478名無し募集中。。。2018/01/05(金) 00:30:54.150
「みやー!おたおめ!」
一人残ったレッスン室で帰り支度をしていた雅は、突然の桃子の声に飛び上がるほど驚いた。
「えっ、ももとっくに帰ったんじゃ」
言いながら振り返った雅はさらにぎょっとした。
「隠れて待ってたんだよ。おたおめー。ももちだよー」
「なにその、頭のでかいリボン」
「だってさぁ、みや、プレゼント何が欲しいか訊いたらぁ、ももって言ったじゃん」
「言ってない!」
待って。いや、そうだ。「プレゼント何がいい?」ときかれてなんでもいいと言ったら
「ももでいい?」とかふざけたことを言われたんだった。
なんて返事したんだっけ。考え事してる時だったしうるさいから適当に流したとは思うんだけど。
「『ももでいい?』って訊いたらみやってば顔赤くしながら『そうだねっ♡』とか言うからさぁ」
……思い出した。いつもならバッサリ切ってあげるとこだったけど
考え事に集中しててテンション上がんなかったし『あー、そうだね』とか何とか流したかもしんない。
それにしたって、ももの方もどうかと思うんだけど。
驚かそうと思ってなのか知らないけどわざわざこんな時間まで残って頭にリボンなんかつけちゃって
半分呆れながら見ると、桃子は作り笑顔のまま、一瞬居心地悪そうに視線を逸らした。
完全に無理筋だってわかってんじゃん!
「あー言ったわ確かに。言ったかもしれない」
「えっ」
「ありがとー。じゃ遠慮なくもらうねー」
雅が歩み寄り、ずいーと距離を詰めると、桃子は後ずさりしドアに背をつけた。
あのさ。
そんな風に引くんだったら最初っから来んなっつーのほんと
壁ドン状態になったところで、雅もよくわからなくなった。
「で?私をあげるってどういう意味だっけ」
「あー、えっと、そこ深く掘り下げるのやめない?」
「じゃあ、ももをもらってどうすればいいの」
「いや……わかんないけどみや喜ぶかなー……なぁんて」
両肩を掴むと桃子は目を見開いた。
そのままぐいっと力を込めると、終いに桃子はぺたんと床にお尻をついた。雅は顔を寄せる。
「意味わかんないんだけど。……なんでこんなこと」
そのまま、何故か言葉に詰まってしまった。
桃子は顔をくしゃっと歪め、困ったように小さく笑った。
「どうして、ももが欲しいなんて、言ったの」
なにこの空気。
雅の目が泳いだ。
桃子の目が泳いだ。
おわり
「みやー!おたおめ!」
一人残ったレッスン室で帰り支度をしていた雅は、突然の桃子の声に飛び上がるほど驚いた。
「えっ、ももとっくに帰ったんじゃ」
言いながら振り返った雅はさらにぎょっとした。
「隠れて待ってたんだよ。おたおめー。ももちだよー」
「なにその、頭のでかいリボン」
「だってさぁ、みや、プレゼント何が欲しいか訊いたらぁ、ももって言ったじゃん」
「言ってない!」
待って。いや、そうだ。「プレゼント何がいい?」ときかれてなんでもいいと言ったら
「ももでいい?」とかふざけたことを言われたんだった。
なんて返事したんだっけ。考え事してる時だったしうるさいから適当に流したとは思うんだけど。
「『ももでいい?』って訊いたらみやってば顔赤くしながら『そうだねっ♡』とか言うからさぁ」
……思い出した。いつもならバッサリ切ってあげるとこだったけど
考え事に集中しててテンション上がんなかったし『あー、そうだね』とか何とか流したかもしんない。
それにしたって、ももの方もどうかと思うんだけど。
驚かそうと思ってなのか知らないけどわざわざこんな時間まで残って頭にリボンなんかつけちゃって
半分呆れながら見ると、桃子は作り笑顔のまま、一瞬居心地悪そうに視線を逸らした。
完全に無理筋だってわかってんじゃん!
「あー言ったわ確かに。言ったかもしれない」
「えっ」
「ありがとー。じゃ遠慮なくもらうねー」
雅が歩み寄り、ずいーと距離を詰めると、桃子は後ずさりしドアに背をつけた。
あのさ。
そんな風に引くんだったら最初っから来んなっつーのほんと
壁ドン状態になったところで、雅もよくわからなくなった。
「で?私をあげるってどういう意味だっけ」
「あー、えっと、そこ深く掘り下げるのやめない?」
「じゃあ、ももをもらってどうすればいいの」
「いや……わかんないけどみや喜ぶかなー……なぁんて」
両肩を掴むと桃子は目を見開いた。
そのままぐいっと力を込めると、終いに桃子はぺたんと床にお尻をついた。雅は顔を寄せる。
「意味わかんないんだけど。……なんでこんなこと」
そのまま、何故か言葉に詰まってしまった。
桃子は顔をくしゃっと歪め、困ったように小さく笑った。
「どうして、ももが欲しいなんて、言ったの」
なにこの空気。
雅の目が泳いだ。
桃子の目が泳いだ。
おわり
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