まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

831夏焼雅生誕祭企画@無断転載は禁止2017/08/25(金) 21:37:24.840

〈1/2〉

「みや、おたおめー」

スマホでリマインダーを確認していたら、突然メッセージが飛び込んできた。
ももか。
あ、日付変わっちゃったのか。誕生日になっちゃった。

次いですぐに(遅いのかな?)と流れてきた。
(撮影押したから寝てていいよ)
手早く返す。
スタイリストとしては少し安定してきた。指名の仕事も多くなってきて嬉しい。けど
さすがにちょっと、疲れてるかも。

「雅、電車ある?」
「あー、うん大丈夫」
「返却分全部オッケー?」
「オッケー」
「じゃあうちらは上がりますか」
「はーい」

忘れ物がないか確認する。自分の裁縫道具、筆記具、鋏、パーマセルの束、エノキ、薄紙山ほど。
あれこれ詰め込まれた巨大なバッグはずっしりと重い。
スタジオを出て、仲間と別れると、地下鉄の駅へ急いだ。

明日も早いし急いで帰って寝たいな。時計を見る。
最近、ももとゆっくり話す時間もない。

そんなもんなのかもしれないけど。

「結婚ってどういうこと?」ハワイでそう聞いたとき
ももは「互いの人生に責任を持つってことかな」って、そう言った。

その意味が、毎日少しずつ染みてくる。
無責任に一緒に暮らしていたときとは、変わった。
お互い大人になって、今だけを見ていればいい時期は、終わったんだなって思う。
明日を、半年後を、将来を、一緒に。
そのためにもとにかくお仕事頑張んないと。お互い、不安定だもんね。

目まぐるしく明日の仕事を追いながら
今日の2人はまあいいやって先送り。
いいんだけど。信頼してるから。うん。
これからも、一緒に生きていこうね。

833夏焼雅生誕祭企画@無断転載は禁止2017/08/25(金) 21:42:13.030

〈2/2〉

地下鉄に乗り込むと、ドアの窓ガラスに映る自分の顔が目に入った。
誕生日かー。なんか、そっか、いっこ歳とっちゃったかぁ。
みぎひだり、首の角度を変えて見てみたり。
うん。悪くないよね。大丈夫。

玄関のドアを開けると、リビングの明りが廊下を照らしていた。

「なんだ起きてたんだ」
「おかえりー」
バッグを置きに、奥の部屋に向かいながら見る。
ももは眼鏡をかけてノートパソコンと資料を交互に見ていた。
「何してんの?急ぎの作業?」
「ん?……あっ、ゴメン。おめでと」
ももは顔を上げてこっちを見た。笑っちゃった。

最近特に思うんだけど。なんかうちら、男っぽいよね。
一緒に将来を見るようになって、あらためて知った。
お互い仕事のことでグダグダ甘えんの嫌なんだよね。
女同士なのに男同士みたい。

「なに」
「いや、ももも頑張ってんだなーって思って」
「そりゃそーだよ。みやも遅くまでお疲れさま」
ももは笑うと椅子から立ち上がった。

「何か飲む?」
キッチンへ向かいながら、ももは二の腕を軽く叩いてきた。
背負っていたバッグをその場に置いて、その手を掴む。
ももはびっくりした顔でこっちを見た。

ねえ、もも、どう思う?
……強くなるって、こういうことなのかな。

「あのさ、疲れててもしたいときとかあるじゃん?」
そう言って、両手でももの眼鏡をはずした。
ももは苦笑した。
「みや男みたい」
なんだ、もしかしておんなじようなこと、考えてたりするのかな。

「プレゼント欲しい」

そう言って、顔を近づけた。鼻先が当たると、ももは小さく唇を開いた。吐息の音。
ちょっと久し振りに、キスをした。
ももは少し照れて視線を泳がせる。

そういうとこは、弱いままでいて。

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