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ミリタリ関係

総統護衛大隊



 エルヴィン・ロンメルは1939年8月1日付で少将となり、25日に総統司令部指揮官(Kommandant Führerhauptquartier)となった。一方、親衛隊所属の総統護衛部隊はRSD(Reichssicherheitsdienst)として別にあった。

 陸軍との協定で、RSDのメンバーは国防軍士官として扱われ、必要があれば現地の国防軍に協力を命じる権限があった。主に警察関係者であり、ヒトラーが直接面接して任命した。ヒムラーもこの部隊の人事は勝手に行うことが出来なかった。またRSDは党要人警護も行ったが、ヒトラーへの個人的な忠誠を確かめられていたスタッフなので、要人たちにとっては監視役とも見えたであろう。

 概ね、室内護衛がRSD、屋外での護衛と司令部自体の防衛が国防軍と言う住み分けであった。総統司令部指揮官のもとに3個中隊相当(プラス空軍所属の対空砲中隊)の兵力があり、ロンメルの着任と同時に総統護衛大隊という名称をもらった。なにぶんにもロンメルはもう少将だからか、総統司令部指揮官と総統護衛大隊長を兼任する形式をとった。後任者のトマス中佐も同様の併任をしている。

 総統護衛大隊の編成については泡沫戦史研究所「マイナー部隊史」に細かい記述がある。

 総統専用列車の編成例は英語版Wikipedia(Führer Headquarters)にある。ゲーリング専用列車アジエン(アジア)の編成を見つけたのでリンクしておく。

 Bundesarchiv(ドイツ公文書館)のページに主な専用列車の名称一覧があったので掲げる。

Afrika(Braunschweig)OKW司令部列車(カイテル元帥)
Amerika&br;(のちBrandenburg&br;IとIIから成る)総統大本営(ヒトラー専用列車)
Asien(のちPommern)国家元帥専用列車(ゲーリング)、サロンカーはあるが司令部機能はない
Atlantik(のちAuerhahn)OKM総司令官専用列車(レーダー、後デーニッツ)
Atlas(のちFranken)OKW作戦部列車(ヨードル)
Enzian空軍通信司令部列車(マルティーニ大将)
Frühlingssturm1941年4月バルカン作戦時、Amerikaの持っていたもうひとつの暗号名
OstpreußenOKH専用列車
Robinson 1OKL司令部専用列車
Robinson 2OKL参謀本部専用列車
WürttembergOKH参謀本部専用列車


  • 'Hitler's Military Headquarters; Organization, Structures, Security and Personnel'
    • Aaron L. Johnson(1999)
    • R.James Bender Publishing ISBN 0-912138-80-7

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