まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

621 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 16:38:09.02 0




最初はただ、変な人だなと思った。
正反対過ぎて分かり合えることなんてきっと無いと思っていた。

口を開けば自分の事ばっかりだし。でも深い話は絶対しないし。
誰の口より先に口が出るし。相手を言い負かすまで喋り倒すし。
頭が良いくせにすごくいい加減で。調子に乗るとしつこいし。
身体は小さいくせに声は人一倍でかいし。
ガキ大将みたいにとにかく何でも仕切りたがるし。
仕事中は自分が一番可愛いってぶりっ子したまま一歩も引かないし。
こっちは嫌だって言ってるのに、面白くする為なら悪ふざけでも何でもするし。
普段はすごく適当で。見えない部分で色々雑だし。
それなのに大人達の扱いが上手いのか、要領が良いのか、あんまり怒られなかったし。
いつも家では本を読んでるかぐーたらしてるって言ってるくせに。
ももは、ズルい。


なのに。
それなのに。
本当は、すごく強くて。
キャプテン同様皆のお姉ちゃんで。同世代の誰よりも大人びていて。
いつも全力で。イメージを守り通す為なら何でもするし。やりきるし。
肝心な時には、ちゃんと話を聞いてくれるし大人だし。
いつも皆の事をよく見てるし、困ってる子が居たらすぐに庇ってくれて。
一度見たら暫く忘れられない位には強烈なインパクトを誰にでも与えてくし。
普通にしてれば静かだし本当に可愛くて、さり気ない優しさがいつも格好良くて。
いつの間にか、そんな彼女に魅かれていた。
気付いたら心はもう、彼女に奪われていた。
奪われた分だけ彼女の心を奪う為に、一体どれだけの時間、慣れない努力と我慢をしてきたか。
皆が知らない姿を自分だけに教えて欲しい。
欲望に制限なんて掛けられない事を思い知らされた。
ももは、本当にズルい。

622 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 16:39:00.32 0




「ん……ぅ…」

カーテンの隙間から差し込む朝の光に起こされて、ぼんやりとする頭のまま薄く目を開けて目蓋を擦る。
擦らないの、って言われるだろうが知ったこっちゃない。いつも言ってくる相手はまだ夢の中だ。
昨晩泣いたわけでもないし腫れたりはしてないはず。


そして、お世辞にもお互いあまり良いとは言えない寝相のせいで、
頭を置く位置からずれてしまった枕を適正位置に戻しながら、
顔を左に向けて、自分の隣で眠っている顔をじっと覗き込んだ。
隣ですやすやと、幸せそうに穏やかな寝息を立てて寝ているのは、
既に自分の人生の半分以上の時間は一緒に居る相棒、そして恋人、夏焼雅だった。


アクセサリーもメイクも全て取って、お互いの全てを幾度と無く見せ合っているのに。
出会ったばかりの時とそう変わらないあどけなさで眠る顔を見ると、愛おしさが込み上げてくる。

桃子は雅の枕の上に広がった彼女の金色に染まった髪にそっと触れた。
肩を越した辺りまで綺麗に伸びて、相変わらず手入れの行き届いた雅の髪のサラサラとした感触を楽しんだ。
親指・人差し指・中指の三本の指で、安らかな寝息を立てる寝顔を愛おしげに見つめながら、髪を弄り続ける。


――脳裏をよぎるのは、昨晩の記憶。


お互いの内側へと入りこんで、そのまま溶け合っていくような感覚。
そっと指先で触れる際に感じる鼓動の高鳴り。
撫でるように、愛でるように、舐め取るように、奪い取るように。
今日はももが触れられたいようにみやにしてみて?みやもそうするからって甘く囁かれて。
同時に触れた指の動き。絡み合った視線と声。耳に感じる吐息。重なる呼吸と熱。
あまりにも非日常的な行為は、お互いの思考をあっという間に焼き尽くして。
理性すら入り込む余地のない本能に身を委ねた。

623 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 16:40:01.93 0

雅の端正な顔を見つめたまま、彼女の髪を弄り、昨晩の情事を思い出していた。
ひとつひとつを思い出す度に、頭がぼうっとして顔が熱くなるのを、桃子は感じていた。
だからだろうか。


「……楽しい?」


薄く目を開けて、雅が桃子の方を見つめていることに気づくのに何秒かを要した。
雅の長いまつ毛のせいで話しかけられる迄既に起きていた事に気が付かなかった。

「うわぁっ!い、いつから起きてたのっ!?」

「ふぁ……ももが私の髪弄ってきたあたりから?ま、こんなに撫でられてたら起きるよね。
 んーーー、はぁ。おはよ、もも」

「お、おはよう。みや」

驚いて雅の髪から手を引っ込めた桃子とは対照的に、
一つ欠伸をして、頭の上で両腕を伸ばしてから、ゆっくりと雅は桃子の顔を見て微笑み、
寝っ転がったまま桃子の寝癖が付いたままの黒髪を優しく撫で始めた。

「ひゃ……」

自分の髪を弄ばれる感覚に、桃子の声が漏れる。
先程まで桃子も雅にしていたのに。するのとされるのでは受け取る快感が違う。
柔らかく微笑む雅の視線に耐えきれなくなった桃子は、思わず顔を逸らした。
雅の細長い指先が、一度は背中まで伸ばした桃子の、再び短くなった黒髪を撫でる。

624 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 16:40:35.74 0

さわさわ。
撫でる。

さわさわ。
撫でる。

さわさわ。
撫でる。

飽きないのかな、と桃子がそっと雅の顔を伺うと、
ずっと見られてたのか一瞬目が合っただけで優しく微笑まれた。
それだけの事なのに、照れくさくて。自然とにやける頬を抑えられなくなる。

「ふふっ。やっとこっち向いた」

「いつまで触ってるの……もうっ……」

「もも」
雅の呼びかけと同時に、桃子の髪を弄る手も止まった。

「……?なに?」

桃子は真っ直ぐに見詰めてくる雅に、心臓の音が僅かに高鳴っていくのを感じていた。
雅は優しい微笑みを桃子へと向けたまま、そっと桃子の方へ顔を近づけてきた。
雅のその行為が何を意味するのかは、桃子は考えるまでもなく、理解していた。
だから、迫ってくる雅が自分を首のあたりから抱き寄せるのに身を委ね、ギュッと目を閉じた。
目を閉じる瞬間、まさに目の前に迫った雅の鮮やかな色の唇が、一瞬見えた。
目を閉じることで霞んでいく視界は、どこか幻のようで。
桃子の視覚以外の感覚は雅の事で一杯になる。


そっと、唇が重なった。

625 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 16:41:09.84 0

「ん……」

唇が潤む。
思考が潤む。
触れるだけで世界が、潤む。

現実と非現実の境界に落とされたような、不安定な感覚。
蕩けていく精神を抑え込み、互いに相手に身を委ねる。
触れている全てからお互いの暖かさと愛おしさがゆっくりと混じり合ってゆく。

「――――」

声にならない声が、耳に届く。

相手の心臓の音なのか、自分の心臓の音なのか。
それすら分からない。
それでも、お互いがお互いを求めあう事実だけが、ただそこに在った。

下唇を挟まれて甘噛みされる。舌先で唇を舐められて、薄く開いた上唇を何度も軽く吸われる。
ゆっくりと唇を食べられてるような、むず痒くて甘ったるい感覚。
もう少し、と思ってたら雅の顔がそっと離れていく。
きっと物足りないような、蕩けた顔を今してた、
そう思ったらまともに雅の顔が見られなくなって桃子は俯いてしまった。

「んっ……もも、まだ慣れない?……ね、こっち見て?」

「うっ。やだ」

「ふふっ、もっとして欲しいなって顔してた」

クスリと小さく笑われて、言い当てられたそれがなんだか恥ずかしいことのように思えて。
咄嗟に出ない言葉の代わりに、ぶんぶんと音が出そうなほどに顔を横に振った。
それを見て雅は余計に笑う。もっと恥ずかしくなって、顔が見れない。

630 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 18:07:17.28 0

「今更なーに照れてんの。……まあ、みやはそういうももが見れるのも嬉しいんだけど?
 でもさ。もも今、目ギューッてしてたよ?その癖、そろそろ直さないと皺出来るよ」

「……だって、明るい、し。みやが近いし。閉じてないとみやの、顔。ずっと見ちゃうし」

なんとか理由を付けようと慌てる桃子の頬にそっと手が当てられた。
そのしなやかな指に包まれる感触が心地良い。
自然と頬が緩み、それを見た雅がクスッと笑った。

「へぇー。じゃあ夜は見えてるの?みやの顔」

「え?いや、コンタクト外してるしそんなには。見えても……ぼんやりと、かな?」

「だよねー。ももってば暗くなると本当、誘ってんのかって位うっとりした顔してみやの事見てるもん」

「ふぉぁっ!?えっ?ちょ、嘘、待って。なんで」

「えっ、なに。もも、気付いて無かったの?マジか……アッハッハハ、なんか…ごめ、ごめんね、もも」

意外だわーとでも言いたげにコロコロと笑い出す。
ペチペチと肩を叩いて桃子が恥ずかしさを抗議しても、それが余計に可笑しいらしい。
何度か叩いた所でやめなって笑いながら右手を掴まれた。そのままキュッとされると何もできなくなる。
こうなると笑いのツボが浅い雅は中々笑いが止まらない。

「だ、だって!ももも暗くてあんまり見えないから!みやも見えてないって思ってたのに!」

仕方なく口で抗議しても、夜の桃子はただでさえいつもより視力が落ちてる為、
暗いし近くしか見えなくても少しでも覚えていたくて雅を見ていたのだという事実が変わる事は無い。

「あははっ、実はみやにはしっかり見えてたわー。ま、可愛いかったから良いんじゃない?」

「うー。可愛いってのは良いけど良くない!なんかももだけ凄い恥ずかしい……」

631 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 18:09:40.43 0

「じゃあさ。恥ずかしくなくなる練習、してみる?」
「練習?」

先程から掴まれたままの右手の指先に雅は軽くキスをする。
何度もチュッ、チュッと唇を離す度、音を立てて顔を覗き込んでくる。
急激に戻ってくる頬の熱さと鼓動の高鳴りに、雅への視線をもう逸らす事は出来なかった。

「お互い目を閉じないでキスするの。恥ずかしくなったら叩いても良いから、ずっとみやの事だけ見てて。
 ……それに、ももはもっと、大人のキスも、して欲しいんでしょ?」

「うぅ……してる間も閉じちゃダメ、なの?」

「そう。駄目。ももは、みやの事だけ見てるの。……えー?まさか、ももってそんな事も出来ないのー?
 それとも、そろそろ起きよっか?みやにとっても折角のお休みだし。今日はどこ行こっかなー?」

雅はむくりと起き上がってわざとらしく空いている右手で髪を整えだした。
それなのに左手で繋いでいる桃子の手にはギュッと力を込めてくる。
ももはそんなお休みでも良いの?って聞いてるみたいで。
からかい半分、本気半分。桃子がここで手を離したら本当に遊びに行ってしまうだろう。
一緒に居るなら離れて欲しくなくて、桃子は同じ位の力で雅の手を握り返す。

「……やだ。ももちゃん、雅ちゃんとここに居るもん」

一瞬目を丸くした雅は桃子が珍しく甘えモードに入ったと理解して、
繋いでいた手をそっと離して桃子の頬を両手で包み込む。
雅の笑い方はいつしか子ども扱いするような優しいものに変わっていた。

「そっかー。ももちゃんは、みやと一緒にお出掛けしないの?」
「やーだー。今日はお家にいたいのー」
「やなの?……じゃあ、ここでみやちゃんとチューの練習する?」
「みやちゃん、と?」
「そう。それならももちゃんとお家で一緒に居てあげる」
「……良いの?だって、みやちゃんはお外行きたいんじゃないの?」
「ももちゃんが行かないならみやちゃんも行かないよ」
「ほんと?」

どこから出してるのかお互いに子供みたいな声で甘ったるい掛け合いをして。
いつしか耐えきれなくなって笑いが止まらなくなった。

632 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 18:10:47.59 0

「ふはははっ。はぁー、いやー、おっかしい。
 みやちゃん……なんて本当良く言えたわー、ももちゃんえらい!」
「あのさー、みやだって平気なフリしてるけど、これでも結構恥ずかしいんだからね?」

「……本当に?あ、でも顔赤いか。ノーメイクだったのにみやちゃんいつの間にチーク入れたっけ?」
「えーっと、ももちゃんが恥ずかしがってる間に?
 ……って、さっきから人の事言ってるけどさ、ももだって耳まで真っ赤!」

いつもの様に茶化し合ってじゃれ合って。
暫く向き合って座ったまま二人でニヤニヤしていたが、ふと雅が真顔に戻る。

「もも」

いつものように優しく大人びた声で名前を呼ばれて。
ゆっくりとゆっくりと近づいてきて。ああ、キスされるんだなって冷静に思う。
雅から目を逸らさずに、開けたままでいなきゃ、とは思っても。
目の代わりなのか、キュッと唇に力が入ってしまう。
触れ合うまでの僅かな時間がもどかしくて、恥ずかしい。
急激にドキドキと高鳴る鼓動と、熱を帯びていく頬。
雅の吐息が柔らかく、桃子の顔にかかる。近い。近い。
覗き込まれる瞳に映っているのは、切なそうな自分の顔。
視界一杯に広がるのは、嬉しそうな、幸せそうな雅の顔。
こんな顔してるなんて、ズルい。――明るい場所で初めて見て、初めて知った。
あまりの近さに、愛おしさに、胸が一杯になって呼吸が止まりそうになる。

「みや……」

あと少し、なのに中々進んでくれないように感じてしまう。
たまらなくなって小さな声で雅の事を求めてしまった。ふわりと雅が微笑んでくれる。
気恥ずかしさともどかしいむず痒さに耐えられなくなって、最後は桃子からも少し距離を埋めた。

633 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 18:13:43.87 0




「もも……っ…」

私からも動くと思わなかったのか一瞬驚いたようなみやの顔が見えた。
そしてどちらからともなく触れ合った唇。

目の前には半分程薄く閉じられてこちらの反応を伺うみやの綺麗な瞳。
さっきみたいに唇をはみはみされて、たまに舌先でぺろりと舐められる。
されたようにやり返してみると嬉しそうに微笑むみやが見えた。
背中を駆けめぐるチリチリとした疼きが、だんだんと色濃くなって。
いきなり軽く唇を噛まれた。ビックリして口を開けると、その隙間から何かが入り込んできた。


「んむっ!? ……ふぅ、ん、ん、ぅ」


舌だ。みやの舌が、私の口の中に侵入してきて。
歯の一本一本をなぞったり、上顎をくすぐったりしてくる。
そして奥で縮こまった私の舌を見つけ出して、ぬるりと絡め合わせてくる。

「む……ん、ぁ……ふぅ、んん……ちゅ、ん……ぅ……」

舌同士が擦れ合う度に、全身がピリピリする。
むず痒くて、もどかしくて、思わずわーーー!って叫び出したくなるほどに。
体中から力が抜けて、座っているのさえ困難になりそうだ。

もうダメだと必死に目で訴えても、みやは余裕なのか微笑みを崩すことはしない。
それどころか今にも崩れ落ちそうな腰ごとグイッ、とみやの方に引き寄せられる。
パジャマ越しなのにみやも体温が上がっているのが伝わってくる。
苦しくなってみやの舌から逃れようとしても、すぐに追いつかれて。

そうやってバタバタと暴れ回るからか、溢れた唾液が顎から喉元へと伝っていく。
それを見かねたように、みやが混ざり合った唾液を吸い上げた。
こくこくと喉を鳴らして飲んでいる。甘く鼻を鳴らして。

何度かそうすると今度は私の番とでも言うように、
少しだけ目を細めてさっきとは逆に唾液を流し込んでくる。
口から溢れる前に。こくん、と。みやのように少しずつ飲んでみた。

634 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 18:15:20.16 0

「んくっ……んっ!? ……ぅ、ん……ふぅっ……」

どろりとした何かが、身体の中に落ちていって。
喉の内側からじわりと全身に広がっていく熱。火照って、じんじんして、くらくらする。
甘ったるい味だ。いや、味そのものは殆どしてないけど甘ったるい。
身体の奥からどろどろに蕩かされて、頭が溶ける。他の事を何も考えられなくなる。

気付けばもっと、もっととせがむように吸って、何度も何度も飲み干して。
粘つくそれが、喉にも記憶にもまとわりつくように。
自分からも求めるようにギリギリまで舌を伸ばす。
みやの口腔へとすんなり案内されて、受け入れられる。
それなのに今度はみやが逃げて。まるで捕まえてみな、とでも言っているようで。
追いかけて。どこまでも追いかけてゆく。
みやの中を、歯茎を、上顎を、舌の裏側を、頬っぺたの裏側まで這いずるように。
そしてやっとのことで捕まえて、再び絡めて。吸い上げて。
気付けば口周りが濡れてしまうぐらいには夢中になっていた。

「んむっ……ぷぁ……はっ、あ……はぁ……」
「はぁ…っは、ぁ……ふ、どう?もも?んっ……これでもまだ恥ずかしい?」

そう言いながら口周りに零れた唾液を舐め取るように、何度も何度も啄むようにキスをくれる。
されながら、また今みたいなのをして欲しいと思ってしまう。欲張りなのだろうか。

「あ……ぅん……や……今は、そうでも、ない。……かな?恥ずかしいは恥ずかしいけど」

「そう?……なんか、まぁ。……次からは別に、目瞑ってても良いから」

何かを言いたげにみやの視線が珍しく泳ぐ。
顔を覗き込む為に離れてた隙間を再び埋めるように強く抱きしめられた。

654 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 23:33:28.34 0

「……え?なに?どした急に!?今の練習って。意味なくない?みや……どうかしたの?もも、なんか変だった?」

「変って言うか……ヤバいっていうか。ももが、みやの顔見てしてた方がずっと蕩けてた顔してたから。
 マジで。その顔で、ずっと見られてたらこっちだって止まんなくなる。気持ち良すぎた」

抱きしめられたまま背中を撫でられて、耳元で囁かれて、ぞくりと背中が震える。
自分から逃げ出してしまわないようにと、みやの肩におでこをくっつけた事を少しだけ後悔した。

「なっ……だって、みやだって」

「ん?みや、どんな顔してた?」

「……凄い、幸せそうな、顔してた。あと、……え、…と」

最後まで言うかどうか迷って、結局止めた。
ももの口から言うのは流石に恥ずかしいと思ったのに、みやは見逃してくれない。

「あと?……なに?もも」

「ひゃあっ…ちょっ!……や…」

ぺろりと、軽く耳たぶを一舐めされる。変な声が出た。
ふぅ……っと柔らかく息を吹きかけられて、背中がぞくぞくする。
顔が熱くなって、身体の奥はもっと熱くなってしまう。

655 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 23:35:05.14 0

「なに?聞こえないよー?みやは?どんな顔してた?」

クスクスと押し殺したような笑い声が耳をくすぐる。耳の周りを舌でなぞってくる。
かぷって、甘噛みされた。軽く歯も立てられて、身体が勝手に小さく跳ねる。
勝手に変な声が出る。答えようにもわざと邪魔してるようにしか思えない。

「んぅ…っ……み、やっ……待って、分かった、いう、からぁ」

「ん。どうぞ?」

「もうっ……バカ。こんなにされたら、言えないでしょ。
 ……みやの顔……凄い好きだけど、…えっちな、顔してるんだもん」

もう途中から恥ずかしくて恥ずかしくて消え入りそうな程声が小さくなってしまった。
みやから熱ばっかり与えられて、きっと顔はもうお風呂上りみたいに真っ赤になっているはず。

「……そりゃ、……まあ。みやは自分がセクシーだって分かっててわざとやってるし。
 ももに触って、いつも聞けないももの声を聴いてたら、平気な顔は流石にみやだって出来ないって」

「なっ!?」

「それに、そういうみやの顔見たら、……ももだって我慢、できなくなるでしょ?」

言いながらみやの指がしなやかに動いて、優しく。フワフワなパジャマのボタンを一つ一つ外していく。
いつの間に、と思ったが落ち着いた優雅な動きに見惚れて、返事の代わりに息を飲む。
みやだって平気じゃないって言われても私だけドキドキしてるみたいで、ちょっとずるい。

656 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 23:35:58.81 0

「ほら。みやにも、やって?」

どっちかを先に裸に。なんてことは絶対許さないとばかりに、みやは座った状態で両手を広げて待っている。
ボタンをすべて外されて、腕から抜く前に、みやのゆったりしたドレープと長袖のパジャマの裾に手をかける。
手触りが良くてお気に入りって言ってたけど、大き目でボタンは無いタイプだから一気にやらなきゃいけない。

「ん、みや。ちょっとバンザイして」
「はーい」

素直に手を挙げてくれる。目を閉じて待ってる姿が子供みたいで何だか可愛い。
そのまま上に引っ張ると、引き締まってるのに柔らかさは決して失わない、みやの綺麗な上半身が目に入る。
すぽんっと頭と腕からパジャマを引き抜くと、サラサラと元に戻っていく金髪から仄かに甘い香りが漂った。

「もも、腕も脱ごっか」

今度は脇から手を入れられて、少しひんやりとした指先が肌に触れる。
その動きに気が遠くなりそうになりながら、ゆっくり服をずらされて。まるで果物の皮を剥くように。
ぱさり、と音を立てて服を全て落とすと、日に当たっていないせいで雪のように白い肌が剥き出しになった。

火照った身体に触れる外気がひんやりとして、少しは寒く感じるはずなのに、
みやの前で上半身裸でいることを意識すると、身体の内側は火が出るんじゃないかってくらい熱かった。

657 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 23:36:42.71 0

「…おいで?」

言われたまま、みやの腕の中に包まれる。自然とお互い背中に手が回って抱きしめ合う。
ちょこんと座ったままのももの足は、体育座りを少し崩したように向きを変えたみやの足に挟まれた。

「んー……ももの身体、気持ちいい」
「みやも。柔らかくてあったかい」

「もも。その……ももの、好きな方で良いからね」

「うん」

さっきの流れのせいで少しだけ気恥ずかしいのか、苦笑いしながらみやの顔が近づいてくる。
目を閉じるのは今度はみやの方が早かった。ほぼ同時だったのかもしれないけど。
安心した。いつの間にか、みやの顔が近づいたら自然と目を閉じれるようになっていた。
ぴったりと素肌を重ねてするキスは、ただ重ねているだけでもいつもよりずっと気持ち良くて。
ももの為に少しだけ背伸びしてくれたみやの事が、心の底から愛おしい気持ちで一杯になった。

「ん……よくできました」

そっと離れた途端、また優しいいつもの顔に戻ってる。
褒められたと言う事は、ギューっと目を瞑ってしまう癖は出てなかったと言う事だろう。
何でみやはこんなに優しいんだろうって気付いた時。私は多分もうみやの事しか見えてなかった。

658 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/16(日) 23:39:12.48 0

みやのその優しさに私は何度も甘えてしまっていたと思う。
待っててなんて、いつまでとも分からないのに残酷なお願いを素直に聞いてくれた事。
自分勝手にもみやならきっと待っててくれると信じていたこと。

「みや、その。……今迄、さ。我慢させてごめんね?」

「ん。いーの。みやがそうしたかったんだから。
 ももはやっぱりみやの事を選んでくれたから。我慢なんかしてない」

「……みやの嘘つき」

「いーじゃん。それ位。みやにもちょっとはカッコつけさせてよ」

流石に照れくさかったのか、顔を隠すようにまた抱きしめられた。
あまりに落ち着いて見えてたものだから、ドキドキしてるのは私だけかと思ってた。
段々私とみやの刻むリズムが寄り添っていって。同じ速度に近づいていく。
抱きついてようやく、みやが僅かに震えていることに気がついた。
おんなじだ。みやも、私も。一緒なんだ。
それでも平気な振りしてるみやがどうしようもなく可愛くて。

「ももね。……いま、ようやくみやと一緒に居れて、すっごく嬉しいよ?」

「…そう。なら、良かった。……お願いだからあんまり嬉しくなること言わないで。
 マジで。どうしたらいいか、わからなくなる」

ぎゅうっ、と抱き締める力が強くなる。みやから聞こえる鼓動は、私よりも速い。
ここからじゃ顔が見えないけれど、体温から相当真っ赤になっていることは想像がつく。
今迄のみやは、そういうのをあまり表に出さないから、すごく新鮮だった。

726 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/17(月) 23:30:41.79 0

「……みやは、可愛いねぇ」
「知ってる」

「ももの次に可愛い。綺麗なのはみやの方かもだけど」
「ったく……余計なことは良いから」

はぁ、と小さく熱い溜息を吐いて。くすぐったそうに私の横で身じろぎする。
拘束が緩んだので、身体を少し離して顔を見た。
切なそうで、ちょっと恥ずかしそうで。それでもいつも通り優しく。しっかりと私を見つめていた。
熱っぽい瞳が、今にも泣き出しそうなほどに潤んでいて。顔は凄く赤い。
少しだけ困ったような表情。自惚れかもしれないけれど、
なんだか嬉しさを持て余して、どうすればいいのかわからないといった顔だった。

「みやもさ、何でも言って?ももみたく。照れても良いから、嬉しいなら嬉しいって。好きなら好きだって。
 もも、欲張りさんだから。今迄の分、一杯言ってくれないと。ももだって、我慢するの止めたんだから。
 そうしてくれたら嬉しいし。そしたらみやの事、もっと、もっーと。毎日好きになっちゃうから」

「……バカ。もものバカ。本当、バカ。……こんなに…これ以上好きにさせて、どうしようっての」

みやの声がほんの少し震えていた。
言ってる途中で上を向いて笑いながら両手で目を覆ってしまった。

727 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/17(月) 23:33:52.26 0

「ん?……泣いてるの、みや?」

「ふーっ……、わかんない。なんか急に。きっと……嬉しくて、ももが好きだから、涙出た。
 ほんと、悲しい訳じゃなくて。なんか、色んな事あったなって、ブワッって急に。思い出しちゃって。
 あー!も、駄目……ほんとに。まずい、ちょっと、待って、一回ほんと、ごめん」

「ふふ、そっか、うん。……よしよし」

そっと右手を伸ばして髪の毛を梳くように頭を撫でて。
みやが落ち着くまで、左手はトントンとリズムを刻んで背中に触れる。
暫くは何度か鼻を啜る音が聞こえたけど、だんだん深呼吸に変わっていった。

「はぁ……うん、ありがと。もう大丈夫だから」

目の周りがちょっとだけ赤くなってたけど、目を合わせたらちゃんと微笑んでくれた。

「……ねぇ、みや。もっと、ももの事見てて。ももにみやの事、好きで居させてくれる?」

「勿論。……ももに言われなくても、みやはそうするし、そうしてる。
 それに。みやの方からももを手放すなんて、もう絶対にないから。自信持ってよ、いつもみたいにさ」

「っ…ぁー、あー!もうっ!どうしよう……もも好き……みやのこと、大好き過ぎ」

728 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/17(月) 23:35:09.60 0

素直な気持ちを伝え合ってると、ようやく落ち着いたのかいつものように笑い返してくれた。
おでこをぐりぐりと押し付け合って、熱くて照れくさい気持ちを笑いに変えて。

ふいにみやが目を閉じる。僅かに唇を突き出している。キスの催促だ。
今度は私の方の恥ずかしさがぶり返してくるのを感じながら、頬にそっと手を添える。
触れる瞬間、みやの口角がほんの少しだけ上がった気がした。


ももからされるの、好きなんだって言われてるみたいで嬉しくなった。


今度は目を開けたままで口付けを深めていく。
ふるふると、ももの動きに合わせてみやのまつ毛が震えていた。
途中で開いたみやの瞳が気持ちいいって言っている気がして。自然とみやの中に誘い込まれた。
待ち構えてたみやの舌をすぐに見つけて、ぎゅっと抱き締めるように絡ませる。
擦れ合う度に快感が走って、くぅと自然に鼻が鳴ってしまう。
もっとももの事を求めて欲しいと強請るように。もっとみやが欲しいと強請るように。

例えぎこちない動きでも、みやは上手く受け止めてくれる。
そして息苦しくなって離れた後には、数本の銀色が糸を引いて、すぅっとお互いへと消えていく。
お互いに熱く荒くなった息を吐く。そのタイミングが一緒で、顔を見合わせて笑いあった。

730 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/17(月) 23:41:48.22 0

「ふっ、は……。もも、ごめん。一つだけ許して」

「え?……いっ!……んんっ」

みやが首を伸ばす。どした?と思う間もなく、左の鎖骨に吸い付かれた。
ぴりっとして、声が漏れる。肩が揺れても動かなくて。ゆっくりゆっくり、優しく強く繋ぎ止められる。
そっと解放されて、熱くてじんじんしていく。みやの痕が小さく出来上がっていた。

「みやにも、して?…あ、でも。見えないとこにね」

「ん。分かった」

言われたとおりに、ちょっと迷って左胸の外側へ吸い付いた。ゆっくり優しくを心がけて。
離れた後にはギリギリ見えるか見えないかの小さな、赤い痕。出来た。私がつけたんだ。
何だろう。少し嬉しい。なんか心がぽわんってする。

「はぁ……ありがと。これでみやはもものだから。ももも、みやのだからね?」

「うん。なんか、嬉しい。ももこういうの、ずっと夢見てた」

「え?そうなの?肩固まっちゃってたから、恥ずかしいって言われるかと思った」

「ちょっとビックリしたの!……ももだって、妄想ばっかりしてたからさ」

「……そだね。乙女チックなんちゃらだっけか」

妄想と言う単語で何か思い当たる節があったのか、急に目を逸らされた。

「乙女チックシュミレーション、ね。みや、よく覚えてたね。そんなに気に入ってたっけ?」

874 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/19(水) 22:55:55.50 0

「それはない。嫌いじゃないけど。あんな、恥ずかしいセリフ。普通言わないから。
 まあ、でもあれって。……途中からみやに言わせたくて一生懸命考えてたんでしょ?」

「うっ……」

頭を撫でて、髪をそのほっそりとした指で丁寧に梳いてくれる。
言い当てられてかぁっと赤く染まった私の顔を見ながら、悪戯っぽく、だけど優しく微笑んで。

「ふふっ。えぇー?何?…して欲しいの?……しょーがないなぁ。……じゃあ、ももだけ。特別だよ?」

遠い昔に聞いたようなセリフを付け足して、ちゅ、と頬に口付けられて。
クスクスと笑いながら鎖骨に再び口付けられて。そのまま下へ下へと進んでいく。
何かが這いずった跡のように、てらてらと光っていく。

手でゆっくりと円を描くように撫でられては、時折ぐっと持ち上げられる。
はぁ、と熱くなった息を何度も吹きかけられて、既に過敏さを増している肌は僅かな刺激でも感じてしまう。
先端にはまだ触れてくれないのに、快感が徐々に強くなってきて声が漏れる。

「……んんぅ……ぁ、う、んっ……みやぁ」

「ふふ。もも、……かわいい」

みやの笑った吐息が胸の先端をくすぐっては離れていって、むずむずする。
下を向けばハッキリと見える顔は、余裕がなくなって来た私の反応を楽しんでいるみたいで。
その顔を見たからか、余計に恥ずかしくて。そんな顔をさせている事が嬉しくて。
早く触って、とでも言いたげに先端はもう既にツンと上を向いてしまっている。

875 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/19(水) 22:56:56.79 0

我慢が出来なくなって、ギュッとみやの肩を抱きしめた。
焦れったく思うほど、早く欲しくて。でもゆっくりとして欲しくて。それなのにどんどん速くなる鼓動。
突然ぴちゃり、と水音がして。小さく舐め上げられた。
それだけの事なのに、待ち望んでいたそれはとんでもなかった。

「んくっ」

ビクッと身体が跳ねて、背筋から全身目掛けて電流のようなものがぞくぞくって流れた。
さっきまでもぞくぞくってしてたけれど、今度のは根本的に違う。
神経を直接触られているかのようで。
舌先でグッと押し込まれて、身体が反応する。
更に固く、赤くなった所を、そっと唇で挟んで。ちろちろと舐めたり、吸い上げたり。
もう一方の胸は、指が先端を軽く摘むように転がして、周囲を掌でクルクルと撫でられる。

「うぁあっ、やっ……んっぅ、あ、や、やだっ……うぁ、ふっ、んんぅ……」

急に色んな刺激が押し寄せてきて。頭の中を、直接手で掻き混ぜられてるみたいだ。
ぞくぞくした何かが、感情をハッキリと濃くさせて。そこで、何だか気持ちいいんだってことに気付く。
そうだ。これは、気持ちいいんだ。このぞくぞくとする変なのが、すごく気持ちいい。
でも、怖い。自分がみやにしてる時も、気持ちいいよって言われるし自分も幸せで気持ちいいけれど。
みやにされると気持ちが良過ぎて、自分がわからなくなる。もう、わけがわからない。

878 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/19(水) 22:57:48.85 0

ずっとしていて欲しいような、もう止めて欲しいような。
みやからの熱に身体がどんどん反応して、言葉にならず熱っぽい溜息が増えていく。
お腹の奥の方がきゅんってなって、フワッてなって、じわじわと疼いてくる。
腰に片手を回されて、お尻をゆっくりと撫でられる。新しい刺激に耐えきれず腰が浮いてしまう。


「……えっと。ズボン、脱がしていい?」

「ぁ……はぁ…う、うん」

「そう、そのまま。あっ、引っ掛かった。寝っ転がって良いから」

そうだった。みやは大き目の一枚しか着てなかったから、既に下着一枚だったけど。
ももだけはまだ素足じゃなかったっけ。
さっきからくらくらする刺激に流されっぱなしで覚束なくなった身体で、大人しくみやに脱がせられる。
どうせなら思い切って全部脱がせてくれても良いのに、恥ずかしがると思ってるのかそうはしない。

879 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/19(水) 22:58:54.01 0

「ん、おっけ。……ももぉー」

みやも横に寝転がって、ちょっとだけ甘えるように抱き着いてきた。
そっか。みやだってももからして欲しいんだよね。
熱に浮かされたまま顔を寄せてそっと唇を重ね合わせて、互いの甘い吐息を交換し合う。
じっとりと熱を含んだ呼気が閉じこめられて、湿り気を増しながら更に熱くなる。

「んぅ……」

耐えきれず、甘えるように擦り合わせたのは私の方。押し付けるようにして、吸い付く。
みやの柔らかさをもっと感じたくて、内側まで触れ合わすように溺れていく。
だけどさっきとは違ってゆっくりとした優しいキス。
フワフワして、少しくすぐったいような、心地いい気持ち良さで一杯になる。

ああ。悔しいけど、敵わないな。と思う。みやにはきっと、全部お見通しなんだ。
怖いのも、暴走しそうなのも、何もかも全部見抜かれてて。
それでも、甘えていいって、甘えたいって、言ってくれる。
全てを許して、その身を私に差し出して受け止めてくれる。

「はっ……はぁ、…ねぇ……なんで、みやは。そんなに私を許すの……?いつも優しすぎるよ」

「もう、……馬鹿みたいなコトを言わないで。許すも何もない。みやがそうしたいだけ。
 それに。…当たり前でしょ、ももがそうであるように。…みやだってももを誰よりも信じてるから」

880 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/19(水) 22:59:23.29 0

その言葉が嬉しくて。胸の中がぽかぽかする。
みやだってとんでもなくロマンチストで、いつもして欲しい事を、欲しい言葉をくれていて。
少しでもその喜びを返したくて。もっともっと、みやの望むことをしてあげたいって思う。
みや以外に、こんなこと素直に思えるような人に出会う事なんて一度も無かったから。

それは先程までの一気に燃え上がるような熱じゃなくて。
優しくて、けれどさっきよりも確かで心地よい熱を持った興奮。
強く愛しいと感じて、もっと深く繋がって愛したい。
ももだってもっといっぱい、知りたいんだ。みやのこと。

「みや」

「うん」

「みや……大好きだよ、みや」

「…う、ん……みや、もっ、はぁ……ちゅ」

私が動けば、みやも動く。私の唇を挟み込むようにして、もごもごと擦り合わす。
お互い全身の感覚が、触れているところだけに集中して。
頬から後頭部へと手を回して引き寄せ合う。指に絡みつく髪が、くすぐったい。
角度を変えて更に深く。触れ合わす度に空気が漏れて、小さな水音が響く。
そっと舌を差し伸ばせば、迎えるようにみやからも伸びてきて。

881 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/19(水) 23:00:03.56 0

「んんっ……ふっ……ちゅ、う……ん、むぅ……」

先端が触れ合う瞬間の、小さな電流にも似た刺激。
一瞬互いに強張って、でもすぐに抱き締め合うように、ダンスでも踊ってるみたいに絡み合う。
にゅるにゅるとした不思議な感触は、何度味わっても慣れなくて。
だからこそ飽きなくて、夢中にさせられる。もっと、もっと、ってしたくなる。

とろりと混ざり合う唾液を再び飲み込めば、身体の芯から熱くなって。
溢れて、顎を伝って零れ落ちる。頭の中が蕩けていきそうだ。
上顎をくすぐれば、鼻をくぅと子犬のように鳴らして。

「ふっ……ん、っ……くぅん、ちゅ、む……ぷぁ……っ」

息苦しくて離れる頃には、周りの空気はねっとりとしたものになっていた。


「ぷぁ……み、やぁ……」

「はぁ…もも…好き…好きなの……もっと、ギュッてして」

「…うん、こう?」

「そう。……あっ、もう少し強く、してほしい、かな」

言われた通り、ギュッと強く抱き寄せる。

882 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/19(水) 23:01:01.73 0

足まで絡め合わせてしまうと、隙間が無くなりそうなほどに密着した。
心地いいを通り過ぎて、熱くなった身体がお互いを更に高ぶらせていく。
素肌と素肌が擦れ合うだけでも、すごく気持ちが良かった。

「もっと……もも…」

身体を震わせて、熱い溜息を吐くみや。
さらに強く抱き寄せてもう一度キスをしようと、身動きした時だった。
不意に私の太ももがみやのそこを、ぐいっと押し上げてしまっていた。

「ふぁっ!?……んんっ!」

「あっ……」

まだ下着で覆われていたその部分。触れて感じたのは、ぐしゅりと濡れた布の感触。
でも決して冷たくはなくて、むしろその一枚向こうでどくどくとしている熱さを感じた。
自分の同じ場所を思わず意識してしまう。同じように熱くて、とろりと溢れていて。

一度意識してしまえば、気付くまでは早かった。
じんじんとそこから腰骨に向かって、強く疼いてしまう。その感覚に、身をぶるりと震わせた。
どうして今まで気付かなかったんだ。いや、気付かないでいた方が良かったのかもしれない。

883 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/19(水) 23:03:07.88 0

じわりじわりと理性は欲望に蝕まれて、耐えきれずにもぞりと身じろぎする。
でもそれくらいで疼きが誤魔化せるわけもなく、
もじもじとまるで求愛するみたいにみやに身体を擦り寄せてしまう。
そしてみやもそれに応えるかのように艶めかしくて。
その動きに、その顔にたまらなくなって愛おしい名前を呼ぶ。

「みや……、みや……」

肌と肌が擦れて、胸の先端同士が私達の間で転がされて。慣れない刺激がぞくぞくして気持ちいい。
けれど、足りない。この疼きを、この渇きを解消するには、まだ足りない。
快感で開きっぱなしのみやの唇を塞いで、舌も身体と同じ様に何度も絡ませる。

「んんっ……」

ぴくんと、小さく跳ねる身体。ああ、段々とみやのして欲しい事が分かって来たかもしれない。
そういえば本や雑誌で見た記憶がある。胸とか以外にも、色んなところを撫でたり、舐めたりするのも感じるって。
背中に回した手を、円を描くように撫で回してみる。少し逃げるようにみやが悶えた。

884 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/19(水) 23:04:07.59 0

なるほど。これはいい感じだ。撫でる範囲を広くしていって、どこが悦ぶか反応を観察して。
みやの呼吸が静かに、でも荒さを増していく。時折詰まったように、息が止まったりもした。

「ん……っぁ、もっと、して、もも。……出来れば、手はもう少しそっと」

言われて、触れるか触れないかぐらいの弱さでお尻や太ももを何度も撫で回す。
最初はくすぐったさを耐えているように見えたけれど、どうやら感じているみたいだ。
同時に、首筋の辺りを舐めてみる。

「ふぁっ!」

瞬間、ビクッと肩を竦めた。いつまでも耳に残るような可愛い声をあげてくれる。
これは効果的だと判断して、続ける。ぺろぺろと、甘いアイスでも食べてるみたいに。
みやの抵抗が強くなる、けれど刺激に耐えているだけで嫌がっているわけではないみたいだった。

「んっ、はぁ…もも…はっ……ッ、ぁ……あっ……」

小さく喘ぎながら、みやもまた同様に私の身体を撫でさする。
されてみるとわかる。普通のスキンシップが、こういう時にどれだけ違う効果を持つかということに。
神経が通ってないはずの髪を撫で梳かれるだけでも、ちょっとおかしいぐらいに敏感に感じ取っていた。

918 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/20(木) 00:13:31.88 0

首筋や脇腹をそっと撫でられようものならば、次の動きに期待して甘えるように鼻を鳴らしてしまう。
身体が熱くなって、うっすらと浮き出た汗で肌の感覚が高まっていく程、もっとみやが欲しくなる。

「ふぅ、ん……ぁ……」

背骨をくすぐるようになぞりながら、腰骨のあたりをぐりぐりする。
するとたまらないとでも言うように、熱い溜息を返してくれる。
気持ち良くなってくれるのが嬉しい。艶を帯びた声を聴くと、顔を見ると、こっちまでドキドキしてくる。
私しか知らないみやだ。こんな可愛い表情を一人占め出来るだけだって、贅沢すぎる。

でも、まだ物足りないの。もっと見たくなる。
私にしか見せないみやをもっと見たい。もっと多くを見せて欲しい。
溺れるほど貪っても物足りなくて、底が見えない自分の欲望が少し怖くなることもある。

ただ一緒にふざけて笑っているだけでも、歌っているだけでも楽しかったはずなのに、
気付けばいつの間にかお互いすっかり大人になって。
ライバルで仲間で相棒だったのに、こんなにも惹かれ合ってしまって、
いつかはただの友達に、なんて絶対に、絶対になりたくなくて。
ももちであることを通す為だったとは言え我儘なももの事をとんでもなく甘やかしてくれて。
お互いに背中を預けて、寄りかかるだけでは満足できなくなって。
今ではこんな事までしてるし……。

「はぁっ、ふぁっ、っん……ももっ!も、もぉ」

「……みや」

920 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/20(木) 00:14:45.79 0

耳元にかかる熱い吐息。くぐもったような鼻にかかった甘い声に呼ばれて、どきりとする。
息も上手く出来ずに、欲望に溺れて蕩けきった顔を向けるしかなくて。
熱っぽい切なげな顔が近づいてくる。優しくて、甘い、とろけるようなキス。


「ふぁ…はぁ…もも、も。もう、我慢できそうにない……みやがほしい」

「…みや、も。お願い……きて?」

素直に求めてくるみやにどこまでも蕩かされて、溺れていく。どうしようもなく好きで、欲しい。
レースに覆われたピンク色の下着に指をかけた。これが、最後の一枚だ。
ゆっくりと、足先へ向けて力を込める。白い下腹部がだんだんと露わになって。
少し腰を浮かせてくれると同時に擦れたのか、くぷ、と水分を纏った生々しい音に息を飲む。
そうさせてるのはももなのだと思うと、目元がじわりと潤んで、熱くなっていく。

「あっ……」

脱がせた先を見て溜息が零れてしまった。はぁ……と長く、熱く。
粘液に濡れて、赤く花が咲いてるかのような。けれど奥はぱっくりと口を開いて。

921 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/20(木) 00:15:26.01 0

「……そんな、ずっと見てないでっ……もも」

とろとろと蜜を吐き出しながら、みやの呼吸に合わせてひくひくと息づいている。
自分のですらあまりまじまじとなんて見たことのないその場所。なんとも言えない気分になる。
一見グロテスクなんだろうけれど誘ってるかのように無茶苦茶にエロティックで、酷く綺麗で魅せられた。
朝の光の下、隠すものなど何もない。その事実が、身体の熱を更に上げた。

「はぁ……、ごめん。ごめんね、みやが綺麗で見惚れてた……みや、触るよ?」

粘膜の露出した部分をくすぐるようにして、誘われるまま優しく指でなぞり上げた。

「ん……っあ……ひっ、ん……は、あ……んんぅ……」

くちゅくちゅと粘質な水音を響かせる度に、いやいやをするみたいに頭を振って悶える。
その感じてる顔が可愛くて、その声に頭がクラクラした。愛しくて、もっと見たくなる。

「……みやの、ここ、凄い事になってる」

「っ、はぁ。ふーっ、はぁっ、…はぁ、だっ、て……言わなくて、いい、って……ひぁっ」

922 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/20(木) 00:16:08.91 0

指先をちょっとずつ中へと埋め込んでいく。
とろとろに溶けて柔らかくなった肉を掻き分けて。
時折小さい蕾を親指で掠めるように、円を描くように触れてみる。
中指と人差し指で傷つけないように注意しながら狭くて熱い道を進んだり戻ったり。
荒くなったみやの呼吸に合わせて、くぷ、と音を立てて奥へと指を伸ばしていく。
みやの中は指をきゅうと締め付けて、内側へと誘うように吸い付いてくる。
その動きとさっきから聞こえてくる吐息にたまらなくなって、舐めてみたくなって顔を近づけようとして。

「っ…ま、待って、もも。……はぁ、もも、足ごと開いて……背中こっち、向けて?……はっ……」

「えっ?あ、うん……こう?」

「そう。はぁ、はぁ……体勢、辛かったら、このまま、みやの上に腰落としても良いから」

言われたとおりに向きを変えて。みやの意図を察して、足を開いて。
知識としては知っていたけど、実際にお互い同時にする行為は想像もつかなくて。

923 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/20(木) 00:17:55.73 0

後ろから前に回された手で焦らすようにゆっくりと下着を脱がされて。
太ももを下から上へ、外側から内側へ何度も何度も撫でられて、
見えてないのに視線がそこに集まってるのを感じる。じりじりと焼かれるようで。


「んん……っく…ふー。……はぁ……も、駄目。みや、もっう……触っ、て」

「うん。ねぇ、もも……ちゅっ。出来たらで良いから、同じように。一緒に、して?」

みやの指で入口をそっと触られる度、とろりと溢れて、
ひくついてみやを欲しがってしまって。その度に奥が熱くなってキュンキュンしてしまう。
勝手に動くのが恥ずかしくて、もう足を閉じてしまいたくなる。
でもみやだから。見られてもいい、みやになら何をされてもいいとも思った。

「本当に綺麗……もも。はぁ……可愛い、もも……んっ」

「ふ、あっ、……はぁ…あぁ…っ……みや、び……ふぁっ!?」

926 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/20(木) 00:22:44.35 0

柔らかくて温かい何かが、そこを這う。ぴちゃりと。みやの舌だ。
背中に向けてゾクって快感が走って、奥がキュンと疼く。
甘ったるい声が止まらなくなって恥ずかしいから、誤魔化すようにみやのそこを舐めた。

唾液よりも複雑で不思議な味だった。身体の内側を熱くさせて、どろどろに甘ったるく蕩かせるような。
ただ、もっと味わいたい。そんなみやへの強い欲求と渇きを感じてしまう。
与えられる快感に耐えながら足を開いたまま、負けじとみやの間に潜り込む。顔を近づけていって。
吐息がかかってくすぐったいのか、内ももがピクピクと痙攣していた。
花弁を押し上げるように、伸ばした舌先で逃すまいと舐め取っていく。

「ふっ、……んんっ。……もも、…っ……もも」

「っあ……っ、みや……は、あ……んんぅ……ふっ、は」

互いに喘ぎながら、相手を攻めて。
されたように指を入れて掻き回したり、尖った蕾をそっと舌先でくすぐったり。
触れ合う全身がじんじんと痺れて、気持ちよくて溶けてしまってるかのようで。
どこからが私で、どこからがみやなのかわからなくなる。
身体の境界が曖昧になって、一つに混ざり合ってしまうような。

ただ、みやの声が聞きたいから。みやの名前を何度も呼んで求めていく。
息も絶え絶えに喘ぎながら、甘く切なくももの名前を呼ぶみやの声が聞きたかったから。
みやが求めてくれるなら、どこまでも。ももの全てを与えてしまいたい。
私の欲望をなんであろうと受け入れてくれるというならば、どこまでも―――

927 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/20(木) 00:23:38.94 0




「ちょっと……もう、すっかりお昼時なんだけど」

「そうだねぇ」

みやの濡れた指をしゃぶりながら、その言葉に同意する。
指だけじゃなくてさっきから握りしめてたのもあってポカポカと暖かい手に、眠そうな声。
そりゃそうか、昨夜も一度したのに朝からあれだけ激しくすれば眠くもなる。
実際、私も少し眠くて。抱き合ったままのみやの体温が心地よくて、何だかすぐにでも寝てしまえそうで。

「ね。ご飯、どうしよっか?作る?」

「んー?……みやでいいよぉ」

冗談交じりで答える。半分は本気だけど。だとしても散々食べたのにまだ物足りないのか。
みやは少し目を丸くして、頬を染めてから少しだけ困ったように笑って。

「……本当、こんな底なしだとは思わなかったわ」

「どうせももは、貪欲ですよー」

そう言って悪戯っぽく笑い返してやると、思いかけず頬にキスされた。

929 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/20(木) 00:24:07.10 0

あまりの可愛い不意打ちに、驚きで思わずぽかんと固まってしまって。
次いで込み上げてくる恥ずかしさとみやへの愛おしさと嬉しさで一杯になって。かあぁっと頬が熱くなっていく。
ああ、さっきまであんなにえっちなこと一杯してたのに、どうしてこんな時の方が恥ずかしいんだろう。

「ふふっ。照れちゃって。ももってば可愛い」

「う、うるさいなー……」

クスクス笑うみやの視線から逃れるように、胸に顔を押し付けて。
甘えるように頬擦りしたら、なんだか本当に眠くなってきた。

「ねー。みやぁ」
「ん?なぁにー?」
「ちょっとだけ。ちょっとだけで良いからお昼寝しよ?ご飯はパンでいいからさぁ……ももちゃんちょっと眠いの」
「ったく。仕方ないなぁ」

私をギュッと抱き寄せて、あやすように背中をぽんぽん叩くみやの手が優しくて温かい。
意識が少しずつまどろんでいって落ちていく。ゆっくり、ゆっくり。沈むように。

「みやぁ……」

934 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/20(木) 00:26:18.61 0




眠る前、幸せそうに一度名前を呼んで、そのままあっという間に寝てしまった。
最中に一瞬、多分ももも気付いてないだろうけど、雅、と呼んでくれたのがすごく嬉しくて。
そして今は甘ったるく幸せそうな声で呼ばれて。本当に、こんな喜びは誰かに報告したい位。

無防備なももの眉毛とそばかすを指先でつんってつつく。
安心しきったような穏やかな寝顔は、ほんのりとピンク色に染まったまま、相変わらず可愛くて。
ああ、もう。このままじゃ本当に布団の中で一日中ももとゴロゴロすることになりそうだ。
……でも、それって本当にすごく幸せなことだけど。
こんなにゆっくりした日もたまには悪くないけれど。

パンで良いって言ってたけど、多分それじゃきっとお互い物足りない。
ももが起きたらたまには良いでしょって、一緒に外で美味しいご飯でも食べに行こう。
みやだって少し位はももとデートしたいのってお願いしよう。
お腹空いて不機嫌になってたら途中でスタバにでも寄れば良い。
ももが美味しそうに食べるの見るの、すごく幸せそうで本当好きなんだよね。

ありがとう、もも。あの時みやを選んでくれて。もう良いよって笑ってくれて。

みやを、信じてくれて。みやをずっと好きなままでいてくれて。好きでいる事を許してくれて。
言われなくてもみやは。ももの顔を見るだけで、声を聴くだけで、触れられるだけで。
きっと傍に居れるだけで毎日誰よりも、ももの事が好きになってしまうから。


「ねぇ、もも。……みやね、ももの事を好きになって本当に良かった……」


ちょっと先の幸せな未来を噛み締めながら、ももを腕の中に抱きしめて、
暖かさと愛おしさで潤み始めた目蓋をそっと閉じた。



END

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます