まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

391名無し募集中。。。2018/11/30(金) 15:20:08.250

目覚ましを止めてカーテンを開くと、外はあんまりいい天気じゃなかった。
面倒くさい。今日は電車乗り継いで打ち合わせ行かなきゃならないのに。
ため息で勢いをつけて、私は起き上がった。
会社の自分の席についてすぐ、かかってきた内線電話は、松浦くんだ。
ちょっと話して受話器を置くと、くまいちゃんが声をかけてきた。
「今日なっさん出かけるの10時半だっけ」
「ごめん、予定変わった。松浦くんも同じとこに用事あるから車出してくれるって。10時に出る」
バタバタと書類をケースにまとめる。
向かいにいるスッペちゃんが余計なことを言ってきた。
「松浦さんと一緒だと嬉しそうですね」
私は顔を上げ、スッペちゃんを見た。
「一緒に行く?いいよ、このお客さんもいずれそっちに引き継ぐことになるわけだし。
今日一緒に行って挨拶しようか。そうしよっか」
「そんなこと急に言われても私も忙しいんですよ。今日いろいろやることあるんで」
そんな言うほど何もないだろ。予定ないの知ってるぞ。って今会話聞いてるみんなそう思ってるぞ。
あぁ、スッペちゃんの心臓が欲しい。
私はそう思いながら会社の外に出た。
あんまり乗り心地の良くない営業車の助手席に乗り込むと
私はファイルケースを後部座席に放った。
「昨日事件あったんだって?」運転しながら松浦くんが切り出した。
「あー、うーん」
「すごかったらしいじゃん。スッペがトイレに籠城したとか、俺その場にいなくて良かったわー」
「いや、まー、そー。空気やばかったね」
「んーな他人事みたいに言ってんけどさ、デスクに突っ伏してるお前の頭から
憤怒の陽炎が立ち上ってっから、みんな遠巻きにして様子見てたってよ」
松浦くんはケケケと笑った。
「いや、あのー、お恥ずかしいかぎりで」
「そしたらあの派遣の子が来たんだって?」
そこまで知れてんのかよ。
「平気でお前に近付いてって『資料くださーい』とか何とか言ったんだってな」
私は膝に置いた自分の手を見ながら、ふふっと笑った。「そう」
「やっぱやべーな、あの子な。空気とか読まないタイプか」
「あー、そーだね。読まない系だと思う絶対」
あの時、ブチ切れてぐっちゃぐちゃに泣いてて、もーさんに涙拭いてもらったなんて、言えない。
言えない。どうして言えないんだろ。
松浦くんには、ちょっとしたことでも、恥でも何でも話せると思ってたんだけどな。

392名無し募集中。。。2018/11/30(金) 15:22:37.590

ふと窓の外を見ると、大きなショッピングモールが見えて、すぐに通り過ぎた。
「松浦さん、帰り、急いでないならちょっと寄って欲しいとこあるんだけどいいですか?」
「夕方までには帰らなきゃいけないけど、ちょっとくらいならいいですよ」
はい。敬語になるのは後ろめたさがあるからですけど。
よっし。松浦くんにOKをもらい私は両手でグーをつくった。
そうだ。買おう。それは急に閃いたことだった。
あの後のこと、もーさんは下向いたままの私の涙を押さえると
「すみませんでした。じゃこれ持っていきますね」そう言って離れていった。
私の膝の上には、もーさんが手にしていたハンカチが残されていた。
白くて小さなガーゼハンカチにはメイクがついちゃって
持って帰ってから洗って乾かしてるけど
なんか、別にそんなのいいですよ。って言われるのはわかってるけど
わざわざ買ってこなくても。って引かれるのかもしれないけど
もーさんにハンカチを買おう。
そう思ったら、なんかウキウキしちゃったんだよね。
モールに入るとすぐ「俺カメラ屋行ってきてもいい?」と松浦くんは言った。
エスカレーターを上がっていく後ろ姿を見送る。
カメラ屋って何?上は家電量販店か。カメラ欲しいのか。また嫁に小遣い減らされるぞ。
そんな事を考えながら、私は雑貨屋のハンカチ売り場に辿り着いていた。
色とりどりのいろんなハンカチが並んでいる。
どうしよう。どんなのにしよう。せっかくだから可愛いの買ってあげようかな。
そういえばスマホのケースがピンクだった。服装なんかは色抑えてるみたいだけど
肌身離さずのスマホケースはやっぱ好みが出るもんだよね。
よしピンクの可愛いやつ。
私はそう思って棚を見渡した。
そして、会社に戻ってから私はちょっと考えることになった。
さて、どうやって渡そう。それが問題だ。
ラッピングしてもらったら、包みは少し大きくなってしまった。
持ち歩いて会った時にでも、というわけにはいかない。
基本6Fの営業部にいるって言ってたよね確か。
でもこれ届けるためだけにわざわざ行くのもね。ねえ、なんかね。その時いるかもわかんないし。
ついでの時っても営業部に行くことなんてないもんなあ。
いや営業部でなくてもA館に用事ある時に立ち寄れるかな。
でも今のところ、そんな用事はなさそう。
こっち来てくれるといいんだけど。いつ来るのかわかんないけど。
私は内線表を見てみることにした。
6F営業はフリーアドレスだった。内線番号だけが10個くらい並んでいて、私は混乱した。
こういうの、だいたい一番上のやつにかけるよね。
まあ誰が出ても、いるか、いないか聞いて、繋いでもらえばいいだけだし、どれでもいいか。
て・ん・の・か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り
私は受話器を手に、3番目にあった番号を押した。
コール1回半くらいで向こうの受話器が上げられる気配。
「はい。A館6F営業です」
すごい!天の神様!その声はもーさんじゃないですか。当たりだ当たり。
「……もしもしー?」
「もしもーし」
耳に当たってくるもーさんの声。
うん。可愛かった。
って、過去形ですけどね。私、何してんだろ。繋がったよ。繋がったのに
どうして受話器置いちゃったんだろうか。
置いてしまった受話器をじっと見る。
ま、まあ、混線したり、何も聞こえなかったりして、切れちゃうのよくあることだし
今日はいいか。と私は思った。また、後で考えよう。

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