まえがき 
前作の続きです。前作を読んでからの方が
わかりやすいかもしれないです。
わかりやすいかもしれないです。
本文
「おい、起きろ！朝だぞ！」
暗かった部屋が明るくなり、大きな声が響いた。そして、大柄な青年が入って来た。
「はっ、もう朝なのだ！」
「ｵｷﾞｬｰｵｷﾞｬｰ、ﾈﾑｲﾉﾀﾞ!」
「おちびちゃん、だいじょうぶのだ。」
「ほら、エサだ食え。」
そうして、ゲージの中にボールに入った野菜クズを入れた。
「ありがとうなのだ。」
「にんげんさん、ありがとうのだ。」
「ｱｳ…ｱｳ…ｺﾞﾊｬﾝ」
そうすると、2匹の妖精が礼を言った。その横で、足りなくなった子ずんが芋虫の様に這っていた。
「そいつ、どうした？たりない妖精のマネか？」
男は笑いながら、妖精達に聞いた。
「おちびは、昨日からこの様子なのだ…。理由は分からないのだ…。」
「だけど、ぼくたちのかわいいおちびちゃんのだ！」
「ｵｲﾁ､ｵｲﾁ」
「あーそうなんだ、それは大変だねー。何か、あったら協力するよー？」
「ありがとうのだ…、大丈夫なのだ…。」
「ﾊﾟｬﾊﾟｬ、ﾏｬﾏｬ!」
「どうしたのだおちびちゃん！」
叫び声が聞こえると、ボールに頭が入って逆立ち状態になっている子ずんがいた。
「遊んでないで、さっさとメシ食っとけよ。」
「わかったのだ…。」
そうして、男は部屋を出て行った。
男がいない間に、食事を終えて少し時間が経った時にドアが開き、男が戻って来た。
「お前達に、これからの棲家に連れて行ってやる。」
男はゲージを運び出して、ある部屋の前で止まった。その部屋の扉に、"生息室"とシールが貼られている。そして鍵を開けて、部屋に入った。
中には、沢山の妖精達がいた。彼等の巣であろう、沢山の巣箱があり食糧も豊富にあった。その片隅に、大型犬用のゲージが置かれていた。
大人より子ずんと赤ずんの方が多く、大人が子供達の世話をしている。それは、小さな集落の様に見える。
その中にキリを持った1匹が、気がついて近寄って来た。
「マスターさん、おはようなのだ！」
「おう、調子はどうだ？」
「順調なのだ！奴隷ずん達も大人しく、従っているのだ！」
「そうか、なら良しだな。後、コイツら新人だから。どっか空いてる？」
「空いてるのだ。この、おちびだけでいいのだ。」
「そう。運んどいて。」
「了解のだ！」
ゲージの中に手を入れて、子ずんを取り出した。
「ﾔﾀﾞ､ﾊﾟｬﾊﾟｬ､ﾏｬﾏｬ」
「ただ、巣箱に運ばせるだけだよ。うるせーなー。」
「おちびちゃん、ママずんとパパずんはいるのだ！かならず、もどるのだ！」
「おちび、他の友達と遊んでいるのだ！」
そうして掴んだ子ずんを、キリを持った妖精に預けた。
「こっちで、面倒見ておくから心配するなのだ。マスターさん、僕は仕事に戻るのだ。」
そうして巣箱に子ずんを、巣箱に運んで行き優しく藁の上に降ろした。
「ｵｷﾞｬｰ、ﾁｰﾁ､ﾁｰﾁ」
「あっ、漏らしたのだ。今、綺麗にしてあげるのだ。おい、奴隷来るのだ！」
そう声を出すと、四つ足で動く妖精が近づいて来た。その身体は傷だらけで、枝耳もボロボロの妖精だった。生気のない声で応えた。
「はい、なんでしょうなのだ？」
「この子の為に、新しい藁と変えるのだ！」
「わかりましたのだ。」
そうすると汚れた藁を運んで行き、新しい藁を持って来て引き詰めた。
「出来ましたのだ。」
「よし、お前はこの子をお世話するのだ！」
「ｱｳ…ｱｳ…ﾉﾀﾞｪ」
そうして、奴隷ずんは子ずんの世話を始めた。
その様子を見ていた妖精が、話し掛けて来た。
「人間さん、奴隷ずんとはなんなのだ？なんで、あのずんだもんは傷だらけなのだ？」
「奴隷ってゆーのは、あれだなただの道具だな。面倒な事とかをやらせるただの道具。お前達も俺達に逆らったり、逃げたりしたらたっぷり痛め付けてから奴隷にする。理解したか？」
「理解したのだ…。」
「わかったのだ…。」
「あと、ガキは使えないから最初にお前らの前で殺す。」
その男の発言に無言で頷いた。昨日の惨劇からこの人間は本当にやる、自分達を物以下としてしか捉えてないと改めて理解した。
「よーし、ガキも掛けたから次に行くぞー。」
そうして、部屋を後にした。
次の部屋に移動中、妖精が質問して来た。
「人間さん、今日は他の人間さんはいないのだ？」
「あの2人は、今日はお仲間の駆除に行ってるよ。街の方だから、そのまま殺しておしまいだな。」
「酷いのだ…。なんでなのだ？僕達だって生きているのだ…。」
「お前達は、人間からすると都合が悪いんだよ。山の方だと田畑は荒らすし、街だとゴミ捨て場や、店とか家を荒らすからな。」
「けどご飯さんがないと、皆んな死んじゃうのだ。しょうがなかったのだ。」
「それは、お前達の都合だろ？俺達はお前らの都合で、迷惑かけられているんだ。ずんだもんは害のある生き物という認識が強いんだ。だから、お前達を排除したがるんだ。」
「そんな…、どうしようもないのだ…。」
タカとの会話で、ずんだもん達の人間が対する扱いに、ショックを受けていた。
そして、次の部屋に着いた。
部屋の扉には"飼育場"と、シールが貼ってある。
「お前達、今から俺達の事は「マスター」と呼べ。」
「マスターさん、わかりましたのだ。」
「にん…ますたーさん、わかったのだ。」
「メス、お前の仕事はガキの子守だ。使えなかったら、お前のガキと一緒に殺す。」
「わかったのだ…。」
扉を開けると清潔な部屋に、沢山の赤ずんと子ずんがおり、何匹もの大人の妖精が飛び回り世話をしていた。
藁の上に沢山の赤ずんが、甲斐甲斐しく世話されている。子ずん達はミニカーを使ってダンボールで作った滑り台を下ったり、ボール遊びをしている。
小さな桶に湯を張って、風呂もあり子ずんが入浴している。
「おぎゃー、おにゃかへったのだ！」
「ずんち、くちゃいくちゃいのだ！」
「はい、枝豆ミルクあげるのだ。今片づけるから待ってのだ。」
「くるましゃんであそぶのだ！」
「はやくて、たのしいのだ！」
「たまなげ、しようのだ！」
「さっそく、やるのだ！」
「おちびちゃんたち、けがしないようにするのだ。」
「ずーん…ずーん…。きもちいいのだー。」
「おちびちゃん、お風呂で綺麗になるのだ。」
部屋は、まるで保育園の様に賑やかだった。
タカはその中で、リーダーであろう妖精を呼んだ。
「マスターさん、おはようなのだ。そこのカゴにいる、メスずんは新しい仲間なのだ？」
「そうだ、教育を頼む。」
「助かるのだ！ずん員がたりてなかったのだ。」
「おい、早く出ろ。」
「パパずん、いってくるのだ。」
「ママずん、頑張るのだ。」
そうして、ゲージを開けてメスずんを解放した。ゲージを手離して置くと、部屋の隅にある箱を覗き込んだ。
「ｱｳ…ｱｳ」
「ｺﾞﾊｬ…ﾝ、ｺﾞﾊｬﾝ」
「ｱｩ、ﾁｰﾁﾃﾞﾘｭ」
「ﾔｰﾔ、ｸﾁｬｲｸﾁｬｲ」
「たりないは中々増えないな。」
「そうなのだ。産みずんに負荷を掛けても、産まれてすぐ両方死んじゃうのが多いのだ。」
「そうか。少しアイツに聞いてみるか。」
「新ずんさん、この子を綺麗にしてあげてのだ。」
また、ゲージを掴み部屋を出た。鍵を掛けるとまた妖精が質問してきた。
「あそこのおちび達はなんなのだ？どこから捕まえて来たのだ？」
「あそこのチビ共は、繁殖用・ペット用・商品用がメインで、ここで産まれた奴等だ。稀にお前の様な使えそうなのは、俺達が使う。ペット用以外は飼育して出荷する。」
「ペットって、犬さんや猫さん見たいに人間さんと暮らすのだ？」
「そうだ、赤ずんの頃から飼うとなつくからな。たりないも、物好きな奴等から人気がある。数も少ないから、高値で売れる。」
「そんな…まるでモノみたいな扱いなのだ…。」
そうして"繁殖室"とシールが貼られた部屋に来た。部屋から叫び声が漏れて、聞こえてくる。扉を開けると、異常な光景だった。
ペット用のフェンスが縦一枚に何枚も並んでいて、その両面にメスずんが並んでいる。近くにずんだ餡が盛られた皿が、何枚か置かれている。その中でオスずんは、狂った様に交尾を繰り返し、メスずんは抵抗せず受け入れ、出産をしている。
他の部屋より、異常な空間がそこにはあった。
「あああぁぁぁぁ!もう、へこへこいやなのだ！」
「ずんぽがきもちいいのだー！さいこーのだー！」
「うまれれる、うまれりゅのだ！」
｢｢｢ｵｷﾞｬ−ｵｷﾞｬ−｣｣｣
「奴隷ずん、はやくチビ達を回収して送るのだ！もたもたするなのだ！」
「ずんぽいやのだ！もういやなのだ！へこへこしたくないのだ！」
「生意気なヤツのだ！これでゴシゴシなのだ！」
「やめてやめて！いたいのだ！ごしごしだめなのだ！」
「このメスずん、しまりがいいのだ！さいこうのめいきなのだ！」
「………………………」
「うわー、死体とへこへこしてるのだ…。頭がイカれてるのだ。」
「のだぁ…のだぁっ…。」
「きもちいいのだ！いくのっ！………」
「イキながら死んだのだ。邪魔だから捨てるのだ。」
唖然として、ゲージの中の妖精は部屋の中を見ていた。タカは、何食わぬ顔でこの場の長を呼んだ。
「リーダーずん、いるか？」
「マスター、お呼びですのだ？」
リーダーずんと呼ばれて、赤い首輪を付けた食事用のナイフを持った妖精が来た。
「コイツ、新入りだから仕事教えてやって。」
「わかりましたのだ。おい、新入り！付いてくるのだ！」
「分かったのだ。」
「じゃあ後は任せるわ。」
「はい、マスター！後は任せてくださいのだ！」
そうするとタカはゲージから妖精を出した。そのまま扉を開けて出ていき、鍵を掛ける音がした。
「新入りずん、ここの仕事は繁殖場の管理のだ。今日から、お前も管理ずんなのだ。とりあえず一回りするから、付いてくるのだ。」
「分かったのだ…。」
「それと、僕の事はリーダーずんと呼ぶのだ。」
「分かったのだ…。」
そうしてリーダーずんによる、繁殖室の説明が始まった。
「まず、この場所が繁殖場なのだ。この辺りの地べたにいるのは、繁殖ずんと奴隷ずんなのだ。」
「繁殖ずんってなんなのだ？」
「のだっ！説明されてなかったのだ？繁殖ずんは、昨日お前が飛べなくしたみたいな奴等のだ。ただへこへこさせて、繁殖するだけの奴等のだ。オスはタネずん、メスは産みずんなのだ。」
「そんなのおかしいのだ…。間違えてるのだ…。」
「お前、家族はいいのだ？このままだと、マスターに報告するのだ。」
「いや、何もないのだ…。」
「それでいいのだ。その内慣れるのだ。」
そうして繁殖場の見学が始まった。
「もう、へこへこしたくないのだ！ずんぽがいたいのだ！」
「うるさいのだ！早くずんだを食べて、へこへこするのだ！」
「いやなのだ！あのずんだをたべると、へこへこがしたくなるから、たべたくないのだ！」
「なら、食べたくなる様にチクチクするのだ。」
そうすると管理ずんがタネずんの、身体をキリで突き始めた。
「やめてのだ！いたいのだ！ちくちくしないでのだ！」
「チクチク、楽しいのだ〜。もっとやるのだ〜。」
背中を突かれて、傷口から血が少しずつ流れ始めた。管理ずんは、突かれて痛がっているタネずんの反応を見て、楽しそうにしながら突き続ける。傷は小さいが何度も突かれて背中が、血の緑色に染まっていった。
「もう、やめてなのだ！たすけてのだ！」
「のだっ！逃げるなのだ！」
痛みでタネずんが逃げ出したが、飛べない妖精の走る速度は遅く、背中から取り押さえられて捕まった。
「お前は逃げようとしたから、お仕置きなのだ！」
「ゆるしてなのだ！にげないのだ！」
「分かったのだ。お前にはお仕置きはしないのだ。」
「ゆるしてくれるのだ…？」
「そうだのだ、お前は許すのだ。悪いのは、おててさんとあんよさんだから、お仕置きはそっちにするのだ。」
「のだぁ？」
タネずんの背中に乗っている管理ずんが、タネずんの右手に、キリを深く突き刺した。刺された手から血が流れ始めた。
「ああああぁっー！おててがー！」
「次はグリグリなのだ！」
「やめてやめてやめっあああぁーー！」
手に突き刺したキリを、大きく円を描く様に回し始めた。絶叫と共に手から挽肉を捏ねる様な音と、一緒に血が溢れ出てきた。管理ずんは5、6回回してキリを引き抜いた。引き抜かれたの手は、血まみれで抉られた穴が空いて、痙攣して震えていた。
「右のおててさんは終わりなのだ。次は左のおててさんなのだ。」
「いたいことしないでのだ…、ずんだをたべてへこへこするのだ…。」
「ダメなのだ、まだお仕置きが終わってないのだ。」
その後、左手と両足にも同じ行為が行われて、両手両足が動かずその場に倒れ込んでいた。
「お仕置きはおしまいなのだ。早くずんだを食べてへこへこするのだ。」
「もう、だめなのだ…へこへこもしたくないのだ…。」
「わかったのだ。もうなにもしなくていいのだ。」
「えっ…なにをするのだ？」
うつ伏せになったタネずんの背後に行き、ずんたまにキリを向けた。そのまま勢いよく、ずんたまにキリを突き刺した。鶏皮と白玉を刺した感覚がして、痛みとショックでタネずんは叫んだ。刺した跡から緑と白濁の液体が流れて来た。
「あああぁっーー!ずんたまがー！」
「お前、用済みなのだ。ならずんたまは、必要ないのだ。」
残ったずんたまも、同じ様に突き刺した。
タネずんは叫んだ後に、口から泡を吹いて失神した。
「のだっ！まだ生きているのだ！けど、コイツは用済みなのだ。奴隷ずん！このゴミをかたづけとけのだ！」
そうすると奴隷ずんが2匹飛んで来て、用済みのタネずんを運んで行った。
「同じ仲間なのに、どうしてこんな事出来るのだ？」
「見た目が同じだけで、仲間じゃないのだ。僕らは管理ずん、アイツはタネずんなのだ。お前も昨日同じ事を仲間にやっはたのだ。忘れたかのだ？」
「忘れてないのだ…。」
「なら、お前も僕と同じなのだ。お前はそう言い事はもう言えないのだ。」
「のだぁ…。」
繁殖場を移動していると、出産が始まったメスずんがいた。
メスずんは、逃げられない様に両方の枝耳に釣り針が、ピアスの様に付けらて糸がフェンスに結ばれている。破水をして赤ずんの頭が少し見えるが、何度も妊娠と出産を繰り返した為に自力で子ずんを出す事が出来なくなっていた。
「のだああぁー！おちびちゃんがでないのだ！しんぢゃうのだ！」
「大変なのだ！早くマスターさんを呼ばないとのだ！」
「新入り、このくらいはいつもの事のだ。僕がお手本を見せてやるのだ。」
リーダーずんは、メスずんの背中の上に飛んで行った。
「くるしいのだぁ…おちびちゃんが…。」
「新入りずん、僕の動きをよく見ておくのだ。」
真上にいるリーダーずんは、産みずんの背中で足踏みを始めた。メスずんは踏まれて踠き始めた。
「ふみふみなのだ。早く出すのだ。」
「のびゃ！…やめゃ！…おなかゃ！…のおちびゅ!…が…。」
「お腹さんより上の辺りを踏むのだ。そうすると、赤ずんが出てくるのだ。」
「のだゃ！…うまれぇ！…おちびゅ!…が…！」
しばらく足踏みをしていると、メスずんの尻から4匹の赤ずんが、勢い良く出て来た。だが、赤ずんは産声をあげなかった。
「うまれたのだ…けどいきをしてないのだん…。」
「泣かない時は背中を叩くのだ。新入り、お前もやるのだ。」
「わ、わかったのだ！」
産まれた赤ずんの背中を、叩き出し4匹全てが産声をあげた。
｢｢｢｢ｵｷﾞｬーｵｷﾞｬ−｣｣｣｣
「おちびちゃん！よかったのだ！さぁママずんのえだまめミルクをのむのだ。」
「奴隷ずん、このチビ達を運ぶのだ！」
「やめてのだ！わたしのおちびちゃんのだ！おねがいかえしてのだ！」
「うるさいから、黙るのだ！」
「のだぁ！」
メスずんは、奴隷ずんに我が子を連れて行かれそうになり、止めようとしたがリーダーずんに、顔面を蹴られて失神した。
リーダーずんは、赤ずんを運んでいる奴隷ずんを指しながら説明を始めた。
「産まれた赤ずんは、壁の白い穴に入れるのだ。その先に、飼育室があるのだ。隣の緑の穴は、僕達の巣に繋がっているのだ。反対の壁にある、赤い穴はゴミ用なのだ。わかったかのだ？」
「わかったのだ…。」
「なら次のエリアに行くから、付いてくるのだ。それと、そこのずんだはお薬が入っているから食べちゃダメのだ。」
「……助けなれてごめんのだ。」
産みずんに一言だけ残し飛びだった。
繁殖場と反対側は、フェンスが部屋の両端まであり、中央を仕切り板で分かれて妖精達がいた。リーダーずんは説明を始めた。
「この辺りは待機所のだ。産みずんとタネずんが死んだらここから補充するのだ。」
「僕の仲間がいるのだ…。」
「違うのだ。仲間だったのだ。」
「パパずんは、どこなのだ？はやくここからだすのだ！くそにんげん、パパずんがこわいのだ？」
「くそにんげんをだせのだころすのだ！」
「パパずん！かっこいーのだ！」
「ころちて、ママずんをたすけるのだ！」
「あのくそようせいは、どこなのだ⁉︎」
「あいつのせいなのだ！ころすのだ！パパずんに、たのんでやってもらうのだ！」
「ずんだとへこへこずるいのだ！ぼくもむこうにいきたいのだ！」
「メスずんがいっぱいのだ！へこへこやりほうだいのだ！」
「おとーちゃ！おかーちゃ！おとーとたち！みんなどこにいったのだ？」
そこには、仲間だった妖精達が騒いでいる。目の前で起きた光景が理解出来ない様で、野生で生きて来た結果かも知れない。その中に浮いて自分達を、見下ろしていると、仲間だった妖精を群れの1匹が見つけた。その怒りが、仲間だった妖精に向くのが一瞬だった。
「あいつが、いるのだ！ぼくたちをとべなくしたうらぎりもののだ！」
「うらぎりものは、ころすのだ！かぞくもころすのだ！」
「おちびちゃんをかえせのだ！くそようせいなのだ！」
「みんな、なにかなげるのだ！」
「あいつをおとすのだ！みんなやるのだ！」
そうして、群れの妖精達が残飯やずんちを仲間だった妖精に投げつけて来た。だが、非力な妖精達の力では届かなかった。しばらく続いていたが、ずんちがリーダーずんのナイフに付いてしまった。
「奴隷ずん、この中から1匹出すのだ。」
「おい、おまえやめるのだ！はなすのだ！しっぽさんがいたいのだ！はなっえ？………のだぇ！」
2匹の奴隷ずんが、群れの中から1匹尻尾を掴みフェンスの外に落とした。
「新入りずん、教育の時間なのだ。こいらに解らせてあげるのだ。」
持っているナイフを新入りずんに手渡した。
「まずは枝耳さんを落とすのだ。僕が持ってあげるからやるのだ。」
「そんなの、出来ないのだ！やりたくないのだ。」
「コイツらは、マスターさんからのプレゼントを汚したのだ。だから、罰を与えるのだ。」
「なら、自分でやればいいのだ！」
「わかったのだ。マスターさんに、ダメな奴だと伝えるのだ。お前のおちびは、ぼくのおもちゃにするのだ。」
「や…や…やる…やるのだ。だから、家族には…。」
「最初からそうすればいいのだ。さっさと始めるのだ。」
「ごめん…ごめんなさいのだ。」
ナイフの刃を耳の根本に当て、刃を動かし切り始めた。切り口から血が流れ始めてて、断面が少しずつ増えていった。
「いたいのだ！えだみみさんがなくなるのだ！やめてなのだー！」
「いい感じなのだその調子なのだ。」
半分以上を切り、あと少しの所でリーダーずんが耳を一気に引きちぎった。
引きちぎった箇所から、一気に血が吹き出した。
「ああああぁー！！」
「こうすれば早く出来るのだ。次からはこうやるのだ。」
「はい…なのだ。」
「もう…ゆるしてのだ。やめてのだ…。」
「早く、反対もやるのだ。」
反対も同じように切ってから耳を引きちぎり、子ずんの頭の様になった。両方の付け根から血が流れて、顔が涙と鼻水と血でぐちゃぐちゃになっている。
「次は尻尾さんなのだ。少し硬いけどコツがあるのだ。」
「やめてやめてやめてのだ。もう、さからわないのだ。」
「お前黙れなのだ。」
「モゴォ？ンーーー！ンーーー！」
リーダーずんは、切り落とした耳を口に詰め込んで黙らせた。
尻尾を引っ張りながら、指示を出す事にした。
「尻尾さんを切る時は、骨さんとの間を切るのだ。そうしないと切れないのだ。」
「んーーーー！んーーーん！」
「早くやるのだ。まだまだ、やる事はあるのだ。」
尻尾の付け根にある、関節に刃を入れ動かし始めた。最初は切れていたが、途中で骨に当たり刃が止まってしまった。
「そしたら、力を入れてギコギコするのだ。」
「はいなのだ…。」
「んーー！んっーーーーー！！」
「良くやったのだ。」
力を入れ動かし続けたら、関節と肉が切れてそのまま尻尾が切り落とされた。切り口から小さな白い点が見えて、地面を緑に染めていった。
斬られた不良妖精は、痛みによるショックで気絶した。
「次は、あんよさんとおててさんなのだ。このままあんよさんから行くのだ。あんよさんと、おててさんはまず一気に切り込むのだ。」
「…なのだ。」
右脚の付け根に刃を当て、体重をかけて一気に切り込んだ。手に肉を切った感触と筋が切れた感触が、ナイフから伝わった。切り口からは、血が溢れる様に出て来た。その痛みで不良妖精は気絶から目を覚ました。
「んっーーーー！んっーーーー！」
「そうしたら、尻尾さんと同じ様にして、力をいっぱい入れてギコギコして切るのだ。」
「…ごめんなさいのだ。」
関節を切り落とす様に、一気に体重と力を加えた。脚の関節は外れて、皮と僅かな肉で繋がっている。その僅かな繋がりも、切って完全に切り落とした。
「始めてにしてはいいのだ。奴隷ずん、コイツの傷をペロペロしてずんだを食わせるのだ。その後に、残りをやるのだ。」
奴隷ずんが止血をして、死なない様にずんだを食べさせた後に残りの手足も切り落とした。
「新入りずん、よくやったのだ！筋がいいのだ！」
「…ありがとうのだ。」
「はぁ…えだみみさんも…しっぽさんも…はぁ…あんよさんも…おててもないのだ…。」
「あっ、おメメさんを潰すの忘れたのだ。」
「えっ…それだけはやめてのだ！」
リーダーずんは、たりないの様に横たわっている不良妖精に近付き、頭を掴んだ。
「やめて…やめてのだ…おめめさんはやめてのだ…。」
「新入りずん、よく見ておくのだ。」
不良妖精の目に手を押し付け、力を入れた瞬間に右目が空洞になり、涙の様に血が流れ始めた。
「ああああぁ、おめめさんがー！いたいのだ！みえないのだ！」
「新入りずん、残りはお前がやるのだ。」
「…はいのだ。」
「やめろ！やめろのだ！なにもみえなくなるのだ！いやなのだ！」
リーダーずんと同じ様に、目を手におしつけた。眼球の生々しい感触がして、怖気付き潰すまで力が入らなかった。そのたあ不良妖精は苦しみ始めた。
「のだぁ…いたいのだ…やめてのだぁ…。」
「早く潰すのだ。わざと苦しめてるのだ？」
「のだぁーーー！」
「あああぁー！やめてぇーーー！」
叫びながら、力を込めて眼球を押し潰した。手に小さな玉が破裂した感触を感じ
、ゆっくりと手を離した。
左目も空洞が出来て、血が流れ始めた。無くなった両目から涙を流している様だった。
「いたいのだ！まっくらなのだ！なにもみえないのだ！」
「新入りずんよくやったのだ！えらいのだ！素晴らしいのだ！ほら、よく見て見るのだ！」
「これを僕がやったのだ…。」
血溜まりと切り落とした尻尾と四肢の中で、両目を失ったたりないの様になった不良ずんを改めて見て、新入りずんは嘔吐した。
「ｵｪｪ…ｺﾞﾎｫ…ｵｪｪ…ｹﾞﾎｫｹﾞﾎｫ」
「まぁ初めはしょうがないのだ。だけどやり切ったご褒美に、マスターにずんだ餅をお願いしてあげるのだ！」
「のだぁ？ずんだ餅のだ！」
「そうなのだ！家族皆んなの分あるのだ。ここで頑張ればずんだ餅が食べれるのだ。」
「…ママずんとおちびの為にも頑張るのだ。」
−−−−3カ月後−−−−
「パャパャ、ミャミャ、オチョート、イミョート、オニィーチャ。」
「だいおにぃーちゃ、おはようのだ！」
「きょうもだいおにーちゃはげんきなのだ。」
「ズンチ、ズンチ、デリュ。」
「のぎゃ！ずんちたくさんでたのだ！」
「ママずん！だいおにーちゃがずんちしたのだ！」
「どれいずん！はやくだいちびちゃんをきれいにして、ずんちをかたづけるのだ！」
「わかりましたのだ。」
「今行きますのだ。」
「どれーずん、はやくするのだ！」
「くちゃいのだ！もたもたするなのだ！」
大きな赤ずんのずんちの処理をしている奴隷ずんを、子ずんが蹴飛ばしている。奴隷ずんは抵抗せずにただ受け入れて蹴られている。
「みんな、朝ごはん貰って来たのだ！今日は果物さんなのだ！」
「パャパャ！ゴハャンゴハャン！」
「りんごさんがあるのだ！」
「みかんさんとばななさんもあるのだ！」
新入りずんが果物を両手に抱えて飛んで来た。果物を下ろすと家族での食事が始まった。
「りんごさんぱりぱりしておいしいのだ。」
「ばななさんあまいのだ。」
「だいちびちゃんあーんのだ。みかんさんのだ。」
「ミカャン、オイチィオイチィ」
「みんなで食べると美味しいのだ。」
家族全員で食事をしている、離れた場所で奴隷ずんがりんごの芯、バナナとみかんの皮をモソモソと食べていた。
「パパずんとママずんはお仕事に行くのだ。」
「みんないいこに、してるのだ。」
「わかったのだ！まかせるのだ！」
「パパずん、ママずんがんばってのだ！」
「パャパャ、ミャミャ、オチゴト？」
「いってくるのだ。おちび達の為に働くのだ。」
「いってきますのだ。どれいずん、ちゃんとみておくのだ。」
そうして、飛びだった両親を子ずん達は手を振って見送った。
「へこへこを休むなのだ！このフォークさんでグサグサされたいかのだ！」
「新入りずん、張り切ってるなのだ。」
「リーダーずん、ありがとうなのだ。マスターさんに貰ったフォークさんが最高なのだ！」
「もう、立派な管理ずんなのだ！」
「リーダーずんのおかげなのだ！のだっ？あの産みずん逃げようとしてるのだ！」
耳の釣り針を外そうとしている産みずんを見つけて飛んで行った。
「お前何しているのだ？」
「もうへこへこいやなのだ！あなるさんいたくてできないのだ！」
「なら、お仕置きでへこへこやりたくさせるのだ。」
産みずんの背中にフォークを押し付けて、強く引っ掻いた。4本の抉れた傷が出来て血が流れ始めた。
「のだぁーー！やめてなのだ！」
「お前が、へこへこしたいというまでやるのだ。」
「やりたくないのだ！おちびちゃんほしくないのだ！」
「なら続けるのだ。」
「のだぁー！だめなのだ！だめー！」
そうして何度も掻き続けて、胴体の上部にある皮膚がほとんど無くなってしまった。
「やめ…て…のだ。へこへこ…するの…だ。」
「なら早くケツを早く上げるのだ！おい、タネずん！コイツとへこるのだ！」
産みずんに仕事をさせると飛びだって行った。巡回をしていると突然に扉が開いた。
「お前達、ちゃんと生産させているか？」
「マスターさんなのだ！こんにちはなのだ！フォークさんありがとうのだ！」
この施設の社長であるタカが入って来た。その声を聞いてリーダーずんも来た。
「マスターさん、こんにちはのだ！今日はどうしたのだ？」
「いや、生産の状況を見に来ただけだ。そういえば、この前作ったやつは？」
「アレはあそこで使っているのだ。」
「アナルさんがいたいのだ。ぼくについてあるけなのだ！」
「ふぁぜんののふぁ！いふぁいのふほぁ！」
「ずふぅんちでふぃのふぁ！ふぉまれぇのぉふぁ！」
「やめふぇるぉだ！だへぇなぉのらぁ！」
リーダーずんが指した所を見ると、縦1列に4匹で動いているタネずんがいた。
肛門の内側から外側に釣り針が刺されていて、その糸の先に釣り針があり口の内側から外側に刺されている。それが4匹で繋がれていてムカデの様だった。
「面白い事を考えたな。どうしてこんな事してるんだ？」
「それは、アイツらは逃げようとしたからのだ。だから、お互いに逃げられない様にしたのだ。逃げようとしてもお互いに足を引っ張って逃げられないのだ。」
「ほぉ考えたな。いいアイデアだ。」
「この管理ずんが考えたのだ。」
「ずんずん列車は、ただの思い付きなのだ。照れるのだ。」
「ずんずん列車？」
「ちょっと前に来たリョウさんが言ってたのだ。」
「まぁ確かになぁ。電車遊びよりムカデ人間の方が近いだろ…。まぁいい考えだずんだ餅を食わせてやる。」
「マスターさん、ありがとうなのだ！仕事に戻るのだ！」
この様にして、頭の良い個体を恐怖・暴力・甘美を与えて働かせて労働力とする。
人間もより遥かに安い金で使えて、法律等も気にしなくて良い労力だ。
今日も一部のの妖精達が他の妖精を支配して、妖精を繁殖させて世の中に流通させているのだ。
あとがき
妖精が妖精を虐するのが、面白そうだったので作り
ました。
ました。
タグ
このページへのコメント
格差社会ずん虐もいいね
初日でガッツリ精神虐描写楽しめました。
割り切れよ、でないと死ぬぜ？を体現したディストピアが美しい
どんぐりの背比べのようなゴミ共の格差社会の中で上位にいるゴミを奴隷辺りに突然理由もなく落としてやりてェ〜！
比較的ぬくぬく生きてきた格差上層のゴミ共が明日は我が身とガクガク震えながら過ごさせたい
そういえば、前回の子ずんの様子がおかしくなっている原因について特に明言されなかったけど、やっぱり原因は酸素欠乏症の後遺症ってことでいいんでしょうか？
新入りずん、ぱっと見は善良に見えるけど
「人間から略奪したごはんさんで自由気ままに幸せに暮らすのが妖精のあるべき姿」
「汚く残酷なことはやりたくない（汚くなくて残酷でもない生産活動もやらない）」
という人間界でも無理難題な思想の持ち主です。
妖精にありがちな愛嬌で誤魔化してとんでもない理論をぶちかますタイプですが、
養殖場で理解できるだけの知識はあったので生き残れましたね……