まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

670 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/15(土) 12:17:20.83 0

毎年恒例のゴールデンウイークに行う一泊二日の合宿の始まり。。
全部員と指導に来てくださるOGの方々の前に立ち、スケジュールや注意事項を告げる舞美と佐紀を眺める。
2年生が全てを取り仕切る初めての部内行事。
技術面の向上だけでなく、その年度の部内の雰囲気を決定付ける、OGの皆さんからもダメ出しが来ると3年生からはさんざん脅されていた。
3月末から徐々に準備を始めていたとはいえ新入生見学期間もあったし、なにしろ時間が足りなかった。
通常通り練習を終えた後に集まり、合宿全体スケジュールの作成、お楽しみ企画とその準備、指導に来てくださるOGの先輩方へのご挨拶状作成、食事の食材調達、調理分担計画等々……数え上げればきりがない。
入部式の後からは朝練の前にも集まったし、昼休みは2年生全員で練習室に集まってお弁当を食べた。
学年内で揉めたりもしたが、決して怒らずに解決へ導く舞美は随分と学年代表らしくなったし、きちんと線引きをする佐紀も副代表に相応しくなった。
そんな日々を思い出した桃子は既に達成感で一杯になっていた。

671 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/15(土) 12:17:57.71 0

初日の練習を終え、夕食のカレーも食べ、お楽しみの時間。
OGの方々から差し入れで頂いたスイカを切って、みんなで校庭で花火。
石川先生の許可とるの大変だったなぁ、と思い出す。
すごく細かいチェック。嫌がらせですか?とうっかり聞いてしまいそうなほどしつこかった。
石川先生も花火にはアイスでしょといたずらっ子のような笑顔で差し入れを下さった。今もOGの皆さんと楽しそうに花火をしている。
学年毎、パート毎で固まってしまわないように桃子はあちこちへふらふらしつつ交流を重ねていた。
「あー、つぐ先輩だー」
「千奈美ちゃん、その呼び方やめてよ可愛くない!ももはもも先輩かももち先輩って呼ばれたいの!もう千奈美って呼び捨てにしちゃうよ!」
「相変わらず自分可愛いを突き通してるねぇ、さゆみの方が可愛いのに」
「みっしげさん!ももは可愛いんですぅ!」
「ないわー。ほんとないわー」
「ちょっと!みーやんひどい!」
「みーやんてなに」
ニヒヒって笑顔でからかってくる後輩。弄ってくる部長。醒めた顔してても目は笑ってる後輩。
あぁ、楽しいなぁ。
楽しい時間はあっという間に終わってしまう。
最後は皆で線香花火をして、終わってしまうのがもったいなくて。
残って片付けをしていた桃子はなんだか泣いてしまいたくなった。

672 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/15(土) 12:18:35.66 0

合宿棟に戻り、1、3年生が大部屋に布団を敷いている間に2年生だけで集まって、軽く初日の反省会と翌日の確認。
大部屋に戻ってふざけていたら始まった1、2年生の枕投げ。
いつの間にか狙われて集中砲火を受ける桃子。
佐紀ちゃんいつの間にかちゃっかりと隅っこに避難してるし、ずるい。
舞美の投げる枕は本気で痛いし、ちょっとは手加減してほしい。
千奈美とみーやんは本気ではしゃいでるし、まあさも楽しそう。
なかさきちゃんはなんかおろおろしてる。
3年生達は子供だねー若いねーなんて言って遠巻きに眺めてますけど、れなさんとカメさんめっちゃ参加してますからね。
「明日きつくなるからいい加減にしなよー。じゃ後はまいみちゃんに任せたから」
みっしげさん!放置しないで下さい!
最終的に布団に桃子が押し潰されて、枕投げは終了した。
そろそろ電気消しまーす。そんな声と共に灯りが消える。
1人1枚敷いた布団意味あったのかなってくらいあちこちで固まって横になる部員達。
ひどいところだと1枚の布団に3人とか。
あちこちから聞こえる話し声。
朝食当番なので早く起きなければならない桃子は部屋の隅の方で布団に潜りこんでさっさと寝てしまった。
おやすみなさい

673 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/15(土) 12:19:12.27 0

翌朝、桃子が気合いで目覚めると何故か雅が同じ布団で眠っていた。
あどけない寝顔。鮮やかな茶色の髪。
何気に素っぴんを見たのは初めてかもしれない。
ずいぶん幼くなるんだ。
朝食の準備をしながら舞美と佐紀にそんな話をしてみたら、何故か二人とも苦笑いを浮かべた。
どうやら、佐紀の布団には千奈美が、舞美の布団には早貴がいたらしい。
焦ったよねぇ何て言いながら手際よくとは言えないものの朝食を用意する。
ほぼ全員が揃った食堂に雅の姿が見えない。
千奈美に聞いてみたら寝起きが悪く、怖すぎて起こすの無理とのこと。
ため息をついて雅を起こしに行くことにした。
不機嫌そうに寄せられた眉間。ちょっと尖った唇。
さっきは可愛かったのになぁ
「みーやん起きて」
声を掛けたらうなり声が聞こえた。
なんとなく頭を撫でてみた。
うにゃうにゃ言いながら顔がほころんでいく。
「かーわいー。ねぇ、みーやん起きて」
ちょっとずつ上がるまぶた。
桃子を見て、雅はふんにゃりとずいぶん幼い笑顔で笑った。
思わずまばたきを繰り返す桃子。
目が覚めたらしく、目を丸くして真っ赤な顔の雅。
「みーやん、おはよう。もうみんな食堂行ってるし、起きて」
こくり、と頷く雅。
なんだか可愛らしい、意外な一面見ちゃった。
っていうか、別に寝起き悪くないよねぇ。
千奈美どんな起こし方したんだろ

674 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/15(土) 12:19:56.76 0

「お疲れさまでした!」
おーわったー!
大きな問題も起きず、先輩方やOGの皆様からのツッコミもほぼなく、無事に合宿を終えることが出来た。
定期演奏会、コンクールと夏に向かって予定はあるが、まずは一段落がついた。
今日は2年生の皆でお疲れ様会、と称して打ち上げにカラオケへとやって来ていた。
パーティールームで皆で大騒ぎする。
次々とマイクは回され、大いに盛り上がる。
もう何回目の乾杯かも分からない程だ。
勿論、アルコールは一滴も入っていない。
「舞美、佐紀ちゃんお疲れ様」
「もももお疲れ!色々と手伝ってくれてありがと!」
「うん、ももには助けられたよ。ありがとう」
「ちょっとやめてよ、照れるじゃん」
桃子は1年生最初の頃は一人で過ごすことが多かった。
ぐいぐいやってくる舞美と、見守ってくれる佐紀のお陰で他の1年生とも徐々に仲良くなることが出来た。
恩返しという訳ではないが、少しでも二人の手助けをすることが出来たなら良かったなと思う。
あぁ、仲間っていいな、そう思えた。

つづく

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