2.2 改修準備中

京都一宮天皇家屋敷の座敷。
そこで行われているのは長年伝統的に行われている帝国定例会議という集会のようなもの。昔は天皇家及び大日本帝国政府の最高意思決定期間であったが、今では大日本帝国政府の意思決定機関としての役割は国会に委譲され、天皇家の意思決定機関としての役割は宮内省が天皇家を代行して担っており、今やその権威たる物は象徴でしかなかった。そんな帝国定例会議の端で窓ガラスを見ている青年がいた。
青年は思う。「私はこんなに縛られた役職を望んでいなかった。」と。
そして青年の初恋の相手であり幼馴染でもある彼女が公爵家の当主と議論しているのを見て、青年は溜息をついた。
「あら?こんなところにいたんですね、先輩」
そう呼ばれたので青年は振り向くと小さい頃に出会った1人の女がいた。
彼女の名は『一命あかり』。
かの四大財閥の一つである一命財閥の令嬢。青年よりも年下ながら、帝国の闇を知っている1人である。
「一命さん、貴女はこんな所にいて良いのですか?」と青年は彼女に冷たい視線を向けながらそう言葉を言い放った。
「先輩、何で私達を頼らなかったんですか?」その言葉に篭っているのは親愛というものからくる弾丸のような言葉であった。
過去に青年が見た夢であれば青年はここで敗北し、『大日本帝国及び日本国民の象徴』という立場に置かれ一生の檻に入れられる。
「...ばれてしまったか....」
青年は少しの嬉しさを感じ頬が緩みそうになったが、すぐに冷静さを取り戻したがそこで彼女が言う。
「何でですか先輩!どうしてみんな貴方の事を心配していましたのに、そんな裏切るような真似をするんですか!!」
彼女の怒声が帝国定例会議の中央の方にも聞こえていたようで議論していた幼馴染の彼女と公爵家の当主が2人の方角を見たが、直ぐに議論を再開した。
「ははっ、隠していたつもりなんだがみんなには敵わないなぁ...」
と笑いながら青年は言う。
「何笑ってんだ、お前はこれから檻に入らられるような物だぞ!」
と青年に救われた青年の親友は言う。青年の親友の名は榊司 哲。藤華学院で唯一主席を保持し続けた天才である。
「お前を救ったのはただの偽善だよ。それ以下でもそれ以上でもない」そう言った後、青年は走り出す。
「待ってください先輩!」一命 あかりがそう言った。
だが青年の足は止まらなかった。
「さようなら、皆。」と青年は言い、屋敷を去っていった。
暫く走り続けたあと、青年は月と自ら信じる神に告げる。
「さて、これから始まるのは俺の戦いだ」と。

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