まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

807名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/07(月) 01:07:23.770

−−−−

お風呂の中で体を洗いながら、布団の中で目をつむり眠気の到来を待ちながら。
朝の通勤の電車でつり革片手に揺られながら、リハーサルの合間に水分補給をしながら。
何度となく頭の中で繰り返した言葉を、もう一度頭の中で描いてから、なんでもない風を装って声をかけた。

「もも、今晩空いてない?」

――――

明日も早いから、遅くならないならと答えるももの表情は少しの緊張を含んでいた。
誘う目的がばれてしまっているのかと焦りで鼓動が速まるのを感じながら、
じゃあ仕事終わったら連絡してと返した。

理由なく誘うような距離感ではないことは自分が一番分かっている。
こんな日のために、もっと普段からご飯とかに行っておくんだった。なんて今更後悔しても遅い。
そもそも、告白なんてするつもりは毛頭なかった。
まず、誰かに想いを伝えるなんてことはしたことがない。
ももに告白すると決めるまで、私にとって告白とは“されるもの”であり、“するもの”ではなかったからだ。
おかげでインターネットで「告白 仕方」と検索する羽目になった。

808名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/07(月) 01:08:02.310

落ち着かなさを覚えながら見るでもなく携帯の画面に目をやると、振動と共に画面上部に
ももからメッセージが来たと通知が表示された。
瞬間、ドクンと音がするかのような錯覚を覚えるほど、うるさいくらいに心臓が鳴り始めた。

『おわった。みやの楽屋いくね』

スタンプで返事をしてから、バッグから鏡を取り出し、化粧が崩れていないか確認する。
さっき直したばかりだから崩れるはずはないけれど、念のために。もう一度リップだけ塗っておこう。

自分から誘っておきながら、来なかったらいいのにという矛盾した気持ちを覚えながら、
時計の針が刻む音を聴いた。
喉の渇きを覚え、お茶を流し込む。あ、リップ塗ったばっかりだということを忘れていた。
まあまた塗りなおせばいいかと思い、もう一口口に含んだところで、コンコンと乾いた音が部屋に響く。

そうっと扉を開き、少しだけ顔を覗かせてこちらを見る瞳を見つめた瞬間、やっぱり来てくれて良かったと思った。

809名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/07(月) 01:08:48.690

――――

食事の味は正直覚えていない。ももとどんな会話をしたかも曖昧だった。
お店を出たら、少し肌寒さを感じた。春といえど、夜は冷える。ももは寒くないのかなと袖から伸びる白い腕を見ながら思う。

「……もも」
「ん?」
「あー……ちょっとだけ、歩きたいんだけど、いい?」

ももは一瞬考えるようなそぶりを見せてから、もちろんと微笑んで答えた。

お店から出て、大通りを通る道ではなく、少し遠回りにはなるが人気の少ない道を歩く。
二人の足音だけが響くのを聴きながら、数え切れないほど頭の中でリハーサルをした台詞を思い浮かべる。
息が止まってしまいそうなほどの息苦しさを解消するために、一つ息を吸い込んだ。

「あのね」
「んー?」
「こないだ、もものことが好きだからって言ったらどうするって言ったじゃん?」
「……ああ、言ってたね」

私たちの間に流れる空気が明らかに変わったのを感じながら、続きを口にする。

810名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/07(月) 01:09:25.400

「あの時は冗談みたいにしちゃったけど、冗談じゃなくて、ほんとうに……もものことが好き……です」

言えた。何故か語尾が敬語になってしまったところ以外は概ね練習通りだった。
言ってしまったら次は、ももからの返事を聞く番だ。
いざその瞬間を迎えると、ももの口から飛び出す言葉を聞くのが怖くて、耳を塞いでしまいたくなる。
ダメ元だとは言え、やっぱり断られるのは辛い。

「えっと……その……まず、告白してくれて、ありがとう。……ただ、みやのことそういう目で見たことなくて」

ももがそう話した瞬間、身体中の昂りがすうっと音を立てて引いていくのを感じる。
私が明らかに落ち込み始めたのを感じ取ったのか、ももは慌てたように続きを口にした。

「待って、最後まで聞いて。でね、前に私、『ちゃんと考える』って言ったでしょ?その時言ったことは嘘じゃないから。ちゃんと、考えてから答えたい。……それでも、いい?」

想像もしていなかった返事に、思わずももの方を見る。もももこちらを見ていたようで、パチンと目が合い、息を呑んだ。
その目に戸惑いはなく、まっすぐにこちらを見つめている。

「……考えてくれるだけで、すっごく嬉しい。ありがとう」

その眼差しを見た瞬間、ももが、真剣に考えてくれた結果なら、真剣に受け止めようと決意した。

その後は、他愛もない話をしながら駅までの道を歩いた。告白を引きずらずに会話できるのが、心地よかった。

途中までは同じ路線のため、一緒の電車に乗る。乗り換えの駅に到着したため、先に降りた。
電車に残るももに、その姿が見えなくなるまで手を振った。

好きになった人が、ももで良かった。そう思いながら、一人の帰り道を歩いた。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます