まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

642名無し募集中。。。2018/01/20(土) 21:43:30.800

くだらないきっかけだった。
女子グループの喧嘩に巻き込まれた。ただそれだけ。
もうそのグループ同士はとっくに仲直りしているけど、ももっていう共通認識を持つことで落ち着いているらしい、というのはなんとなく把握していた。
何を思ったか、男子まで悪ノリしてくるのが腹が立つ。

やるならもっと大胆にやればいいのに、いちいちスケールが小さくてかっこ悪い。
テレビドラマならももが置き勉した教科書に油性ペンで落書きくらいはするのに、先生にチクられるのが怖いのかわかんないけど、シャー芯を削った黒いカスやら消しゴムのカスが挟まってるだけとか。
お友達が言うには、ホムペでももの名前は出してないけどももだってわかるように悪口書いてるとか。
先生に言っても「お前の勘違いじゃないのか?」って返されそうなラインでしかやってこない。ビビってやんの。

 
学校辞めたいとか消えたいとかそんなことはまったく考えていない。
むしろももは何も悪いことしていないわけで、辞めるべきなのはどっちかというと向こうだって思ってる。
それに、これがずっと続くわけじゃない。来年にはもう高校も卒業して、あの人達と関わることもなくなる。

そう。そうなんだけど。毎日やられると気にしてないとはいえ、結構疲れる。ずっとニコニコ笑ってるのも楽じゃない。
相手にするのもばかばかしいと思うのに、懲りずにやってくると時々無性にイライラしてしまう。

 
学校という閉ざされた狭い世界から離れたいとき、桃子は図書館へ行く。静かで落ち着く雰囲気が好きなのと、本を読んでいる間は余計なことを考えなくて済むからだった。
今日図書館へ向かったのも他でもない。
昼休みでいろんな人が見てたのは知っていたが、あの場に雅がいて一部始終を見られたのは想定外だった。

でもそれで図書館まで追いかけてきちゃうんだもんなぁ。
優しくてまっすぐで、こうありたいって思わせてくれる。
交換ノートしようなんてどこまで優しいのって。
みやはずるい。まっすぐすぎて、時々眩しい。
でもその眩しさがももには心地良いんだ。

643名無し募集中。。。2018/01/20(土) 21:48:40.450

翌日靴箱からノートを回収した。雅のページはカラフルなペンで書き込まれていた。
あの場では交換ノートを引き受けたものの、雅が望むことをノートに書くことができるのか、桃子は自信がなかった。

自分の悩みは自分で解決してここまで生きてきた。親にも友達にも相談らしい相談はしたことがなかった。
したことがない、というより、する勇気がない。自分の内側を見せるのは苦手。
みやに嫌われたくない──そう思っているからこそ雅の中の自分のイメージを壊してしまいそうな気がして怖い。本音を話すことで雅が離れていくのが怖い。
もしかしたら壊れるほどのイメージは端から持っていないかもしれないけど。

プライド高いなって思う。わかってる。かっこつけてるだけなのもわかってる。
わかってるけど、繋ぎとめたいって思えるくらい大好きになったのは初めてで……優しさに甘えていいのかわからなかった。

 
『本当は誰のことも信じてないんでしょ』

このままだとそんな風に言われる気がした。バリアを張れば自分の臆病な心は守ることができても、みやとの距離は離れていってしまう。

ふぅ、と小さく息を吐いた。いつのまにこんなにみやのこと好きになってたんだろう。

桃子はクリアファイルから新聞記事を取り出した。もう何度見返したかわからない。
受験番号を見つけて大喜びする中学校の制服を着た女の子。一目惚れっていうのかな。
まさかこの子とこんなに仲良くなれるなんて思ってなかった。失いたくない、と改めて思った。
 
それなら……。大切にしたいと思うなら、気持ちに答えることだってその一つなんじゃないの。自分の気持ちだけ優先させて、みやの気遣いは後回し?

違う。でも今のままだとそう思われちゃう。
ちゃんと伝えなきゃいけない。

みやがももにできることをしてくれたように
ももがみやにできることをしなきゃ。

 
あれ?これってもしかして
……相思相愛ってやつ?
 
ーーー

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