越冬（※出来ない）
最終更新：
hayashidada 2024年01月07日(日) 20:27:41履歴
冬。生き物にとって過酷な季節。これを乗り越えるために動物達は様々な手段を模索し春の訪れを待ちますが、それはずんだ虫も同様です。
本日は彼らの越冬を観察してみることにしましょう。
「よいちょ、よいちょ……」
ずんだ虫達が沢山の食べ物を抱えて飛んでいます。木の実や野草、虫の死骸など彼らにとってのご馳走です。
湿った地面に腐りかけた葉っぱが散らばっていて、その一角に盛り上がったところがあるのが見えるでしょうか。あれが彼らの巣です。寒い冬の時期、彼らは何とか暖を取るため柔らかい地面を掘り進め巣を作ります。
「ただいまなのだ！」
「おかえりなのだ！」
メスたちが食料を抱えたオスたちを出迎えます。そのほとんどが妊娠をしており、食料調達をオスに任せているためです。
「のだ！ ごはんさん！ ごはんさん！」
子ずんが奥からわらわらと現れて餌に群がろうとしていますね。それを親たちが止めています。
「こら！ おちびちゃん！ だめなのだ！ これはふゆさんをこすためのたいせつなごはんさんなのだ！」
「おぎゃーおぎゃー！ ごはんさん、ごはんさん！」
「ずんちゃはおなかへったのだ！ ごはんさんがたべたいのだ！」
あらあら。駄々をこね始めてしまいました。実に鬱陶し……微笑ましいですね。
「しょうがないのだ。あとでえだまめみるくをあげるのだ！」
「えだまめみるく！ えだまめみるく！」
「のみたいのだ、のみたいのだ！」
目を輝かせて母親の周りを走り回る子ずん。
ところで皆さんは枝豆ミルクとやらを飲んだことはございますか？
私は一度飲んでみたことがあるのですが、ミルクとは名ばかりで何も味付けのされていない豆の煮汁のような味がします。あれで喜べる神経が分かりかねますが、まあ、ずんだ虫と人間がわかりあえる道理もなし。続きを見ていきましょう。
「これだけではふゆさんをこすのはむりなのだ。ぼくたちはもういちどごはんさんをあつめてくるのだ！」
「わかったのだ！ きをつけてねなのだ！」
のだのだのだと虫たちが飛び立ちます。何であの掛け声みたいなのが必要なんでしょうね。あれのせいで自分たちの位置を教えてるようなものだというのに。
さて、勢いよく飛び立った虫たちは再び餌を求めて山の中を飛び回ります。
しかし、生態系の最下層に位置する彼らにとって安全な餌場というものは事実上ありません。
「や、やめるのだ！ ぼくはもりのけんじゃなのだ！ えらいのだ！ おまえたちのたべものさんじゃないのだ！」
どんぐりを拾い集めていたずんだ虫の一匹がたぬきに捕まり捕食されています。
たぬきは本来肉食ではなく、むしろ食べられません。しかし、ずんだ虫は虫や植物に近しい生物なので草食動物でも美味しくいただくことが出来るのです。
特に、越冬に際しては脂肪を蓄えるため、たぬきにとっては重要な御馳走です。
「いちゃいいちゃいいちゃいいぃいぃいぃいぃいぃぃぃぃぃ！ た、たすけてなのだぁぁぁだだだだだいぎゃあええあぐぎりぶぢゃぢゅうう！！！？」
四肢をもぎ取られ、腹を割くと玩具みたいな内臓があらわになりました。たぬきにとってはこの内臓が一番の御馳走です。ミミズみたいな見た目してるからですかね。
生きながら腸を貪られるずんだ虫が、涙ながらに仲間たちに助けを求めますが、助けるわけがありません。顔を青くしながら飛び去っていったのを見て、自分が見捨てられたことを悟り、ずんだ虫は絶望と痛みの中で絶命していきました。
とっても可愛いですね。
「はあ、はあ……あぶなかったのだ……」
「きょーだい！ もりはあぶないのだ！ もっとあんぜんなところでごはんさんをさがすのだ！」
「でもどこにいけばいいのだ？」
「くしょにんげんのところにいけばいいのだ！ くしょにんげんはくしょざこだし、ぼくたちのどれーだからおとなしくごはんさんをさしだすにちがいないのだ！」
正気とは思えない発言ですが、彼らは大真面目です。彼らは本気でそう信じているし、少しも疑っていません。何故かって？
彼らがずんだ虫だからです。
「それもそうなのだ！ さっそくちょうしゅうにいくのだ！」
『のだ！』
徴収とは下等生物が大きく出ましたね。命が惜しくないのでしょうか。
さて、彼らの運命やいかに？
山を下りて人里にやって来た彼らはまず畑を見て回ります。
「おかしいのだ。ぜんぜんごはんさんがないのだ！」
「いつもここにかってにはえてきてるのに、おかしいのだ！」
「きっとくしょにんげんがひとりじめしてるのだ！ ゆるせねーのだ！」
農家の皆さんが聞いたら怒りのあまり何をしでかすか分かったもんじゃない発言をするずんだ虫たち。
彼らに道理は通じないので仕方がありませんね。
畑に野菜がないと見るやいなや、今度は民家の方に飛んでいきます。
「くしょにんげんのおうちさんにいくのだ！ ごはんさんをもらいにいってやるのだ！」
ほざきながら古き良き古民家の軒先まで飛んできた虫たちが、吊るされた大根を見つけます。
「だいこんさんなのだ！ もってかえるのだ！」
早速奪おうと大根に飛びついたその時、ずんだ虫の頭が弾け飛びました。
「の……だ……？」
「きょ、きょーだい！」
何が起きたのかもわからないままそのずんだ虫は力を失います。ぼとっ、と落ちたずんだ虫の頭は左半分が欠けていてそこから緑色の液体が溢れ出ています。
完全に死んでますね、これは。
「ばっちゃーん！ 大根とこにずんだ虫出たよー！ 一匹、エアガンで撃ち殺したけどまだ結構いるー！」
人間の子供の声が響きます。それと同時に家の中からどたどたと足音を響かせて誰かがやってくる気配がしています。
がらっと引き戸を開いて現れたのは箒や鎌で武装したお婆さんでした。お婆さんは目が血走っており、ずんだ虫を見ると口角泡を飛ばし、何かを言っています。
「………………………………！………………………………！（※訳 私の大根に何をしようとしているのですか。あなた達に食べさせる大根はありません。ぶち殺します）」
鎌が空を切ると一匹のずんだ虫が真っ二つになりました。何が起きたのかもわからないといった様子です。
「のぢゃっ」
「きょーだい！ く、くしょにんげん！ いきなりなにをするのだ！」
「そうなのだ！ ぼくたちはただごはんさんをもらいにきてやっただけなのだ！ かんるいにむせび、とく、ずんだもちをさしだすのだ！」
「…………！………………！………………！（※訳 可及的速やかに私の敷地から退去して下さい。さもなければ一族郎党、鍋で煮込んで近隣に振る舞いますよ。ぶち殺します）」
お互いに意思疎通は不可能な模様でした。慌てて逃げ出すずんだ虫たちの一匹がエアガンで尻を撃たれて下半身が吹き飛び、地面に落ちたところを飼い犬のジョンに食べられています。
「やめ……やめ……」
犬にずんだ虫の言葉は通じません。しっかり美味しくいただかれました。
さて、逃げ延びたずんだ虫たちはと言えば……
「くしょにんげんのぶんざいでふけいなのだ。ゆるせねーのだ。でもへとへとさんだからきょうのところはすにもどるのだ！」
『のだ！』
満場一致で巣に帰るようです。何しに来たんでしょうか。
何とか山の中で確保した僅かな餌を抱えて巣に戻ると、何かが巣の中に頭を突っ込んでいました。
「……はくびしんさんなのだ！ やめるのだ！」
ハクビシンが巣を襲っていました。本来、穴を掘るのは不得手な生き物ですが、ずんだ虫の掘った穴は彼らにとって都合のいいサイズなので、ずんだ虫の巣は格好の餌場です。
「いぢゃあ！」
子ずんが爪で引き裂かれ血を吹き出しながら倒れます。
「お、おちびちゃん！」
我が子を助けに来た母ずんが首根っこを抑えられて地面に押し付けられました。
「は、はなすのだ！ このくしょねこ！ はやくはなさないとぶっころしてやるのだ！」
ハクビシンにずんだ虫の言葉は通じません。背中に爪を立てると引っ掻くように裂きました。
「ああああああああああああああああああああああああ！？ せなかしゃん、せなかしゃんがぁぁぁぁ！？」
続いて爪で内臓をひっかくと中に数匹の赤ずんが生まれるその時を待って目を閉じています。もう、誕生間近だったのでしょう。その体は完成しているようでした。
「やめ……やめ……おちび……おちびだけは……」
ハクビシンは赤ずんに顔を近づけると一口でいきました。
「ああああああああああああ！？ お、おちびぢゃんんんんん！？」
残らず平らげると今度は母親の番です。コース料理を食べるように四肢を食し、枝豆を食べ、内臓を味わいます。
「ごめんね……うんであげられなくて……ごめん……ね……」
死にました。
「こ、このやろー！ よくも、よくもままずんを！ ぶっころしてやるのだ！」
帰ってきたオスがハクビシンに立ち向かいます。
食事を終えて大体満足していたハクビシンは正直付き合っていられないと感じているようでした。
両腕を振り回し、ハクビシンを打ち倒すべく接近するずんだ虫。
しかし、それを横から突然の衝撃が襲います。
「え……」
体の大半が食い千切られてなくなりました。
最後にその目が見たのはアライグマだったのです。
ずんだ虫の巣はみんなの餌場。虫たちにとっての樹液のようなもの。仲良く分け合う社交場みたいなものであり、他にも小型の動物達が入り込んでいたのです。
かくしてずんだ虫の巣は僅かな生き残りを残して壊滅しました。
彼らが集めた餌も、それこそ根こそぎ持っていかれる運命にあります。
いかがでしたか？ ずんだ虫の越冬は極めて過酷なものであり、極一部の運が良かった個体を除いて死ぬのが彼らの運命です。
惨劇を目の当たりにして離れていくずんだ虫をカラスが捕まえます。
あの個体もこれからカラスの子供たちの美味しいごはんになるのかと思うと、とっても愉快な気持ちになりますね。
それではまたお会いしましょう。
本日は彼らの越冬を観察してみることにしましょう。
「よいちょ、よいちょ……」
ずんだ虫達が沢山の食べ物を抱えて飛んでいます。木の実や野草、虫の死骸など彼らにとってのご馳走です。
湿った地面に腐りかけた葉っぱが散らばっていて、その一角に盛り上がったところがあるのが見えるでしょうか。あれが彼らの巣です。寒い冬の時期、彼らは何とか暖を取るため柔らかい地面を掘り進め巣を作ります。
「ただいまなのだ！」
「おかえりなのだ！」
メスたちが食料を抱えたオスたちを出迎えます。そのほとんどが妊娠をしており、食料調達をオスに任せているためです。
「のだ！ ごはんさん！ ごはんさん！」
子ずんが奥からわらわらと現れて餌に群がろうとしていますね。それを親たちが止めています。
「こら！ おちびちゃん！ だめなのだ！ これはふゆさんをこすためのたいせつなごはんさんなのだ！」
「おぎゃーおぎゃー！ ごはんさん、ごはんさん！」
「ずんちゃはおなかへったのだ！ ごはんさんがたべたいのだ！」
あらあら。駄々をこね始めてしまいました。実に鬱陶し……微笑ましいですね。
「しょうがないのだ。あとでえだまめみるくをあげるのだ！」
「えだまめみるく！ えだまめみるく！」
「のみたいのだ、のみたいのだ！」
目を輝かせて母親の周りを走り回る子ずん。
ところで皆さんは枝豆ミルクとやらを飲んだことはございますか？
私は一度飲んでみたことがあるのですが、ミルクとは名ばかりで何も味付けのされていない豆の煮汁のような味がします。あれで喜べる神経が分かりかねますが、まあ、ずんだ虫と人間がわかりあえる道理もなし。続きを見ていきましょう。
「これだけではふゆさんをこすのはむりなのだ。ぼくたちはもういちどごはんさんをあつめてくるのだ！」
「わかったのだ！ きをつけてねなのだ！」
のだのだのだと虫たちが飛び立ちます。何であの掛け声みたいなのが必要なんでしょうね。あれのせいで自分たちの位置を教えてるようなものだというのに。
さて、勢いよく飛び立った虫たちは再び餌を求めて山の中を飛び回ります。
しかし、生態系の最下層に位置する彼らにとって安全な餌場というものは事実上ありません。
「や、やめるのだ！ ぼくはもりのけんじゃなのだ！ えらいのだ！ おまえたちのたべものさんじゃないのだ！」
どんぐりを拾い集めていたずんだ虫の一匹がたぬきに捕まり捕食されています。
たぬきは本来肉食ではなく、むしろ食べられません。しかし、ずんだ虫は虫や植物に近しい生物なので草食動物でも美味しくいただくことが出来るのです。
特に、越冬に際しては脂肪を蓄えるため、たぬきにとっては重要な御馳走です。
「いちゃいいちゃいいちゃいいぃいぃいぃいぃいぃぃぃぃぃ！ た、たすけてなのだぁぁぁだだだだだいぎゃあええあぐぎりぶぢゃぢゅうう！！！？」
四肢をもぎ取られ、腹を割くと玩具みたいな内臓があらわになりました。たぬきにとってはこの内臓が一番の御馳走です。ミミズみたいな見た目してるからですかね。
生きながら腸を貪られるずんだ虫が、涙ながらに仲間たちに助けを求めますが、助けるわけがありません。顔を青くしながら飛び去っていったのを見て、自分が見捨てられたことを悟り、ずんだ虫は絶望と痛みの中で絶命していきました。
とっても可愛いですね。
「はあ、はあ……あぶなかったのだ……」
「きょーだい！ もりはあぶないのだ！ もっとあんぜんなところでごはんさんをさがすのだ！」
「でもどこにいけばいいのだ？」
「くしょにんげんのところにいけばいいのだ！ くしょにんげんはくしょざこだし、ぼくたちのどれーだからおとなしくごはんさんをさしだすにちがいないのだ！」
正気とは思えない発言ですが、彼らは大真面目です。彼らは本気でそう信じているし、少しも疑っていません。何故かって？
彼らがずんだ虫だからです。
「それもそうなのだ！ さっそくちょうしゅうにいくのだ！」
『のだ！』
徴収とは下等生物が大きく出ましたね。命が惜しくないのでしょうか。
さて、彼らの運命やいかに？
山を下りて人里にやって来た彼らはまず畑を見て回ります。
「おかしいのだ。ぜんぜんごはんさんがないのだ！」
「いつもここにかってにはえてきてるのに、おかしいのだ！」
「きっとくしょにんげんがひとりじめしてるのだ！ ゆるせねーのだ！」
農家の皆さんが聞いたら怒りのあまり何をしでかすか分かったもんじゃない発言をするずんだ虫たち。
彼らに道理は通じないので仕方がありませんね。
畑に野菜がないと見るやいなや、今度は民家の方に飛んでいきます。
「くしょにんげんのおうちさんにいくのだ！ ごはんさんをもらいにいってやるのだ！」
ほざきながら古き良き古民家の軒先まで飛んできた虫たちが、吊るされた大根を見つけます。
「だいこんさんなのだ！ もってかえるのだ！」
早速奪おうと大根に飛びついたその時、ずんだ虫の頭が弾け飛びました。
「の……だ……？」
「きょ、きょーだい！」
何が起きたのかもわからないままそのずんだ虫は力を失います。ぼとっ、と落ちたずんだ虫の頭は左半分が欠けていてそこから緑色の液体が溢れ出ています。
完全に死んでますね、これは。
「ばっちゃーん！ 大根とこにずんだ虫出たよー！ 一匹、エアガンで撃ち殺したけどまだ結構いるー！」
人間の子供の声が響きます。それと同時に家の中からどたどたと足音を響かせて誰かがやってくる気配がしています。
がらっと引き戸を開いて現れたのは箒や鎌で武装したお婆さんでした。お婆さんは目が血走っており、ずんだ虫を見ると口角泡を飛ばし、何かを言っています。
「………………………………！………………………………！（※訳 私の大根に何をしようとしているのですか。あなた達に食べさせる大根はありません。ぶち殺します）」
鎌が空を切ると一匹のずんだ虫が真っ二つになりました。何が起きたのかもわからないといった様子です。
「のぢゃっ」
「きょーだい！ く、くしょにんげん！ いきなりなにをするのだ！」
「そうなのだ！ ぼくたちはただごはんさんをもらいにきてやっただけなのだ！ かんるいにむせび、とく、ずんだもちをさしだすのだ！」
「…………！………………！………………！（※訳 可及的速やかに私の敷地から退去して下さい。さもなければ一族郎党、鍋で煮込んで近隣に振る舞いますよ。ぶち殺します）」
お互いに意思疎通は不可能な模様でした。慌てて逃げ出すずんだ虫たちの一匹がエアガンで尻を撃たれて下半身が吹き飛び、地面に落ちたところを飼い犬のジョンに食べられています。
「やめ……やめ……」
犬にずんだ虫の言葉は通じません。しっかり美味しくいただかれました。
さて、逃げ延びたずんだ虫たちはと言えば……
「くしょにんげんのぶんざいでふけいなのだ。ゆるせねーのだ。でもへとへとさんだからきょうのところはすにもどるのだ！」
『のだ！』
満場一致で巣に帰るようです。何しに来たんでしょうか。
何とか山の中で確保した僅かな餌を抱えて巣に戻ると、何かが巣の中に頭を突っ込んでいました。
「……はくびしんさんなのだ！ やめるのだ！」
ハクビシンが巣を襲っていました。本来、穴を掘るのは不得手な生き物ですが、ずんだ虫の掘った穴は彼らにとって都合のいいサイズなので、ずんだ虫の巣は格好の餌場です。
「いぢゃあ！」
子ずんが爪で引き裂かれ血を吹き出しながら倒れます。
「お、おちびちゃん！」
我が子を助けに来た母ずんが首根っこを抑えられて地面に押し付けられました。
「は、はなすのだ！ このくしょねこ！ はやくはなさないとぶっころしてやるのだ！」
ハクビシンにずんだ虫の言葉は通じません。背中に爪を立てると引っ掻くように裂きました。
「ああああああああああああああああああああああああ！？ せなかしゃん、せなかしゃんがぁぁぁぁ！？」
続いて爪で内臓をひっかくと中に数匹の赤ずんが生まれるその時を待って目を閉じています。もう、誕生間近だったのでしょう。その体は完成しているようでした。
「やめ……やめ……おちび……おちびだけは……」
ハクビシンは赤ずんに顔を近づけると一口でいきました。
「ああああああああああああ！？ お、おちびぢゃんんんんん！？」
残らず平らげると今度は母親の番です。コース料理を食べるように四肢を食し、枝豆を食べ、内臓を味わいます。
「ごめんね……うんであげられなくて……ごめん……ね……」
死にました。
「こ、このやろー！ よくも、よくもままずんを！ ぶっころしてやるのだ！」
帰ってきたオスがハクビシンに立ち向かいます。
食事を終えて大体満足していたハクビシンは正直付き合っていられないと感じているようでした。
両腕を振り回し、ハクビシンを打ち倒すべく接近するずんだ虫。
しかし、それを横から突然の衝撃が襲います。
「え……」
体の大半が食い千切られてなくなりました。
最後にその目が見たのはアライグマだったのです。
ずんだ虫の巣はみんなの餌場。虫たちにとっての樹液のようなもの。仲良く分け合う社交場みたいなものであり、他にも小型の動物達が入り込んでいたのです。
かくしてずんだ虫の巣は僅かな生き残りを残して壊滅しました。
彼らが集めた餌も、それこそ根こそぎ持っていかれる運命にあります。
いかがでしたか？ ずんだ虫の越冬は極めて過酷なものであり、極一部の運が良かった個体を除いて死ぬのが彼らの運命です。
惨劇を目の当たりにして離れていくずんだ虫をカラスが捕まえます。
あの個体もこれからカラスの子供たちの美味しいごはんになるのかと思うと、とっても愉快な気持ちになりますね。
それではまたお会いしましょう。
このページへのコメント
アライグマ見て
「アイツはラXスカルといってくちょにんげんと仲良くしてる雑魚なのだ！みんなで狩るのだ！」
「「「「「「のだ！」」」」」」
って突っ込んで全滅するパターンもあるんだろうなー
ラ○カルさんは凶暴過ぎて飼い主に見限られた札付きのワルだけど、虫はきっと原作もアニメも知らないし、そうなるんやろなあ…
「実に鬱陶し……微笑ましいですね。」のようにナレーターからポロっと本音が出てるシーンがいくつもあって思わず笑ってしまいました。
立ち位置に見合わず他の動物に対して尊大な態度をとってはいますが、結局人間から駆除されたり、動物に捕食されたりして殆ど生き残らないんですね。これでは越冬(※出来ない)というのも納得。
そもそも冬前にヘコってメスずんが妊娠して動けない・冬に穀潰しを増やす時点で越冬をなめ腐ってますね。
舐め腐った虫が全滅するのは見ていて楽しいですね。
越冬出来た個体が１００匹レベルで産んでないと
普通に全滅しそうな勢いで狩られてないかこれ
其処まで越冬出来そうにないし、今回の生き残りも餌も巣もなくて全滅してそうだし
タイトルの（※出来ない）でじわじわと来ました！
ナレーターの淡々とした語り（時々あらわになる本音）……枝豆ミルクを味わったことある等、ただものではなさそう………
武装したおばあ様、映像作品だったらピー音が入る系のセリフなのでしょうか……訳しても滲み出る殺意が見事です！