まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

600名無し募集中。。。2020/03/02(月) 00:49:03.900
高校時代



終業式の後の生徒会の集まり。
昼食の買い出しに行ったももが戻って来たのは開始時刻の寸前。
渡されたのは謎の飲み物とサンドウィッチとカップ麺。
ももの飲み物も何かよくわからないパッケージで仕方なく渡された謎の飲み物を飲んでみた。

「あっこれ意外に普通」
「ほんとに?」

はいっと渡すと恐る恐る一口飲んだももは本当だと意外そうな反応。

「ももが買って来たのにそれはなくない?」

じとっとした目で見るとゴニョゴニョと言い訳じみたことを口にした。

「はいはい、二人ともそこまで。それより文化祭どうするか考えてきた?」

開始時刻ちょうどの佐紀の一言に一気に室内が静かになる。
昨日の集まりで考えてくるように言われた課題。
生徒会はステージでの出し物と決まっているためできることが限られていて難しい。
昨日の今日では全く思いつかなかった。

「もう去年と同じで良くない?」

早々に考えることを放棄したらしい千奈美の適当な提案。
何故か去年の生徒会長が強く推して決まったコント。
あの時の空気は痛かった。
一瞬の間を置いて全員から反対の声があがった。

「他は何かある?」
「劇はどう?」

携帯をいじっていたももからの突然の提案。
立ち上がると過去の資料が収まっている棚を漁り出したももが一冊のファイルを取り出し机の上に広げた。

「なにそれ?」
「なんか十年前に予算の関係でトラブルが起きてできなかった劇の台本みたい。何も思いつかないんだしこれにしない?」
「予算かかるなら無理でしょ」

佐紀の言葉になぜか得意げなもも。

「なんと、去年のコントの衣装とセットが使い回せます」
「はぁ?」
「それどんな内容なの?」

佐紀の声にウキウキとした茉麻の声が被る。
確かに去年の意味不明なコントのゴスロリ衣装が使えるなんて内容が気になる。

601名無し募集中。。。2020/03/02(月) 00:51:40.960

「三人の男と四人の女の恋愛物語?舞台が中世で貴族と豪商と娼婦のドロドロしたお話みたい」
「たぶん内容がアウトでしょ。それに一人足りないし」

佐紀の言う通りももの言った内容では確かに文化祭でやるにはダメな気がするし、そもそも許可がおりるとは思えない。

「ここ見て」

ももの指差すファイルの最初のプリントにはなんと今の校長の承認印。
それならドロドロといっても大したことはないのかと少し安心する。

「後一人は中等部の生徒会から一人出て貰えばどうにかなるでしょ」
「…とりあえず内容を確かめてからね」

六人分コピーされたその台本を昼食を食べながら目を通していく。

登場人物は性別を偽った貴族の女と2組の貴族の夫婦と実は貴族の庶子の商人の男と愛人の女。

主役は性別を偽った貴族の女は男として当主になる。
貴族の夫婦のうちの一組が登場して早々に事故に遭い夫が死亡し、妻は未亡人に。
実はこの事故はこの妻を手に入れたかった豪商の男によるもの。
しかし主役の家の傍流だった未亡人の女は子どもがいたため主役の妻として迎え入れられる。
それと同時期に豪商の男はもう一組の夫婦の妻に証拠を握られ脅されて愛人関係に。
それに気づいた豪商の情婦だった女は夫に近づき色々と画策し始める。

そこまで読んだところで頭が混乱し始めた。

「読み終わった?」
「まだ、ってかもうよくわかんなくなってきた」
「あたしもー」

とっくの昔に諦めていたのかぐてーと机に頭をつけている千奈美は力なく同意してくる。
周りを見ると熊井ちゃんと茉麻はあと少しで読み終わりそうで佐紀はもう最後の一枚。

「ももはもう読み終わったの?」
「まぁ一応。概要は知ってたからざっと目を通しただけだけど」

なんで知ってるのか聞く前に読み終わったらしい佐紀から出た疑問に聞けなくなった。

「これ文化祭でやるのどうなの?」

途中までしか読んでいないけど尤もな佐紀の意見。
これを承認した校長は何を考えているのか。

「でも他にいい案ないでしょ?」
「うーんでもなぁ」
「じゃあ多数決で決めよう」

602名無し募集中。。。2020/03/02(月) 00:53:17.530>>604
>601

ももの提案は受け入れられ二人が読み終わるのを待って多数決に。
賛成なのはももと茉麻と直前にももに耳打ちされた千奈美と茉麻が賛成ならと熊井ちゃん。
本当に大丈夫かななんて言いながらも多数決だしねと諦めた佐紀はパンッと一つ手を打つ。

「じゃあ配役決めよう」
「はいはーい。あたし最初に死ぬ貴族の男役がいい」

元気よく立候補する千奈美にももがなんて耳打ちしたのか大体わかってしまう。

「他にやりたい人は?…じゃあ決まりね」

主役はドレスも着ないといけないがサイズが小さいために茉麻と熊井ちゃんは着れない。
消去法で残りの男役の配役は衣装の問題で豪商の男が熊井ちゃんにもう一人の貴族の男が茉麻になった。

「主役はどっちがするの?」

わくわくとした様子で佐紀とももを見る茉麻。
もう一枚の男役の衣装はかなり小柄なために主役はこの二人に限られる。

「…あの衣装、ももに合わせて去年作ったんだからももでいいんじゃない」
「あーそっか。もも短足だから佐紀ちゃんだと合わないよね。仕方ないからももが主役ね」
「短足じゃないですぅ。コンパクトなだけー」

佐紀の言葉に笑いながら同意する千奈美に猛然と反論するもも。
それを何故か微妙な顔で見ていた佐紀は主役はももって事でと話を終わらせてしまう。

「みやはどの役がしたい?」

残っているドレスのサイズは大体同じ。
だから自分がどの役をしたいかだけ。
最後まで読めていないからなんとも言えないけれどかなり悩む選択肢。

「くじにしたらどうかな?」

そう提案するももの前には既にあみだくじが。
横から千奈美がどんどん線を書き足していっている。

「みやはそれでいい?」

悩んだところで決まらない。
くじは意外にいい案に思えた。

「いいよ。先に選んで」

結果、未亡人役に。
佐紀は妻の役で中等部の子が愛人の役。
中学生が愛人の役。

603名無し募集中。。。2020/03/02(月) 00:53:44.920
しえん

604名無し募集中。。。2020/03/02(月) 00:54:16.510
>602

「これ大丈夫?」

誰からともなく出た言葉は皆同じ思いなのかもう一回くじやり直そうかなんて声が上がる。
そんな空気のなかゆっくりした熊井ちゃんの声が響いた。

「梨沙子なら大丈夫じゃないかなぁ」

確かに。
そう納得してしまうだけの色気はある。
でも大丈夫の意味合いが違うような。
同じ事を思ったのか目線だけでのやりとりが佐紀とももの間で交わされている。
それに少しだけモヤッとする。

「一応、先生に確認とってから梨沙子に打診してみる。ダメだったら誰かに応援を頼むってことでいいね」

特に反対の声はあがらず決定事項に。
他の細々とした事は一時間もしないうちに片付いた。

「じゃあとりあえず今日は解散ね」

中等部にお願いに行く佐紀と部活がある三人と別れ、ももと二人で帰路についた。

「あの台本なんでもも知ってたの?」
「バイト先の先輩に聞いて知ってたんだよ。その先輩の先輩が書いた台本でいつか日の目を見せて欲しいって言われてたらしくって」

携帯をいじっていたのはどこに台本があるか聞いていたかららしい。

「あっオッケー出たって佐紀ちゃんから」

歩きながら見ていた携帯のメール画面をこちらに見せてくる。

「次の集まりまでにみやもちゃんと台本読まないとね」
「がんばる。けど今日はもう限界」

そう言うとももは笑って夜に差し入れ持ってくから頑張りなよと家に入って行った。
バタバタと聞こえる足音はかなり急いでいるのかよく響く。
ももは今日もバイトらしい。
内部進学するから大丈夫なのだろうけれど一応受験生なのに去年までと変わらない頻度でバイトを入れているももが少々心配になる。
自分の部屋に入ると隣の玄関がバタンと開閉される音が聞こえてきた。
夜の差し入れはきっとあの美味しいケーキ。
それを思うと現金なことに少々の心配はなりを潜めももは成績上位維持してるし問題ないかとなってしまうのはいつもの事。
鞄から台本のコピーを取り出してよしっと気合を入れる。
頑張って読むかと机に向かって読み始めるも程なく睡魔に襲われ撃沈した。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます