kagemiya@ふたば - ガレス[アナザー]
 
「円卓第七席。アーサー王が騎士のひとり、ガレス。ここに推参しました。なんなりとご下命を、マスター」



基本情報

【元ネタ】アーサー王伝説
【CLASS】ランサー
【マスター】
【真名】ガレス
【異名・別名・表記揺れ】ボーメイン
【性別】女性
【身長・体重】165cm・51kg
【肌色】白 【髪色】くすんだ金 【瞳色】緑
【スリーサイズ】79/57/83
【外見・容姿】中性的で白馬の王子様然とした騎士
【地域】ブリテン
【年代】6世紀初頭
【属性】秩序・善
【天地人属性】地
【その他属性】人型
【ステータス】筋力:B 耐久:A+ 敏捷:B 魔力:C 幸運:C 宝具:C+++



【クラス別スキル】

対魔力:B

魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。サーヴァント自身の意思で弱め、有益な魔術を受けることも可能。
Bランクでは、魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:B

乗り物を乗りこなす能力。騎乗の才能。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。
また、英霊の生前には存在しなかった未知の乗り物(例えば古い時代の英雄にとっては見たことも無いはずの、機械仕掛けの車両、果ては飛行機)すらも直感によって自在に乗りこなせる。
Bランクでは大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、幻想種あるいは魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなすことが出来ない。
本来ランサーは騎乗スキルをクラス特性として持ち得ないが、ガレスは馬上槍の名手であったため例外的に持ち合わせる。

【保有スキル】

戦闘続行:B

名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。「往生際の悪さ」あるいは「生還能力」と表現される。

魔力放出(突撃):A

武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させる。
ガレスの場合魔力を直接投射して攻撃することは不得手な一方で自身の肉体の強化や推進力として魔力を扱うことに長けている。

治癒の軟膏:EX

ガレスと共に旅をした乙女ライネットの持っていた秘薬。
塗ればたちどころに傷を癒やす。その効果の凄まじさは死亡した直後に限れば死者の蘇生すら可能なほど。
魔力を帯びた傷には効き目が薄くなるということ、一度の現界で持ち込める量には限りがあることが欠点。
(正確には使い切ってもガレスの魔力から少しずつ生成することは出来るがかなり時間がかかり、通常の聖杯戦争で召喚された際に再生産が間に合うほどではない)
スキルではあるが所持品でもあるため、託された他者が使用しても効果を発揮する。
ただし「軟膏」と「軟膏を収めている壺」までがセットなので分割して別の容器に入れて持ち運ぶということは出来ない。

【宝具】

貴婦人の月虹セヴンス・ブレス

ランク:C 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
かつて馬上槍試合においてガレスが自身の正体を隠したいと望んだ際、貴婦人ライオネスに貸し与えられた魔術の指輪。
効果を発揮している間は他者から真名などの重要な情報を隠蔽する能力を持つ。情報戦でもある聖杯戦争において極めて強力な宝具。
己のマスターや「ルーラー」のクラス別スキル「真名看破」も通じることがなく、見破ることは不可能。
真名を唱えることによって魔力で光を屈折させて色彩を変化させ、外見すらほぼ見通せなくする。
調節によっては透明とまではいかないまでも蜃気楼のようにぼやけた見た目になり、夜間などの暗闇の下ではかなり視認しづらくすることも出来る。
ただしガレスはこの指輪を貸し与えてくれた貴婦人ライオネスへの敬意により、この指輪を使っての不意打ちは自分の意志では絶対に実行しない。
真名隠蔽の解除条件は指輪をガレスが外すことである。また下記の宝具を真名を解き放つことでも自動的に解除される。

騎士は死線にて斃れずナイト・オブ・オーナー

ランク:C+++ 種別:対人宝具 レンジ:1〜30 最大捕捉:200人
数多くの馬上槍試合(試合とあるが死者も出る真剣勝負である)を始めとして数多の死闘に次ぐ死闘を潜り抜け、
日が高く昇るほどその力を増すという騎士アイアンサイドを日中において正面から戦い屈服させ、
ランスロットやガウェインといった名だたる円卓の騎士とすら長時間に渡って互角に戦い抜いたというガレスの精鋭が宝具となったもの。
半常時発動型の宝具であり、真名を開放していない段階からガレスの耐久力や治癒能力を向上させる。
シンプルながらその上昇値は高く、ガレスの騎士としての技量も相まって非常な頑強さをガレスに与える。
並大抵の攻撃では膝をつかせることは出来ず、宝具の直撃すら受け方によっては耐え凌ぐ。
連戦にも強く、多少無茶な戦闘を繰り返した程度では息切れしない。傷の回復効率も高くガレスと同格のサーヴァントより魔力の燃費が良い。
ふたつめの特性としてダメージを負えば負うほど、戦いが長引けば長引くほど、苦戦すればするほどその五体に魔力を蓄積していく。
真名を開放することでその溜め込んだ魔力を一気に解き放ち、その突進で進路上にあるものを広範囲に渡って薙ぎ払う。
魔力を蓄積していない状態で放った場合は特筆するような威力を持たないが、十分に蓄積されている際は他の円卓の騎士の宝具すら真っ向から打ち砕きうる性能を持つ。
このため速攻をかけて打倒するのが最善手のように見えるが、消耗していないガレスの頑健さで耐えられた後にこの宝具を放たれることも考えられるため隙がない。
なお通常の魔力放出による突進の際も鎧の各所から魔力が吹き出ているのだが、真名解放の際は鎧が更に変形・パージされ、全身から魔力を噴出させて吶喊する。
山吹色の魔力光を纏って猛然と駆けるその姿はあたかも地上に顕れた流星のようである。

【Weapon】

馬上槍

ガレスの体格では不釣り合いに見えるほど大きな馬上槍ランス
ガレスはこれを軽々と振り回す。「本当は馬に乗れたらいいんですけれどね。連れてこれないんですよね、ランサーだと」とは本人の談。
これ自体は頑丈なだけで特性を持たない槍だが、ガレスが握ると突進の際は魔力の噴出口からガレスの魔力を吹き出して山吹色に染まる。

【解説】

円卓の騎士のひとり。ガレス卿。『白い手のガレス』。この世界線では女性だった。
同じく円卓の騎士であるガウェインの末妹であり、アーサー王にとっては甥にあたる。円卓に加わったのは後発でありながら多くの騎士に愛された。
オークニーのロット王の娘として生まれたがこの頃には既にガウェインを始めとしたた年上の者たちはキャメロットで騎士となっておりほとんど面識はなかった。
彼らの後を追うことを望み、若くして密やかに旅立ったガレスは身分を隠したままキャメロットに辿り着く。
身分を隠したのは家族が自分のことを知ればオークニーに連れ戻されてしまうと考えたためであった。
アーサー王によって騎士ケイに預けられたガレスは本当の名前を明かさない彼女を軽んじたケイによって厨房の勤務に回されてしまう。
白く美しい手をしていたことから『白い手のガレスBeaumains』と誂われもしたが、不平不満を口にすることもなく1年の間黙々と働き続けた。
そんなある日キャメロットへ助けを請いに来たリネットという乙女が訪れたことでガレスの運命は動き出すことになる。
リネットの嘆願を叶えることを望んだガレスはケイとランスロットとの一騎打ちで力を示したことで騎士に叙任され、ここから彼女の多くの勲に満ちた冒険が始まるのだった。
多くの武勇を打ち立て一廉の円卓の騎士となったガレスだが、ランスロットとアーサー王の妻ギネヴィアの不貞に纏わる事件に巻き込まれてしまう。
アグラヴェインにランスロットの不倫の告発を持ちかけられたガレスだったがこれを拒否。
そしてギネヴィアの処刑場に現れたランスロットは混乱の中で咄嗟にその場にいたガレスたちを殺害してしまう。
事件について納得していなかったガレスは自分の意志を示すため、剣すら帯びていない丸腰だったので抵抗できなかったのだ。
己を深く敬愛している騎士の命を奪ってしまったランスロットの悔恨、そして最愛の妹を喪ったガウェインの悲しみは相当なものであり、この一件が円卓に決定的な分裂を齎すことになる。

血縁は同胞殺しによって手を汚す中、そうした血生臭さとは終ぞ無縁だった騎士。
心優しく華やか。血縁の騎士らが血と刃によって事を為そうとするのを止めようとすらした、円卓の光明の象徴。
駆け抜けた道自体に後悔はない。今でも血縁の皆のことはそれぞれ好いているし、自分を殺めたランスロットのことも変わらず敬愛している。
決して長い命ではなかったけれど、多くの出会いと幸運、仕えるべき主君に恵まれた幸福な騎士としての人生だった。
しかしそんな誉れもくすむような悔恨がいつも胸中を青褪めさせる。
ガウェインを、アグラヴェインを、モードレッドを諌められなかったこと。掛け替えのない主の最期の戦いに馳せ参じ忠義を果たすことが出来なかったこと。
結果として己の死が遠因となって円卓の崩壊を招いてしまったこと。
白く美しいと言われたこの手は、いつもあと一歩踏み込めなかったから───護るべきものが指の間から零れ落ちていく
あるいはこの手も非情の決断により彼らのように血に染めるべきだったのかもしれない。それで救えるものがもしあったのならば。

【人物・性格】

白い肌。エメラルドの垂れ目。左目の泣き黒子。緩やかにウェーブしたくすんだ長めの金髪。
そのどれもが見たものに柔和さと高貴さという印象を同時に相手へ与える。中性的な顔立ちで、鎧や儀礼服に身を包めば気分は白馬の王子様。実際は王女だが。
胸や尻など女性的な豊かさには欠ける肢体だが当人は女性である前に騎士と自分を規定しているのであまり気にしていない。
とはいえ鍛えたせいで太くなってしまった太ももにはいくらなんでも不格好ではないかとややコンプレックスを抱いている。
戦いにあっては黄色を基調とした全身鎧に身を包む。各所にスリットが空いているが、これは魔力を放出した際の噴出孔となっている。
当世風の衣装は男性的な服を好んで身につけるが、実は自分から言い出さないだけで女性的な服装にも興味がある。
いくら現代の装いといえどミニスカートというのは女性が身につけるには少々端なくありませんか。いえ興味があるということはないのですが。………ないのですが。

清廉潔白。円卓の騎士として恥じ入る必要のない、立派な勇猛さと騎士道精神を胸に秘めた騎士。
しかし英霊となった今は生前の悔恨から自分の考えで意思決定をすることに消極的であり、自分から意見を述べることは少なくなった。
非道を行うような者を主としても内心不満を募らせながらつい目を瞑ってしまいがち。迷いを吹っ切るには精神的な克己が必要となる。
もし出会いに恵まれたならガレスが惑いを振り切り本来の円卓の騎士らしい毅然さを完全に取り戻すこともあるだろう。

柔和な表情通り、和をもって尊しとなす性格。悪意に晒されたとしてもそれを悪意とも捉えていないかのように穏やかな微笑でのほほんとしている。
と書くと天然のようだが、実は胸の内では多くのことを考えていて計算尽く。不快なこともしっかり不快だと捉えており、それを口や表情に出さないだけ。
外部からのストレスは我慢強く内側に溜め込んでしまうタイプであり、相応に信頼を高めないとそれを打ち明けてくれない。
基本的には思慮深い。常に正答を選べるわけではないが、ガレスなりにその状況ですべきことを熟慮した上で行動する。
沈着冷静かつ優しい心を持ち例え相手が仇であろうと怒りを飲み込み相手を赦そうとする鷹揚さを持つ。
このような内面はランスロットの従者として同道していた際に培われた。このためどちらかといえば副官向き。侍従のように付き従う立場にも慣れがある。
マスターにそのように振る舞うよう求められれば、まるで執事然として粛々と側に仕えることも吝かではない。
ただし急な選択を迫られた際は感情を優先する。そのため土壇場になればなるほど咄嗟の行動にガレスの元の精神性が顕れる。
本来の性格は激情家と言っても良いほど情熱的。かつてガレスの最初の冒険としてキャメロットの騎士となるべく身一つで故郷を飛び出した事からもそれは伺える。

常に礼儀正しく、丁寧な態度。口調も折り目正しさを損なわない。決然とした口ぶりになるのは戦場に立つ騎士としての振る舞いをする時以外殆ど無い。
女性への接し方は敬愛するランスロット譲りで大変物腰柔らかい。敬意を持って接し、その美点を称える言葉を告げることは騎士の本懐だと信じている。
容姿も端麗であるため(ガレス自身も女性なのだが)女たらし。男にも礼節を欠かさずいざという時の勇気やふとした瞬間の女性らしさで惑わすので、性別に関わらず人たらしでもある。

かつて見習いだった頃は毎日厨房に立っていたガレスだったが、なにぶん料理という文化の未発達な文化圏だったため、実は得意というほどではない。
現代の価値観に照らし合わせれば、あの時代出身の人間にしては辛うじて食用に足るものは作る、というレベル。
そのことを自覚しているため自分の作ったものを人には食べさせないが、それはそれとして調理自体は嫌いではなく趣味と言ってもいい。
もし聖杯戦争中にそんな余裕が許されるのならば、こっそり厨房に立ち現代の料理本を片手に試行錯誤を楽しげに重ねているということもあるかもしれない。

本人は無駄な戦いはなるべく厭うべきものであると考えていて好戦的ではないが、いざ戦いになると容赦のない苛烈な戦い振りを見せる。
相手がどれほど己より矮小な存在であろうと、懸命に自分へ向かってくる限りその覚悟に敬意を示し、全力で叩き潰す。このあたりはガウェインたち譲り。

聖杯へとの託す願いは『過ちを正す』こと。あの時、自分はどうするべきだったのか。何処から間違えてしまったのか。
もうあまりに遅すぎるけれど、今からそれを是正することが叶うならば我が主君や愛すべき人々の嘆きを少しでも癒せるのではあるまいか。
あるいはその過ちは自分が騎士を志したことに端を発しているのならば───。

………実は奇妙な性癖があり、いわゆる『ツンデレ』に弱い。
相手の素直になれない言葉や態度につい高揚してしまう。「も、もう1回言って」などとお願いしてしまう。この時ばかりは普段の凛々しさが薄れだいぶ残念になる。
特に高貴で生意気で鼻っ柱が強くて口さがなくて好意を伝える際に自分の感情をうまく表現できないお嬢さんなんて大好物。尊みが強い。推せる。

Apocryphaっぽい聖杯戦争において
黒陣営の表向きの首領、フランチェスカ・ヴィスコンティに仕えるサーヴァントとして召喚される。
しかし黒陣営のフラッグサーヴァントとして円卓のより高名な騎士の召喚を望んでいたフランチェスカからはぞんざいな扱いを受け、事あるごとに痛罵を受けることになる。
加えて黒陣営側が行っている薬物の横流しやホムンクルスの非人道的な扱いに心を痛めるも、『今度こそ主君に最期まで仕える』という願いのためこれに目を瞑った。
主からは邪険にされながら文句も言わずに粛々と仕え続けるも、赤側に自らの兄であるガヘリスが召喚されていることを知って更に精神に負担がかかっていった。
そんな中、黒陣営と赤陣営の第一次激突の最中に黒のセイバーがとあるホムンクルスにその霊核を捧げて消滅するという事件が起こる。
ガレスは愕然とした───セイバーは英霊として為すべきと思ったことを為した、それに比べて己の心の叫びにも耳を塞ぐ自らの醜悪さはどうだ───。
時を同じくして、ガレスはフランチェスカの記憶の追体験から彼女が辿ってきた人格矯正と洗脳の歴史を知る。

そしてガレスは主君と仰ぎながら心を通わせようとはしてこなかった主の前へ立った。問うべき疑問を抱いて。この主従の物語はここから始まる。


イメージカラー:山吹色
特技:忍耐、護衛任務
好きなもの:料理、(悪人ではないことを前提として)素直になれない人
嫌いなもの:無礼な人(ケイ卿みたいな)
願い:過去の過ちの是正
CV:茅原実里

【一人称】私 【二人称】あなた、貴殿、貴様 【三人称】彼ら、彼女ら

【因縁キャラ】

ガウェイン
姉。とはいえ歳は離れている。ガレスが「そうです。生前のガウェイン卿はこのような方でした」と言う方のガウェイン。
円卓の騎士として接する場合は強い敬意を懐き、明確に格上の相手として扱い、会議にあってもまず意見を仰ぐ相手。円卓においても筆頭の騎士であるガウェインに尊敬の念は尽きず、態度もまたそうしたもの。
一方で姉としては大抵の相手に礼儀正しいはずのガレスが冷たい流し目を向ける相手。幼少の頃一緒に育たず顔も見たことのなかった長姉がどんな方かと期待に胸を膨らませていたら、まさか妹相手にでれでれとだらしなく相好を崩す威厳の欠片もない人だったなんて。
実は姉としても本当は嫌いではない。素直になれないだけ。冷たい態度を取ってガウェインが落ち込むとついフォローを入れてしまう程度の塩対応ぶり。ツン:デレ=4:6。

ギャラハッド
アーサー王伝説は多くのIFを孕み、それは円卓の騎士にあっても他人事ではないが、その上でこのガレスが生前と一緒だとするギャラハッド。
敬愛するランスロットの子というのもあり、己のような未熟者と違い完全なる騎士であると一目置き畏怖する。彼女を目の前にすると生前の己の不徳が脳裏に蘇り縮み上がってしまう。
その真意を知る機会がもしあるならばようやくいくらか対等に付き合えるようになるかもしれない。苦手だが嫌いではない。むしろどちらかというと好き。リスペクトする相手のひとり。



【コメント】

Not以前のガレスの製作者。
宝具の最大開放時がド派手。魔力が充填していくと鎧に刻まれたラインが青白く光を帯びていく。鎧もガコンガコンとSE付きで変形するし、NT-Dかな?