ずんだ料亭 鍋料理編
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thegreenway_46 2023年01月13日(金) 21:42:48履歴
ずんだ料亭 鍋料理編
前回に引き続き料亭「ずんだ庵」の協力を得て、最高ランクのずんだ虫を使った高級料理を紹介していく。
ずんだ豆腐鍋
皆さんはどじょう豆腐をご存知だろうか？
鍋の中にドジョウと豆腐を入れて煮ると熱さに耐え切れなくなったドジョウが豆腐の中に入り、そのまま豆腐の中で煮えてしまう。周りからは湯豆腐を食べている様に見えるので、殺生を禁じられている坊主がこっそり肉食をする為に好んで食べたと言われている料理だ。実際にはドジョウが豆腐の中に逃げ込むことがないため、伝説の料理とされている。板長はずんだ虫であればこのどじょう豆腐を再現可能だという(正確にはずんだ虫豆腐というべきだろうか)
板長「今回はこの母子を使って料理していくのだ。まず、豆腐とお酒を鍋に入れて火にかけて少しだけ温めておくのだ。」
こうすることで鍋に入れられたずんだ虫はそこを風呂と思い込み逃げなくなるそうだ。さらに温度が上がると酒が蒸気となり、ずんだ虫を酩酊させ飛べなくなる効果もあるという。
板長は生簀とは別のケースから雌ずんと子ずんを取り出すとそっと鍋の中に入れた。
「のだあ？なんだかあったかいのだ？」
「おかーしゃ！ぽかぽかなのだ！」
「ほかほかきもちーのだ！」
「ずんずんずんずん！のだのだ！」
「おふろなのだ！きもちーのだ！」
「いいにおいがするのだ！ふわふわなのだ！」
ずんだ虫の一匹が豆腐に気がついたようだ。
「こんなところにおとうふさんがあるのだ！みんなで食べるのだ！」
一匹が呼びかけると鍋の中のずんだ虫は一斉に豆腐に群がり、豆腐に顔を突っ込んで貪りはじめた。
「「「「「おいち！おとーふさんおいち！」」」」」
全員が顔を突っ込んで食べるのでまるで豆腐から足が生えているかのようで滑稽だ。
「あれぇ？だんだんあつくなってきたのだ？」
「なんだかあたまがぼーっとするのだ」
「ままええわ」
「かおがぬけないのだ！」
「おいち！おいち！」
鍋の温度が十分に上がったのを見ると、板長は横で同じように温めていた酒を鍋に注いだ。
「ぎゃあああああああああああああ」
「あちゅい！あちゅい！」
「やける！やけちゃうのだ！」
「ごぼぼぼ…くるち、くるち！ちんじゃうのだ！」
「あちゅい！おかーしゃ！たちけてほしいのだ！」
「おちびちゃん！まっててね！いまたすけるからね！あ、あれ？ちからがはいらないのだ…かおがにゅけにゃいにょだ…」
どうやらアルコールが全身に回ってきたようで母ずんは思うように動けなくなったようだ。外からはずんだ虫達が苦しさに喘いで足をバタつかせている事しか分からないが。
「おかーちゃ！いや！いや！あちゅい！くるち！ごぼぼぼ…」
「おちびちゃん！しっかりしゅるにょだ！ぜったいたすかるからね！」
「…」
「おちびちゃん…？おちびちゃん！いやああああ！」
しばらくするとどうやら子ずんの一匹が煮えたようで、動かなくなっていた。
「あちゅいよ！まだしにたくないのだ！A…」
「ぼくなんにもわるいことしてないのだ！やだ！や…」
「おちびちゃああああああああ！どうして…なんでこんなことに…」
初めは激しく動いていた足たちも段々と弱々しくなり最後には皆動かなくなった。
板長「ずんだ豆腐鍋完成なのだ。」
ずんしゃぶ
そのままずんだ豆腐実食といきたいところだったがどうやらこの鍋を使ってもう一品作るらしい。
板長「十分に苦しんだずんだ虫からいい出汁が取れているのだ。せっかくだからずんだ虫のしゃぶしゃぶを作るのだ」
ケースを調理台に置く。中では先ほどの親子の最後に怯えたのか雌ずんたちがケースの壁を必死に殴りつけて外に出ようとしていた。しかし悲しいかな。ずんだ虫程度の力ではどんなに力を込めたところでA4コピー用紙を破るのがやっとだろう。
「だちて！ここからだちて！」
「もりにかえちて！」
「のだのだのだのだ！」
ー板長、こんなに暴れていては調理がしにくくなってしまうのではないですか？ー
板長「心配ないのだ。これは全て必要な下準備なのだ」
そう言って皿を用意するとケースから一匹雌ずんを取り出し慣れた手つきで雌ずんの腹を掴み尻に向けて搾り出した。
「あががががががががが！やめて！なかに、なかにおちびちゃんがいるのだ！」
「「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」」
「「はう…はう…」」
雌ずんの尻から子ずんが産まれてきた。ずんだ虫は多産だ。一度の出産で10匹産むこともある。今回産まれた子ずんは10匹、その全てがまだ手足のできてない「たりないずんだもん」である。
「な、ないのだ…手も足も、みみもしっぽも…」
「はう…はう…」
板長「手足ができる前の妊娠期間の雌だけを選んでいるのだ。さらに母体が感じた恐怖というストレスがコイツらにもかかっているので旨みもバッチリ凝縮されているのだ。」
「でもかわいいおちびちゃんにはかわりないのだ！がんばってそだてていくのだ！」
「はう！おかーちゃ！はう！」
板長「この方法で仕上げたたりないとさっきの母子でとった出汁を使ったしゃぶしゃぶは絶品なのだ。早速食べてみてほしいのだ」
「え？やめて！おちびちゃんもっていかないで！ああ！」
板長は手際良く子ずんを別の皿に分けていった。
「たべないで！たべるならぼくだけにするのだ！」
雌ずんは板長から子ずんを守ろうと箸の前に出たり腕に縋り付いたりしているが全く効果はなく手慣れた様子で子ずんは皿に移されていく。どうやら隣の皿に行って救出するという考えは無さそうだ。などと考えていると板長がずんしゃぶの食べ方を教えてくれた。
板長「こうやって尻の方を箸でつまんで、頭の方からくぐらせるのだ」
「おぎゃー！ごぼぼぼぼ！はう…はう…」
板長「これを自家製ダレにつけて食べるのだ」
「おちびちゃん！だめえええええええ！」
ーこれは美味い！産まれたての子ずんの柔らかさと身の甘さにタレの中の柚子胡椒の辛さがアクセントとなって口の中に広がりますー
「はあああああああああああ！ひどい、ひどいのだ！にんげんさん、どうしてこんなことするのだ！」
生食もいいが軽く火を入れても美味い。
「おちびちゃん…ごめんね…そだててあげられなくてごめんね…」
気がつけば次の子ずんに手が伸びていた。
「え？もうやめて！おちびちゃんかえちて！うわっ！」
板長「子ずんはまるでラム肉のような柔らかさがあるけど親ずんは親ずんで歯ごたえがあって美味いのだ。まるで馬肉かマトンの様な食感なのだ。子ずんを食べ切る前に食べ比べて見るのだ。」
「はなちて！はなちて！やめちぇ！はう…からだがちゅめたいのだ！」
板長は見事な包丁捌きで雌ずんを薄く切って皿に並べてくれた。刺身と同じでこれも食べ進めれば進むほど美味しくなるのだろう。実に楽しみだ。筆者は今度は頭の方から肉を摘んで湯通ししていくのだった。
「あちゅい！ああああああ！やけちゃ！やけちゃうのだ！やめて！」
ー確かに子ずんとは違いますね。子を失ったストレスの分更に旨味が増している感じがしますー
「あぎゃああああああ！たべられてるのだあああああ！」
「はう…ごぼぼぼぼぼ」
「おちびちゃんもだめええええええ！」
あまりの美味さに親ずん含めた11匹のずんだ虫をあっという間に完食してしまった。
続く
作者コメント
料亭第二弾です。正直雌ずんからしぼるやつが一番やりたかった。
一応続きは書くつもりですが街ずん実験系もやりたいので更新は遅れるかも知れません。
コメントでやって欲しい料理や実験など書いてもらえるとモチベ上がります。
前回に引き続き料亭「ずんだ庵」の協力を得て、最高ランクのずんだ虫を使った高級料理を紹介していく。
ずんだ豆腐鍋
皆さんはどじょう豆腐をご存知だろうか？
鍋の中にドジョウと豆腐を入れて煮ると熱さに耐え切れなくなったドジョウが豆腐の中に入り、そのまま豆腐の中で煮えてしまう。周りからは湯豆腐を食べている様に見えるので、殺生を禁じられている坊主がこっそり肉食をする為に好んで食べたと言われている料理だ。実際にはドジョウが豆腐の中に逃げ込むことがないため、伝説の料理とされている。板長はずんだ虫であればこのどじょう豆腐を再現可能だという(正確にはずんだ虫豆腐というべきだろうか)
板長「今回はこの母子を使って料理していくのだ。まず、豆腐とお酒を鍋に入れて火にかけて少しだけ温めておくのだ。」
こうすることで鍋に入れられたずんだ虫はそこを風呂と思い込み逃げなくなるそうだ。さらに温度が上がると酒が蒸気となり、ずんだ虫を酩酊させ飛べなくなる効果もあるという。
板長は生簀とは別のケースから雌ずんと子ずんを取り出すとそっと鍋の中に入れた。
「のだあ？なんだかあったかいのだ？」
「おかーしゃ！ぽかぽかなのだ！」
「ほかほかきもちーのだ！」
「ずんずんずんずん！のだのだ！」
「おふろなのだ！きもちーのだ！」
「いいにおいがするのだ！ふわふわなのだ！」
ずんだ虫の一匹が豆腐に気がついたようだ。
「こんなところにおとうふさんがあるのだ！みんなで食べるのだ！」
一匹が呼びかけると鍋の中のずんだ虫は一斉に豆腐に群がり、豆腐に顔を突っ込んで貪りはじめた。
「「「「「おいち！おとーふさんおいち！」」」」」
全員が顔を突っ込んで食べるのでまるで豆腐から足が生えているかのようで滑稽だ。
「あれぇ？だんだんあつくなってきたのだ？」
「なんだかあたまがぼーっとするのだ」
「ままええわ」
「かおがぬけないのだ！」
「おいち！おいち！」
鍋の温度が十分に上がったのを見ると、板長は横で同じように温めていた酒を鍋に注いだ。
「ぎゃあああああああああああああ」
「あちゅい！あちゅい！」
「やける！やけちゃうのだ！」
「ごぼぼぼ…くるち、くるち！ちんじゃうのだ！」
「あちゅい！おかーしゃ！たちけてほしいのだ！」
「おちびちゃん！まっててね！いまたすけるからね！あ、あれ？ちからがはいらないのだ…かおがにゅけにゃいにょだ…」
どうやらアルコールが全身に回ってきたようで母ずんは思うように動けなくなったようだ。外からはずんだ虫達が苦しさに喘いで足をバタつかせている事しか分からないが。
「おかーちゃ！いや！いや！あちゅい！くるち！ごぼぼぼ…」
「おちびちゃん！しっかりしゅるにょだ！ぜったいたすかるからね！」
「…」
「おちびちゃん…？おちびちゃん！いやああああ！」
しばらくするとどうやら子ずんの一匹が煮えたようで、動かなくなっていた。
「あちゅいよ！まだしにたくないのだ！A…」
「ぼくなんにもわるいことしてないのだ！やだ！や…」
「おちびちゃああああああああ！どうして…なんでこんなことに…」
初めは激しく動いていた足たちも段々と弱々しくなり最後には皆動かなくなった。
板長「ずんだ豆腐鍋完成なのだ。」
ずんしゃぶ
そのままずんだ豆腐実食といきたいところだったがどうやらこの鍋を使ってもう一品作るらしい。
板長「十分に苦しんだずんだ虫からいい出汁が取れているのだ。せっかくだからずんだ虫のしゃぶしゃぶを作るのだ」
ケースを調理台に置く。中では先ほどの親子の最後に怯えたのか雌ずんたちがケースの壁を必死に殴りつけて外に出ようとしていた。しかし悲しいかな。ずんだ虫程度の力ではどんなに力を込めたところでA4コピー用紙を破るのがやっとだろう。
「だちて！ここからだちて！」
「もりにかえちて！」
「のだのだのだのだ！」
ー板長、こんなに暴れていては調理がしにくくなってしまうのではないですか？ー
板長「心配ないのだ。これは全て必要な下準備なのだ」
そう言って皿を用意するとケースから一匹雌ずんを取り出し慣れた手つきで雌ずんの腹を掴み尻に向けて搾り出した。
「あががががががががが！やめて！なかに、なかにおちびちゃんがいるのだ！」
「「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」」
「「はう…はう…」」
雌ずんの尻から子ずんが産まれてきた。ずんだ虫は多産だ。一度の出産で10匹産むこともある。今回産まれた子ずんは10匹、その全てがまだ手足のできてない「たりないずんだもん」である。
「な、ないのだ…手も足も、みみもしっぽも…」
「はう…はう…」
板長「手足ができる前の妊娠期間の雌だけを選んでいるのだ。さらに母体が感じた恐怖というストレスがコイツらにもかかっているので旨みもバッチリ凝縮されているのだ。」
「でもかわいいおちびちゃんにはかわりないのだ！がんばってそだてていくのだ！」
「はう！おかーちゃ！はう！」
板長「この方法で仕上げたたりないとさっきの母子でとった出汁を使ったしゃぶしゃぶは絶品なのだ。早速食べてみてほしいのだ」
「え？やめて！おちびちゃんもっていかないで！ああ！」
板長は手際良く子ずんを別の皿に分けていった。
「たべないで！たべるならぼくだけにするのだ！」
雌ずんは板長から子ずんを守ろうと箸の前に出たり腕に縋り付いたりしているが全く効果はなく手慣れた様子で子ずんは皿に移されていく。どうやら隣の皿に行って救出するという考えは無さそうだ。などと考えていると板長がずんしゃぶの食べ方を教えてくれた。
板長「こうやって尻の方を箸でつまんで、頭の方からくぐらせるのだ」
「おぎゃー！ごぼぼぼぼ！はう…はう…」
板長「これを自家製ダレにつけて食べるのだ」
「おちびちゃん！だめえええええええ！」
ーこれは美味い！産まれたての子ずんの柔らかさと身の甘さにタレの中の柚子胡椒の辛さがアクセントとなって口の中に広がりますー
「はあああああああああああ！ひどい、ひどいのだ！にんげんさん、どうしてこんなことするのだ！」
生食もいいが軽く火を入れても美味い。
「おちびちゃん…ごめんね…そだててあげられなくてごめんね…」
気がつけば次の子ずんに手が伸びていた。
「え？もうやめて！おちびちゃんかえちて！うわっ！」
板長「子ずんはまるでラム肉のような柔らかさがあるけど親ずんは親ずんで歯ごたえがあって美味いのだ。まるで馬肉かマトンの様な食感なのだ。子ずんを食べ切る前に食べ比べて見るのだ。」
「はなちて！はなちて！やめちぇ！はう…からだがちゅめたいのだ！」
板長は見事な包丁捌きで雌ずんを薄く切って皿に並べてくれた。刺身と同じでこれも食べ進めれば進むほど美味しくなるのだろう。実に楽しみだ。筆者は今度は頭の方から肉を摘んで湯通ししていくのだった。
「あちゅい！ああああああ！やけちゃ！やけちゃうのだ！やめて！」
ー確かに子ずんとは違いますね。子を失ったストレスの分更に旨味が増している感じがしますー
「あぎゃああああああ！たべられてるのだあああああ！」
「はう…ごぼぼぼぼぼ」
「おちびちゃんもだめええええええ！」
あまりの美味さに親ずん含めた11匹のずんだ虫をあっという間に完食してしまった。
続く
作者コメント
料亭第二弾です。正直雌ずんからしぼるやつが一番やりたかった。
一応続きは書くつもりですが街ずん実験系もやりたいので更新は遅れるかも知れません。
コメントでやって欲しい料理や実験など書いてもらえるとモチベ上がります。
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このページへのコメント
どじょう鍋はリアルによく最初に思いついた料理人サイコパスだと思う
無粋だが言わせてくだせぇ
ドジョウ豆腐とどじょ
途中送信してもうた
どじょう鍋とどじょう豆腐は別物でっせ
どじょう豆腐は、ここの鬼威惨みたいな人が作ったに違いない
な、ないのだ…手も足も、みみもしっぽも…
これほんとすき
今の時期的に鍋料理は最高ですからね、とても旨そうに見えます!!ずんだ虫を出汁兼具材にする鍋はまさしく毎晩食べたいくらいです!!
(……にしてもたりないちゃんを容赦なく食材にして速攻食べちゃうのは少し悲しい……あの害悪でしかないゴミ蟲共と全く違って滅茶苦茶純粋無垢で可愛いのに…泣)
ずん虐抜きでも料理の描写がうまいなぁ
豆腐の角に頭をぶつけてとかいうが、ずんだもんの場合、ちょっとした硬い豆腐ぐらいなら本当に死んでしまうのではないかと思うくらい弱い。
テーブルくらいの高さから落ちて潰れる例もあるから、耐久性はそれしかないのか。