架空国家を作ろう2.2

グワダル市はインドの特別市。バローチスターンに位置するが特別市のためバローチスターン州とは分離されている。
歴史上、グワダルはほとんど重要でない漁村の一つであり続けてきたものの、深海港に適していることで注目され、港湾としての大規模に開発された。

バローチスターンに人々が居住した時点で、現在のグワダル市にもすでに集落が築き上げられていたと見られる。
バローチスターンは歴史的にイランの王朝に服属してきた方が多く、ゲドロシア地方のサトラップの拠点が置かれていたとみられる。
マクラン海岸での海軍を率いていたネアルコス提督はこの地域の乾燥した沿岸砂漠で魚を食べて暮らす人々をイチショポゴイと名付け、記録している。
当時、ペルシアの人々はこの地をマコヒランと呼称していた。これは現在のマクラン海岸と呼ばれる地名につながっている。
アレクサンドロス大王時にギリシャの統治下となり、その後マウリヤ朝の支配下となって以降、この地域は常にイランなどのイスラム諸王朝とインドの王朝の間で争われてきた。

バローチスターン地方はその後、四王国が並立する時代を迎え、そのうちの三王国はカラート王国の属領であった、
グワダルはそのうちのマクラン王国の所領となった。
オマーン王宮での争いでオマーンの王子がマクランに亡命すると、カラートは王子にグワダルを与え、ワリ(知事)に就任させた。
その後しばらくグワダルは王子の統治下となり、王子はイランからチャーバハール港を奪取することを命じられ、任務に従事していた。
その後王子は国内に戻る機会を得て、オマーンで即位、サイード・スルタンと名乗った。
この時にグワダルは本来マクランであるにも関わらず、オマーンの支配下となった。
オマーン、バローチスターン、両方とも英国の保護国であったため往来などに問題はなかった。
1958年、インドが独立してしばらくすると外交交渉の結果、オマーンはグワダルを返還することが決定した。
これによりグワダルはインドの特別市となった。

グワダルはインド洋、アラビア海に張り出した陸繋砂州で沖にある島と大陸が繋がった、丁字型のグワダル半島に位置する。グワダル市はその陸繋砂州上に建設された。この構造は東方に位置するオルマラ市と類似している。
半島の先端はコー・エ・マフディと呼ばれる巨大な岩石の丘陵である。
コー・エ・マフディにより半円形の湾が陸繋砂州の東西に形成されている。
深海港は陸繋砂州の東側に建設されている。
グワダル市はかなり乾燥し、熱い砂漠気候の中にあるものの、アラビア海の海流の影響もあり、近隣に位置するドバイなどと比べてかなり涼しいが、冬は温暖である。
グワダルはモンスーン帯の外側にあるもののわずかに影響を受ける。
また、冬場は時として大きく雨が降ることでも知られており、グワダルは砂漠の中にありながらかなり穏やかな気候である。
しかしながら砂漠気候であることに変わりはなく、夏場では最高48度を記録することもある。

グワダルの住民は殆どがバルーチ人であるが、歴史的な経緯により独特の訛りなどがあることで知られている。
オマーン統治時代やそれ以前に訪れた東アフリカ諸国の人々によりアフリカ文化、スワヒリ文化が持ち込まれてきたほか、アラブの文化も多くグワダルに伝播した。

アラビア海の中心に位置し、深海港により大規模な船舶でも利用することができるグワダルは内陸アジア諸国の東方への輸出拠点となる。
中国からインドに運ばれた物資の多くはグワダル港を経由してインド洋や地中海の諸国に向けて輸出される。
グワダル港は現在、アラビア海でもっとも著しい発展の中にあり、莫大な投資が行われている。

グワダル港は歴史上、単なる漁村であり続けたが、現在はアラビア海を代表する巨大港湾への変貌の最中にある。
インド国内からの莫大な投資はグワダルに急速な発展をもたらした。
さらにトルクメニスタンとの間にパイプラインを建設する構想においては、グワダルがその終着点となったことも大きい。
インド政府は深海港建設、拡張プロジェクトを数度にわたって行い、現在も継続中である。
グワダルは内陸アジアに向けた海運の拠点であり、さまざまな可能性が眠っている。

グワダルでは非課税工業地帯の建設が行われている。

グワダルでは、新たな空港を建設し地域のハブ空港とすることが期待されており、建設と投資が行われている。