まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

107 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/08(水) 23:27:37.15 0

気づいたら一ヶ月位、自宅に帰れてない。
時間の感覚なんてとっくにおかしくて、辛うじて外の明るさで昼か夜かが判別できるくらい。
会社から支給されたスマホは肌身離さずまるでお守りなのかなって思うくらいずっと持ちっぱなし。
まぁ何からも守られてないし、今のところコールが鳴る度に厄が積み重なってる気がしてならないけれど。
プライベート用のスマホはいつから触ってないんだろう。自宅に置きっぱなしだ。
通知……たまってるかな。
返事待ちのメッセージがたくさん来てたら申し訳ないな。一通も来てなかったらそれはそれで悲しいけど。
「……吐きそ」

込み上げてくる吐き気を我慢できなくて、トイレに駆け込んだ。

「けほっ……トマトジュース……?」

おかしいな、仕事中はコーヒーばっかり飲んでたはずなんだけどな。
なんてことをぼんやりと考えていたら床と天井がひっくり返って。そのまま、ブラックアウト。



再起動を果たした時にはあれから既に数日経過していたようで。
割とヤバイ状態だったと病院の先生から聞いた。
最低でも一週間は入院しなきゃいけないらしい。

「心配、してるのかな」
枕元に置いている充電中のスマホに手を伸ばす。電源を入れてみると……うわ、わ。通知がわんさか。
とりあえず、未読メッセージを読む前に謝罪と現在入院している旨をまとめたメッセージを送る。
「わ、既読付くのはやっ……」

すぐに既読になったと思いきや「どこにいるの」とメッセージ。
面会謝絶になってるわけじゃないし……と病院名と病室の場所を教えてあげた。念の為「授業サボったら面会謝絶にするからね」と一文を添えておいた。
多分到着するのは二、三時間後になるだろうし、仮眠を取ろうと目を閉じた。
がらりと病室の扉が開く音で目が覚めて。

108 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/08(水) 23:29:01.23 0

「……びっくりした」

視界はみやの顔でいっぱい。無表情で見つめてくるから怒っているのか、呆れているのか、判断ができない。

「……もも」
「うん。ももちだよ」

こつりと額同士が重なる。少し冷たいようなぬるいような。雫が顔に落ちる。ここだけまばらに雨が降ってるみたい。
「ごめんね、不安にさせたよね」
「別に。分かってたことだし」
「それでもごめんね」
ぱたぱたと降り落ちる雫の量は減りそうもない。

「勝手にいなくならないで。離れる時は、ちゃんと捨てて」
「捨てないよ。みやも捨ててから離れてね」
「……離れるなんて、言ってないじゃん」

みやの瞳から溢れる雫はとても綺麗で。引き寄せて、舌で掬い取る。
「……くすぐったい」
「つい、舐めたくなって」
「なに、それ」
「一旦離れよっか」
ずっとその体勢だとみやが辛いだろうと声を掛けたけれど、

「嫌」
「んっ……」
離れるどころか距離は一気に縮まって。
口に広がるのは、さっきの雫よりもあたたかくて甘いモノ。
もっと味わいたくて、伸ばして、更に絡めた。
口の端から零れようが構わない。
求められていたもので、私も求めていたものだから。
ああ、そういえば。キスはこれが初めて、だったっけ。

109 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/08(水) 23:29:55.77 0

「……くらくらする」
「酸欠になるまでするからでしょ」
「んー……久々にみやに触れたからかも」
「……ばか」
それか降り落ちる雫で溺れたのかも、なんてそんな気障な台詞が浮かんだけれど。
口には出さないでおいた。これ以上、顔をトマトみたいにさせちゃったら怒られそうだし。
「早く治してよね」
「みやの顔見たら大分気が楽になったから大丈夫」
「そういうのいいから」
おでこをぺしりと叩かれる。私の方が年上のはずなのに、みやの方が大人びて見えるってどうなんだろう。
流石にちょっと焦るっていうか、大人っぽいとこ見せなきゃいけない気がしてくる。みやにはいつもみっともない所しか見せてないきがするけど。
「お見舞いありがとね。でも毎日きたら駄目だよ」
「は……? なんで……?」
「誰とどこで鉢合わせするか分からないし、変な噂が広まってみやに迷惑がかかるのは嫌だから」
「……っ」
ごめんね、とそっと頭を撫でた。
本心では毎日でもお見舞いに来て欲しいって思ってる。そう言ったら本気で実践しそうだから言えない。
ただ、そのかわり。

「みや、手だして」
「なに……?」
怪訝な顔をしながらも素直に出してくれた手を掴んで、唇を押し当てた。

「ちょっ……!」
「ん……みやは白いからくっきり残るね。結構綺麗にできたでしょ」
ブレザーで隠れるギリギリのところ。
手首に付けたのは、赤い印。
「普段はいいとして、体育の時見えるんだけど」
「どこかにぶつけたって言って絆創膏でも貼ってたらばれないよ。それが消えたらまたお見舞いに来てよ」
約束をあげる。
自分に出来る事はこれくらいしかない。
印が消えるころには体調も良くなってる、はず……うん。
「消える前に退院したらどうするのよ」
「え? そうだなぁ……退院祝いにみやの言う事を聞くっていうのは」
「乗った」
「返事早くない?」
「言い出したのはももでしょ。」

刺すような痛み。歯型の付いた小指。
絡め合うのは小指と舌先。
今は、それだけ。

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