img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

登場キャラクター:D10d-K-9? あんげいる・ぱぴー ヴィライノース ウルフファング ガオンNU クチュリエール クック船長 グリングリード Cruel†Maiden クレインダンス コンダクター ジェネラル・グレイシー スクラブ・シャーペナー デッカーワッパー(二代目) ドリクラ トリニティ トレミィ・セイリオス ナハト=クレーエ 猫ノ鈴音(ねこのすずね) ネモ ネロ・エレフセリア バーニィ フォギィ ブケパロス ぷっしーきゃっつ フランシス・ローランド伍長 プリティー・ハート プリンセス・オン・アイス ホリー・ネージュ 美王 森本那緒 四色八代子 ライジン★スター リトルリトル リリステリア レーター
タグは上限20との事なので頭から20人のみ登録

飲み会

 私リリステリアは今、魔法少女83人が一堂に会する飲み会の場に居ます。
 何を言っているのかわからないと思いますが、私にもわかりません。
 いつ始まったのか、なぜ集まったのかもはっきりしません。
 まあ、どうでもいい事でしょう。
 これだけの個性派が一箇所に詰め込まれると、あっちもこっちもそれはもうやりたい放題です。
 少し見渡せば、すぐ…

 座っていると、より一層目立つ赤のフードとその上に立つケモミミ。
 ウルフファングさんは両隣から肩を組まれてご満悦のようですキテル…
「■■、■■ッ■」
「なんだよウルフー! ■■やんのは飲めてウチのは飲めないって言うのかー!?」
「モノを食べる時はね 誰にも邪魔されず 自由で なんというか」
 両側から何か液体を注がれるグラスをぼーっと見つめ、ブツブツ呟いています。両手に花ですね。
 森本那緒さんと、もう片方は…どなたでしょうあれは…なにか ぐにゃぐにゃ もっももももも



 私リリステリアは今、魔法少女83人が一堂に会する飲み会の場に居ます。
「■■っ■■■■■■■ー!」
「それイッキ!イッキ!」
「救われてなきゃあ ダメなんだ 独りで静かで豊かで」
 あちらの方を見てはいけません。なぜか、強くそう思うのです。
 何か違う、目の保養になりそうな物を見ましょう。
 ちょっと探せばぽんぽん起こっているはずです…少女しか居ないという夢のような空間なのですから。
 いえ、居ません。私は何も見ていません。
 その上でお酒まで入っている…普段見られないワイルドなあーダメダメ展開が繰り広げられていると見て間違いありません。

「Grrrr...」
「ひいいぃぃ!!」
「ガオンNUちゃんダメだって!!料理!料理食べよっ!ねっ!?」
 トラが人を襲っています。
 トランスジェンダーの人ではありません。英語でタイガーの方です。
 トラ×少女(カニバあり)キ…てねえよ殺すぞ…
「ペロペロペロペロ」
「クッ…ククッ…クーックックック!」
「船長がアヘ顔ダブルピースに!?船長しっかりして!クック船長ーーー!!」
「あらあら…」
「ずるいなぁ、私もおなか空いてるのに」
「ダハハ!よかよか!」
 軽くじゃれあうようアマガミしただけでおびただしく血を流す少女…
 自分とは決定的に異なる存在なのだという隔たり、そして罪悪感に許しを求めて傷に舌を這わす…
 少女はそれを知るから、恐怖を押し殺して優しく抱きとめる事が出来るのです…
 その体臭が、鉄の匂いが、どうしようもなく獣欲を煽る事も知らず…あれ…意外とアリですね…
 しかしやはりハイレベル過ぎます…今求められているのはもっとハードルの低い、
小さなお子様でも安心して見られるような子供向けレズでしょう。
 私は配慮のできる人なのです。

「今、満足できていますか?お嬢様…」
「えっ!?…えっと、その…突然聞かれても、よくわからないといいますか…」
 そうそう、こういうのでいいんだよこういうので。
 前屈みに覗き込むだけで覆い被さるようになる長躯、
白いタイの燕尾服に袖を通すのが、しかし淑女と判るのは、腰までの黒髪が絹の艶を放つから。
 一目見た時から貴方はやってくれると思っていました、ヴィラ…ヴィ…ヴィラーノさん。
 流された目に思わずうつむく白鳥を思わせるレオタードの少女は、自分の感情にまで戸惑い身を縮こめているようでキテル…
「大抵のご要望には、お応え出来ると思いますよ…?」
「わっ、私はその…ただ、滑れればいいなっていうか…!」
 追い討ちをかけるよう、しっとりした声で囁き、下げられた視線を掬い上げ逃がさないヴィラさん。
 オイオイオイ、堕ちるわアイツ。
「いやらしい…(モッサモッサ」
 青じそモサりながらにじり寄るのを止めなさい、このボーントゥ娼婦ことホリー・ネージュが。
 貴方は上の口に比べて体が正直すぎる。存在するだけで空間がピンク色になるのです。
 百合には清純な白こそが相応しい。向こうへ行って先輩とやらと種出ししていなさい。
「グ、グリンさん…しっかりしてください…」
「うるひゃぁい! わらしはなぁ…わあしだってなぁ…きいひぇいるのか!
 まったく君はぁ、いつもいちゅも、非りょんり的な、この、ばかぁ! ばかマジメ!
 そんにゃだかりゃあ…すっ、すきらぁ! ぶぇはは、言ってやっらぞぉ〜!うぇははははオエッ」
「あ、ああ…ダメですグリンさん、こんな所でしたら…」
 同時多発エロ発生!警察は何をしているんだ!けしからんもっとやりなさい。
 ほう、八代子×グリングリードのゲロデレですか。すまない、ここでは日本語で話してくれ。
 そんな酸っぱい匂いじゃなくてなんかこう、花の香りというか、そんな感じでお願いします。

「う、うん…そこでまた、サメに襲われるんだけど…その時黒人が言うんだ…"ワサビを知ってるか?あれの方がキツい"」
「うわぁ…なんかよくわかんないけど、くー先輩となら一緒に見たいです!」
 隅の目立たない所でサカっていても私の鼻は誤魔化せません。
 匂うんですよ…少女の言の葉で煎れた香ばしいダージリンの香りがスゥーッ ハアァァ…効ッッくぅ…
「えっマジで…? あのク…B級映画、一緒に見てくれるの…?」
「はい!」
 見慣れた制服風、魔法少女としては珍しい普通の高校生(イヌミミ)が、
見えない尻尾までブンブン振っているかのような勢いで腕を取っています。
 その勢いに嬉しそうな、半分は信じられないという驚きの表情を見せるのは、
少し…いやかなりハードゴアなファッション…というか、全身血まみれの少女。
 勿論本当に血塗れなのではなくそういう模様で、よく見ればそのワンピースも、覗いた肌も白磁の白さ、
髪に至ってはそれに希少な輝きを加えて、静かに光る白銀。
「ジェイソンvsサムライエイリアンっていうのもあるんだけど…」
「もうなんでもいいです!」
「なんでも!? そ、そっか…え、えへへ…」
 誤魔化すようにコーラを飲むその顔は、血ではない赤でしっとりと色づいてキテル…
 グロテスクや恐怖は、官能と表裏一体…
 二人だけの上映会に高まる鼓動はその内、何が原因でそれを早まらせるのかも曖昧になって行くのです…
 参ったぜ、今日はレディースデーか?劇場版魔法少女育成計画「この世で一番キテルヤツ」プレミア試写会、大人一枚お願いします。

「じゃあ〜…6番の子と10番の子がぁ、キス♪」
 むっ!!!!!
「キッ、キスって!そんな、ダメでしょ!」
「えぇ〜?どうしてぇ〜? 女の子同士だよぉ〜?」
「…まあまあ、ハートさんの言う通り、なんて事はありません。手早くやってしまいま─」
「も・ち・ろ・ん♪ ほっぺにとかじゃなく、唇同士じゃなきゃダメよ? あ、も〜っと凄いのでもいいけど♪きゃは☆」
 あれは、クチュリエールさん…の衣装を着たどなたかと…クチュリエールさんは、白衣を着ていますね…
 ゲスい☆を飛ばしてるピンクのゲロ豚はビチビチ・ビッチーとかそんな名前だったはずです。
「ぐ、ぐぬぬ…」
「ど、どうしよう、トリニティさん…」
 どんな喧騒の中でも、少女はキテル話題を聞き逃さない。これを女子会効果と呼びます。
 人の聴覚は、自分の好きな音を優先的に拾うように出来ているのです。
 好きなあの人の話題、好きなあの人の声、好きなあの人の息遣い。
 この事からも、少女は生まれつき百合傾向にある事が科学的に証明されています。
「ト…トリニティ、歌いまーす!」
 は…? 違うよクソ!ここは
 しょうがないよね、ゲームだもん…あの子の唇が潤んで見えるのも、状況のせい…それだけなんだから…
 これは普通の事、これは普通の事、これは…ん…───。
 ほら、簡単…後は、離れれば終わり…なのに、どうして…みんな見てるのに…
 一秒?十秒?…いいや、ここまでしちゃったんだし。もうちょっとだけ…あれ、私…なんでこんな事してるんだっけ…
 ってなる所でしょう!!!11
「ふざけんな!!…じゃなくてぇ、え〜!ずるいずる〜い!ハートつまんなぁ〜い!」
 ほう…クソヒリィ・ブータ改めプリティー・ハートさん、彼女も中々の理解者だったようです…
 認識を改めるべきか…我々と同じ領域─ステージ─にいる者と…今度個人的に話してみましょう…
 しかし、王様ゲーム…そういうのもあるのか。
 ここは一つ、こちらの席でも…
 王様わーたし!1番と2番の方は10年来の幼馴染が友達以上だけど、上手く言葉にできない関係からようやく一歩踏み出した感じで結婚!
 け、結婚ってやだ、そんな─
 ゴーン… ゴーン… ゴーン…
 パパパパー パパパパー
 パパパパッ パパパパッ パパパパッ↑ パパパパッ↑ パパパ(BGM:メンデルスゾーン 結婚行進曲)
 随分、遠回りしちゃった気がするね… そうだね…
 ねえ、いつからだった? …何が? 
 もう、言わせる気? だって、嬉しいんだもん。
 考えてみれば、最初からだったかな。 …私も。
 ─新婦○○。この女を妻とし、死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添う事を誓いますか?
 誓います。
 ─新婦○○。汝はこの女を妻とし、病める時も健やかなる時も、共に歩み、妻を想い、妻のみに添う事を誓いますか?
 …はい。
 ─では新婦と新婦、神聖なるこの契約の場で、誓いの証を─

 ワーオ、ビッグアイディア。
 割り箸で作ろう絶対王政。今こそ百合革命の時です。
 私にもまだまだ見習うべきフロンティア・スピリッツがあるのですね…
 さあ踏み出しましょう、そこにゴールドラッシュが待っています…!
 しかしこのジュース、少し変わった風味がしますね…苦辛いというか…
「あの、リリステリアさん…」
「…はい、どうされました?」
 大百合時代の開拓ばかりに気を取られてはいけません。
 少女は全て等しく、黄金よりも尊いのです。
 周囲の盛り上がりとは対照的に、真剣な面持ちでこちらを伺うのは、ライジン★スターさん。
 彼女は一言で言うと…宇宙飛行士…です。あの、白くてモッコモコしてる…
 勿論ヘルメット?と、背中のなんか…背中全体を覆うほどの、なんかの機械は外されて近くに置いてありますが…
この手袋で、どうやってお箸を持っているのでしょう…細かい事は考えない方がいいのでしょうね…
「ちょっと、聞いて貰いたい事が…こんな事、リリステリアさんにしか話せなくて…」
 こ、これはまさか…
 24時間いつでも受け付けますと宣伝しているにも関わらず、今まで一件の依頼も無かった…恋愛相談!?
 リリステリアの恋愛相談室は、全ての迷える子羊に手を差し伸べます(男性は不可)。
「はい、大好物です。いえ、どうぞ続けてください」
「は、はぁ、では… あの、リリステリアさんは、宇宙ってどう思いますか…?」
 宇宙とは…いきなり哲学的な所に行きましたね。ここからどうキテル話に繋がるのでしょう…
「…広く、冷たく、暗い、しかし数え切れぬ程の星が瞬く場所、という感じでしょうか…」
「…そこへ行きたい、と思った事はありますか?」
「…無い、かもしれません。楽しそうというよりは、寂しい場所、という印象が強いのだと思います…」
「…あたしは、行きたかった。ずっとあのソラに、浮かんでみたかったんです…」
 抽象的過ぎてふわっふわした話になっているのですが、教授これは一体…?
「そこから…自分しか居ない場所から、この星を見て、それと宇宙を見て…
 そうすれば、全ての見方が変わるような、変われるような…そう、思ってたんです」
「…」
 あ、あれ…これ、宇宙的な話じゃなくて…普通に宇宙の話…?
「それは自分からは遠い、本当に遠い所にある話で…でも、魔法少女になったあたしは。
 実際に行く事が出来た。凄い勢いで地面が遠ざかって、街になって、緑になって、青と白になって。
 昼なのに星空の中に浮かぶ、丸い青を見たんです。…でも、それだけだった。
 何か大きな存在を感じるとか、価値観がガラリと変わるとか、全く無くて。
 元の場所に帰れば、同じ景色が逆再生されて。あたしが見たのは、そんな事実だけだったんです。
 …あたしって、夢の無い人間だったんでしょうか。それとも、夢なんて物は、最初から無かったんでしょうか…」
 え、えぇ…?
 何故、私にこのような話を…?
 いいえ考えるのよリリー。どう答えれば、彼女を正しい道へ導けるのか…!
 何にせよ、私を見込んで相談して下さったのです。私に出来る限りの形で、お答えしなければ。
「…スターさんは、夢を叶えられたのですね」
「…えっ?」
「宇宙に行くという夢。貴方は、それを確かに叶えた。
 …実際、夢を持っている方は、どれほど居るのでしょう。更にその中で、それを叶えられた方は」
「…」
「そこに何も無くても、成し遂げたという事実。それその物が、私には眩しく映ります。
 貴方は、意思の力を求めて、そこへ行ったのかもしれない。
 でも私には、その行動する力。それが既に、並々ならぬ大きな力であると、そう思えるのです」
「でも…」
「そうですね、重要なのはそんな客観的な見方ではなく、貴方自身が何かを得たと思える事。
 ですから私は、その答えが得られるまで、夢を追い続ければいいのではないかと、無責任な事を思うのです。
 貴方になら、それが出来ると」
「でもあたし、他に夢なんて無くて─」
「…地上の星。そんな言い回しを聞いた事はありませんか? 自分の中の何かが変わるような輝き。
 遥か遠くに光る星々以外にも、そんな星はあると思います。身近に…触れられるような近さに」
「それって…」
「魔法少女となった事、今行われている事…これも普通なら、単なる夢と笑われて終わる事ではないでしょうか?
 しかし事実として、私達はその渦中に居るのです。その中で、追い求める事…
 同じ夢に居る少女達と、手を繋ぐ事。それによって、人は変わる事が出来るのではないか…私は、そう信じています」
「リリステリアさん…!」
「勿論、この私も…微力ながらお手伝いさせて頂きます」
「あの…あ、ありがとうございます!」
 また今日も一人、少女を正しい光へと導いてしまいましたか…
 いつの日かスターさんという宇宙船が月面へ軟着陸し、その白い神秘へ足跡を残す…
 その感触が、そこへ軌跡を残す到達感がやがて焦燥に変わり、もっと深く、
誰にも渡さないと見せ付けるよう旗を立て、飼い慣らし、それでも満たされぬ渇きに本当の気持ちを知り、
他に何も無い空間でただ二人、衛星軌道上で互いに引かれ合い回り続けるのです…やったぜアームストロング。
「実は…リリステリアさんってその、なんていうか…変なウワサがあって…」
「変なウワサ…?」
「お客様、困ります!」
 む、何やら騒々しい。あれは…!
「すまないね、店員さん」
 あ、あそこでお店の人に怒られているのは…!
「ここは私に免じて…満足して貰えないかな?」
 満足マンさん!



〜どこかのテーブル
「タラララララ〜ン」(BGM:オリーブの首飾り)
「ドリクラ!?なっ、何をしてっ…」
「世紀のぉ〜…だ〜い、だっしゅちゅ、だっ…だっしゅしゅショ〜!ヒック
 なんとぉ、服の中からぁ…!体だけが脱出!しちゃいまぁ〜っす! でへへヒック…ふぃ、いっくよぉー! ダラララララ…」
「あら、中々面白い見世物じゃない」
「いいぞー!脱げ脱げー!」
「これがJapanese geisha...?」
「君達!女の子に対して…その…そんな目で見たら…(チラッチラッ」
「みっ、見るな! お前達見るんじゃない!!」
「おお…私も負けていられませんね(ムキッ」
「やめろおぉぉ!!」




 八代子さんの姿が見えませんね…グリンさんをどこかに連れ去ってからそのまま…
 二人でしっぽりかぁ?このスケベ野郎が!
「バ、バーニィさん、ダメです…あわわ…そ、そんな事まで…」
 居ました。こんな場でも正義感を発揮して、色々と奔走しているようです。ええ子やなぁ…
 足を引っ張っているダメな魔法少女は誰でしょう…
「ごめんにゃさい…いえ、ふざけてません…はい、申し訳ありません…はい、はい…」
「ねぇぷっしーさぁん…そんな人もういいでしょお…」
 お店の人に平謝りしているのは…ぷっしーきゃっつさんですね。あんなピンクの対魔忍みたいな方は一人しか居ません。
 その腰の辺りに抱きついて自分の腰をカクつかせている変態バニーは…えっ、バーニィさん…?
 あの方はもっと常識的というか…どちらかといえば大人しい方という印象だったのですが…
 お酒が入ると人格が変わる方なのでしょうか…
「すみません、はい、気を付けます…はい、はい…」
「ぷっしーさぁん…ね、ほらぁ…魔法使わなくても、もうこんなになっちゃってるんですよぉ…」
「バーニィ君、いい加減にしたまえ。大人というのは何事も、分別を持って楽しむものだ」
「ぷっしーさぁん…?」
 やはりぷっしーさんは紳士的ですね。一部では何故かレイプ魔だとか、歩く愛液だとかとんでもない不名誉な言われようですが。
 いつの時代も真に正しいものというのは、先を行き過ぎて不当な評価を受けるものです。
「たまには私の事も、マン足させてくれないか?」
 どさくさにドン引きするようなシモネタを猫撫で声で放っているのは…!
「順風満帆と10回言ってみて欲しい。何、他意は無い」
 満足マンさん…!

「くすくす…」
「ひゃっ!? え、え!? なんですか…!?」
 見えた─ッ!
 今まで辺りを見回しては、ときたまくすくすと笑うだけだった不思議少女、フォギィさん…
 その神秘が突如牙を剥いたッ!近くに居た黒いベレー帽の少女に、突然のキス攻勢ーッ!!
「好き…」
「わっ! えっ!? だ、誰!?」
 その暴走は止まらないッ!中世貴族風少女の耳元へ突然の告白ッ!!
 最早何がしたいのか理解不能だがヴィジュアル的には大変なご褒美だーッ!!
「あ、鍵。これ、うちの鍵なんですよ。すいません、こんな所に混ぜちゃって」
 そんな所へいつの間にか近くに来ていたウルフファングさんが、フォギィさんのスティックサラダを一本ひょいと摘み上げました。
「ちょっと、それ私の─」
「これが無いと帰れない所だったなぁ。だってこれが無いと鍵が開かないから、帰れないよね。
 だっておうちはよそのひとは入れない所だから、だから鍵が掛かってるんです。
 だからそこまで行けば、大丈夫なんです私は大丈夫」
 細くカットされた大根を顔の前に掲げ、それに向かってなにやら語りかけるウルフファングさん。
 その目からは完全に光が消え、目の前を見ているようで焦点も合わず全体的にグラグラしています。
「そ、そうなんだ…頑張ってね…?」
 あのフォギィさんを困惑させるなんて…
 ふふ、酔いすぎですよ。
「あの〜、リリステリアさ〜ん…?」
 なんですか、今は目の前の光景に集中したいんです。
「おーい、ちょっと〜…何をしてらっしゃるんですか〜…?」
 うるさいですね、このぷにぷには…少し静かにして頂けませんか。
「…貴方はお茶漬けを食べ、私は胸を揉む。公平な取引のはずです」
「や〜、若干意味わかんないかなー…」
 何をわけのわからない事を…私の言い分はこれ以上無いほど理路整然としています。
 他人の乳というのはそれだけでプレミア感があるのです。
「どれだけ手に入れても満たされない?そんな時は…」
 そう言って缶チューハイをカシュっとした、あの人は…!
「意外と小さな物が、隙間を満たしてくれるのさ」
 満足マンさん…!



〜どこかのテーブル
「さ、ハートちゃん。君の好きなアツアツのチーズマカロニグラタンだよ?」
「や〜ん♪ハートこわぁい♪美王ちゃん、ふーふーして?」
「ダ・メ♪」
「いや、ちょ…めっちゃ湯気立ってるしこれっ…オイ!離っ…や、やめて?」
「ほらハートちゃん、これよぉーく見て? 君のだぁーい好物だったはずだろう?」
「や…やめろ! ふざけんなクソ共!! テメェら後でおぼ…え…」
「ハートちゃん?」
「ハート、グラタンだ〜い好き☆」
「いい子だね、ハートちゃん…ほら、あーんして…」
「うん☆ あー…ん…ん゛ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッづブッフォッ!!」
「こらこら、ハートちゃん汚いぞ〜?」
「お、オッフ…おお表出ろやこのクソアマァ!!」
「ハートちゃん?」
「好き☆」




「ふふ…ちゅ〜〜」
「っとと…はは、お嬢ちゃん…そう自分を安売りするモンじゃないッスよ」
「や、八代子!貴方まで何をしているのです!」
「ええー…いじわる。じゃあ、代わりにクレちゃんがして下さい」
「は!?ちょっと、何を…!」
「ちゅ〜〜」
「やっ、ちょっ、ちょっと!正気に戻りなさい! こ、こんの…馬鹿力が…!」
 ついに正義の電池が切れた?のか、キス魔と化した八代子ちゃん。
 微笑ましいけど、百合とはちょっと違うンだよなァ…
「ちょっ!なんでハートだけ出禁なのよ! オイコラ!! お前らなんかしただろ!!」
 ハートさんもとても満足そうです。周りの方もピューピュー口笛を吹きながら目線を逸らせています。
 そこへフラフラと近寄る人影が…
「ハートさん、会計のコツは三角形が集合も。貴方は言います、座った、三月ぐらいだったかなぁ、酷く捩れていて疲れる。
 コロコロしている75には、宇宙は黒い液体で満たされていた。そうだ昨日、もう一度苦いけどキラキラも。
 そうか!私は色んな事がわかったようです!そうか!そうか!そうか!はい、こちらがポイントカードになります」
「何だコイツやべぇ…」
 ウルフファングさん。グルグルした目で空を見上げながら早口でまくし立て、ハートさんへ野菜の切れ端を突き出しています。
 ふふ、酔いすぎですよ。
「ここに居たのかウルフー! 二次会いこうぜ二次会! ■■やんがさー星の綺麗なオススメの店あるって!」
「■■ー■■ー!」
「あ、あ。
 あーあーあーあーああああぁぁぁやだああああ!!!やだ、やだ、やだやだやだやだやだ!!
 いい子にします!いい子にします!いい子にします!いい子にします!!やめて、やめてよおおおお!!!!」
 …。

 楽しい時間というのは、あっという間に過ぎるものですね。
 この夢のような宴会は、いつまで続くのやら。
 おや、ネモさんどうしました? …少し話したい事がある? ええ勿論、私でよければ。
 …いつもにこやかではあれど、いまいち何を思っているのか掴めない方でしたが…よもや恋のお悩みをお持ちとは。
 一体どんなキテル話をお聞き出来るのか…ふふ、実に楽しみです。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます