361名無し募集中。。。2019/07/09(火) 01:21:51.520
ベッドサイドの時計を見やると、時刻は23時を示していた
ベッドに潜り込んで携帯でSNSの更新をしていると、玄関のチャイムがなった
え、誰
ベッドから起き上がって、恐る恐るモニターを覗きに行った
そこに映る人物を見て、一気に心拍数が上がる
玄関のドアを開けると、ももは前のめりになりながら入ってきた
慌ててその体を支える
「たっだいま〜」
「...ちょ、もも、酔ってるの?」
掴んだ手首、その先に見えたももの指には、指輪がはめられたままだった
いつもは外してから来るくせに
お酒弱いのに飲むからこうなるんだ
今はそんなこと言っても仕方ないから、とりあえずなんとか寝室に連れて行く
一緒に倒れ込むようにしてベッドに寝かせた
「もも、水持ってくるから離して」
上に乗っかるようにして抱きしめられたまま、ももは一向に離してくれない
首筋に鼻先を埋めてくるから、むずむずするんだけど
「もーも」
「んー、ぎゅー」
苦しいくらいに強く抱きしめられて戸惑う
こんなこと、しない
普段のももならみやにこんなことしないよ
−−−誰かと、勘違いしてるのかな
「はは、そういうことか」
納得してしまった
ただいまって言ったのも、指輪をはめたままここに来たのも
全部全部、勘違いしてるからじゃん
みやと、あの人を
ももはいつも、こんな風にあの人に甘えるのかな
想像してしまって、どうしようもないほどに悲しくなった
いつの間にか寝息を立ててるももの体はあったかくて、急激な睡魔が襲ってくる
悲しくたって辛くたって、眠くなる
そんな当たり前のことに、泣きそうになった
362名無し募集中。。。2019/07/09(火) 01:24:48.060
腕の痺れで意識が浮上する
痺れた方の腕を見ると、ももの頭が乗っかっていた
当の本人は心地良さそうに眠っていて、呆れる
体勢を整えようとして体を捩ると、ももが身動ぎしてそのまま向かい合う形になった
間近にある柔らかい寝顔に、思わず口元が緩む
鼻を軽く摘んでみた
「むー...」
「この、酔っ払い」
眉間に皺を寄せて、イヤイヤをするようにももが首を振る
その様子があまりに幼くて、笑っちゃった
一緒に原宿に行った日から、2ヶ月は経っていた
ももは気まぐれでしか来ないから、別に寂しくはなかったけど
...…嘘
本当は会いたくて会いたくて仕方なかった
だけどももにとってみやは、欲求不満を満たすための存在でしかない
結婚するって聞いた時、みやは上手く笑えてたかな
ももよりもものことが好きで、とにかく優しい人
そう穏やかな表情で話すももに、おめでとうって返すのがやっとだった
みやの方が、ももよりもその人よりも、もものことが好きだよ
なんて、口が裂けても言えやしなかった
363名無し募集中。。。2019/07/09(火) 01:29:27.380
隣で眠り続けるももの髪に触れる
優しく梳くとももが微笑んだ気がした
かわいい
ふわってした感情が湧き上がってきて、弾ける
−−−押し倒された時、あー怖いなって思っちゃって
あの時、なんでみやに言ったんだろう
今でもたまに、考える
そこに偶然居たのがみやだったから?
みやが代わりにって、そう言うのわかってたから?
それとも、
「んー、こっちー」
突然ももの腕が伸びてきて、抱きつかれた
起きたのかと思って顔を覗き込んでみたけど、目は閉じたままだからただの寝言らしい
ももの顔がさらに近くなる
睫毛は長いし、寝てるくせに唇尖ってるし、そばかすも見える
ほっぺをつんつんしてみたら、抱きつく腕にさらに引き寄せられた
吐息がかかる
「好き」
ももの口から発された言葉に、胸がぎゅって締め付けられた
夢の中で、あの人に会ってるのかな
幸せな夢なんだろうな
ばーか
残念ながら今抱きついてるのはみやだよー
あの人じゃなくてごめんね
「みやも好き」
声が震えた
なんだか涙が出てきちゃって
もものほっぺにこぼれないように、ちっちゃな頭を胸元に抱き込んだ
心臓に、ナイフが突き刺さってるみたいだった
ベッドサイドの時計を見やると、時刻は23時を示していた
ベッドに潜り込んで携帯でSNSの更新をしていると、玄関のチャイムがなった
え、誰
ベッドから起き上がって、恐る恐るモニターを覗きに行った
そこに映る人物を見て、一気に心拍数が上がる
玄関のドアを開けると、ももは前のめりになりながら入ってきた
慌ててその体を支える
「たっだいま〜」
「...ちょ、もも、酔ってるの?」
掴んだ手首、その先に見えたももの指には、指輪がはめられたままだった
いつもは外してから来るくせに
お酒弱いのに飲むからこうなるんだ
今はそんなこと言っても仕方ないから、とりあえずなんとか寝室に連れて行く
一緒に倒れ込むようにしてベッドに寝かせた
「もも、水持ってくるから離して」
上に乗っかるようにして抱きしめられたまま、ももは一向に離してくれない
首筋に鼻先を埋めてくるから、むずむずするんだけど
「もーも」
「んー、ぎゅー」
苦しいくらいに強く抱きしめられて戸惑う
こんなこと、しない
普段のももならみやにこんなことしないよ
−−−誰かと、勘違いしてるのかな
「はは、そういうことか」
納得してしまった
ただいまって言ったのも、指輪をはめたままここに来たのも
全部全部、勘違いしてるからじゃん
みやと、あの人を
ももはいつも、こんな風にあの人に甘えるのかな
想像してしまって、どうしようもないほどに悲しくなった
いつの間にか寝息を立ててるももの体はあったかくて、急激な睡魔が襲ってくる
悲しくたって辛くたって、眠くなる
そんな当たり前のことに、泣きそうになった
362名無し募集中。。。2019/07/09(火) 01:24:48.060
腕の痺れで意識が浮上する
痺れた方の腕を見ると、ももの頭が乗っかっていた
当の本人は心地良さそうに眠っていて、呆れる
体勢を整えようとして体を捩ると、ももが身動ぎしてそのまま向かい合う形になった
間近にある柔らかい寝顔に、思わず口元が緩む
鼻を軽く摘んでみた
「むー...」
「この、酔っ払い」
眉間に皺を寄せて、イヤイヤをするようにももが首を振る
その様子があまりに幼くて、笑っちゃった
一緒に原宿に行った日から、2ヶ月は経っていた
ももは気まぐれでしか来ないから、別に寂しくはなかったけど
...…嘘
本当は会いたくて会いたくて仕方なかった
だけどももにとってみやは、欲求不満を満たすための存在でしかない
結婚するって聞いた時、みやは上手く笑えてたかな
ももよりもものことが好きで、とにかく優しい人
そう穏やかな表情で話すももに、おめでとうって返すのがやっとだった
みやの方が、ももよりもその人よりも、もものことが好きだよ
なんて、口が裂けても言えやしなかった
363名無し募集中。。。2019/07/09(火) 01:29:27.380
隣で眠り続けるももの髪に触れる
優しく梳くとももが微笑んだ気がした
かわいい
ふわってした感情が湧き上がってきて、弾ける
−−−押し倒された時、あー怖いなって思っちゃって
あの時、なんでみやに言ったんだろう
今でもたまに、考える
そこに偶然居たのがみやだったから?
みやが代わりにって、そう言うのわかってたから?
それとも、
「んー、こっちー」
突然ももの腕が伸びてきて、抱きつかれた
起きたのかと思って顔を覗き込んでみたけど、目は閉じたままだからただの寝言らしい
ももの顔がさらに近くなる
睫毛は長いし、寝てるくせに唇尖ってるし、そばかすも見える
ほっぺをつんつんしてみたら、抱きつく腕にさらに引き寄せられた
吐息がかかる
「好き」
ももの口から発された言葉に、胸がぎゅって締め付けられた
夢の中で、あの人に会ってるのかな
幸せな夢なんだろうな
ばーか
残念ながら今抱きついてるのはみやだよー
あの人じゃなくてごめんね
「みやも好き」
声が震えた
なんだか涙が出てきちゃって
もものほっぺにこぼれないように、ちっちゃな頭を胸元に抱き込んだ
心臓に、ナイフが突き刺さってるみたいだった
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