く、おまけに光合成可能で浮遊能力も持っている為すぐに火星の環境に適応した。
現在の24世紀では火星に適応したずんだもんと地球産のずんだもんを区別する用語として『火星ずん』『地球ずん』と呼ばれる様になった。
メイドずんが乗る宇宙船が火星に近づく
"火星大気圏突入マデ後30分、逆噴射ヲ開始シマス"
「うわあああああ！！やっぱりこの逆噴射は酔うのだ...」
宇宙船に通信が入る
管制ずん『こちらマリネリス宙港管制塔、高度一万kmを飛行中の地球所属の宇宙船に告ぐ。自動着陸システムを起動し速度を落とすのだ』
「わかったのだあああああ！！！」
宇宙船は無事着陸した、パイロットを除いて...
「うっぷ...気分が悪いのだ...」ｵﾛﾛﾛﾛ
「と、取り敢えず市場に向かうのだ...」
メイドずんは火星最大の枝豆市場へと向かう
ここマリネリス市場は普段は活気とした場所で、日夜行商人やクライアントの賑わいが絶えない場所で有名だが、今日はなにやら閑散としている...
少し歩いて、メイドずんはメモに書いてある目的の店にたどり着いた
農家ずん『いらっしゃい...おや、貴方の制服...成程、あの方のお遣いですね。本日はどの様なご用件で？』
メイドずん「...えーと、火星枝豆を買える分だけ買いに来ました、ここに火星枝豆の店があると聞いているので」
農家は顔をしかめる
『火星枝豆ですか...すいません、今のシーズンは量が少なく...兎も角今此処に来たのはまずかったですね...』
農家のずんだもんが事情を説明しようとした次の瞬間、近くの店にレーザーが降り注ぐ
『危ない！』
農家がメイドずんを庇う
綺麗に穴が開けられた屋根から、火星枝豆が宙へと浮び、大きな宇宙船へと入っていく。
すると宇宙船から1匹の愚かなずんだ虫が現れた
宙族（ノーダノダノダ！！おまえらくちょにんげんの育てた枝豆は我ら宇宙ずんだ虫様が全部いただくのだ！かんしゃするのだ！）
自らを宇宙ずんだ虫と名乗る生き物は、透明で、しかもガラスの様な膜に覆われていた。
咄嗟に農家ずんが自前の光線銃を放ち、『膜』
と宇宙船の壁を破壊する
（おまえ！なにしやがるの...でゃ！！）ﾊﾟｧﾝ!
（くるち！くるち！）ﾌﾞｼｬ
（はやくうちゅうににげ...）ﾎﾞﾝ!
宇宙ずんだ虫達は破裂し、火星枝豆は無事元の店に戻った。
メイドずん「一体何がおきて...」
農家ずん『今日はこれでも少ない方ですよ』
農家は話を再開する
『火星と木星の間に小惑星帯があるのは知ってますね？近年、そこにいる宙族のずんだ虫がこの惑星で栽培されている火星枝豆を食い荒らす事態が多発しているのです。』
『我々としてもある程度対策は講じているのですが、それでも完全に撲滅は出来ていなくて...』
『おかげで市場は衰退...他の人たちの士気も下がってしまっているのです...』
『今シーズンはどうかお引き取りを...本当に申し訳ありません...』
「...せてください！」
『え？』
「そいつらを、私に殺らせてください！」
『え？何故ですか！？』
「火星枝豆は私やご主人様の好物でもあるんです！そいつらに独占されている分を私が取り返してくるのだ！」
「大丈夫です！何故なら私は賢いずんだもんなのですから！」
続く
ずんだ小惑星侵攻編
メイドずんは主人に事情を話す為、一度地球に帰還した。
富豪ずん『むぅ...手遅れだったか...』
メイドずん「手遅れ...?」
『我々は太陽系全域に拡大する星間企業で、主に火星や地球での事業を進めていることは知っているな？』
『マリネリス市場には我が財閥の防衛システムを提供していてな。今までは反星系的組織である宇宙ずんだ虫達の介入を防げていたのだが...奴らは超大型飛行器官を所持した陸宙両用ずんだ虫を用いて侵攻してきたのだ。』
『防衛システムが作動しなかった理屈としては、おおかた飛行器官から発せられる反重力波を隠れ蓑にし、重力波レーダーに探知されないように出てきたのだろうな。』
『最新鋭のシステムがこれじゃあ面目丸潰れなのだ』
「それじゃあ私を火星に行く様に言ったのも？」
『...そう、状況確認も兼ねてだが...想像以上だったのだ』
『ともかく、これは君だけでどうにかなる問題では無いし、君が責任を負う必要もないのだ。
さあ、今日はもう遅いから寝室で休むのだ』
「わかりました...」
「...おやすみなさい...」
その頃 小惑星帯
ボスずん（なに！？かせいにおくりこんだ奴らがやられたのだ！？）
宙族ずん（そうなのだ、しかもあいつらは"わくせいせん"をはかいする"ぼうきょ"にでたのだ！）
ボスずん（おのれ！くちょにんげんのくせになまいきな！）
（でも、やつらがここをみつけだすことはぜったいにありえないのだ！）
（（ぼくたちのまもりがみ"ずんがみさま"がいるかぎり...））
（あしたはぼくたちのなかまをころしたくちょにんげんどもにふくしゅうしにいくのだ！）
宙族達（おー！！！）
翌日 地球時刻 午前4時
富豪ずんだもんの家に重力波通信が入る
観測ずん「会長、例の宙族の生息地についてですが...」
「太陽系小惑星帯Z-210宙域は他の宙域と比べ小惑星やガスの密度が著しく低く、先程地球時間3時に観測船を向かわせたところ、重力波のエネルギー量が0を下回る領域が観測されました。
恐らく奴らの母船の飛行器官による影響が周りの空間にまで及んでいるものかと。」
富豪ずん『でかしたのだ！では早速我々が開発した"秘密兵器"を奴らの根城にぶち込んでやるのだ！』
「了解です！しかし奴らが再び火星を狙う可能性も無いとは言い切れません...」
『その点についても既に対策は講じているのだ、後はあの子の協力が必要になる...』
地球時刻 午前６時
メイドずん「ふああ...おはようございます...」
富豪ずん『おはよう！昨日はよく眠れたかな？』
「はい...それにしてもご主人様、いつになくテンション高いですね...」
『それもそうだろう...朗報だ、遂に宇宙ずんだ虫達の居場所が掴めたぞ！』
「本当ですか！？」
『ああ...そして奴らの巣に叩き込む為に秘密兵器も開発したのだ...その名も"メテオ豆"なのだ！』
『更に更に！火星への宙族侵略への対抗策として、我が財閥の研究機関に隠されていたロストデータを復元して再構築した"ずんアクティブmk2"も用意したのだ！』
『では準備もできたことだし、火星へ行くぞ！』
私達は火星に行き、ずんアクティブmk2を各地に配置した。そして、宇宙ずんだ虫が生息する宙域へと向かった。
そこで見たものとは...
*1
ずんだ虫というにはあまりにも、巨大な存在だった。
システムAI"生体反応ヲ確認。推定サイズ約10kmと仮定...エラー、理論値を大きく上回ります"
『なんだあれは...まるで小惑星だな』
「あそこに奪われた枝豆が...行きましょう！」
二人は小型艇に乗り換え、ずんだ小惑星へと近づく。
サイズの割には中身は伽藍堂で、ずんだ虫はまったくと言っていいほど居ない。
奥に進むと、何処からか声が聞こえる
ボスずん（おまえたち！なにものなのだ！？）
富豪ずん『畜生に教える名など無い！...と言いたいところだが教えてやるのだ。私はZpace会長兼ズーン財閥総帥のずんだもん10世！貴様らを絶滅させる為此処に来たのだ』
メイドずん「わたしはメイドのずんだもんです、隣のご主人様の家で住み込みで働いてます！
あなた方の行いを咎める為此処にきました！」
（いまさらくちょにんげんがやってきたところでむだなのだ！）
（えだまめはぜんぶぼくたちがたべちゃったのだ！ざまあみろなのだ！）
「なんてこと...備蓄すらしないなんて」
（ふっふっふ、ぼくたちはくちょにんげんのはたけからねこそぎえだまめをうばうことでいきながらえているのだ！いまごろぼくのなかまたちがおまえたちのすみかをおそっているのだ！）
『ほう？ところでお前の仲間とやらがどうなったか見せてやろうか？』
（え？）
富豪ずんだもんはホログラムを展開し、火星の状況をボスずんだ虫に見せた。
その頃火星では
（ｱ...ｱ...）ｸﾞﾁｬ
（いちゃい！いちゃい！あにゃるがとけるのだ！）ﾌﾞｼｬｱ
（ダｽﾞけデ...ぼす...）ﾎﾞﾝｯ
（くちょにんげん、ぶっコﾛチ...）ﾌﾞﾁｯ
（ずんがみさまああああ！！！）ﾄﾞﾛｫ
ボスずん（な、なにがおこっているのだ！？）
富豪ずん『おお、流石に"完全再現"とまではいかなかったが、うまくお前の仲間を潰せた様だな』
『お前達が身に纏う有機質の耐圧膜や惑星を移動する探査船も、元はずんだ虫の細胞を加工して出来たもの。だったらこの「ずんアクティブmk2」があればぶっ潰せると思ってな。まったくご先祖様もとんでもないモン開発しやがったのだ...』
（あ...あ...ぼくたちのなかまが...ずんがみさまが...）
『さて、残りはお前だけなのだ。』
『お前はテレパシーか何かで俺たちの動向を探っているようだが、おそらくそう遠くには居ないだろう。』
『まあどっちみち、逃さないのだ。此処にいる限りな。』
巨大ずんだ虫"ずんがみさま"にメテオ豆が激突する。
観測ずん「目標着弾確認！」
（（ガアアアアアアア！！！））
（なにがおきているのだ！？）
富豪ずん『こいつはメテオ豆、隕石の様に飛来し着弾した場所から豆の木を生やすA級危険生物なのだ！』
『ほらほら、早くしないと巣ごと豆の木に飲まれるのだ♪』
メイドずん「...これ、私達も危ないのでは？」
富豪ずん『そうなのだ！だから急いで逃げるのだ！』
「うわあああああ！！やっぱりいいいいい！！！」
二人は急いで小型艇の場所まで戻り、巨大ずんだ虫から離脱した。
（くちょお！くちょお！）
（なかまたちがぜんいんころされたのだ！）
（は、はやくここからにげてあたらしいおうちをさがすのだ！そしてまた"ずんがみさま"をそだてるのだ！）
ボスずんが脱出しようとした瞬間、全身の穴という穴からずんだ液が噴き出し、そして破裂した。
（あががががが！くうき！くうき！つぶれりゅ！！）
（のだぁ！！！）ｸﾞﾁｬ!!
メテオ豆のもう一つの効果、それは急速な酸素の精製能力...ボスずんは小惑星内の加圧に耐えられなかったのである。
宇宙船内
富豪ずん『ふう...間に合ったのだ...』
メイドずん「もう！いくらなんでもいきあたりばったりすぎるのだ！」
『いや、奴らのちっぽけなプライドを刺激してやる為直接赴いてやったのだ。遠距離から狙っても確実に始末できなきゃ対策されてしまうのだ。』
『なにはともあれ、くそったれな宇宙害獣共を始末できたのだ！今夜は火星でパーティなのだ！』
それから私たちは火星でこれまでの経緯を説明し、ひとまず今回の事件は幕を閉じた...
来年以降...いや、地球時間で２年後。
またマリネリス市場には活気が戻ることだろう
おわり
今回は富豪のずんだもんとその部下達のストーリーを話そう
富豪ずん『ん？ずんだペーストの貯蓄が無くなる寸前ではないか、これでは飼い人のずん美が腹を空かせてしまうのだ。だが今は仕事が忙しくて時間を割けないのだ...おーい、誰か居ないか？』
富豪ずんに呼ばれてメイドが来る。
メイドずん「ご主人様、今回はどの様なご用件なのだ？」
富豪『ずんだペースト用の火星枝豆をいつもの店から買える分だけ買ってくるのだ。お釣りは好きに使って構わないのだ。』
「了解しましたのだ！」
『殆どの宇宙船は修理に出してるから、２番格納庫の核融合式の奴を使うのだ。あと、小惑星帯に居る宙族には気をつけるのだ』
「はいなのだ！メモに取ってあるのだ！」
『それじゃ、いってらっしゃい！』
メイドずんは宇宙船に乗り込み、無限に広がる真空の大海原に乗り出す
「行ってきまーす！！」
『...あの子、大丈夫かな...少しおっちょこちょいな所あるし』
ーーーーーー
システムAI "高度800キロヲ突破シマシタ、地球周回軌道、投入完了"
無機質なシステム音声と共に宇宙船の周りの景色が深い闇に包まれると、メイドずんは計器を操作し始める。
「えーと、火星へのマニューバ調整は此処をこうして...できたのだ！」
真空用の核融合エンジンをフル稼働させ、目的の惑星へ一直線に進む。
太陽系第4惑星『火星』
21世紀初頭、人類が第二の地球として居住可能な惑星に改良しようとしたが失敗した。
原因としては様々な説が挙げられ、日光の量が少ない、『気圧』が低い等があったが、一番の理由は『重力』が弱すぎたのである。
人の骨格は『地球以外の重力』に耐えられるよう出来ていないからである。
そこで実験にあてがわれたのが『妖精ずんだもん』だ。彼らは軟体動物に近く、おまけに光合成可能で浮遊能力も持っている為すぐに火星の環境に適応した。
現在の24世紀では火星に適応したずんだもんと地球産のずんだもんを区別する用語として『火星ずん』『地球ずん』と呼ばれる様になった。
メイドずんが乗る宇宙船が火星に近づく
"火星大気圏突入マデ後30分、逆噴射ヲ開始シマス"
「うわあああああ！！やっぱりこの逆噴射は酔うのだ...」
宇宙船に通信が入る
管制ずん『こちらマリネリス宙港管制塔、高度一万kmを飛行中の地球所属の宇宙船に告ぐ。自動着陸システムを起動し速度を落とすのだ』
「わかったのだあああああ！！！」
宇宙船は無事着陸した、パイロットを除いて...
「うっぷ...気分が悪いのだ...」ｵﾛﾛﾛﾛ
「と、取り敢えず市場に向かうのだ...」
メイドずんは火星最大の枝豆市場へと向かう
ここマリネリス市場は普段は活気とした場所で、日夜行商人やクライアントの賑わいが絶えない場所で有名だが、今日はなにやら閑散としている...
少し歩いて、メイドずんはメモに書いてある目的の店にたどり着いた
農家ずん『いらっしゃい...おや、貴方の制服...成程、あの方のお遣いですね。本日はどの様なご用件で？』
メイドずん「...えーと、火星枝豆を買える分だけ買いに来ました、ここに火星枝豆の店があると聞いているので」
農家は顔をしかめる
『火星枝豆ですか...すいません、今のシーズンは量が少なく...兎も角今此処に来たのはまずかったですね...』
農家のずんだもんが事情を説明しようとした次の瞬間、近くの店にレーザーが降り注ぐ
『危ない！』
農家がメイドずんを庇う
綺麗に穴が開けられた屋根から、火星枝豆が宙へと浮び、大きな宇宙船へと入っていく。
すると宇宙船から1匹の愚かなずんだ虫が現れた
宙族（ノーダノダノダ！！おまえらくちょにんげんの育てた枝豆は我ら宇宙ずんだ虫様が全部いただくのだ！かんしゃするのだ！）
自らを宇宙ずんだ虫と名乗る生き物は、透明で、しかもガラスの様な膜に覆われていた。
咄嗟に農家ずんが自前の光線銃を放ち、『膜』
と宇宙船の壁を破壊する
（おまえ！なにしやがるの...でゃ！！）ﾊﾟｧﾝ!
（くるち！くるち！）ﾌﾞｼｬ
（はやくうちゅうににげ...）ﾎﾞﾝ!
宇宙ずんだ虫達は破裂し、火星枝豆は無事元の店に戻った。
メイドずん「一体何がおきて...」
農家ずん『今日はこれでも少ない方ですよ』
農家は話を再開する
『火星と木星の間に小惑星帯があるのは知ってますね？近年、そこにいる宙族のずんだ虫がこの惑星で栽培されている火星枝豆を食い荒らす事態が多発しているのです。』
『我々としてもある程度対策は講じているのですが、それでも完全に撲滅は出来ていなくて...』
『おかげで市場は衰退...他の人たちの士気も下がってしまっているのです...』
『今シーズンはどうかお引き取りを...本当に申し訳ありません...』
「...せてください！」
『え？』
「そいつらを、私に殺らせてください！」
『え？何故ですか！？』
「火星枝豆は私やご主人様の好物でもあるんです！そいつらに独占されている分を私が取り返してくるのだ！」
「大丈夫です！何故なら私は賢いずんだもんなのですから！」
続く
ずんだ小惑星侵攻編 
メイドずんは主人に事情を話す為、一度地球に帰還した。
富豪ずん『むぅ...手遅れだったか...』
メイドずん「手遅れ...?」
『我々は太陽系全域に拡大する星間企業で、主に火星や地球での事業を進めていることは知っているな？』
『マリネリス市場には我が財閥の防衛システムを提供していてな。今までは反星系的組織である宇宙ずんだ虫達の介入を防げていたのだが...奴らは超大型飛行器官を所持した陸宙両用ずんだ虫を用いて侵攻してきたのだ。』
『防衛システムが作動しなかった理屈としては、おおかた飛行器官から発せられる反重力波を隠れ蓑にし、重力波レーダーに探知されないように出てきたのだろうな。』
『最新鋭のシステムがこれじゃあ面目丸潰れなのだ』
「それじゃあ私を火星に行く様に言ったのも？」
『...そう、状況確認も兼ねてだが...想像以上だったのだ』
『ともかく、これは君だけでどうにかなる問題では無いし、君が責任を負う必要もないのだ。
さあ、今日はもう遅いから寝室で休むのだ』
「わかりました...」
「...おやすみなさい...」
その頃 小惑星帯
ボスずん（なに！？かせいにおくりこんだ奴らがやられたのだ！？）
宙族ずん（そうなのだ、しかもあいつらは"わくせいせん"をはかいする"ぼうきょ"にでたのだ！）
ボスずん（おのれ！くちょにんげんのくせになまいきな！）
（でも、やつらがここをみつけだすことはぜったいにありえないのだ！）
（（ぼくたちのまもりがみ"ずんがみさま"がいるかぎり...））
（あしたはぼくたちのなかまをころしたくちょにんげんどもにふくしゅうしにいくのだ！）
宙族達（おー！！！）
翌日 地球時刻 午前4時
富豪ずんだもんの家に重力波通信が入る
観測ずん「会長、例の宙族の生息地についてですが...」
「太陽系小惑星帯Z-210宙域は他の宙域と比べ小惑星やガスの密度が著しく低く、先程地球時間3時に観測船を向かわせたところ、重力波のエネルギー量が0を下回る領域が観測されました。
恐らく奴らの母船の飛行器官による影響が周りの空間にまで及んでいるものかと。」
富豪ずん『でかしたのだ！では早速我々が開発した"秘密兵器"を奴らの根城にぶち込んでやるのだ！』
「了解です！しかし奴らが再び火星を狙う可能性も無いとは言い切れません...」
『その点についても既に対策は講じているのだ、後はあの子の協力が必要になる...』
地球時刻 午前６時
メイドずん「ふああ...おはようございます...」
富豪ずん『おはよう！昨日はよく眠れたかな？』
「はい...それにしてもご主人様、いつになくテンション高いですね...」
『それもそうだろう...朗報だ、遂に宇宙ずんだ虫達の居場所が掴めたぞ！』
「本当ですか！？」
『ああ...そして奴らの巣に叩き込む為に秘密兵器も開発したのだ...その名も"メテオ豆"なのだ！』
『更に更に！火星への宙族侵略への対抗策として、我が財閥の研究機関に隠されていたロストデータを復元して再構築した"ずんアクティブmk2"も用意したのだ！』
『では準備もできたことだし、火星へ行くぞ！』
私達は火星に行き、ずんアクティブmk2を各地に配置した。そして、宇宙ずんだ虫が生息する宙域へと向かった。
そこで見たものとは...
*1
ずんだ虫というにはあまりにも、巨大な存在だった。
システムAI"生体反応ヲ確認。推定サイズ約10kmと仮定...エラー、理論値を大きく上回ります"
『なんだあれは...まるで小惑星だな』
「あそこに奪われた枝豆が...行きましょう！」
二人は小型艇に乗り換え、ずんだ小惑星へと近づく。
サイズの割には中身は伽藍堂で、ずんだ虫はまったくと言っていいほど居ない。
奥に進むと、何処からか声が聞こえる
ボスずん（おまえたち！なにものなのだ！？）
富豪ずん『畜生に教える名など無い！...と言いたいところだが教えてやるのだ。私はZpace会長兼ズーン財閥総帥のずんだもん10世！貴様らを絶滅させる為此処に来たのだ』
メイドずん「わたしはメイドのずんだもんです、隣のご主人様の家で住み込みで働いてます！
あなた方の行いを咎める為此処にきました！」
（いまさらくちょにんげんがやってきたところでむだなのだ！）
（えだまめはぜんぶぼくたちがたべちゃったのだ！ざまあみろなのだ！）
「なんてこと...備蓄すらしないなんて」
（ふっふっふ、ぼくたちはくちょにんげんのはたけからねこそぎえだまめをうばうことでいきながらえているのだ！いまごろぼくのなかまたちがおまえたちのすみかをおそっているのだ！）
『ほう？ところでお前の仲間とやらがどうなったか見せてやろうか？』
（え？）
富豪ずんだもんはホログラムを展開し、火星の状況をボスずんだ虫に見せた。
その頃火星では
（ｱ...ｱ...）ｸﾞﾁｬ
（いちゃい！いちゃい！あにゃるがとけるのだ！）ﾌﾞｼｬｱ
（ダｽﾞけデ...ぼす...）ﾎﾞﾝｯ
（くちょにんげん、ぶっコﾛチ...）ﾌﾞﾁｯ
（ずんがみさまああああ！！！）ﾄﾞﾛｫ
ボスずん（な、なにがおこっているのだ！？）
富豪ずん『おお、流石に"完全再現"とまではいかなかったが、うまくお前の仲間を潰せた様だな』
『お前達が身に纏う有機質の耐圧膜や惑星を移動する探査船も、元はずんだ虫の細胞を加工して出来たもの。だったらこの「ずんアクティブmk2」があればぶっ潰せると思ってな。まったくご先祖様もとんでもないモン開発しやがったのだ...』
（あ...あ...ぼくたちのなかまが...ずんがみさまが...）
『さて、残りはお前だけなのだ。』
『お前はテレパシーか何かで俺たちの動向を探っているようだが、おそらくそう遠くには居ないだろう。』
『まあどっちみち、逃さないのだ。此処にいる限りな。』
巨大ずんだ虫"ずんがみさま"にメテオ豆が激突する。
観測ずん「目標着弾確認！」
（（ガアアアアアアア！！！））
（なにがおきているのだ！？）
富豪ずん『こいつはメテオ豆、隕石の様に飛来し着弾した場所から豆の木を生やすA級危険生物なのだ！』
『ほらほら、早くしないと巣ごと豆の木に飲まれるのだ♪』
メイドずん「...これ、私達も危ないのでは？」
富豪ずん『そうなのだ！だから急いで逃げるのだ！』
「うわあああああ！！やっぱりいいいいい！！！」
二人は急いで小型艇の場所まで戻り、巨大ずんだ虫から離脱した。
（くちょお！くちょお！）
（なかまたちがぜんいんころされたのだ！）
（は、はやくここからにげてあたらしいおうちをさがすのだ！そしてまた"ずんがみさま"をそだてるのだ！）
ボスずんが脱出しようとした瞬間、全身の穴という穴からずんだ液が噴き出し、そして破裂した。
（あががががが！くうき！くうき！つぶれりゅ！！）
（のだぁ！！！）ｸﾞﾁｬ!!
メテオ豆のもう一つの効果、それは急速な酸素の精製能力...ボスずんは小惑星内の加圧に耐えられなかったのである。
宇宙船内
富豪ずん『ふう...間に合ったのだ...』
メイドずん「もう！いくらなんでもいきあたりばったりすぎるのだ！」
『いや、奴らのちっぽけなプライドを刺激してやる為直接赴いてやったのだ。遠距離から狙っても確実に始末できなきゃ対策されてしまうのだ。』
『なにはともあれ、くそったれな宇宙害獣共を始末できたのだ！今夜は火星でパーティなのだ！』
それから私たちは火星でこれまでの経緯を説明し、ひとまず今回の事件は幕を閉じた...
来年以降...いや、地球時間で２年後。
またマリネリス市場には活気が戻ることだろう
おわり
このページへのコメント
無事害獣共も駆除して一件落着ですね
まさか「ずんアクティブ」を使うとは・・・
裏設定集ではズーン製薬10代目社長はこの技術を世界から抹消、封印したとありますが、今回封印を解き使用を決断したのはZpace会長兼ズーン財閥総帥のずんだもん10世
同じ「10」ですね
行き過ぎた『技術』が未来の世界で正しく使われ、害獣の絶滅の決め手となった。これであの世に逝った10代目社長ずんだもんも報われるのだ
人類が衰退し、絶滅しないように賢いずんだもん達に管理されているのだ。
技術が発達した近未来になってなお絶滅してやがらねぇずんだ虫ども……しかも宇宙に適応したってどんな進化してんだよ!?(それと宙族の"族"って海賊や山賊のそれだったら"賊"じゃないか…?いや、もはや別種と化してそうだし"族"でも間違いはないのか?)
あと｢飼い人｣って……人間がずんだもん共に飼われてるってのか!?!?
人間が飼い慣らしてきたずんだもん達に飼い慣らされるのはなんとも皮肉な未来なのだ、でも安心するのだ。少なくともずんだもん達は人間さんを『大事に』飼っているから...
あの｢小惑星サイズのずんだ虫っぽいナニカ｣と｢他者から盗むことしか頭にない宙族ずん共が崇拝、育成していたという"ずんがみさま"｣って"同一の存在"か?ってか"ずんがみさま"ってなんだ?でも宙族ずんが全滅したからあの巨大ずんだ虫もいずれ死ぬんかな?
小惑星サイズの宇宙ずんだ虫=ずんがみさまなのだ。
ずんがみさまは無重力の環境で巨大化しまくった突然変異種なのだ。あと中にいるずんだ虫が全員死ぬor居なくなったらずんがみさまも死ぬのだ。いわゆる共生関係というやつなのだ。
文明が進化しても同族に迷惑をかけ続ける無駄に進化したクズんだもんｗｗｗ
豆畜生は何処までいっても豆畜生なのだ