まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

485名無し募集中。。。2017/12/16(土) 12:14:12.560

* * *

ぐっすり眠っていたはずなのに、何かを忘れているような気がして桃子はふと意識を覚醒させた。
ぱちっと目を開いて部屋の天井をじっと見つめると、ぼんやりした頭で考え込んだ。
なにか大事なことを忘れているような───そんな胸騒ぎがして、はっとその原因に思い当たる。

──そうだ、化粧水と乳液つけるの、忘れた…。

桃子はがばっとベッドから体を起こす。
隣ですやすやと眠っている雅を起こさないように、そっとベッドを抜け出すと、音を立てないようにドアを開けた。

いつもならとっくに深い眠りについている時間。

桃子は足音を忍ばすようにドレッサーの前に座ると、いつものように化粧水を肌につけた。毎日やっていることなのに、稀に忘れてしまう日があるが、その時はこうやって夜に目が覚めるのだから、習慣というのは大したものだと、桃子はひとりごちる。

そうしてまた足音を忍ばせながらベッドに戻ろうとすると、女の声が隣の部屋から漏れ聞こえてきた。

「舞美…もっと…。もう一回、して。お願い」
強請るような甘い声は、聞き覚えがある。
それは千奈美の声だった。

当然のことながら、他人に聞かせるつもりなどない二人だけの秘密の会話を、桃子の耳が偶然にも拾ってしまった。
こんな時間に物音を立てずに起きている自分のせいだ──桃子は慌てたように、でも千奈美や舞美に気取られないように、身を潜め、殊更音を立てないようにベッドに舞い戻った。
初めて聞いてしまった他所様の情事の声に、心臓がバクバクと早鐘を打っている。その音を静めるように両手で耳を押さえて深く息を吸った。

──すごい。千奈美って結構大胆…。

桃子は先ほど漏れ聞いた、千奈美の強請るような甘い声に衝撃を受けていた。

486名無し募集中。。。2017/12/16(土) 12:16:04.010

* * *
 
アップフロントの社員用マンションに舞美と千奈美がやってきたのはつい最近のこと。
互いに想いを寄せている期間は長かったが、正式に付き合い始めてからはまだ日が浅い。そんな二人を見ていると、雅と付き合いだした頃を思い出す。
 
──みやも…付き合い始めの頃は、ちょっと激しかった、かな。
 
狭い子供部屋で、家族に気を遣いながら体を重ねていた自分たちの最初の頃を思い出すと、何やら頬に熱が集まってきた。
 
それにしても、とようやく落ち着いた心臓を押さえるようにして、桃子は自分の布団に潜り込む。
先ほど耳が拾った千奈美の声は、どうやら彼女の方が舞美を誘っている様子を窺わせた。
 
──そういうこと、言ってもいいんだ…。
 
もう1年も雅と一緒に暮らしているのにも関わらず、桃子にとっては思いもよらぬことだった。
同棲が始まってからというもの、夜の営みの主導権は常に雅にあった。彼女が求めてくると桃子は黙って応えるだけだ。
告白も同棲の提案も全て雅からだったので、雅から求められることが当たり前だと思っていたし、自分からは恥ずかしいという気持ちがあった。今日はちょっとそんな気分だなと思うことはあっても、自分から雅を求めて強請るということはなかった。
 
──でも。
 
桃子は、ふと自問する。
 
──でも、ももからも…。みやにしてあげたい…。
 
隣ですやすやと安からな寝息を立てている雅の顔を、じっと見つめた。ルームライトのあたたかな光が、雅の表情をくっきりと見せてくれる。
 
雅の左の頬や目の横の黒子。昔数えた時のままなら、顔には15個黒子があるはずだ。寝乱れて少しはだけたパジャマの襟からも小さな黒子がいくつか見えた。
桃子は好奇心にかられるように、その体に近づいていく。雅を起こさないようにそうっとそうっと、右頬の黒子に指を近づける。
しるしのような黒子にちょんと触れて、雅が眠っていることを確かめると、今度はおずおずと自分の唇を寄せた。
ちゅっ…と小さな音を立てながら、顔にある可愛らしい黒子ひとつひとつに口付けていく。雅が身じろぎもせずに寝息を立てているのを確認すると、今度は首筋から覗く黒子にも唇を寄せていった。
 
──ももの方からキスをしたことって、なかったかも。
 
雅が起きている時には、こんなこと恥ずかしくってとても出来ない。いや、普段だったら寝ていたって恥ずかしくて無理。

でも。

でも、先ほど聞いた千奈美の甘えるように強請る声が耳の奥に残って、下腹部にいつまで冷めないじんわりとした熱が宿っていた。
自分の中から上がり始めた熱に抗えないように、桃子は静かに雅の肌に唇を重ねていく。パジャマのボタンを外すと、胸元にまたひとつ小さな黒子を見つけて、嬉しそうに唇を寄せた。

487名無し募集中。。。2017/12/16(土) 12:17:35.710

何回も雅と肌を重ねてきたというのに、雅の体のことなど何も知らない気がする。
雅のことを意識し始めた頃、レッスン後に更衣室で着替えている時なんかは、恥ずかしくて目を逸らしてしまった。女らしさのある華奢な体。
あれから数えきれないほどその体と肌を重ねてきたのに、桃子は暗闇の中、きつく目を閉じて雅の施す指や舌の動きに体を任せるだけだった。
 
──ももから、してもいいのかな…。
 
雅が自分に触れる時のように、桃子も雅の胸元に手のひらを滑らす。女性らしい柔らかさの中に、とくとくとリズムを刻む小さな鼓動を感じる。
 
──いつも、みやがしてくれるみたいに?
 
桃子は、恐る恐る、パジャマの胸元から指先を侵入させた。そうして雅の体を手のひらで撫でさすっていく。彼女が自分にしてくれるようにゆるゆると揉みしだき、同じように肌に唇を寄せると、ちろちろと舌を這わせた。
抗い難い衝動のままに、雅の体に指と舌を重ねていると、そろそろと下半身へと降りていった指先に違和感を感じて、桃子はハッと手を引っ込めた。
 
「…もう、おしまい?」
 
寝ているとばかり思っていた人が、いつの間にか目を開けて桃子の挙動をじっと見つめている。慌てて体を話すと「止めなくていいのに」と嬉しそうな声が囁かれた。
 
「ももからしてくれるなんて、珍しいよね」
「…ご、ごめんっ!起こしちゃっ…た、よね…」
痴態に興じていた自分を見咎められたことに、桃子は体を縮こまらせた。
「なんでもない…ごめん。もう寝て、」
「続きは?」
パッと雅から距離をとって背中を向けようとしたら、その肩をぎゅっと掴まれた。
「続き、してよ。…したかったんでしょ?」
ほら、好きなようにしていいんだよ、と妙に優しい声が響く。雅は桃子の手を取ると、自分の胸に手を当てた。
 
「触りたいのはここ?…それとも、」
 
桃子の手を誘うように自分の下腹部に向けて下ろしていく。桃子が恥ずかしそうに俯いてしまったので「してよ」と切なげな声で囁くと「……ほんとに?」と桃子は消え入りそうな声で呟いた。
「ほんとに、していいの?もものこと、変だと思ったりしない?」
「…なんで?すっごく嬉しいのに」
 
雅はぐいっと腕を引くと、桃子を自分の上に乗せた。

488名無し募集中。。。2017/12/16(土) 12:19:18.690

* * *

──好きなようにしていいんだよ。

雅にそう言われて、雅の上にごろりと体を乗せられて。桃子はちょっと困ったような表情を浮かべたが、体の方はまた新たに熱を灯し始めていた。
 
先ほどしていたように、雅の頬の黒子に唇を寄せると、今度は遠慮せずに、何度も何度も口付けを落とした。
覆い被さりながら彼女の唇に自分のものを重ねて、初めて自分から舌先を伸ばしていく。
おずおずと差し挿れた舌先は、すぐに雅のもので絡められ、くちゅりと音を立てて二人の咥内が忙しく蠢きあう。
 
桃子の手のひらが雅のパジャマを肩からずらしていくと、しなやかな体が姿を現した。
長く、深く、貪りあうような口付けを交わしながら、桃子は下腹部に宿った熱が高まっていくのを自覚する。まだ雅から体を触れられてもいないのに、見えない部分が恥ずかしいほど濡れてきているのがわかった。

「みやってこんなところに黒子があるんだね…」
「あー、ここ?」
雅は微笑むと、顎を引いて自分の胸元に視線を落とした。
「みやの見えないところにもまだあるかも」
 
「じゃあ……」
今夜はももが探してあげる、と桃子が雅の耳元で小さく囁くと、その宣言の通り、彼女の体中を探るように口付けを落としていった。

490名無し募集中。。。2017/12/16(土) 12:21:25.340

* * *
 
いつもならば、桃子に触れて、その甘い声を引き出すのが一番の楽しみだ。
 
でも、こうやって桃子にされるがままになっているのも悪くない──雅は気取られないように密かに笑うと、自らパジャマを脱ぎ捨て肌を重ね合わせていこうとする桃子の白い裸体を黙って見つめていた。
 
いつの間にそんな知識を仕入れてきたのか、雅の下腹部にまで唇を這わせていくと、小さな実を舌先でちろちろと舐め始めた。
「ん……そんなこと、どこで覚えてきたの?」
思わず問い質すと、桃子は「みやの真似をしてるだけだよ」とため息のように返す。
ああそっか、ももがしていることは、そのままみやがももにやっていることだ──雅はそう思い当たると、何やら自分の行為をやり返されているようで少し気恥ずかしい。
 
柔らかな舌と滑らかな指先が雅の体のあちこちを探って、ぞわぞわとした痺れが持ち上がってくる。ちろりと先端を舐め上げられていたかと思ったら、今度はぬらりとした熱いものに含まれた。
すっと視線を下に落とすと、ぴちゃぴちゃと音を立てて桃子が自分の大切なところに顔を埋めているのが目に入る。桃子の髪が腿に当たってこそばゆい。
 
たどたどしく与えられる愛撫だったが、扇情的な姿と相まって、雅の情欲を掻き立てるには十分過ぎた。
「…もも、」
思いの外切羽詰まった声が出た。雅は桃子の髪に手を伸ばすと、ゆるりと撫でる。
「もう、いいから」
「ん…、だめ、まだ、したいの」
「…これ以上はみやが持たないから」
「え…?」
雅は桃子の手を取り、「じゃあももの指でいかせて」と懇願する。
「どうやって?」
「そのまま…好きなようにしていいから」
 
桃子はちょっと困ったように顔を顰めたが、雅が促すとすっかり濡れそぼった秘部に桃子の指をずぶずぶとゆっくり侵入させた。
一番気持ちのいいところに当たるように腰を揺らしていると、その動きに合わせるように桃子も下から攻めてくる。
「…ふぅ、あ、ああっんッ」
抗い難い快感が襲ってきて、喉から出る声を抑えられない。
 
襞をかき分けるように桃子の指先がそっと伸びてきて、一番弱いところを擦り上げる。
その瞬間、突き上げられるナカと、触れられるソトからの刺激に、雅の視界が一瞬白く弾け飛んで──そうして次に気がついた時は、桃子に顔を覗き込まれていた。

493名無し募集中。。。2017/12/16(土) 12:25:34.500

* * *

「…みや、大丈夫?」
桃子の手が労わるように雅の頭を撫でさする。
「やだ、みや…」
一瞬意識が飛んでいたらしいことに気付いた雅が慌てて起き上がろうとすると、桃子は雅を強く抱きしめ、「もう少し付き合ってほしいの」と求めた。
「え、もう少し…って?」
「もも、まだ終わってないから…」

雅がその意味に気付くと、桃子は恥ずかしそうに顔を逸らせた。
「でも、みやが気持ちよさそうで良かった」
その言葉を聞いた次の瞬間、雅はころりと体を入れ替えた。
慣れ親しんだ体位になると、雅は桃子の両足を大きく開いた。

「──今度は、ももの番だよ」

そんな楽しげな声が上から降ってきた。
自分から仕掛けてしまったんだから仕方がない──桃子はどう返事をしたものか困惑しながら、とりあえずコクコクと頷くと、雅に身を任せることにした。
 
 

* * *
 
 
翌朝。
 
「もも、ちょっと…」
いつものように移動車に乗ろうとしていたところ、千奈美は桃子に手招きした。
「どうしたの?」
ちーちゃん、とにっこり笑って桃子が近寄ると、千奈美は辺りをきょろきょろと確認してから身を屈ませる。
桃子の耳元に口を寄せて声を潜めると、戸惑うように一拍置いた。
 
「あのね…」
「うん?」
言いにくそうに、千奈美はさらに声を落とす。
「あのね、もも。あの………、夜はもう少し、声を抑えた方がいいよ!」
それだけだから!と言い捨てると、千奈美はパッと桃子から体を離した。
 
 
「みんなおはよ!」
千奈美はくるりと背中を向けると、移動車に乗り込んでいった。
 
 
* おわり *

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